脳の血管は、血液に含まれる異物が脳に悪影響を及ぼさないようにするため、血管の内部から外部に物質が出にくい構造をしている(「血液脳関門」)。
◆ 参照 当誌過去の "血液脳関門" 関連記事
(1) 血管の壁越え脳に薬剤!「J―Brain Cargo(Jブレインカーゴ)」!神経疾患に応用期待!/当誌 2016.11.21
(2) "ナノテクノロジー"を使って"脳へのがん転移"治す!"血液脳関門"を通過してがん治療!/当誌 2015.06.12
今回注目する下記引用サイト記事 : iPSで脳血管モデル 京大グループ、中枢神経薬の効果予測に/京都新聞/2017.02.24 - 08:50 は、 <ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から脳の血管の特徴を持つモデルを作製することに、京都大iPS細胞研究所の山下潤教授や山水康平助教らのグループが成功した。中枢神経に作用する薬剤の効果を予測するのに役立つ成果で、米科学誌ステムセル・リポーツで24日発表する。 脳の血管は「血液脳関門」とも呼ばれ、血液に含まれる異物が脳に悪影響を及ぼさないようにするため、血管の内部から外部に物質が出にくい構造をしている。このため、脳の中枢神経に作用する薬剤は神経に届きにくく、新薬の開発では、その薬剤が脳関門を通過できるかどうかを予測することが重要となっている> と報じている。
<......グループは、ヒトiPS細胞から作製した通常の血管内皮細胞を、同じくiPS細胞から作った神経細胞や神経細胞の機能を維持する役割のある細胞「アストロサイト」などと一緒に培養した。その結果、通常の血管内皮細胞が脳の血管内皮細胞に似た特徴を獲得し、この細胞をさらにアストロサイトと一緒に培養することで脳血管のモデルを作ることができた。この血管モデルは、実際の脳血管と同様の薬物の透過性を持っていることを確かめた。 山下教授は「中枢神経薬は多くが、脳関門を通らないために治験で失敗している。このモデルを使うことで事前に効果を予測できるので、薬剤開発費の節減につながる」と話している> とある。
iPSで脳血管モデル 京大グループ、中枢神経薬の効果予測に/京都新聞/2017.02.24 - 08:50
ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から脳の血管の特徴を持つモデルを作製することに、京都大iPS細胞研究所の山下潤教授や山水康平助教らのグループが成功した。中枢神経に作用する薬剤の効果を予測するのに役立つ成果で、米科学誌ステムセル・リポーツで24日発表する。
脳の血管は「血液脳関門」とも呼ばれ、血液に含まれる異物が脳に悪影響を及ぼさないようにするため、血管の内部から外部に物質が出にくい構造をしている。このため、脳の中枢神経に作用する薬剤は神経に届きにくく、新薬の開発では、その薬剤が脳関門を通過できるかどうかを予測することが重要となっている。
グループは、ヒトiPS細胞から作製した通常の血管内皮細胞を、同じくiPS細胞から作った神経細胞や神経細胞の機能を維持する役割のある細胞「アストロサイト」などと一緒に培養した。その結果、通常の血管内皮細胞が脳の血管内皮細胞に似た特徴を獲得し、この細胞をさらにアストロサイトと一緒に培養することで脳血管のモデルを作ることができた。この血管モデルは、実際の脳血管と同様の薬物の透過性を持っていることを確かめた。
山下教授は「中枢神経薬は多くが、脳関門を通らないために治験で失敗している。このモデルを使うことで事前に効果を予測できるので、薬剤開発費の節減につながる」と話している。
<中枢神経薬は多くが、脳関門を通らないために治験で失敗している。このモデルを使うことで事前に効果を予測できるので、薬剤開発費の節減につながる> という点こそが、<ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から脳の血管の特徴を持つモデルを作製すること> の意義だとされる...... (2017.02.26)
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