他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った細胞を移植した際に起きる恐れがある拒絶反応の一つを、遺伝子操作を利用して回避すること については、昨日、注目したところだ。 やや補足するかたちで追加記述する。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 拒絶反応" 関連記事
○ <他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った細胞を移植した際に起きる恐れがある拒絶反応の一つを、遺伝子操作を利用して回避することに試験管内の実験で成功したと、京都大の河本宏教授(免疫学)らのチームが24日付の米科学誌電子版に発表した> ( "他人の"iPS細胞、"拒絶反応回避"に成功!遺伝子操作で、備蓄事業に応用期待!/当誌 2017.08.27 )
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS細胞移植、免疫細胞の拒絶反応を抑制...京大チーム発表/yomiDr. ヨミドクター/2017.08.25 は、 <iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞に対し、特定の免疫細胞が引き起こす拒絶反応を抑えることができたと、京都大ウイルス・再生医科学研究所の河本宏教授(免疫学)らのチームが発表した。論文が25日、米科学誌電子版に掲載される> と報じている。
<......京大iPS細胞研究所では、拒絶反応を起こしにくい特殊な免疫タイプの人から移植用のiPS細胞を作って備蓄している。ただ、第三者への移植になると、一部の免疫細胞からは攻撃を受けてしまう可能性が指摘されていた。チームは、こうしたiPS細胞から作った血管などの細胞に、免疫細胞の一種でがんを攻撃する役割を持つ「ナチュラルキラー(NK)細胞」を混ぜたところ、攻撃を受けて数が減ることを確認した。 NK細胞から免れるには、攻撃対象ではないことを示す「目印」のたんぱく質が細胞表面に必要で、遺伝子操作でこのたんぱく質を加えると、攻撃を受けなくなったという> とある。
iPS細胞移植、免疫細胞の拒絶反応を抑制...京大チーム発表/yomiDr. ヨミドクター/2017.08.25
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞に対し、特定の免疫細胞が引き起こす拒絶反応を抑えることができたと、京都大ウイルス・再生医科学研究所の河本宏教授(免疫学)らのチームが発表した。論文が25日、米科学誌電子版に掲載される。
京大iPS細胞研究所では、拒絶反応を起こしにくい特殊な免疫タイプの人から移植用のiPS細胞を作って備蓄している。ただ、第三者への移植になると、一部の免疫細胞からは攻撃を受けてしまう可能性が指摘されていた。チームは、こうしたiPS細胞から作った血管などの細胞に、免疫細胞の一種でがんを攻撃する役割を持つ「ナチュラルキラー(NK)細胞」を混ぜたところ、攻撃を受けて数が減ることを確認した。
NK細胞から免れるには、攻撃対象ではないことを示す「目印」のたんぱく質が細胞表面に必要で、遺伝子操作でこのたんぱく質を加えると、攻撃を受けなくなったという。
"京大iPS細胞研究所" での "iPS細胞の培養・備蓄" のねらいは、言うまでもなく、"第三者への安全で効率的な移植" であるに違いない。 だとすれば、<第三者への移植になると、一部の免疫細胞からは攻撃を受けてしまう可能性が指摘> という "難点" は何としても克服されなければならない。 今回の研究成果を踏み台として、この "難点" が解消されて行くことが期待される...... (2017.08.28)
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