今回注目する下記引用サイト記事 : 【高見国生の認知症だより(41)】 死んだ人を生きていると思い込む...「その時の気持ち」を大事に/産経WEST/2018.09.26 - 14:00 は、 <夫は5年前に亡くなっているのに、「お父さん(夫)がいない」と娘さんに電話してくる79歳の女性がいます。それだけでなく、たびたび警察にも電話して「お父さんがいなくなったから探してほしい」と訴えるものですから、警察から娘さんに問い合わせがあったほどでした。さすがに今では警察も事情が分かり、うまく対応してもらっているそうです。 すでに亡くなっている人を、生きていると思い込むことは認知症の人にはよくあることです。私の養母も、養父が亡くなった数週間後、玄関にたたずんでいたときに通りがかりの人が「おじいちゃん亡くなって寂しいでしょうね」と声をかけてくれました。養母は即座に「おじん(夫)、死んでませんよ。いますよ」と答えたものですから、その人は自分の勘違いだと思ったのか、バツの悪そうな顔をして立ち去りました。私は慌てて、「先日亡くなりました」と声をかけました> と伝えている。
<......亡くなった人のことを生きていると言い出したとき、家族はびっくりします。そして慌てて、位牌(いはい)を見せたり、葬儀のときの写真を見せたりして、何とか分からせようとしますが、効果はありません。どうしてこんなことが起こるのでしょうか。それは、本人の記憶は夫の亡くなる前まで戻ってしまっていて、本人の中では夫は生きているからなのです。 こういうときは、今はいないこと、今夜は帰ってこないことを説明する方が、認知症の人も混乱せず、家族も疲れないのです。例えば、今日は仕事に出ているとか親類に泊まりに行っているとかでいいのです。「嘘をつくのは良心が許さない」と言う人がいますが、これは「嘘をつく」のではなく、その時の認知症の人の気持ちを大事にすることで、認知症介護の基本ともいえる方法です。 ◇ 10月から「認知症と歩む」として装いを新たに掲載します。 ◇ ◇ 高見国生(たかみ・くにお) 昭和18年生まれ。京都府職員だった28歳のころ養母の認知症が始まり、昭和55年に京都市で「呆け老人をかかえる家族の会」(現・認知症の人と家族の会)を設立。昨年6月に代表理事を退任、現在は顧問。同会は47都道府県に支部があり、1万1千人の会員がいる> とある。
【高見国生の認知症だより (41)】 死んだ人を生きていると思い込む...「その時の気持ち」を大事に/産経WEST/2018.09.26 - 14:00
夫は5年前に亡くなっているのに、「お父さん(夫)がいない」と娘さんに電話してくる79歳の女性がいます。それだけでなく、たびたび警察にも電話して「お父さんがいなくなったから探してほしい」と訴えるものですから、警察から娘さんに問い合わせがあったほどでした。さすがに今では警察も事情が分かり、うまく対応してもらっているそうです。
すでに亡くなっている人を、生きていると思い込むことは認知症の人にはよくあることです。私の養母も、養父が亡くなった数週間後、玄関にたたずんでいたときに通りがかりの人が「おじいちゃん亡くなって寂しいでしょうね」と声をかけてくれました。養母は即座に「おじん(夫)、死んでませんよ。いますよ」と答えたものですから、その人は自分の勘違いだと思ったのか、バツの悪そうな顔をして立ち去りました。私は慌てて、「先日亡くなりました」と声をかけました。
亡くなった人のことを生きていると言い出したとき、家族はびっくりします。そして慌てて、位牌(いはい)を見せたり、葬儀のときの写真を見せたりして、何とか分からせようとしますが、効果はありません。どうしてこんなことが起こるのでしょうか。それは、本人の記憶は夫の亡くなる前まで戻ってしまっていて、本人の中では夫は生きているからなのです。
こういうときは、今はいないこと、今夜は帰ってこないことを説明する方が、認知症の人も混乱せず、家族も疲れないのです。例えば、今日は仕事に出ているとか親類に泊まりに行っているとかでいいのです。「嘘をつくのは良心が許さない」と言う人がいますが、これは「嘘をつく」のではなく、その時の認知症の人の気持ちを大事にすることで、認知症介護の基本ともいえる方法です。
◇10月から「認知症と歩む」として装いを新たに掲載します。
◇ ◇高見国生(たかみ・くにお) 昭和18年生まれ。京都府職員だった28歳のころ養母の認知症が始まり、昭和55年に京都市で「呆け老人をかかえる家族の会」(現・認知症の人と家族の会)を設立。昨年6月に代表理事を退任、現在は顧問。同会は47都道府県に支部があり、1万1千人の会員がいる。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
上記記事のような光景は、今後、頻繁に見受けられるようになるのかもしれない。 そんな時、うろたえずに、"認知症介護の基本ともいえる方法" を思い起こしたい。
<こういうときは、今はいないこと、今夜は帰ってこないことを説明する方が、認知症の人も混乱せず、家族も疲れないのです。例えば、今日は仕事に出ているとか親類に泊まりに行っているとかでいいのです。「嘘をつくのは良心が許さない」と言う人がいますが、これは「嘘をつく」のではなく、その時の認知症の人の気持ちを大事にすること> だというのである...... (2018.09.28)
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