今回注目する下記引用サイト記事 : がん免疫薬 病巣に照準、副作用抑えて薬の使用量減/日本経済新聞/2018.04.28 - 18:00 は、 <体内の免疫の攻撃力を高めるがん免疫薬を病巣だけで働かせる研究が進んでいる。名古屋大学と米国立衛生研究所(NIH)などは体外から近赤外光をあてて、免疫の働きを促す薬の効果を高めることに動物実験で成功した。国立がん研究センターはがん免疫薬と抗体を併用して効果を高めた。実用化すれば、副作用を抑えて高額薬の使用量が減る治療法になる可能性がある。 がん免疫療法は手術と抗がん剤、放射線治療に続く治療法として期待を集める。代表的な小野薬品工業のオプジーボなどの「免疫チェックポイント阻害剤」は、免疫のブレーキを外してがん細胞を攻撃し続けるようにする。従来の抗がん剤が効かない重症患者を治療できることで注目を集めたが、効果のでるのは患者の2~3割に限られる。 製薬会社は効果を高めるため、複数の免疫チェックポイント阻害剤を併用する治療法などの開発に力を入れる。ただ高額薬のため医療費がさらに膨らむのは大きな課題。より安価で効果的な治療法が求められている> と報じている。
<......名大の佐藤和秀特任助教と米NIHの小林久隆主任研究員などは、免疫細胞の働きを抑える「制御性T細胞」に付く抗体と近赤外光で狙い撃ちにする手法を開発した。色素を付けた抗体が近赤外光を受けると、この細胞を壊す働きが高まる。肺がんや大腸がんのマウスの実験で効果を確かめた。目立つ副作用もなかったという。2年後にも臨床試験(治験)を始める。 国立がん研究センターの工藤千恵ユニット長らは、がんの増殖を促すたんぱく質の働きを抑える抗体を、免疫チェックポイント阻害剤と併用した。阻害剤だけでは治療できない悪性黒色腫のマウスの約40%でがんが消えた。3年後の治験を目指す。 米シカゴ大学の石原純博士研究員らは、がん細胞周辺のたんぱく質に結合するペプチド(たんぱく質断片)を阻害剤に付けてがんにとどまりやすくする研究に取り組む。乳がんのマウスでは約7割でがんが無くなった。5年後にも治験をする。 免疫チェックポイント阻害剤を使う患者の約4割は、肝機能障害や糖尿病などの強い副作用のために治療を断念しているという調査結果もある。近赤外光や抗体でがん組織だけを攻撃するようにできれば、副作用を抑えた低コストの治療が様々ながんの種類で使える可能性がある> とある。
がん免疫薬 病巣に照準、副作用抑えて薬の使用量減/日本経済新聞/2018.04.28 - 18:00
体内の免疫の攻撃力を高めるがん免疫薬を病巣だけで働かせる研究が進んでいる。名古屋大学と米国立衛生研究所(NIH)などは体外から近赤外光をあてて、免疫の働きを促す薬の効果を高めることに動物実験で成功した。国立がん研究センターはがん免疫薬と抗体を併用して効果を高めた。実用化すれば、副作用を抑えて高額薬の使用量が減る治療法になる可能性がある。
がん免疫療法は手術と抗がん剤、放射線治療に続く治療法として期待を集める。代表的な小野薬品工業のオプジーボなどの「免疫チェックポイント阻害剤」は、免疫のブレーキを外してがん細胞を攻撃し続けるようにする。従来の抗がん剤が効かない重症患者を治療できることで注目を集めたが、効果のでるのは患者の2~3割に限られる。
製薬会社は効果を高めるため、複数の免疫チェックポイント阻害剤を併用する治療法などの開発に力を入れる。ただ高額薬のため医療費がさらに膨らむのは大きな課題。より安価で効果的な治療法が求められている。
名大の佐藤和秀特任助教と米NIHの小林久隆主任研究員などは、免疫細胞の働きを抑える「制御性T細胞」に付く抗体と近赤外光で狙い撃ちにする手法を開発した。色素を付けた抗体が近赤外光を受けると、この細胞を壊す働きが高まる。肺がんや大腸がんのマウスの実験で効果を確かめた。目立つ副作用もなかったという。2年後にも臨床試験(治験)を始める。
国立がん研究センターの工藤千恵ユニット長らは、がんの増殖を促すたんぱく質の働きを抑える抗体を、免疫チェックポイント阻害剤と併用した。阻害剤だけでは治療できない悪性黒色腫のマウスの約40%でがんが消えた。3年後の治験を目指す。
米シカゴ大学の石原純博士研究員らは、がん細胞周辺のたんぱく質に結合するペプチド(たんぱく質断片)を阻害剤に付けてがんにとどまりやすくする研究に取り組む。乳がんのマウスでは約7割でがんが無くなった。5年後にも治験をする。
免疫チェックポイント阻害剤を使う患者の約4割は、肝機能障害や糖尿病などの強い副作用のために治療を断念しているという調査結果もある。近赤外光や抗体でがん組織だけを攻撃するようにできれば、副作用を抑えた低コストの治療が様々ながんの種類で使える可能性がある。
<従来の抗がん剤が効かない重症患者を治療できることで注目を集めたが、効果のでるのは患者の2~3割に限られる> と、"課題が多い" とされる <小野薬品工業のオプジーボなどの「免疫チェックポイント阻害剤」> は、<より安価で効果的な治療法が求められている> という。 そこで研究されているのが、<体外から近赤外光をあてて、免疫の働きを促す薬の効果を高める> 治療法や、薬の効果を高めるべく <がん免疫薬と抗体を併用> する治療法なのだという。 "がん組織の病巣" だけに照準を合わせた治療法、<副作用を抑えた低コストの治療法>ということになる...... (2018.04.29)
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