"パーキンソン病のサル" を、 "iPSからのドーパミン産生細胞" 移植によって症状改善する研究については、昨日も注目したところだ。
◆ 参照 当誌過去の "パーキンソン病のサル" 関連記事
○ パーキンソン病のサル、"iPSからのドーパミン産生細胞"移植で症状改善!京大が確認!/当誌 2017.09.01
今回注目する下記引用サイト記事 : iPSでパーキンソン病改善 サルで1年超有効確認/京都新聞/2017.08.31 - 11:33 は、昨日の記事よりやや詳細なものであり、 <ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製したドーパミン神経細胞を、パーキンソン病のカニクイザルの脳に移植し、1年以上の長期にわたって有効性と安全性を確認したと、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授や菊地哲広研究員らのグループが31日、英科学誌ネイチャーで発表する。今回の成果などをもとに、2018年度中に治験を申請する方針も示した> と報じている。
<......パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞の変性が主な病因で、手足が震えから進行し、運動機能が失われていく。高橋教授らは、これまでにもヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞をパーキンソン病のカニクイザルの脳に移植する実験を行ってきたが、今回は、移植する細胞の作製法や量などを治験での計画と同一にして、詳細に評価した。 実験では、ヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞を8匹のカニクイザルの脳に移植した。移植が原因とは考えられない病気を発症した1匹を除いて移植後約1年にわたり、徐々に足の震えが減り、行動が活発化することが確認できた。また、サルの脳の組織を調べ、移植した細胞が一定量生着してドーパミンを作り出していることや、1年半から2年は脳内に腫瘍を作らないことも確かめた。 高橋教授や森実飛鳥助教のグループは、カニクイザル由来のiPS細胞について、拒絶反応が起きにくい細胞の型から作った神経細胞をカニクイザルの脳に移植すると生着率が高く、炎症がほとんど起きないことも確認し、英科学誌で同日発表する。治験では、拒絶反応が起きにくいヒトiPS細胞を備蓄した「iPS細胞ストック」を使った移植を行う予定で、その有用性も確認できたという。 高橋教授は「基礎研究を実際の医療に応用するためには、そのプロセスが重要となる。治験の前に、ヒトと同じ霊長類で有効性と安全性をしっかりと確認することができたと考える」と話している> とある。
iPSでパーキンソン病改善 サルで1年超有効確認/京都新聞/2017.08.31 - 11:33
ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製したドーパミン神経細胞を、パーキンソン病のカニクイザルの脳に移植し、1年以上の長期にわたって有効性と安全性を確認したと、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授や菊地哲広研究員らのグループが31日、英科学誌ネイチャーで発表する。今回の成果などをもとに、2018年度中に治験を申請する方針も示した。
パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞の変性が主な病因で、手足が震えから進行し、運動機能が失われていく。高橋教授らは、これまでにもヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞をパーキンソン病のカニクイザルの脳に移植する実験を行ってきたが、今回は、移植する細胞の作製法や量などを治験での計画と同一にして、詳細に評価した。
実験では、ヒトiPS細胞由来のドーパミン神経細胞を8匹のカニクイザルの脳に移植した。移植が原因とは考えられない病気を発症した1匹を除いて移植後約1年にわたり、徐々に足の震えが減り、行動が活発化することが確認できた。また、サルの脳の組織を調べ、移植した細胞が一定量生着してドーパミンを作り出していることや、1年半から2年は脳内に腫瘍を作らないことも確かめた。
高橋教授や森実飛鳥助教のグループは、カニクイザル由来のiPS細胞について、拒絶反応が起きにくい細胞の型から作った神経細胞をカニクイザルの脳に移植すると生着率が高く、炎症がほとんど起きないことも確認し、英科学誌で同日発表する。治験では、拒絶反応が起きにくいヒトiPS細胞を備蓄した「iPS細胞ストック」を使った移植を行う予定で、その有用性も確認できたという。
高橋教授は「基礎研究を実際の医療に応用するためには、そのプロセスが重要となる。治験の前に、ヒトと同じ霊長類で有効性と安全性をしっかりと確認することができたと考える」と話している。
上記記事での "iPS細胞の移植" (および、今後予定された治験)が、"炎症/拒絶反応" の回避を視野に入れたものであることは、以下の叙述から了解できる。
<カニクイザル由来のiPS細胞について、拒絶反応が起きにくい細胞の型から作った神経細胞をカニクイザルの脳に移植すると生着率が高く、炎症がほとんど起きないことも確認>
<治験では、拒絶反応が起きにくいヒトiPS細胞を備蓄した「iPS細胞ストック」を使った移植を行う予定で、その有用性も確認できたという>
"有用性と安全性" とが、大いに期待される治験になるものと思われる...... (2017.09.02)
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