"iPS細胞" から、がん細胞 を攻撃する "免疫細胞"(キラーT細胞) を作り、がん治療にあたる試みはすでに実施されている。 ただ、患者本人の "iPS細胞" から "免疫細胞" を作製するアプローチには、多大なコストが掛かるという問題点があった。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 免疫細胞" 関連記事
○ <ヒトの免疫細胞の一種「(キラー)T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、これらを再生/増殖して再び患者の体に戻してがん治療に役立てようとするアプローチ......> ( iPS細胞 "がん殺傷免疫細胞"を作製成功!(京大ウイルス・再生医科学研究所グループ)/当誌 2016.11.23
今回注目する下記引用サイト記事 : 備蓄iPSでがん治療 京大、コスト抑え免疫細胞/日本経済新聞/2017.03.10 - 00:09 は、 <京都大学iPS細胞研究所の金子新准教授は9日、京大が備蓄するヒトのiPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り、マウスに移植して治療効果を確かめたと発表した。患者に移植すれば様々ながんを治療できる可能性がある。備蓄細胞を使うことで患者自身のiPS細胞を使うより治療費を数分の1以下に抑えられる。数年以内に臨床試験(治験)を目指す> と報じている。
<......仙台市で開催された日本再生医療学会で発表した。 健康な人の体内では、がん細胞を免疫細胞が攻撃して増殖を防ぐが、がん患者はこの能力が下がり病気が進行する。研究チームは備蓄したiPS細胞にがん細胞を認識する遺伝子を導入し、免疫細胞に育てた。 ヒトの肺がん細胞を腹部に移植した計8匹のマウスで実験。iPS細胞から作った免疫細胞を腹部に移植した4匹は60日後も全て生き残った。治療しない4匹は約40日で全て死んだ。 様々な細胞に育つiPS細胞から免疫細胞を作る研究が京大などで進むが、患者自身の細胞から作るiPS細胞を使うと治療費が高くなる。京大が健康な人から作って備蓄するiPS細胞を使えば、費用を数分の1以下に抑えられる。 今後は免疫細胞の移植回数や量を動物実験で見極め、治験を経て実用化を目指す。画期的な治療効果で注目を集める小野薬品工業などのがん免疫薬に続く次世代の治療法になる可能性がある> とある。
備蓄iPSでがん治療 京大、コスト抑え免疫細胞/日本経済新聞/2017.03.10 - 00:09
京都大学iPS細胞研究所の金子新准教授は9日、京大が備蓄するヒトのiPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り、マウスに移植して治療効果を確かめたと発表した。患者に移植すれば様々ながんを治療できる可能性がある。備蓄細胞を使うことで患者自身のiPS細胞を使うより治療費を数分の1以下に抑えられる。数年以内に臨床試験(治験)を目指す。
仙台市で開催された日本再生医療学会で発表した。
健康な人の体内では、がん細胞を免疫細胞が攻撃して増殖を防ぐが、がん患者はこの能力が下がり病気が進行する。研究チームは備蓄したiPS細胞にがん細胞を認識する遺伝子を導入し、免疫細胞に育てた。
ヒトの肺がん細胞を腹部に移植した計8匹のマウスで実験。iPS細胞から作った免疫細胞を腹部に移植した4匹は60日後も全て生き残った。治療しない4匹は約40日で全て死んだ。
様々な細胞に育つiPS細胞から免疫細胞を作る研究が京大などで進むが、患者自身の細胞から作るiPS細胞を使うと治療費が高くなる。京大が健康な人から作って備蓄するiPS細胞を使えば、費用を数分の1以下に抑えられる。
今後は免疫細胞の移植回数や量を動物実験で見極め、治験を経て実用化を目指す。画期的な治療効果で注目を集める小野薬品工業などのがん免疫薬に続く次世代の治療法になる可能性がある。
上記記事での核心ポイントは、<患者自身の細胞から作るiPS細胞を使うと治療費が高くなる。京大が健康な人から作って備蓄するiPS細胞を使えば、費用を数分の1以下に抑えられる> という点であろう。 がん細胞に対する免疫細胞の "効力の度合い" については別の課題になる...... (2017.03.13)
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