がん治療での抗がん剤の眼目のひとつは、がん細胞への攻撃が、正常細胞へは及ばずに、がん細胞のみに限定されることだ。 がん細胞を狙い撃ちにして、副作用を極小化することである。 そのプロセスにおいて、種々の仕組みが考案されているが、光/近赤外線の照射も採用されている。
◆ 参照 当誌過去の "光 がん細胞" 関連記事
(1) <体内の免疫の攻撃力を高めるがん免疫薬を病巣だけで働かせる研究が進んでいる。名古屋大学と米国立衛生研究所(NIH)などは体外から近赤外光をあてて、免疫の働きを促す薬の効果を高めることに動物実験で成功した。......> ( 期待を集める"がん免疫薬"、病巣に照準!副作用抑えつつ、高額薬使用量減の治療法へ!/当誌 2018.04.30 )
(2) "近赤外線"という光使い、副作用が少ないがん治療、国内で治験!がんセンター東病院/当誌 2018.03.15
(3) <がん細胞表面のたんぱく質に結びつく「抗体」に、近赤外光によって反応を起こす化学物質を付着させ、患者に注射。患部に近赤外光を当てると化学物質が反応し、がん細胞の細胞膜を傷つけて死滅させる。......> ( "近赤外線"を使ってがんを治療する「がん光免疫療法」の国内初の治験(臨床試験)!/当誌 2014.00.00 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 光照射でがん細胞狙い撃ち 体外実験で死滅、甲南大/KYODO/2018.06.11 - 18:52 は、 <特定の化合物を皮膚がんや白血病のがん細胞に結合させ、光を当てることで、がん細胞だけを狙い撃ちして死滅させることができたと、甲南大(神戸市)の三好大輔教授(分子設計化学)のチームが11日付の英科学誌電子版に発表した。 体外での実験結果だが、増殖や転移を抑える治療法の開発につながると期待される> と報じている。
<......チームは、がん細胞の増殖や転移を促進する「NRAS」というタンパク質に注目。NRASの遺伝情報を伝える「NRASmRNA」には「ZnAPC」という化合物が結合できることを突き止めた。この化合物は光を当てると活性酸素を発生させ、がん細胞を破壊できる> とある。
光照射でがん細胞狙い撃ち 体外実験で死滅、甲南大/KYODO/2018.06.11 - 18:52
特定の化合物を皮膚がんや白血病のがん細胞に結合させ、光を当てることで、がん細胞だけを狙い撃ちして死滅させることができたと、甲南大(神戸市)の三好大輔教授(分子設計化学)のチームが11日付の英科学誌電子版に発表した。
体外での実験結果だが、増殖や転移を抑える治療法の開発につながると期待される。
チームは、がん細胞の増殖や転移を促進する「NRAS」というタンパク質に注目。NRASの遺伝情報を伝える「NRASmRNA」には「ZnAPC」という化合物が結合できることを突き止めた。この化合物は光を当てると活性酸素を発生させ、がん細胞を破壊できる。
<増殖や転移を抑える治療法の開発につながると期待> されているわけだが、<体外での実験結果> が、"光照射" の事情が異なる "体内" という環境でどう奏功させるのかが注目点となりそうだ...... (2018.06.13)
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