今回注目する下記引用サイト記事 : 長寿の作法 (88) 神戸大大学院医学研究科主任教授 児玉裕三さん/神戸新聞NEXT/2018.09.10 - 13:42 は、 <見つけることが難しく、発症すれば長く生きられる可能性が極めて低い-。膵(すい)がんは健康長寿にとって脅威です。がんの部位別で見ても、死亡数は増加傾向にあります。 膵臓は胃の後ろ、体の奥深くにあるため、がんを確かめるのが難しく、手遅れになることも少なくないからです。 大相撲元横綱千代の富士の先代・九重貢親方や、プロ野球元投手で、監督として阪神タイガースなどを指揮した星野仙一さんら、スポーツ界の第一線で実績を残した著名人も命を落としました。膵臓にがんができたての頃は自覚症状がなく、それがかえって発見されて以降の予後を悪くしているのです。 「初期の多くは無症状」。この前提を頭に入れ、決して油断をしてはいけません。兆候としては、おなかや背中の鈍痛、食欲不振、黄疸(おうだん)などが挙げられます。もちろん、これらの状態になったからといって、必ず膵がんにつながるわけではありませんが、注意が必要でしょう> と報じている。
<......膵がんになりやすい人の特徴は今のところ、はっきりとは分かっていません。ただ、遺伝、糖尿病などの生活習慣病、膵炎をはじめとする膵臓の基礎疾患が影響している、とされています。 遺伝に関して言うと、親子や兄弟に2人以上の患者がいれば、発症リスクは上がります。こうした家族性の罹患(りかん)者を対象にした登録制度があり、登録者には、ニュースレターで治療法などについての情報が提供されます。 糖尿病になると、膵臓がんの確率が倍増するという報告があります。また、膵臓が炎症を起こす膵炎や、膵臓に液体や粘液の入った袋が現れる膵嚢胞(のうほう)にも、がんの要因が隠れているのです。 特に糖尿病や膵炎は生活習慣が関わっており、高カロリーの食事やアルコールを控え、適度に運動して肥満を防ぐこともポイントです。 ここまでお話しした「危険因子」に当てはまる人はもちろん、何の兆候もない人も、検診や人間ドック、かかりつけの医療機関などで定期的に膵臓の状態をチェックしてください。 膵臓から十二指腸に分泌される消化酵素の経路が腫瘍でふさがれ、エコーなどの画像診断で膵管が膨張していたり、血液検査で膵酵素の数値が上昇していたりすれば疑いありです。早めに精査できれば、生存率向上が期待できます。(聞き手・佐藤健介、協力・兵庫県予防医学協会) 【こだま・ゆうぞう】1969年、西宮市生まれ。神戸大医学部卒、京都大大学院医学研究科修了。専攻は内科。膵臓・肝臓病の研究で実績を残す。米コロンビア大研究員や京大病院内視鏡部副部長などを歴任し、4月から神戸大大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野主任教授。 児玉さんが勧める三つの作法 一、「早期は症状がないことが多い」との前提を知る 一、遺伝、糖尿病、膵炎、膵嚢胞などの因子あれば受診 一、節酒や禁煙、適度な運動などで生活習慣を改善する ―― * ―― * ―― [ 膵がん ] 膵臓は胃の後ろに位置するため早期発見が困難で、5年生存率は数%とされる。一般的には、タンパク質や脂肪を消化する膵液の通り道「膵管」にできるがんを指し、標準治療として切除、抗がん剤投与、放射線治療が行われる> とある。
長寿の作法 (88) 神戸大大学院医学研究科主任教授 児玉裕三さん/神戸新聞NEXT/2018.09.10 - 13:42
見つけることが難しく、発症すれば長く生きられる可能性が極めて低い-。膵(すい)がんは健康長寿にとって脅威です。がんの部位別で見ても、死亡数は増加傾向にあります。
膵臓は胃の後ろ、体の奥深くにあるため、がんを確かめるのが難しく、手遅れになることも少なくないからです。
大相撲元横綱千代の富士の先代・九重貢親方や、プロ野球元投手で、監督として阪神タイガースなどを指揮した星野仙一さんら、スポーツ界の第一線で実績を残した著名人も命を落としました。膵臓にがんができたての頃は自覚症状がなく、それがかえって発見されて以降の予後を悪くしているのです。
「初期の多くは無症状」。この前提を頭に入れ、決して油断をしてはいけません。兆候としては、おなかや背中の鈍痛、食欲不振、黄疸(おうだん)などが挙げられます。もちろん、これらの状態になったからといって、必ず膵がんにつながるわけではありませんが、注意が必要でしょう。
膵がんになりやすい人の特徴は今のところ、はっきりとは分かっていません。ただ、遺伝、糖尿病などの生活習慣病、膵炎をはじめとする膵臓の基礎疾患が影響している、とされています。
遺伝に関して言うと、親子や兄弟に2人以上の患者がいれば、発症リスクは上がります。こうした家族性の罹患(りかん)者を対象にした登録制度があり、登録者には、ニュースレターで治療法などについての情報が提供されます。
糖尿病になると、膵臓がんの確率が倍増するという報告があります。また、膵臓が炎症を起こす膵炎や、膵臓に液体や粘液の入った袋が現れる膵嚢胞(のうほう)にも、がんの要因が隠れているのです。
特に糖尿病や膵炎は生活習慣が関わっており、高カロリーの食事やアルコールを控え、適度に運動して肥満を防ぐこともポイントです。
ここまでお話しした「危険因子」に当てはまる人はもちろん、何の兆候もない人も、検診や人間ドック、かかりつけの医療機関などで定期的に膵臓の状態をチェックしてください。
膵臓から十二指腸に分泌される消化酵素の経路が腫瘍でふさがれ、エコーなどの画像診断で膵管が膨張していたり、血液検査で膵酵素の数値が上昇していたりすれば疑いありです。早めに精査できれば、生存率向上が期待できます。(聞き手・佐藤健介、協力・兵庫県予防医学協会)
【こだま・ゆうぞう】1969年、西宮市生まれ。神戸大医学部卒、京都大大学院医学研究科修了。専攻は内科。膵臓・肝臓病の研究で実績を残す。米コロンビア大研究員や京大病院内視鏡部副部長などを歴任し、4月から神戸大大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野主任教授。
児玉さんが勧める三つの作法
一、「早期は症状がないことが多い」との前提を知る
一、遺伝、糖尿病、膵炎、膵嚢胞などの因子あれば受診
一、節酒や禁煙、適度な運動などで生活習慣を改善する
―― * ―― * ――[ 膵がん ]
膵臓は胃の後ろに位置するため早期発見が困難で、5年生存率は数%とされる。一般的には、タンパク質や脂肪を消化する膵液の通り道「膵管」にできるがんを指し、標準治療として切除、抗がん剤投与、放射線治療が行われる。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
膵臓がんは、いつも指摘されるように、<「初期の多くは無症状」>、<膵臓は胃の後ろ、体の奥深くにあるため、がんを確かめるのが難しく、手遅れになることも少なくない> とされる。 定期的なチェックなどで、<膵臓から十二指腸に分泌される消化酵素の経路が腫瘍でふさがれ、エコーなどの画像診断で膵管が膨張していたり、血液検査で膵酵素の数値が上昇していたりすれば疑いあり> という点に注目したい...... (2018.09.13)
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