iPS細胞を使った "輸血用血小板量産" という成果に、かつて注目したことはあった。 だが、"動物の体内で" 血液の元「造血幹細胞」を効率よく作製 という想定を超えた動向には目を見張らざるを得ない。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞 輸血" 関連記事
○ iPS細胞から輸血用"血小板"量産製法を確立!ベンチャー企業が"共同体"方式で!/当誌 2014.00.00
今回注目する下記引用サイト記事 : 東大 マウスで造血幹細胞を効率よく作製/日本経済新聞/2017.10.08 - 20:00 は、 <東京大学の山崎聡特任准教授と中内啓光教授らは様々な細胞に育つiPS細胞を使い、動物の体内で血液のもととなる「造血幹細胞」を効率よく作る基盤技術を開発した。造血幹細胞が体内で生まれる仕組みをマウスの実験で再現した。応用すれば、人の造血幹細胞をブタなど別の動物の体内で作り出す「血液工場」の実現につながる> と報じている。
<......研究チームはiPS細胞をマウスに移植すると、様々な組織の細胞が混ざったテラトーマ(奇形腫)と呼ぶ塊ができることを利用した。iPS細胞に3種類の遺伝子を入れておくと奇形腫の中で血管に似た構造ができ、血管の細胞から造血幹細胞が育つ。 遺伝子操作で貧血にしたマウスに、別のマウスから作ったiPS細胞を移植する実験をした。造血幹細胞ができる効率が向上。従来に比べ、10倍以上の数の造血幹細胞を作ることができた。従来は複雑な手法で効率も低かった。 骨髄にある造血幹細胞の移植はドナー不足が問題となっており、iPS細胞から造血幹細胞を作る技術開発が期待されている。 新技術で作った造血幹細胞をマウスに移植すると、血液や免疫の細胞を作ることを確認しており、移植治療に利用できるとみている。 中内教授らは人のiPS細胞を利用し、ブタなどの体内で人の臓器を作る研究にも取り組んでいる。今回の手法を応用し、人のiPS細胞をブタに移植して人の造血幹細胞や血液を生み出すことも視野に入る。 山崎特任准教授は「臓器を作るよりも仕組みが簡単なため、実用化のハードルは低い」という> とある。
東大 マウスで造血幹細胞を効率よく作製/日本経済新聞/2017.10.08 - 20:00
東京大学の山崎聡特任准教授と中内啓光教授らは様々な細胞に育つiPS細胞を使い、動物の体内で血液のもととなる「造血幹細胞」を効率よく作る基盤技術を開発した。造血幹細胞が体内で生まれる仕組みをマウスの実験で再現した。応用すれば、人の造血幹細胞をブタなど別の動物の体内で作り出す「血液工場」の実現につながる。
研究チームはiPS細胞をマウスに移植すると、様々な組織の細胞が混ざったテラトーマ(奇形腫)と呼ぶ塊ができることを利用した。iPS細胞に3種類の遺伝子を入れておくと奇形腫の中で血管に似た構造ができ、血管の細胞から造血幹細胞が育つ。
遺伝子操作で貧血にしたマウスに、別のマウスから作ったiPS細胞を移植する実験をした。造血幹細胞ができる効率が向上。従来に比べ、10倍以上の数の造血幹細胞を作ることができた。従来は複雑な手法で効率も低かった。
骨髄にある造血幹細胞の移植はドナー不足が問題となっており、iPS細胞から造血幹細胞を作る技術開発が期待されている。
新技術で作った造血幹細胞をマウスに移植すると、血液や免疫の細胞を作ることを確認しており、移植治療に利用できるとみている。
中内教授らは人のiPS細胞を利用し、ブタなどの体内で人の臓器を作る研究にも取り組んでいる。今回の手法を応用し、人のiPS細胞をブタに移植して人の造血幹細胞や血液を生み出すことも視野に入る。
山崎特任准教授は「臓器を作るよりも仕組みが簡単なため、実用化のハードルは低い」という。
上記記事のような <iPS細胞から造血幹細胞を作る技術開発が期待されている> のは、やはり <骨髄にある造血幹細胞の移植はドナー不足が問題となっており> という深刻な現状からなのであろう。 <今回の手法を応用し、人のiPS細胞をブタに移植して人の造血幹細胞や血液を生み出すこと> も待ち望まれる...... (2017.10.11)
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