"iPS細胞" が、移植治療に使われる再生医療分野での期待度を高めれば高めるほど、"iPS細胞" が内在する "がん化の恐れ" をどう抑止するのかという課題の解決が、否が応にも緊急度を増す。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 がん化の恐れ" 関連記事
(1) "がん化"の恐れある未分化/未成熟なiPS細胞、たんぱく質"CD30"駆使して除去! (阪大)/当誌 2017.04.25
(2) "iPS由来細胞のがん化"という最大課題に予防法:"GSI薬で処理"を開発!(慶応大チーム)/当誌 2016.09.25
(3) iPS細胞からの心筋細胞、"がん化抑制"に道!原因の未分化細胞を、特殊培養液で死滅!/当誌 2016.04.05
(4) がん化の恐れがある未分化のiPS細胞を見分けて除去する"抗体"作製!(立命館大チーム)/当誌 2015.07.30
(5) がんや腫瘍の原因となる未分化細胞!遺伝子"サバイビン"目印にアデノウイルスで駆逐!/当誌 2015.07.28
今回注目する下記引用サイト記事 : がん化の恐れあるiPS細胞、2時間で除去 京大が薬剤/日本経済新聞/2017.05.19 - 01:00 は、 <京都大学の斉藤博英教授らは18日、iPS細胞の中から、がんになる恐れのある不要な細胞を約2時間で除去できる薬剤を開発したと発表した。iPS細胞を移植治療に使う再生医療の安全性を高められる。成果は米科学誌セル・ケミカルバイオロジー(電子版)に掲載された> と報じている。
<......iPS細胞から神経や心筋などの細胞を作って人に移植する場合、変化しないまま残ったiPS細胞はがんなどの腫瘍になるリスクがある。現在は高額な機械を使って取り除く必要があり、より簡単で安価な手法が求められていた。 開発した薬剤はアミノ酸の集まりでできた「ペプチドD―3」と呼ぶ化合物。変化していないiPS細胞と心筋の細胞に育ったものを混ぜ、開発した薬剤を加えた。2時間ほどで変化しないままの細胞がほぼ消えた。正常な心筋細胞には影響が出なかったという。 マウスの精巣に移植したところ、薬剤を混ぜた場合は腫瘍ができなかったが、添加しない場合は8つの精巣のうち7つで腫瘍ができた> とある。
がん化の恐れあるiPS細胞、2時間で除去 京大が薬剤/日本経済新聞/2017.05.19 - 01:00
京都大学の斉藤博英教授らは18日、iPS細胞の中から、がんになる恐れのある不要な細胞を約2時間で除去できる薬剤を開発したと発表した。iPS細胞を移植治療に使う再生医療の安全性を高められる。成果は米科学誌セル・ケミカルバイオロジー(電子版)に掲載された。
iPS細胞から神経や心筋などの細胞を作って人に移植する場合、変化しないまま残ったiPS細胞はがんなどの腫瘍になるリスクがある。現在は高額な機械を使って取り除く必要があり、より簡単で安価な手法が求められていた。
開発した薬剤はアミノ酸の集まりでできた「ペプチドD―3」と呼ぶ化合物。変化していないiPS細胞と心筋の細胞に育ったものを混ぜ、開発した薬剤を加えた。2時間ほどで変化しないままの細胞がほぼ消えた。正常な心筋細胞には影響が出なかったという。
マウスの精巣に移植したところ、薬剤を混ぜた場合は腫瘍ができなかったが、添加しない場合は8つの精巣のうち7つで腫瘍ができた。
iPS細胞由来の "移植細胞" が、再生医療の臨床現場から強く求められている現状にあっては、上記記事のような "がん化抑止の薬剤" は、かなり貴重な役割を果たすに違いない...... (2017.05.20)
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