"iPS細胞" 技術が、"「創薬」研究" を "新たな段階" へと押し上げたことは良く知られている。
◆ 参照 当誌過去の "創薬研究" 関連記事
(1) "iPS細胞"技術は"再生医療"分野での成果に加え、「創薬」研究においても手堅く展開!/当誌 2014.09.20
(2) <iPS細胞を使った「創薬」が、大きな進展を見せている。根本的な治療法のない難病「軟骨無形成症」の新薬候補の化合物が見つかったとの研究成果がきょう発表された他、アルツハイマー治療薬への応用、新薬の副作用の検査など、多岐にわたる研究が進められている。さらに、iPS細胞を使うことで、現在、動物実験が前提となっている創薬の流れを根本から変える可能性もあるという......> ( iPS細胞が変える"薬の常識" ~最前線からの報告~/NHK ONLINE クローズアップ現代/2014.09.18/当誌 2014.09.20 )
(3) <......「これまで動物実験で効くと思われた薬の候補が実際の患者では効かないことが多くあったため、iPS細胞から変化させたヒトの細胞が薬作りに使えるのは、効果や安全性を見るのに非常に強い味方になると思う」......> ( iPS細胞使い治療薬の候補の物質特定/NHK NEWS WEB/2014.09.18 - 02:26/当誌 2014.09.20 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 生命科学実験、ロボットで自動化 産総研など/日本経済新聞/2017.03.20 - 01:30 は、 <産業技術総合研究所を中心とする産官学の研究チームは、生命科学実験をロボットを使って自動化することに成功した。ロボット複数台で同じ実験をして、ほぼ同じ結果が出ることを確かめた。生命科学は実験者による違いが大きく、同じ実験をしてもしばしば結果が異なる再現性の低さが問題になっている。ロボットによる自動化は、創薬研究の効率向上や研究不正の防止につながる> と報じている。
<......研究チームは産総研のほか慶応義塾大学、味の素、九州大学、理化学研究所、東京医科歯科大学の6機関。 生命科学の実験は「試薬を注入してかき混ぜる」「細胞を培養する」「増えた細胞を別の容器に移す」「遠心分離機にかける」といった様々な工程の組み合わせだ。研究チームは各工程について作業の仕方を分析し、その動きを数値化して、ロボットの動きを制御するプログラムを作った。 参加機関は市販の人型双腕ロボットにこのプログラムを組み込み、それぞれの実験拠点で共通の実験を試みた。 特定の遺伝子を増幅する試験では、全ての拠点で同じ特定の遺伝子を増幅できた。48種類の化合物からがん細胞と結合するものを選ぶ試験でも、どのロボットも同じ3種類を選び出し、再現性の高さを確認した。 また細胞内の様々なたんぱく質の量を測定する実験をしたところ、量が多いたんぱく質の測定値は、ばらつきが数%にとどまった。少量しかないものは人の手で測るのは困難なことが多いが、ロボットは約20%のばらつきで測定できた。 実験の工程を決め、プログラムをロボットに組み込めば実 できる。ロボットの知識は必要ない。夏目徹・創薬分子プロファイリング研究センター長は「生命科学で行う実験の約8割をカバーしているだろう」と言う。残る2割はあまり使われない工程なので、個々の研究機関が必要に応じてプログラムを作る。 産総研発のベンチャー、ロボティック・バイオロジー・インスティテュート(東京・江東)が販売しているロボットシステムにプログラムを組み込んだ。価格は1台約1億円。研究室で製薬会社がロボットを試用できる仕組みも整えた。夏目センター長は「5台ほど導入することで、相乗効果が期待できる」と話している> とある。
生命科学実験、ロボットで自動化 産総研など/日本経済新聞/2017.03.20 - 01:30
産業技術総合研究所を中心とする産官学の研究チームは、生命科学実験をロボットを使って自動化することに成功した。ロボット複数台で同じ実験をして、ほぼ同じ結果が出ることを確かめた。生命科学は実験者による違いが大きく、同じ実験をしてもしばしば結果が異なる再現性の低さが問題になっている。ロボットによる自動化は、創薬研究の効率向上や研究不正の防止につながる。
研究チームは産総研のほか慶応義塾大学、味の素、九州大学、理化学研究所、東京医科歯科大学の6機関。
生命科学の実験は「試薬を注入してかき混ぜる」「細胞を培養する」「増えた細胞を別の容器に移す」「遠心分離機にかける」といった様々な工程の組み合わせだ。研究チームは各工程について作業の仕方を分析し、その動きを数値化して、ロボットの動きを制御するプログラムを作った。
参加機関は市販の人型双腕ロボットにこのプログラムを組み込み、それぞれの実験拠点で共通の実験を試みた。
特定の遺伝子を増幅する試験では、全ての拠点で同じ特定の遺伝子を増幅できた。48種類の化合物からがん細胞と結合するものを選ぶ試験でも、どのロボットも同じ3種類を選び出し、再現性の高さを確認した。
また細胞内の様々なたんぱく質の量を測定する実験をしたところ、量が多いたんぱく質の測定値は、ばらつきが数%にとどまった。少量しかないものは人の手で測るのは困難なことが多いが、ロボットは約20%のばらつきで測定できた。
実験の工程を決め、プログラムをロボットに組み込めば実験できる。ロボットの知識は必要ない。夏目徹・創薬分子プロファイリング研究センター長は「生命科学で行う実験の約8割をカバーしているだろう」と言う。残る2割はあまり使われない工程なので、個々の研究機関が必要に応じてプログラムを作る。
産総研発のベンチャー、ロボティック・バイオロジー・インスティテュート(東京・江東)が販売しているロボットシステムにプログラムを組み込んだ。価格は1台約1億円。研究室で製薬会社がロボットを試用できる仕組みも整えた。夏目センター長は「5台ほど導入することで、相乗効果が期待できる」と話している。
<ロボットによる自動化は、創薬研究の効率向上や研究不正の防止につながる> とあるが、まさにその通りかと思われる。 "自動化" の対象としてふさわしい適用と言うほかない...... (2017.03.22)
コメントする