がん細胞(組織)に、より直接的な影響(打撃)を与えるために、"放射性物質" を何らかの方法で患部に取り込むというアプローチが追及されてきた。 もちろん、正常細胞への副作用除去が考慮された上での方法によってである。
◆ 参照 当誌過去の "放射線 体内" 関連記事
(1) (再)"特定の温度"で固まる性質を持った化合物×放射線物質と、"がん組織の温度"操作!/当誌 2017.04.28
(2) 体内で放射線放ち、ピンポイントでがん細胞をたたく薬剤!マウスで効果!(量子科学研)/当誌 2016.06.15
(3) 放射線"新"治療法研究(京大)!ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)!がん細胞だけを照射破壊!/当誌 2014.08.15
今回注目する下記引用サイト記事 : がん治療に放射性薬剤 32年度にも臨床国内初承認目指す 福医大/福島民報/2017.06.06 は、 <福島医大は平成32年度にも、放射性核種「アスタチン」を用いた最先端がん治療の人への臨床試験に着手する。実用化に向けた研究・開発費として、国の福島再生加速化交付金約12億円が付いた。アスタチンによるがん治療は国内外で注目を集めており、新薬の有効性と安全性を確立し、国内初となる薬事承認を目指す。県が5日、関連予算を計上した29年度一般会計補正予算案を発表した> と報じている。
<......■がん細胞に直接作用 アスタチンは、アルファ線を放出する半減期約7時間の放射性核種。体内に投与し、がん細胞に直接、放射線を照射する治療法「放射性同位元素(RI)内用療法」で使う薬剤の原料となる。 アスタチンを使ったがん治療のイメージは【図】の通り。特定のがんに集まる抗体などにアスタチンを結合させて製造した薬剤を注射などで体内に投与。直接アルファ線を照射することで、がん細胞を縮小・消滅させる。アルファ線はエネルギーが強い半面、体内では透過力がほとんどないため正常な細胞に与える影響は少ない。 医大によると、国内で承認されているアルファ線核種を応用したRI内用療法の薬剤は、現時点で前立腺がんが骨転移した際に使用される塩化ラジウムの薬剤しかない。アスタチンを用いた薬剤が薬事承認されれば国内初となる可能性が高いという。 同大は、先端臨床研究センターに国内の医療機関として初めて導入した最先端機器「中型サイクロトロン」でアスタチンの製造に成功し、医療応用に適した品質や量を確保できるようになった。29年度内に動物実験を始め、人への臨床試験に向けた研究を進める方針だ。 32年度にも予定している臨床試験では、肺や膵臓(すいぞう)などの難治性がんをはじめ、血液の進行性がんなどで効果を確認する。 ―― 以下略 ――> とある。
がん治療に放射性薬剤 32年度にも臨床国内初承認目指す 福医大/福島民報/2017.06.06 - 08:57
福島医大は平成32年度にも、放射性核種「アスタチン」を用いた最先端がん治療の人への臨床試験に着手する。実用化に向けた研究・開発費として、国の福島再生加速化交付金約12億円が付いた。アスタチンによるがん治療は国内外で注目を集めており、新薬の有効性と安全性を確立し、国内初となる薬事承認を目指す。県が5日、関連予算を計上した29年度一般会計補正予算案を発表した。
■がん細胞に直接作用
アスタチンは、アルファ線を放出する半減期約7時間の放射性核種。体内に投与し、がん細胞に直接、放射線を照射する治療法「放射性同位元素(RI)内用療法」で使う薬剤の原料となる。アスタチンを使ったがん治療のイメージは【図】の通り。特定のがんに集まる抗体などにアスタチンを結合させて製造した薬剤を注射などで体内に投与。直接アルファ線を照射することで、がん細胞を縮小・消滅させる。アルファ線はエネルギーが強い半面、体内では透過力がほとんどないため正常な細胞に与える影響は少ない。
医大によると、国内で承認されているアルファ線核種を応用したRI内用療法の薬剤は、現時点で前立腺がんが骨転移した際に使用される塩化ラジウムの薬剤しかない。アスタチンを用いた薬剤が薬事承認されれば国内初となる可能性が高いという。
同大は、先端臨床研究センターに国内の医療機関として初めて導入した最先端機器「中型サイクロトロン」でアスタチンの製造に成功し、医療応用に適した品質や量を確保できるようになった。29年度内に動物実験を始め、人への臨床試験に向けた研究を進める方針だ。
32年度にも予定している臨床試験では、肺や膵臓(すいぞう)などの難治性がんをはじめ、血液の進行性がんなどで効果を確認する。
―― 以下略 ――
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
外部から照射しての 従来からの "がん放射線治療" には、少なからず "副作用" が伴う。 これらを抜本的に改善しようとする上記記事のようなアプローチは、今後、益々試みられて行くに違いない...... (2017.06.07)
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