iPS使い創薬!がん幹細胞再現し転移/再発防止への治療薬候補を発見!(神戸大・岡山大)

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 がん治療は、"通常のがん細胞" だけがその対象ではなく、後日の "再発" を呼ぶ "がん幹細胞" をもしっかりとターゲットとしなければならない、とされている。

 ◆ 参照 当誌過去の "がん幹細胞" 関連記事

 (1) <抗がん剤治療での難関は、通常のがん細胞を死滅させても、"冬眠して潜伏" している "がん幹細胞" がもたらす、後日の "再発" を防げない点だと言われる。......> ( 冬眠中の"がん幹細胞"を起こし、抗がん剤で攻撃すればがんが完全に治るのではないか!?/当誌 2018.01.13
 (2) <"がん幹細胞" は、"蜂の巣" に譬えるならば、まるで "女王蜂" の存在に相当し、"がん再発" の原因だと見られている。......> ( "がん幹細胞"分裂の観察に成功!人の細胞で初!がん根治の新薬開発に期待!(慶大など)/当誌 2017.04.02

 今回注目する下記引用サイト記事iPS使い創薬 がん幹細胞再現、転移・再発防止へ 神戸大・岡山大、治療薬候補を発見 /日本経済新聞/2018.03.04 - 20:23 は、  <iPS細胞の技術を使って、がんを制圧する創薬研究が加速している。神戸大学は肺がんで、岡山大学は食道がんや頭頸(けい)部がんで、がん細胞を生む親玉といわれる「がん幹細胞」を人工的に作り、それぞれ治療薬候補を突き止めた既存の抗がん剤と併用することで、がんの転移や再発を防いで根治につながる治療法の実現を目指す> と報じている。

 <......神戸大学の青井貴之教授らはiPS細胞を作製する際に使う遺伝子を人の肺がん細胞に導入し、人工的に肺がんのがん幹細胞を作った。骨や脂肪などになる間葉系幹細胞や正常な血管と混ぜて培養すると、増殖してがん組織になり、がん幹細胞の特徴があった。  作製したがん幹細胞は、関節リウマチの発症に関わるたんぱく質「IL―6」を分泌し、正常な細胞を異常な細胞に変えていたIL―6の働きを抑える物質を加えると増殖せず、がん組織ができなかった。  このような物質と既存薬を組み合わせれば、相乗効果が期待できる。数年後の臨床試験(治験)開始を目指す。企業に協力を呼びかけて実用化を目指す考えだ。  岡山大学の大原利章助教らは、妹尾昌治教授が開発した技術を活用した。マウスのiPS細胞にがん細胞の培養液をかけて人工のがん幹細胞を作製これに、輸血を繰り返すと発症する鉄過剰症の治療薬「鉄キレート剤」をかけて培養した。  すると、人工のがん幹細胞は自己複製して増殖したり、様々な細胞に成長したりする幹細胞の性質がなくなり、通常のがん細胞に変化し、がんは増殖しなかった食道や頭頸部のがんに有効な可能性があるという。  大原助教は「(鉄キレート剤と組み合わせれば)がん幹細胞に効かなかった既存の抗がん剤の治療効果を高められる」と期待する。  鉄キレート剤は腎障害や吐き気などの副作用があり、体力の落ちた患者には使いにくい。研究チームは先端素材ベンチャーのダステック(金沢市)と協力し、患部に効率的に届ける技術などの開発を進める。  iPS細胞を利用した創薬は、生まれながらの遺伝子の異常による病気などの研究が先行している。患者の細胞からiPS細胞を作り、病気のメカニズムを解明したり、新薬候補物質を探したりしている。たばこや放射線などの環境要因も影響するがんの創薬においても、iPS細胞が研究手法を革新しつつある。 (岩井淳哉)> とある。

 iPS使い創薬 がん幹細胞再現、転移・再発防止へ 神戸大・岡山大、治療薬候補を発見/日本経済新聞/2018.03.04 - 20:23

 iPS細胞の技術を使って、がんを制圧する創薬研究が加速している。神戸大学は肺がんで、岡山大学は食道がんや頭頸(けい)部がんで、がん細胞を生む親玉といわれる「がん幹細胞」を人工的に作り、それぞれ治療薬候補を突き止めた既存の抗がん剤と併用することで、がんの転移や再発を防いで根治につながる治療法の実現を目指す

 神戸大学の青井貴之教授らはiPS細胞を作製する際に使う遺伝子を人の肺がん細胞に導入し、人工的に肺がんのがん幹細胞を作った。骨や脂肪などになる間葉系幹細胞や正常な血管と混ぜて培養すると、増殖してがん組織になり、がん幹細胞の特徴があった。

 作製したがん幹細胞は、関節リウマチの発症に関わるたんぱく質「IL―6」を分泌し、正常な細胞を異常な細胞に変えていたIL―6の働きを抑える物質を加えると増殖せず、がん組織ができなかった

 このような物質と既存薬を組み合わせれば、相乗効果が期待できる。数年後の臨床試験(治験)開始を目指す。企業に協力を呼びかけて実用化を目指す考えだ。

 岡山大学の大原利章助教らは、妹尾昌治教授が開発した技術を活用した。マウスのiPS細胞にがん細胞の培養液をかけて人工のがん幹細胞を作製これに、輸血を繰り返すと発症する鉄過剰症の治療薬「鉄キレート剤」をかけて培養した。

 すると、人工のがん幹細胞は自己複製して増殖したり、様々な細胞に成長したりする幹細胞の性質がなくなり、通常のがん細胞に変化し、がんは増殖しなかった食道や頭頸部のがんに有効な可能性があるという。

 大原助教は「(鉄キレート剤と組み合わせれば)がん幹細胞に効かなかった既存の抗がん剤の治療効果を高められる」と期待する。

 鉄キレート剤は腎障害や吐き気などの副作用があり、体力の落ちた患者には使いにくい。研究チームは先端素材ベンチャーのダステック(金沢市)と協力し、患部に効率的に届ける技術などの開発を進める。

 iPS細胞を利用した創薬は、生まれながらの遺伝子の異常による病気などの研究が先行している。患者の細胞からiPS細胞を作り、病気のメカニズムを解明したり、新薬候補物質を探したりしている。たばこや放射線などの環境要因も影響するがんの創薬においても、iPS細胞が研究手法を革新しつつある。 (岩井淳哉)


 がんの転移や再発を防いで根治につながる治療法の実現> のためには、何よりも "がん幹細胞" 自体を死滅させなければならず、そのために、がん幹細胞を人工的に作った上で、それを対象として、治療薬候補を突き止めるといった手順が要請される。 上記記事では、そうした研究プロセスと成果が解説されている...... (2018.03.05)













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このページは、yasuo hiroseが2018年3月 6日 00:01に書いたブログ記事です。

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