神経細胞由来の"エストロゲン"が"記憶"に関わること(認知症!)を調べた研究

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 今回注目する下記引用サイト記事神経細胞由来のエストロゲンが記憶に関わることを調べた研究/認知症ネット/2019.04.07 は、  <「女性ホルモン」「男性ホルモン」と呼ばれるホルモンがあることをご存知でしょう。女性ホルモンに含まれる「エストロゲン」と「プロゲステロン」は、そのバランスの変化によって女性の体を調節しています。ただし、女性ホルモンは女性だけで分泌されるわけではなく、男性でも重要な役割を果たします。  今回は、神経細胞で作られるエストロゲンと記憶との関係を調べた研究をご紹介します> と報じている。

 <...... エストロゲンは卵巣だけでなく、脳でも作られている   女性ホルモンとして知られるエストロゲンは、「エストロン」「エストラジオール」などからなるホルモンの総称です。中でもエストラジオールは女性の体を維持するために重要な役割を担っています。エストラジオールは主に卵巣で作られますが、その他にも脳で作られることが知られています。脳の大脳皮質、海馬や扁桃体、視床下部といった領域では、男女に関わらず作られていますが、その役割は明らかではありません。  アメリカのオーガスタ大学の研究チームは、神経細胞由来のエストロゲンの役割を調べるために、前脳でエストロゲンを作ることができないマウスを、遺伝子操作により作成しました。前脳のエストロゲンの働きだけを知るために、メスのマウスでは卵巣を除去しました。前脳は思考や判断などの機能をつかさどる領域です。研究チームはいくつかの行動実験を行い、脳のエストロゲンの働きを調べました。  まず、前脳でエストロゲンを作ることができないマウスの神経細胞を調べたところ、オス、メスどちらでも、神経細胞の接続(シナプス)が、普通のマウスよりも少ないことが分かりました。そして、迷路を使った実験によって、このマウスは空間を記憶する能力も劣っていました。さらに、新しいものと古いものを区別させる実験を行ったところ、通常のマウスよりも、以前に出会ったものを記憶する能力が劣っていることが分かりました。電気ショックなどを与える実験では、恐怖体験を記憶する力も劣っていました。   エストロゲンを与えると記憶力が改善する   次に研究チームは、前脳でエストロゲンを作ることができないマウスに、エストロゲンを与えて、その行動がどのように変化するかを調べました。エストロゲンは背中から皮下注射によって与えました。その結果、エストロゲンを与えられたマウスでは、記憶が改善されることが分かりました。  さらに詳しく調べるために、エストロゲンを作ることができないマウスの海馬を取り出し、観察を行いました。海馬では「長期増強」という現象によって記憶が長期に維持されると考えられています。エストロゲンを作ることができないマウスでは、この長期増強の具合が小さいことが分かりました。そこで、この海馬を薄片にしたものにエストロゲンを直接反応させたところ、増強が起こることが確認されました。  以上の結果は、脳の神経細胞で作られるエストロゲンは、記憶に関わる機能を持つことを示唆しています。   卵巣由来のエストロゲンも記憶に関わるのかは今後の課題   認知症の中でも、とくにアルツハイマー型の認知症は、女性のほうが男性よりもかかりやすい傾向があります。これには、高齢になって女性ホルモンが減ることが関係しているとも言われますが、その詳細は明らかではありません。今回ご紹介した論文では、脳で作られるエストロゲンが記憶に関係していることが示されましたが、卵巣で作られるエストロゲンが記憶など認知機能にどのように影響しているのかについては、今後の研究課題です。  また、今回の研究から、前脳のエストロゲンが減っても、外から与えることで記憶の低下を抑えられることが示されました。今後、エストロゲンによる記憶力の回復効果が人でも確認されることを期待します。  ▼ご紹介した論文  Yujiao Lu. Et al. Journal of Neuroscience. Published February 6 2019.> とある。

 神経細胞由来のエストロゲンが記憶に関わることを調べた研究/認知症ネット/2019.04.07

 女性ホルモン」「男性ホルモン」と呼ばれるホルモンがあることをご存知でしょう。女性ホルモンに含まれる「エストロゲン」と「プロゲステロン」は、そのバランスの変化によって女性の体を調節しています。ただし、女性ホルモンは女性だけで分泌されるわけではなく、男性でも重要な役割を果たします。

 今回は、神経細胞で作られるエストロゲンと記憶との関係を調べた研究をご紹介します。

 エストロゲンは卵巣だけでなく、脳でも作られている 

 女性ホルモンとして知られるエストロゲンは、「エストロン」「エストラジオール」などからなるホルモンの総称です。中でもエストラジオールは女性の体を維持するために重要な役割を担っています。エストラジオールは主に卵巣で作られますが、その他にも脳で作られることが知られています。脳の大脳皮質、海馬や扁桃体、視床下部といった領域では、男女に関わらず作られていますが、その役割は明らかではありません。

 アメリカのオーガスタ大学の研究チームは、神経細胞由来のエストロゲンの役割を調べるために、前脳でエストロゲンを作ることができないマウスを、遺伝子操作により作成しました。前脳のエストロゲンの働きだけを知るために、メスのマウスでは卵巣を除去しました。前脳は思考や判断などの機能をつかさどる領域です。研究チームはいくつかの行動実験を行い、脳のエストロゲンの働きを調べました。

 まず、前脳でエストロゲンを作ることができないマウスの神経細胞を調べたところ、オス、メスどちらでも、神経細胞の接続(シナプス)が、普通のマウスよりも少ないことが分かりました。そして、迷路を使った実験によって、このマウスは空間を記憶する能力も劣っていました。さらに、新しいものと古いものを区別させる実験を行ったところ、通常のマウスよりも、以前に出会ったものを記憶する能力が劣っていることが分かりました。電気ショックなどを与える実験では、恐怖体験を記憶する力も劣っていました

 エストロゲンを与えると記憶力が改善する 

 次に研究チームは、前脳でエストロゲンを作ることができないマウスに、エストロゲンを与えて、その行動がどのように変化するかを調べました。エストロゲンは背中から皮下注射によって与えました。その結果、エストロゲンを与えられたマウスでは、記憶が改善されることが分かりました

 さらに詳しく調べるために、エストロゲンを作ることができないマウスの海馬を取り出し、観察を行いました。海馬では「長期増強」という現象によって記憶が長期に維持されると考えられています。エストロゲンを作ることができないマウスでは、この長期増強の具合が小さいことが分かりました。そこで、この海馬を薄片にしたものにエストロゲンを直接反応させたところ、増強が起こることが確認されました。

 以上の結果は、脳の神経細胞で作られるエストロゲンは、記憶に関わる機能を持つことを示唆しています

 卵巣由来のエストロゲンも記憶に関わるのかは今後の課題 

 認知症の中でも、とくにアルツハイマー型の認知症は、女性のほうが男性よりもかかりやすい傾向があります。これには、高齢になって女性ホルモンが減ることが関係しているとも言われますが、その詳細は明らかではありません。今回ご紹介した論文では、脳で作られるエストロゲンが記憶に関係していることが示されましたが、卵巣で作られるエストロゲンが記憶など認知機能にどのように影響しているのかについては、今後の研究課題です。

 また、今回の研究から、前脳のエストロゲンが減っても、外から与えることで記憶の低下を抑えられることが示されました。今後、エストロゲンによる記憶力の回復効果が人でも確認されることを期待します。

▼ご紹介した論文
Yujiao Lu. Et al. Journal of Neuroscience. Published February 6 2019.


 <認知症の中でも、とくにアルツハイマー型の認知症は、女性のほうが男性よりもかかりやすい傾向があります。これには、高齢になって女性ホルモンが減ることが関係しているとも言われますが、......> という点から、エストロゲン(=女性ホルモン)と記憶との関係の研究に目が向けられているようだ。 そして、この関係の有意性はマウス実験で示唆されたのだが、加えて、<前脳のエストロゲンが減っても、外から与えることで記憶の低下を抑えられること> も示されたことで、認知症治療法にひとつのヒントが与えられたことになりそうだ...... (2019.04.09)













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このページは、yasuo hiroseが2019年4月 9日 00:01に書いたブログ記事です。

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