今回注目する下記引用サイト記事 : 再生医療、進むAI活用 細胞培養や選別に、島津や筑波大など/日本経済新聞/2018.03.25 - 19:00 は、 <再生医療に使う細胞を効率的に作るため、人工知能(AI)を活用する研究開発が進んでいる。島津製作所や筑波大学などはそれぞれ、iPS細胞を増やす際に良質なiPS細胞を画像でふるい分ける技術を開発した。現在は経験を積んだ研究者の判断や手作業に頼っている。自動化で大量増殖が可能になれば、再生医療の応用研究に弾みがつきそうだ。 23日まで横浜市で開かれた日本再生医療学会では、AIを活用する研究発表が相次いだ> と報じている。
<......再生医療では、iPS細胞などを培養皿に分けて増やし、体の様々な細胞に育ててから患者に移植する。細胞を増殖させる際、途中で質の悪い細胞が交じったり、不要な種類に変化してしまったりする。こうした細胞は研究者らが顕微鏡で見て、微妙な形状の違いなどから判別して取り除く。作業の習熟には経験を積む必要があり、できる人も限られる。 島津製作所は大阪大学と協力し、培養中に変質したiPS細胞を見極める技術を開発した。膨大なデータの中から特徴を見つけ出す深層学習(ディープラーニング)を使い、不良な細胞を98%の精度で判別できた。 ...... 筑波大学の林洋平助教らの技術は、画像からAIが質の悪いiPS細胞を見分け、レーザーで除去する。産業技術総合研究所の須丸公雄上級主任研究員やレーザー加工機製造の片岡製作所(京都市)などと開発した。 ...... 質の悪い細胞が混ざる比率を3%以下に減らせた。片岡製作所が2018年前半にも製品化する。 再生医療に使う細胞を作る際には、細胞の塊が大量に必要になる。東京大学の池内真志講師らは、死んだ細胞を含む塊などを除去する技術を開発した。0.5ミリメートル四方の微小な穴を格子状に並べたチップを作って、細胞の塊を穴に入れて培養。画像認識技術で質の良しあしを選別する。 ...... 今後、不良な塊だけを簡単に除去できる技術を開発する計画だ。 AIには、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長も期待を寄せている。理化学研究所とAIを使った再生医療や創薬の技術開発に向けて提携している。良質なiPS細胞の選別やアルツハイマー病の創薬などの研究テーマを検討中だ。 iPS細胞を使った再生医療で世界初の臨床研究を実施した理研の高橋政代プロジェクトリーダーらも、AIとロボットを利用する研究に取り組む。AIが画像で細胞の良しあしを判別し、ロボットで選別・排除する> とある。
再生医療、進むAI活用 細胞培養や選別に、島津や筑波大など/日本経済新聞/2018.03.25 - 19:00
再生医療に使う細胞を効率的に作るため、人工知能(AI)を活用する研究開発が進んでいる。島津製作所や筑波大学などはそれぞれ、iPS細胞を増やす際に良質なiPS細胞を画像でふるい分ける技術を開発した。現在は経験を積んだ研究者の判断や手作業に頼っている。自動化で大量増殖が可能になれば、再生医療の応用研究に弾みがつきそうだ。
23日まで横浜市で開かれた日本再生医療学会では、AIを活用する研究発表が相次いだ。再生医療では、iPS細胞などを培養皿に分けて増やし、体の様々な細胞に育ててから患者に移植する。細胞を増殖させる際、途中で質の悪い細胞が交じったり、不要な種類に変化してしまったりする。こうした細胞は研究者らが顕微鏡で見て、微妙な形状の違いなどから判別して取り除く。作業の習熟には経験を積む必要があり、できる人も限られる。
島津製作所は大阪大学と協力し、培養中に変質したiPS細胞を見極める技術を開発した。膨大なデータの中から特徴を見つけ出す深層学習(ディープラーニング)を使い、不良な細胞を98%の精度で判別できた。
......筑波大学の林洋平助教らの技術は、画像からAIが質の悪いiPS細胞を見分け、レーザーで除去する。産業技術総合研究所の須丸公雄上級主任研究員やレーザー加工機製造の片岡製作所(京都市)などと開発した。
...... 質の悪い細胞が混ざる比率を3%以下に減らせた。片岡製作所が2018年前半にも製品化する。再生医療に使う細胞を作る際には、細胞の塊が大量に必要になる。東京大学の池内真志講師らは、死んだ細胞を含む塊などを除去する技術を開発した。0.5ミリメートル四方の微小な穴を格子状に並べたチップを作って、細胞の塊を穴に入れて培養。画像認識技術で質の良しあしを選別する。
...... 今後、不良な塊だけを簡単に除去できる技術を開発する計画だ。AIには、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長も期待を寄せている。理化学研究所とAIを使った再生医療や創薬の技術開発に向けて提携している。良質なiPS細胞の選別やアルツハイマー病の創薬などの研究テーマを検討中だ。
iPS細胞を使った再生医療で世界初の臨床研究を実施した理研の高橋政代プロジェクトリーダーらも、AIとロボットを利用する研究に取り組む。AIが画像で細胞の良しあしを判別し、ロボットで選別・排除する。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
再生医療では、<iPS細胞などを培養皿に分けて増やし、体の様々な細胞に育ててから患者に移植する> が、<細胞を増殖させる際、途中で質の悪い細胞が交じったり、不要な種類に変化してしまったり> して、これらの良否を(手作業で)振り分けることが難題であった。 この解決に、"AI" 技術の <膨大なデータの中から特徴を見つけ出す深層学習(ディープラーニング)を使い、不良な細胞を98%の精度で判別> するのだという。 今後の研究推進と、将来の医療費コスト低減に寄与すると期待される...... (2018.03.26)
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