<"がん細胞にだけ感染し、これを破壊するウイルス" が注目されてきたが、今や、このアプローチが活用されることで、「がんウイルス療法」と呼ばれるがん治療法が "第四のがん治療法" として注目度を高めはじめている> と言われる。
◆ 参照 当誌過去の "がんウイルス療法" 関連記事
○ <"がん細胞にだけ感染し、これを破壊するウイルス" が注目されてきたが、今や、このアプローチが活用されることで、「がんウイルス療法」と呼ばれるがん治療法が "第四のがん治療法" として注目度を高めはじめている> ( 「がんウイルス療法」!難治がんを退治、転移・再発に効果高く がんセンターや鳥取大/当誌 2014.00.00 )
今回注目する下記引用サイト記事 : がん細胞 ウイルスで退治、幹細胞を使う新手法 は、 <がんを倒すウイルスを幹細胞で運ぶ新たな治療法の研究が注目を集めている。がんが増殖しようと幹細胞を呼び寄せる性質を利用し、がんを狙い撃ちにする。副作用や転移を抑える可能性があると期待されている> と報じている。
<......兵庫医科大学の久保秀司准教授と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の笠原典之教授らは、がんに集まりやすい新たな「がんウイルス療法」の研究に取り組む。久保准教授は「抗がん剤をがんへ運ぶのではなく、人体に害のない物質を抗がん剤に変える酵素をがん細胞に作らせる」と力を込める。 抗がん剤は手術や放射線と並ぶ治療法だが臓器を傷つけたり、免疫の働きを落としたりする副作用がある。がん免疫薬「オプジーボ」などの新薬でも副作用を起こす恐れはある。抗がん剤を直接投与しない方法として注目されるのがウイルス療法だ。 ウイルス療法は遺伝子組み換え技術を使い、がん細胞を壊して周辺のがん細胞にだけ感染するようにしたウイルスを体内に投与する。従来法はこうしたウイルスだけを投与するが、より副作用を抑えて効果的な手法が求められている。 兵庫医大などが注目したのがウイルスの運び役として「間葉系幹細胞」を使う方法だ。がんは増殖のために様々な細胞を呼び寄せるが、間葉系幹細胞もその一つ。この中にウイルスを入れて体内に投与し、がん細胞だけに感染させる戦略を描く。運び役となる物質はほかにもあるが、より効率的だと期待されている。 ウイルスが感染するとがん細胞の中で増え、ある酵素を体内で作る。酵素は体内に入れた別の物質を抗がん剤に変えてがん細胞だけを殺す。マウスの実験ではがんへの感染を確かめた。将来の臨床試験を目指す。 自治医科大学の内堀亮介特命講師と小沢敬也客員教授は脳腫瘍の治療を目指したマウスの実験で、がんを小さくする効果を確認した。全身への転移を抑えることも期待できるという。 実用化への課題は安全性の確認や量産時の幹細胞の品質の保証だ。安全性は特に重要で「がんに集まることで、かえって増殖を助ける恐れもある」(内堀特命講師)。 欧米や中国も研究に取り組むが、日本の方が細胞を傷めにくいウイルスを使っており「効果が期待できる」(久保准教授)。 (草塩拓郎)> とある。
がん細胞 ウイルスで退治、幹細胞を使う新手法/日本経済新聞/2019.05.26 - 04:30
がんを倒すウイルスを幹細胞で運ぶ新たな治療法の研究が注目を集めている。がんが増殖しようと幹細胞を呼び寄せる性質を利用し、がんを狙い撃ちにする。副作用や転移を抑える可能性があると期待されている。
兵庫医科大学の久保秀司准教授と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の笠原典之教授らは、がんに集まりやすい新たな「がんウイルス療法」の研究に取り組む。久保准教授は「抗がん剤をがんへ運ぶのではなく、人体に害のない物質を抗がん剤に変える酵素をがん細胞に作らせる」と力を込める。
抗がん剤は手術や放射線と並ぶ治療法だが臓器を傷つけたり、免疫の働きを落としたりする副作用がある。がん免疫薬「オプジーボ」などの新薬でも副作用を起こす恐れはある。抗がん剤を直接投与しない方法として注目されるのがウイルス療法だ。
ウイルス療法は遺伝子組み換え技術を使い、がん細胞を壊して周辺のがん細胞にだけ感染するようにしたウイルスを体内に投与する。従来法はこうしたウイルスだけを投与するが、より副作用を抑えて効果的な手法が求められている。
兵庫医大などが注目したのがウイルスの運び役として「間葉系幹細胞」を使う方法だ。がんは増殖のために様々な細胞を呼び寄せるが、間葉系幹細胞もその一つ。この中にウイルスを入れて体内に投与し、がん細胞だけに感染させる戦略を描く。運び役となる物質はほかにもあるが、より効率的だと期待されている。
ウイルスが感染するとがん細胞の中で増え、ある酵素を体内で作る。酵素は体内に入れた別の物質を抗がん剤に変えてがん細胞だけを殺す。マウスの実験ではがんへの感染を確かめた。将来の臨床試験を目指す。
自治医科大学の内堀亮介特命講師と小沢敬也客員教授は脳腫瘍の治療を目指したマウスの実験で、がんを小さくする効果を確認した。全身への転移を抑えることも期待できるという。
実用化への課題は安全性の確認や量産時の幹細胞の品質の保証だ。安全性は特に重要で「がんに集まることで、かえって増殖を助ける恐れもある」(内堀特命講師)。
欧米や中国も研究に取り組むが、日本の方が細胞を傷めにくいウイルスを使っており「効果が期待できる」(久保准教授)。
(草塩拓郎)
がん細胞をウイルスで狙い撃ちにするするというのだが、<兵庫医大などが注目したのがウイルスの運び役として「間葉系幹細胞」を使う方法だ。がんは増殖のために様々な細胞を呼び寄せるが、間葉系幹細胞もその一つ。この中にウイルスを入れて体内に投与し、がん細胞だけに感染させる戦略を描く> とある。 副作用、転移を抑えつつ、がん抑止が期待できるという...... (2019.05.27)
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