これまで、長寿が定評であっただけに、都道府県別平均寿命での沖縄の順位低下は気にならざるを得ない......。
今回注目する下記引用サイト記事 : 社説[平均寿命 順位低下]現役世代の不健康深刻/沖縄タイムズ プラス/2017.12.15 - 07:05 は、 <出生や死亡の統計データを基に5年ごとに作成される都道府県別平均寿命で、沖縄は男女とも順位を下げた。女性7位、男性36位は共に過去最低だ。 1980年と85年、沖縄の男女は平均寿命全国1位だった。男性の順位が急落した2000年の「26ショック」から15年、順位が下がり続ける理由を県や医療関係者は、20~64歳の死亡率の高さにあると指摘する。厚労省の「年齢調整死亡率」によると、20~64歳の男性死亡率は今年、全国平均より50ポイント高く、女性も23ポイント高くなった> と報じている。
<......中でも20~64歳の沖縄女性は深刻だ。同世代の死亡率は全国的に低下傾向なのに、沖縄女性は悪化している。順位低下を受け医療関係者が異口同音に「もっと順位を下げると思った」と胸をなで下ろした背景には、中年女性の急激な健康悪化がある。 沖縄女性の死亡率は、35~39歳と40~44歳で全国ワースト。55~59歳44位で、60~64歳45位だった。主な死亡原因は、子宮がんと肝疾患、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、糖尿病となっている。 男性は35~39歳で全国ワースト。50~54歳46位、40~44歳、45~49歳、55~59歳、60~64歳で45位だ。多い死亡原因は肝疾患、大腸がん、慢性閉塞性肺疾患、自殺である。 これら35~64歳の男女に共通する死因は肺と肝臓の疾患で、病名からは喫煙や酒量が引き金になっていることが分かる。沖縄に蔓延(まんえん)する夜型社会が、男性のみならず、子育て・働き盛り世代の女性の健康をもむしばんでいる可能性がある。 ■ ■ 県は「健康長寿おきなわ復活県民会議」の中で、(1)健康診断の受診率アップ(2)肥満の解消(3)適正飲酒-の3本柱を挙げるが、目標達成には各項目の詳細な分析が必要だ。 例えば、特定健診の受診率は、全国42・6%に対し、沖縄は41・9%と若干低い程度にとどまる。だが健診を実施する団体別では、国保34・4%に対し、健康保険協会45・8%、共済健保55・8%と開きがある。会社員や公務員の受診率が高いのに比べ、自営業や零細事業所就業者の受診率が低い。加えて県内は、健診で再検査が必要となった人の精密検査の受診率も低いという。 肥満は、県民所得の低さが関与しているのではないか。米国では近年、低所得世帯ほどファストフードなどの高脂肪・高カロリーの食事を取りがちで、肥満に陥るとの調査研究が報告されている。 ■ ■ 過去を見ると、沖縄の20~64歳死亡率は男女とも1970年後半から全国を上回る好転を見せてきた。米軍統治下の感染症対策と、復帰後の経済復興による栄養状況の改善が、当時の現役世代の健康を支えたとみられる。一方で、同死亡率は90年代に入り悪化している。戦前世代には有効だった欧米化や近代化が、戦後世代に影を落としている可能性がある。 社会政策は健康寿命を左右する。長寿県復活には、個人の資質や努力にとどまらず、社会全体の健やかさを追求する姿勢が必要だ> とある。
社説[平均寿命 順位低下]現役世代の不健康深刻/沖縄タイムズ プラス/2017.12.15 - 07:05
出生や死亡の統計データを基に5年ごとに作成される都道府県別平均寿命で、沖縄は男女とも順位を下げた。女性7位、男性36位は共に過去最低だ。
1980年と85年、沖縄の男女は平均寿命全国1位だった。男性の順位が急落した2000年の「26ショック」から15年、順位が下がり続ける理由を県や医療関係者は、20~64歳の死亡率の高さにあると指摘する。厚労省の「年齢調整死亡率」によると、20~64歳の男性死亡率は今年、全国平均より50ポイント高く、女性も23ポイント高くなった。
中でも20~64歳の沖縄女性は深刻だ。同世代の死亡率は全国的に低下傾向なのに、沖縄女性は悪化している。順位低下を受け医療関係者が異口同音に「もっと順位を下げると思った」と胸をなで下ろした背景には、中年女性の急激な健康悪化がある。
沖縄女性の死亡率は、35~39歳と40~44歳で全国ワースト。55~59歳44位で、60~64歳45位だった。主な死亡原因は、子宮がんと肝疾患、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、糖尿病となっている。
男性は35~39歳で全国ワースト。50~54歳46位、40~44歳、45~49歳、55~59歳、60~64歳で45位だ。多い死亡原因は肝疾患、大腸がん、慢性閉塞性肺疾患、自殺である。
これら35~64歳の男女に共通する死因は肺と肝臓の疾患で、病名からは喫煙や酒量が引き金になっていることが分かる。沖縄に蔓延(まんえん)する夜型社会が、男性のみならず、子育て・働き盛り世代の女性の健康をもむしばんでいる可能性がある。
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県は「健康長寿おきなわ復活県民会議」の中で、(1)健康診断の受診率アップ(2)肥満の解消(3)適正飲酒-の3本柱を挙げるが、目標達成には各項目の詳細な分析が必要だ。
例えば、特定健診の受診率は、全国42・6%に対し、沖縄は41・9%と若干低い程度にとどまる。だが健診を実施する団体別では、国保34・4%に対し、健康保険協会45・8%、共済健保55・8%と開きがある。会社員や公務員の受診率が高いのに比べ、自営業や零細事業所就業者の受診率が低い。加えて県内は、健診で再検査が必要となった人の精密検査の受診率も低いという。
肥満は、県民所得の低さが関与しているのではないか。米国では近年、低所得世帯ほどファストフードなどの高脂肪・高カロリーの食事を取りがちで、肥満に陥るとの調査研究が報告されている。
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過去を見ると、沖縄の20~64歳死亡率は男女とも1970年後半から全国を上回る好転を見せてきた。米軍統治下の感染症対策と、復帰後の経済復興による栄養状況の改善が、当時の現役世代の健康を支えたとみられる。一方で、同死亡率は90年代に入り悪化している。戦前世代には有効だった欧米化や近代化が、戦後世代に影を落としている可能性がある。
社会政策は健康寿命を左右する。長寿県復活には、個人の資質や努力にとどまらず、社会全体の健やかさを追求する姿勢が必要だ。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
"米軍基地問題のリスク、ストレス" が、沖縄に集中していることを憂える人は少なくないはずである。 その結果が、上記記事のような、昨今の県民の平均寿命順位低下をもたらしている、と決め付けることはできない。 だが、そうした事情が背景にあるのではないかとの斟酌が日本国民に無いならば...... (2017.12.16)
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