今回注目する下記引用サイト記事 : 胃潰瘍の原因 抗血栓薬の関与増加 除菌や制酸剤服用で再発予防 消化器内科医 加藤則廣氏/岐阜新聞/2019.10.23 - 08:24 は、 <胃潰瘍は何らかの原因で胃の壁が傷つく病気で、主な症状は上腹部痛や背部痛などです。胃の壁は図のように5層構造になっています。粘膜下層より深いところには血管があり、潰瘍が深くなると血管が傷害されて出血します。出血が徐々に進行すると貧血を来してふらついたり、また便が黒くなります。一方、急な大量の出血では、吐血や下血を来します。さらに深く傷つくと、胃に穴が開く穿通(せんつう)や穿孔に至り、腹膜炎症状を発症します> と報じている。
<......胃潰瘍の発症には、① ピロリ菌による感染 ② 鎮痛剤やアスピリン製剤などの抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)の内服(NSAIDs潰瘍と呼ばれる) ③ 精神的なストレスの 三つが関与 しています。最近は、若年者のピロリ菌感染率の低下や健康保険でピロリ菌胃炎が除菌治療できるようになり、ピロリ菌感染による胃潰瘍は減少しています。 一方、整形外科疾患や心・脳血管疾患で鎮痛剤や抗血栓薬を服用する高齢者で、NSAIDs潰瘍の患者数が増加しています。同時にピロリ菌感染があると、発生率が高くなります。 胃潰瘍は内視鏡検査で診断しますが、胃潰瘍の一部にがんが併存していることもあります。そのため胃潰瘍の確定診断には、潰瘍の辺縁の一部を採取する生検で病理診断を行うことが必要です。―― 中略 ―― 胃潰瘍の治療は、制酸剤であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)や新薬のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)およびH2ブロッカー(H2RA)と合わせて粘膜防御剤を投薬します。約2カ月の治療で潰瘍はほぼ消失・治癒しますが、急性胃潰瘍は慢性胃潰瘍より早く治癒します。なおH2RAは腎機能障害のある人には、投与量を減らすことが必要です。 ピロリ菌の除菌治療は胃潰瘍の再発を低下させます。治療薬剤は制酸剤と2種類の抗生剤を1週間内服します。制酸剤にP-CABを用いると除菌率は90%以上です。またピロリ菌の除菌は将来の胃がん発生を抑制します。 鎮痛剤や抗血栓薬を長期に服用する人はPPIやP-CABなどの制酸剤を一緒に服用することや、ピロリ菌感染が陽性であれば除菌治療が推奨されています。 (岐阜市民病院消化器内科部長)> とある。
胃潰瘍の原因 抗血栓薬の関与増加 除菌や制酸剤服用で再発予防 消化器内科医 加藤則廣氏/岐阜新聞/2019.10.23 - 08:24
胃潰瘍は何らかの原因で胃の壁が傷つく病気で、主な症状は上腹部痛や背部痛などです。胃の壁は図のように5層構造になっています。粘膜下層より深いところには血管があり、潰瘍が深くなると血管が傷害されて出血します。出血が徐々に進行すると貧血を来してふらついたり、また便が黒くなります。一方、急な大量の出血では、吐血や下血を来します。さらに深く傷つくと、胃に穴が開く穿通(せんつう)や穿孔に至り、腹膜炎症状を発症します。
胃潰瘍の発症には、① ピロリ菌による感染 ② 鎮痛剤やアスピリン製剤などの抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)の内服(NSAIDs潰瘍と呼ばれる) ③ 精神的なストレスの 三つが関与 しています。最近は、若年者のピロリ菌感染率の低下や健康保険でピロリ菌胃炎が除菌治療できるようになり、ピロリ菌感染による胃潰瘍は減少しています。
一方、整形外科疾患や心・脳血管疾患で鎮痛剤や抗血栓薬を服用する高齢者で、NSAIDs潰瘍の患者数が増加しています。同時にピロリ菌感染があると、発生率が高くなります。
胃潰瘍は内視鏡検査で診断しますが、胃潰瘍の一部にがんが併存していることもあります。そのため胃潰瘍の確定診断には、潰瘍の辺縁の一部を採取する生検で病理診断を行うことが必要です。
―― 中略 ――胃潰瘍の治療は、制酸剤であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)や新薬のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)およびH2ブロッカー(H2RA)と合わせて粘膜防御剤を投薬します。約2カ月の治療で潰瘍はほぼ消失・治癒しますが、急性胃潰瘍は慢性胃潰瘍より早く治癒します。なおH2RAは腎機能障害のある人には、投与量を減らすことが必要です。
ピロリ菌の除菌治療は胃潰瘍の再発を低下させます。治療薬剤は制酸剤と2種類の抗生剤を1週間内服します。制酸剤にP-CABを用いると除菌率は90%以上です。またピロリ菌の除菌は将来の胃がん発生を抑制します。
鎮痛剤や抗血栓薬を長期に服用する人はPPIやP-CABなどの制酸剤を一緒に服用することや、ピロリ菌感染が陽性であれば除菌治療が推奨されています。
(岐阜市民病院消化器内科部長)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
<胃潰瘍の発症には、① ピロリ菌による感染 ② 鎮痛剤やアスピリン製剤などの抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)の内服(NSAIDs潰瘍と呼ばれる) ③ 精神的なストレスの 三つが関与>、<整形外科疾患や心・脳血管疾患で鎮痛剤や抗血栓薬を服用する高齢者で、NSAIDs潰瘍の患者数が増加> とある。 この場合、"制酸剤の併用" が欠かせない、とされる...... (2019.10.26)
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