<症状の出ていない健常者> でも高齢者の場合、<アルツハイマー病の発症と深い関わりがある「アミロイドβ(ベータ)」という異常なたんぱく質が、脳内に蓄積し始めていること> については、先日にも注目した。
◆ 参照 当誌過去の "「J―ADNI(アドニ)」" 関連記事
○ <......陽電子放射断層撮影装置(PET)を使って脳のアミロイドベータを調べたところ、症状の出ていない健常者でもアミロイドベータの蓄積が始まっていることを確認した。また認知機能のテストの結果は症状の進行に伴って変化し、米での同様の調査と一致していた。......> ( "アルツハイマー病"、症状がなくても原因物質蓄積!日本人でも裏付け!(東大など)/当誌 2018.05.11 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 健常者2割の脳にアルツハイマー関連物質 60歳超調査 佐藤建仁/朝日新聞/2018.05.12 - 11:00 は、 <アルツハイマー病の大規模研究「J―ADNI(アドニ)」で、60歳以上の健常者の約2割に、アルツハイマー病の発症と深い関わりがある「アミロイドβ(ベータ)」という異常なたんぱく質が、脳内に蓄積し始めていることが明らかになった。研究チームは、日本人で認知症が発症前から進行している実態を初めて明らかにしたとしている> と報じている。
<......アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβが蓄積し、神経細胞が徐々に死滅することが原因と考えられている。蓄積が始まってから、物忘れなどの症状が出るまでに15年ほどかかるとされる。 J―ADNIは2008年、アルツハイマー病を早期の段階で診断する方法を確立するための米国の研究「ADNI」と同様の手法で始まった。東京大など全国38の研究機関が参加し、軽度のアルツハイマー型認知症の人から健常者まで、60歳以上の計537人を2~3年追跡して調べた。 このうち、アルツハイマー病を発症していない健常者83人の脳を画像診断などで調べたところ、23%にあたる19人でアミロイドβが蓄積していた。また、発症していないが認知機能が低下している軽度認知障害のうち、すでにアミロイドβが蓄積していた人の約6割が3年後に認知症を発症していた。さらに、軽度認知障害の記憶や生活への影響を調べると、悪化するスピードが米国の対象者とほぼ一致していることがわかった。 主任研究者の岩坪威・東京大教授は「軽度認知障害の進行には、人種を超えて共通性があることがわかった。治療薬の開発に弾みがつく成果だ」と話している。論文が9日、米国の専門誌に掲載された> とある。
健常者2割の脳にアルツハイマー関連物質 60歳超調査 佐藤建仁/朝日新聞/2018.05.12 - 11:00
アルツハイマー病の大規模研究「J―ADNI(アドニ)」で、60歳以上の健常者の約2割に、アルツハイマー病の発症と深い関わりがある「アミロイドβ(ベータ)」という異常なたんぱく質が、脳内に蓄積し始めていることが明らかになった。研究チームは、日本人で認知症が発症前から進行している実態を初めて明らかにしたとしている。
アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβが蓄積し、神経細胞が徐々に死滅することが原因と考えられている。蓄積が始まってから、物忘れなどの症状が出るまでに15年ほどかかるとされる。
J―ADNIは2008年、アルツハイマー病を早期の段階で診断する方法を確立するための米国の研究「ADNI」と同様の手法で始まった。東京大など全国38の研究機関が参加し、軽度のアルツハイマー型認知症の人から健常者まで、60歳以上の計537人を2~3年追跡して調べた。
このうち、アルツハイマー病を発症していない健常者83人の脳を画像診断などで調べたところ、23%にあたる19人でアミロイドβが蓄積していた。また、発症していないが認知機能が低下している軽度認知障害のうち、すでにアミロイドβが蓄積していた人の約6割が3年後に認知症を発症していた。さらに、軽度認知障害の記憶や生活への影響を調べると、悪化するスピードが米国の対象者とほぼ一致していることがわかった。
主任研究者の岩坪威・東京大教授は「軽度認知障害の進行には、人種を超えて共通性があることがわかった。治療薬の開発に弾みがつく成果だ」と話している。論文が9日、米国の専門誌に掲載された。
( 佐藤建仁 )
上記記事を踏まえて "アルツハイマー病(認知症)と、脳内に蓄積するアミロイドβとの関係" について考えるならば、必ずしも "はっきりとした境界線がひける因果関係" があるというよりも、"境目の無いぼやけた相関関係" だとでも言えそうだ。 これらの事実から、言明できるのは一体何なのであろうか...... (2018.05.13)
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