"記憶" には、"(単一の)出来事の有無" に関するものがあるだけではなく、"出来事間の時間の順序(時系列)" に関するものがあること、は容易に理解できる。
今回注目する下記引用サイト記事 : 出来事の順序を記憶する仕組みの発見 ― 過去・現在・将来の出来事は海馬で圧縮表現される ― 理化学研究所 同志社大学/理化学研究所 プレスリリース/2017.06.09 は、 <たくさんの写真が収まった思い出のアルバム。それらの写真が何かの拍子にバラバラになったとします。でも、写真の場面場面を思い出すことで、時間の順序通りに並べ直すことができますね。 このように私たちは日常の出来事を記憶するとき、それぞれの"内容"とともに、その出来事が起きた"順序"を覚えます。経験した出来事に関する記憶は「エピソード記憶」と呼ばれ、脳の海馬という部位が関わっていますが、どのような仕組みで出来事の内容と順序を記憶しているかはよく分かっていませんでした> と報じている。
<......今回、理研を中心とした共同研究チームは、ラットに音と匂いの情報を組み合わせて与える「組み合わせ弁別課題」という学習をさせ、その最中に海馬の個々の神経細胞の活動を記録しました。すると、音や匂いの情報に対応して選択的に活動する細胞を発見し、それを「イベント細胞」と名付けました。また、ラットの海馬における脳波のシータ波を観測し、出来事を記憶しているイベント細胞がシータ波のどのタイミングで活動しているかを調べました。これらの実験結果から、① 海馬の個々のイベント細胞は、その活動の"強さ"によって出来事の内容を表現すること、② イベント細胞の活動の"タイミング"によって出来事の過去・現在・将来の順序を表現していることが分かりました(図参照)。また、イベントの経過に伴い、イベント細胞の活動のタイミングが時間がとともに前進していく、「位相前進」と呼ばれる現象がみられました。この現象はラットが空間探索を行うときに活動する「場所細胞」で観察されることが知られていますが、イベントを経験しているときに位相前進が起きていることを示したのは、本研究が初めてです。 この成果は、私たちのエピソード記憶の仕組みを解明する上で重要な知見となります> とある。
出来事の順序を記憶する仕組みの発見 ― 過去・現在・将来の出来事は海馬で圧縮表現される ― 理化学研究所 同志社大学/理化学研究所 プレスリリース/2017.06.09
たくさんの写真が収まった思い出のアルバム。それらの写真が何かの拍子にバラバラになったとします。でも、写真の場面場面を思い出すことで、時間の順序通りに並べ直すことができますね。
このように私たちは日常の出来事を記憶するとき、それぞれの"内容"とともに、その出来事が起きた"順序"を覚えます。経験した出来事に関する記憶は「エピソード記憶」と呼ばれ、脳の海馬という部位が関わっていますが、どのような仕組みで出来事の内容と順序を記憶しているかはよく分かっていませんでした。
今回、理研を中心とした共同研究チームは、ラットに音と匂いの情報を組み合わせて与える「組み合わせ弁別課題」という学習をさせ、その最中に海馬の個々の神経細胞の活動を記録しました。すると、音や匂いの情報に対応して選択的に活動する細胞を発見し、それを「イベント細胞」と名付けました。また、ラットの海馬における脳波のシータ波を観測し、出来事を記憶しているイベント細胞がシータ波のどのタイミングで活動しているかを調べました。これらの実験結果から、① 海馬の個々のイベント細胞は、その活動の"強さ"によって出来事の内容を表現すること、② イベント細胞の活動の"タイミング"によって出来事の過去・現在・将来の順序を表現していることが分かりました(図参照)。また、イベントの経過に伴い、イベント細胞の活動のタイミングが時間がとともに前進していく、「位相前進」と呼ばれる現象がみられました。この現象はラットが空間探索を行うときに活動する「場所細胞」で観察されることが知られていますが、イベントを経験しているときに位相前進が起きていることを示したのは、本研究が初めてです。
この成果は、私たちのエピソード記憶の仕組みを解明する上で重要な知見となります。
<私たちは日常の出来事を記憶するとき、それぞれの"内容"とともに、その出来事が起きた"順序"を覚えます。経験した出来事に関する記憶は「エピソード記憶」と呼ばれ、脳の海馬という部位が関わっています> とあるも、<どのような仕組みで出来事の内容と順序を記憶しているかはよく分かっていませんでした> とある。 が、上記記事の研究成果がその解明の糸口になると期待されている...... (2017.06.11)
コメントする