保険適用での高額な治療薬が使われると、 <患者の負担を軽減する高額療養費制度で、患者の自己負担は一般的に月額8万7千円ほど。残りは国費や保険料でまかなうことになる......> とあり、<肺がんの患者数10万人のうち5万人がオプジーボを使ったら年1兆7500億円の医療費がかかるという資料が専門家から提出> とされていた。 ここから、高額な治療薬の "費用対効果" の観点での吟味が課題とされるに至った。
◆ 参照 当誌過去の "費用対効果" 関連記事
(1) 高額な肺がんなどの"がん治療薬オプジーボ"!財務省、臨時に価格引き下げ求める方針!/当誌 2016.10.03
(2) <対象の一つに免疫を再活性化させる新タイプのがん治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)が選ばれた。14年に皮膚がんの一種の治療薬として承認され、患者数は450人程度と想定。昨年12月には肺がんの一種に対する治療にも追加で承認された。 今月4日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)では、想定する肺がんの患者数10万人のうち5万人がオプジーボを使ったら年1兆7500億円の医療費がかかるという資料が専門家から提出された。患者の負担を軽減する高額療養費制度で、患者の自己負担は一般的に月額8万7千円ほど。残りは国費や保険料でまかなうことになる......> ( がんの治療薬「オプジーボ」など "費用対効果"検証(総医療費の抑制が目的)!(厚労省)/当誌 2016.04.30 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 高額な薬、費用対効果を評価 500万円以上を引き下げ対象に/共同通信/2017.10.25 - 18:19 は、 <厚生労働省は25日、高額な薬の価格に費用対効果を反映させる新制度について、寿命を1年延ばすのに既存薬より500万円以上多くかかる場合、価格引き下げの対象にする案を中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に正式に示した> と報じている。
<......厚労省は膨張する医療費の抑制策として、2016年度から試行的に新制度の導入を進めている。がん治療薬オプジーボなど革新性が高く市場規模が大きい13品目が対象。高額過ぎて効果に見合わないと判断されれば18年度の薬価改定で価格を引き下げる。18年度には対象品目をさらに広げて本格導入する方針だ> とある。
高額な薬、費用対効果を評価 500万円以上を引き下げ対象に/共同通信/2017.10.25 - 18:19
厚生労働省は25日、高額な薬の価格に費用対効果を反映させる新制度について、寿命を1年延ばすのに既存薬より500万円以上多くかかる場合、価格引き下げの対象にする案を中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に正式に示した。
厚労省は膨張する医療費の抑制策として、2016年度から試行的に新制度の導入を進めている。がん治療薬オプジーボなど革新性が高く市場規模が大きい13品目が対象。高額過ぎて効果に見合わないと判断されれば18年度の薬価改定で価格を引き下げる。18年度には対象品目をさらに広げて本格導入する方針だ。
"国の医療費膨張" を抑制するために "超高額な薬価" を引き下げるというのは適切な判断かと思われる。 ただ、<寿命を1年延ばすのに既存薬より500万円以上多くかかる場合> という判断に含まれる "寿命を1年延ばす" という基準は、言うほどに明瞭に測定可能なのであろうか。 現に、現行の "抗がん剤" の効き目は、"延命効果" というよりも "がん縮小効果" に主要な関心が向けられているようだからだ...... (2017.10.27)
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