"公的病院 再編・統合" に関し、公的病院名リストが公表され、批判を招いたことについてはすでに注目してきた。 <高齢化により膨張する医療費を抑制するのが狙い> であったかと思われるが、ここに来て、<内閣府、24時間診療実現なら> という新たな論点が持ち込まれ、事態がややこしくなっている。
◆ 参照 当誌過去の "公的病院 再編・統合" 関連記事
(1) <再編・統合の議論が必要と判断した公的病院名を厚生労働省が公表したことを巡り、全国知事会など地方3団体と総務、厚労両省は4日、協議の場の初会合を都内で開いた。全国知事会で社会保障担当の平井伸治鳥取県知事は「地域の医療機関がなくなったら命や健康は誰が守るのか。地域住民は大変不安がっている」と批判した> ( 全国知事会で知事ら"再編巡る病院名公表"を批判!厚労省に対し「地域住民は不安」!/当誌 2019.10.06 )
(2) <厚生労働省は30日、診療実績の乏しい全国の公立・公的病院の再編・統合を巡り、民間病院の診療実績データも近く公表する方針を固めた。データを比較することで、26日に名称を公表された424の公立・公的病院が民間で担えない診療を行っているかなど、地域の医療体制の見直しに向けた本格的な検討を促す> ( 厚労省、公的病院再編で、民間の診療実績データも比較材料として公表へ! 検討本格化/当誌 2019.10.02 )
(3) <厚生労働省は26日、全国1455の公立病院や日赤などの公的病院のうち、診療実績が乏しく再編・統合の議論が必要と判断した424の病院名を初めて公表した。これまでも検討を促してきたが進んでおらず、異例の対応に踏み切った。高齢化により膨張する医療費を抑制するのが狙い。......厚労省はこの日の会合で病院名を明らかにした。全体の29.1%に当たり、ベッド数が比較的少ない病院が多かった> ( 424の公的病院、再編必要! と判断、厚労省 異例の病院名称を公表!/当誌 2019.09.28 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 医療機関の統廃合、賛成68% 内閣府、24時間診療実現なら/KYODO/2019.11.22 - 17:49 は、 <内閣府が22日発表した「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」によると、24時間診療を実現するため、複数の医療機関を統廃合して医療従事者を集約することに「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した人は計68.9%に上った。「反対」「どちらかといえば反対」は計28.2%だった。町村部でも同様の傾向で賛成が反対を上回った> と報じている。
<......厚生労働省が9月、再編・統合の検討が必要な公的病院のリストを公表したのに対し、地方自治体から懸念する声が出ている。担当者は世論調査について「活発な議論をする指標になる」と説明した> とある。
医療機関の統廃合、賛成68% 内閣府、24時間診療実現なら/KYODO/2019.11.22 - 17:49
内閣府が22日発表した「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」によると、24時間診療を実現するため、複数の医療機関を統廃合して医療従事者を集約することに「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した人は計68.9%に上った。「反対」「どちらかといえば反対」は計28.2%だった。町村部でも同様の傾向で賛成が反対を上回った。
厚生労働省が9月、再編・統合の検討が必要な公的病院のリストを公表したのに対し、地方自治体から懸念する声が出ている。担当者は世論調査について「活発な議論をする指標になる」と説明した。
内閣府による世論調査の結果だとはいうものの、この問題の推移には、当初の意向からの論点のズレが見受けられるようである。 つまり、<高齢化により膨張する医療費を抑制するのが狙い> から、<内閣府、24時間診療実現なら> という新たな論点への "すり替え" ということである。 <担当者は世論調査について「活発な議論をする指標になる」と説明した> とあるが、二つの異なる問題の折衷案、接木は結局、禍根を残すだけに終わりはしないか...... (2019.11.24)
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