"脳梗塞" による "脳の神経細胞" の破損は、"取り返しがつかず" 、その部分の機能に障害をもたらす、というのが定説のようである。 だが、これへの "挑戦的な研究" もまた進められている。
◆ 参照 当誌過去の "脳梗塞 幹細胞" 関連記事
(1) 神経や軟骨に変化する"幹細胞"を使った"脊髄の再生医療"を、2018年にも実現!(ニプロ)/当誌 2017.08.07
(2) 脳細胞の一種が、"脳梗塞"で損傷した神経細胞の断片を除去する"掃除屋"を! (山梨大)/当誌 2017.06.24
(3) "脳梗塞で死んだ細胞"を再生!事件現場(?)の"iSC細胞"で!兵庫医科大、定説覆す!/当誌 2017.01.07
今回注目する下記引用サイト記事 : 脳梗塞治療の定説覆す「脊髄」「他人の歯」を活用した治療法/BIGLOBE - NEWSポストセブン/2018.01.13 - 16:00 は、 <脳卒中の大部分を占める脳梗塞は、発症するとそのまま命を失うこともあり、幸いにして一命を取り留めても後遺症に悩まされるケースが多い。 脳梗塞治療で最大の難問は、「一度傷ついた脳神経組織は元に戻らない」とされる点だ。このため治療はリハビリによる機能回復がメインになる。 この"定説"を覆そうと挑戦を続けるのが、北海道大学病院の川堀真人医師だ。昨年11月、川堀医師のグループは、脳梗塞の患者の脊髄から取り出した幹細胞を用いた再生医療の臨床試験に着手したと発表した> と報じている。
<......「脳梗塞患者の脊髄から採取した幹細胞を培養して、脳がダメージを受けた部分の周囲に直接注射します。幹細胞の働きで脳神経組織が蘇り、運動機能が回復することを目指します」(川堀医師) 北大病院はすでに2人の急性期脳梗塞患者に幹細胞移植治験を行ない、成果を挙げた。 「通常の治療では車いすになる可能性のあった患者が杖を持って歩けたり、立つ練習ができるようにまで回復し、これまで見込めなかった運動機能の改善が見られます。2018年は安全性を確認する治験が終了する見込みで、その後は効果を確認する治験に入る予定です。 医学界の常識である『脳の細胞は一度死んだら修復できない』という説を覆す、希望の入口に立てたと思っています」(同前) 「他人の歯」を使ったユニークな脳梗塞の特効薬も実現に向けて動き出している。JCRファーマと帝人は、他人の歯から取り出した幹細胞を用いた急性期脳梗塞の治療薬を共同開発中だ。 「一般的に用いられる骨髄は細胞を取得する際の侵襲性が高くドナーに負担がかかるうえ、日本では細胞取得のシステムがなく海外からの輸入に頼ります。一方の歯髄由来幹細胞は廃棄される『抜かれた歯』から入手可能で、ドナーに負担をかけず採取できる。そこで当社は歯髄に着目しました」(JCRファーマ広報) 骨髄由来幹細胞には、神経を保護する、免疫を調整する、血管の新生を促すといった作用がある。 「これによって、脳梗塞の後遺症を軽減する効果が見込めます。これまでの薬は発症から数時間以内の投与に限定されましたが、当社の開発する歯髄由来幹細胞なら、発症から数日後の投与でも効果が期待できます。今年中に企業治験を開始する予定です」(同前)> とある。
脳梗塞治療の定説覆す「脊髄」「他人の歯」を活用した治療法/BIGLOBE - NEWSポストセブン/2018.01.13 - 16:00
脳卒中の大部分を占める脳梗塞は、発症するとそのまま命を失うこともあり、幸いにして一命を取り留めても後遺症に悩まされるケースが多い。
脳梗塞治療で最大の難問は、「一度傷ついた脳神経組織は元に戻らない」とされる点だ。このため治療はリハビリによる機能回復がメインになる。
この"定説"を覆そうと挑戦を続けるのが、北海道大学病院の川堀真人医師だ。昨年11月、川堀医師のグループは、脳梗塞の患者の脊髄から取り出した幹細胞を用いた再生医療の臨床試験に着手したと発表した。
「脳梗塞患者の脊髄から採取した幹細胞を培養して、脳がダメージを受けた部分の周囲に直接注射します。幹細胞の働きで脳神経組織が蘇り、運動機能が回復することを目指します」(川堀医師)
北大病院はすでに2人の急性期脳梗塞患者に幹細胞移植治験を行ない、成果を挙げた。
「通常の治療では車いすになる可能性のあった患者が杖を持って歩けたり、立つ練習ができるようにまで回復し、これまで見込めなかった運動機能の改善が見られます。2018年は安全性を確認する治験が終了する見込みで、その後は効果を確認する治験に入る予定です。
医学界の常識である『脳の細胞は一度死んだら修復できない』という説を覆す、希望の入口に立てたと思っています」(同前)
「他人の歯」を使ったユニークな脳梗塞の特効薬も実現に向けて動き出している。JCRファーマと帝人は、他人の歯から取り出した幹細胞を用いた急性期脳梗塞の治療薬を共同開発中だ。
「一般的に用いられる骨髄は細胞を取得する際の侵襲性が高くドナーに負担がかかるうえ、日本では細胞取得のシステムがなく海外からの輸入に頼ります。一方の歯髄由来幹細胞は廃棄される『抜かれた歯』から入手可能で、ドナーに負担をかけず採取できる。そこで当社は歯髄に着目しました」(JCRファーマ広報)
骨髄由来幹細胞には、神経を保護する、免疫を調整する、血管の新生を促すといった作用がある。
「これによって、脳梗塞の後遺症を軽減する効果が見込めます。これまでの薬は発症から数時間以内の投与に限定されましたが、当社の開発する歯髄由来幹細胞なら、発症から数日後の投与でも効果が期待できます。今年中に企業治験を開始する予定です」(同前)
上記記事での、現在開発中の "脊髄、他人の歯 由来の幹細胞" を移植する治療法は、発生直後という "急性期脳梗塞" で "効果が期待できる" と理解される。 だが、ここからさらに、この治療法がどう発展して行くのかに期待したいものである...... (2018.01.14)
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