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【 過 去 編 】



※アパート 『 台場荘 』 管理人のひとり言なんで、気にすることはありません・・・・・





………… 2001年5月の日誌 …………

2001/05/11/ (金)  よっぽど暇なんだと思われてるかなぁ?
2001/05/12/ (土)  固定観念がやばい!
2001/05/13/ (日)  「対話」が苦手!に隠れた問題
2001/05/14/ (月)  「成田」詣で!
2001/05/15/ (火)  「最適化」とは?昨今の最適な生き方とは?
2001/05/15/ (火)  管理人室で赤飯を炊こう!
2001/05/16/ (水)  管理人室での、メビウス!の出来事!
2001/05/17/ (木)  話し好きな管理人に、捕まった集金人!
2001/05/18/ (金)  管理人、「三乗の惨状!」を防ぐべし!
2001/05/19/ (土)  お台場町内パソコン教室 ( 前半 )
2001/05/20/ (日)  人の気持ちがよく分かるアルバイト東海林君、登場!
2001/05/21/ (月)  お台場町内パソコン教室 ( 後半 )
2001/05/22/ (火)  オーナーからのメール
2001/05/23/ (水)  忘れん坊将軍ど忘れ!
2001/05/24/ (木)  充実すべし!犯罪抑止力!
2001/05/25/ (金)  各人が苦節何十年の担当責任者!
2001/05/26/ (土)  土曜日は「町内パソコン教室」堂々第二回!
2001/05/27/ (日)  オレたちの「みんな」モード、「独り」モード!
2001/05/28/ (月)  人間は、12歳まででその後の人生の予告編をすべて見終わる!
2001/05/29/ (火)  「パソコン初期挫折難民(?)」を救え!
2001/05/30/ (水)  わかりやすさを求めて、わかりにくさを拒まず!
2001/05/31/ (木)  主観的な旅情さそう天候?



2001/05/11/ (金) よっぽど暇なんだと思われてるかなぁ?

 このホームページを昨年末に、「唐突に!」開設して、そろそろ半年になる。何事も「いきなり」立ち上げてしまおうとする悪い癖がたたってか、何ヶ月も『掲示板』は寒空に吹きさらされ、さみしいかぎりだった。真冬に、『冷やし中華始めました!』との張り紙を店内に出したような、そんな感じだったかも。
 しかし、こういうことで管理人たるものは嘆きはしない。もちろん人を責めたりもしないし、後悔もしない。ただ黙々と初心を貫くべく、やるべきことをこなすのみ。(まるで「プロジェクトX」みたい?)
 と、ここに来て同窓会会報での「告知!」に助けられ、奇特な方々が訪れてくれるようになり、中には、気の毒がって、『掲示板』に書き込んでくれる人まで現れたのである。
 そんなことがうれしくて、訪問者のちょっとした暇つぶし、気分転換に役立てばと思い忙しいにもかかわらず、サイト充実に腐心するこの一週間であった。どう楽観視しても、いまどき暇して食っていける者なんていないはずなのだから。
 ただ、このあとまだ、@6年1組〜4組までの卒業写真が閲覧できるようにすること、A品川の地図で、思い出めぐりができるようにすること、などを残している。時間をつくって進めよう。
 それにしても、このご時世、こころのよりどころを意図的に作り出してゆかなければ、気が狂わんばかりの荒れ放題だと絶対に確信する。だから、こころと身体が疲れ果て、一日が終わろうとするそんな深夜、束の間の眠りと夢に入る直前に、独りで前奏曲を聴くように憩える、そんなホームページになってゆけたらよいと思う。きっとみんなも共感してくれるだろう。(2001/05/11)

2001/05/12/ (土) 固定観念がやばい!

 初夏のような青空が広がり、半袖でも、歩き始めてほどなく汗ばむ陽気だった。
 昨晩は、明日は休日とばかりに、三時過ぎまでHPの気になる個所の手直しなどを酒飲みながら気ままにやっていたせいで、起床は昼近く。気分はさ程よくなかったが、小一時間ばかりの散歩に出ることにした。
 表に出てすぐさま奇妙なことに遭遇してしまった。近所の奥さんに会ったのだが、そ知らぬ顔で無視されてしまったのだ。それも、以前「廣瀬さんは道で会っても挨拶してくれない!」と言っていたその奥さんだったのだ。すれ違ってから、私は考え込んでしまった。
 と、やがて私は自分が原因だったことに気がついた。私の格好なのである。ギラギラのギラほどに強い日差しだったので、私はまだ出されていなかった半袖シャツを探したが、適当なものが見つからなかったので、工場の作業員用であるようなシャツをまとい、これまた色気のない野球帽を深々とかぶり飛び出したのだった。多分、その格好が私だと気付かせなかったに違いないのである。
 そのことが正解だと確信したのは、この散歩中に、比較的近くに住む姉とその娘(めい)が乗るクルマとすれ違い、こちらが手を振ったのにもかかわらず黙殺されてしまったからである。
 変な場所で知り合いに挨拶されるのもイヤなものだが、こんな風に度重なって黙殺されると、何だか自分が「透明人間」にでもなったかのような気がしてしまう。二日酔いのボケた頭がなおのことクラクラして帰宅したものだ。
 さて、ここで教訓とすべきは、「人間の観察力は固定観念に呪縛される!」という事実である。多分、これは人間だけではないかもしれぬ。うちの飼い犬も、私がスーツ姿でなく、深夜戻ると吼えたりするからである。はたまた、PCでさえこんな先入観的動作をしたりすることもあるから面白い。( ex. デバイス・ドライバーのインストール時の反応、HPの構成部分変更時に、キャッシュを優先させて変更に従わないような反応 etc.)
 変化の激しいこの時代、個々人が狭い自分の体験に基づいた固定観念で外界を見ていたのでは、とても危ないのかもしれない。ではどうしたら事実を事実として客観的に観察できるようになるのか?
 しかし、固定観念は贅肉と同じで、ラク( 思考や心理のラク )の結果だから容易には改まらないものかもしれない。さらに、その場の空気や文脈や雰囲気に順応することを得意とする団塊世代は特にやばい!集団的固定観念に引きずり回されるからだ。
 ヒントは、子どもの観察力である。かれらは、ちょっとした差異に気付いたら喰らいついて離さないからだ。今日だって、もし近所の知り合いの子どもに会ったら、きっとさりげなくこう言ったに違いない。
 「あっ、おじちゃんだ!なんでそんな変わった格好してるの?」って。(2001/05/12)

2001/05/13/ (日) 「対話」が苦手!に隠れた問題

 五月晴れの五月十三日、あの日も抜けるような青空だった。今日はおやじの命日である。もう、二十年経った。

 おやじにとってはもちろんのこと、私にとっても人生最大と言ってよい転換点であった。今では、この転換で良かったと決めつけているが、名古屋へ出向き、大学院で研究の道を半ば以上選んでいたものを、すべてご破算にしたのだった。残された母の事情もあったため、東京に戻らざるを得なく、止む無く教授に紹介されたコンピュータ関係の企業のサラリーマン一年生として再出発したのだった。

 そんなことは別にして、おやじを亡くして一番の悔いは、ようやくまともに話ができそうになっていたのに、早すぎるじゃないかという点であっただろう。
 どこでもそうなのかもしれないが、おやじと私は、思春期以降まともに話をしない関係であった。決して悪いおやじだったわけではない。だが、いつしかそうなってしまったのだった。私の心境が変化して行ったのは、私が息子を持つようになった時、赤ん坊の息子を抱きあやして始めて、ああ、きっとおやじも今のこの自分と同じ心境になったのだろうな、と泣いて実感した時だった。そして、いつか酒でも飲みながら夜通し対話する時が来るだろうと、望み、考えていたのだったが………

 人生にとってというか、人間にとってというか、最も重要で、最も困難なテーマは「対話」、コミュニケーション、インターフェイス、関係性であろう。他のすべての問題は、この派生物だと言い切ってもよいと思う。そして今、この問題の不具合が社会の様々な分野でゲリラ的に発生しているのだと診断できそうだ。グローバリズムというマクロな問題から、等身大レベルでの個人間の対話に至るまで、機能不全が頂点に達しているとさえ言えるのかもしれない。

 問題を単純化するなら、極度に進行する個人化、個性化、個別化の自然的な進展に較べて、これら個人相互間の関係調和のしくみ作りというしんどい仕事が圧倒的に遅れ続けていることが原因だと言える。そして、しくみ作りの大前提が「対話」なのである。
 親子間にしても、親との一体関係から子が精神的に自立し、個人となりたがり始めてそこからいろいろな軋轢が生まれているのが実態だ。子の自立が悪いはずがなく、問題は、親子それぞれが過渡期的な状況をどうコントロールし合うかについての「対話」をせず、中途半端なまま、双方が依存と拒絶の二律背反を引きずることにありそうだ。
 また、最近、われわれの世代でも離婚の話がめずらしくなくなったと言う。
 確かに、これだけ日常革命的にあらゆるものが激変している環境で、夫婦関係だけが「聖域」であるはずはないであろう。ここにも、ほおって置いても進む個人化、個性化の進展に較べ、ただただ双方の一体性を信じるだけという怠惰であれば、破局は不思議でなくなってしまうのだろう。夫婦間であっても、相互「再」認識としくみの更新作業が当然必要なんだろうな。自分がどうかは、とりあえず不問とするが………

 こうした相互関係のコミュニケーションで、いまさらに難問となっているのが、人間と技術との関係がひとつと、国内と国外との関係(グローバリズム!)だろう。そして、これら両者の課題を抱え込んでいるのが、あの「IT革命」なのである。

 話が長くなりそうだが、おやじの命日だから、おやじに娑婆の近況報告するつもりで思い切り書いてしまおう。

 「IT革命」が日本経済の不況克服策に直結するかどうかは、別問題である。少なくとも「ITバブル」が無残な姿で終わったように、これが経済のバイアグラ(?)というのは大嘘なのである。長期的な体力増強に資する朝鮮人参の位置付けと考えたほうが無難である。

 日本にとって、これはとんでもない難問なのだということを強調したい。
 いうまでもなく、この革命は、インターネット技術を核にするものである。そして、インターネットとは、個人と、個人もしくは組織とのダイレクトな対話であり、コミュニケーションなのである。愚にもつかない単なる情報の交換だけに止まらず、経済行為の意思決定、つまり契約をさえ可能とするコミュニケーション・ツールなのである。

 ここでまずひとつ、責任主体としての本当の個人になり切れていない日本人、だから明瞭な意思伝達を当然含む対話をも苦手とする日本人の現状問題がひっかかってくるのである。個人間対話が困難であれば、インターネットの最大特徴である、個人が組織と対等に対話することはさらに困難というほかないだろう。

 さらに、インターネットは囲われたプールではなく、海原であり世界中とグローバルに繋がっているのである。外国語での対話という、これまた日本人が苦手とする現状問題が絡んでいるのである。私も、技術的なジャンルで、海外サイトと対話する時は、大いに緊張してしまうものである。

 これらの早期解決、達成は並大抵のものではないのではなかろうか。それと言うのも、対話不全(=個人の自立不全)故に生じているさまざまな社会現象が、早晩明るい展望を持つとは楽観視できないからである。

 これらに加えてである。IT技術サイドにいる私から観測すると、現在の日本人は、個人間の「対話」だけが苦手なのではなく、技術との「対話」が下手かもしれないのだ。つまり、ユーザー側のパソコン・オンチが、これまた並大抵の水準ではないようだ。いや、もっと正確に言えば、パソコン・オンチではなく、「情報」オンチである。機械的な操作が苦手とは言い切れない。これだけの工業国であり、これだけのマイカー天国(地獄)だから機械オンチ国ではないはずである。
 道具を使い、分析、推理しながら、あるいは知恵を働かせながらターゲットの「情報」を追い詰めていく方法や、その力に大きな弱点があるように思えるのだ。単純に言えば、自分が欲しい情報を明確化して、効率的な検索を進めるという、広い意味でのコミュニケーション力が乏しいように思えるのである。

 ところで、「話上手は聴き上手!」ということわざは、「発信」上手=「受信」上手と理解できるが、まさに「情報」検索と「情報」発信、表現とは表裏一体なのである。求められる「情報」を上手に提供、公開していかなければならないという点でも、まだまだ日本の現状は当を得ていないというべきなのではなかろうか。私など、アプリケーション・ソフトなどのマニュアルで感動したことはほとんどない。むしろ、「こいつは、ホントに分かって説明しているのだろうか?!」という憤りにかられることがしばしばである。相手のイメージが想定されていないという点で、やはり「対話」下手なのかもしれないと思う。

 したがって、「IT革命」の最大課題は、日本人の「対話」能力の画期的向上なのであり、その背後には、日本の長年の課題であり続けた望ましい「個人の自立!」課題が重々しく控えているのだと私には思えてならない。
 これらをまさに全体構造を掴みながら進めてゆくそんな方策( 私は、これを「情報リテラシー」と呼ぶことにしている。)が必要だと考えているが、おやじは、何となくでも分かっただろうか。分からなければ、日本のこれからの後日談も含め、私がそちらに召された時にじっくりお話しましょう。ただ、まだあと二十年は、能書き言い続けて、悪あがきし続けるつもりだからね。(2001/05/13)

2001/05/14/ (月) 「成田」詣で!

 今日は仕事の関係で「成田」まで出かけた。取引先の会社との月一定例の会議のためである。成田と言えば「成田山」(ここが取引先なのではない!)であるが、幼い頃は肌着の下、首からお守りをぶら下げさせられていたことを覚えている。
 確か、五、六歳の頃であったか、遊びのロケットか何かが屋根に引っかかってしまい、電柱をよじ登り、屋根に上がったのだった。そして、屋根の中央に設えられたガラスの天窓をそれとは気づかず踏み込んでしまったのだ。もちろん、子どもの身体といえども、板ガラスは耐え切れず、まるで落とし穴に踏み込んだように、その下の作業場のコンクリート床まで落下してしまった。
 ところがである。かすり傷ひとつしないという幸運に恵まれたのだった。そして、この話が近所中に広がったある日、裏手の家のある知り合いが、
「広っさん、それは『成田山』のお陰やわァ。それっちゅうのも、わてんとこの『お守り』がその日に、二つに割れて身代わりになりなはったのや」
と、事の推移を解き明かしに来たという。そして、これ以来、私の首には母が編んだ毛糸の袋に納まった『お守り』がぶら下がることになったのである。きっと、きっとそのお陰なのであろう、幸いにも私は大怪我、大病をせずに子ども時分を経過させてもらった。
 今でも、年はじめに成田に出向く際には、何はともかく詣でることにしているが、もとより菩提寺が真言宗のため、初詣は川崎大師と決めたりして、何かと弘法大師グループとの縁を深めることになってしまっている。
 佐倉付近を通過する京成電鉄スカイライナーの車窓からは、田植えの終わったばかりの水田が、新緑の風景を映す姿が見え、実に眼に優しく、しばしの癒しをふるまってもらった。やっぱり自然は、人間にとってかけがえの無い宝なのだなあ、と再確認していた。
 と同時に、昨晩衝撃を受けながら見たNHKテレビ番組『東海村臨海事故』を思い起こしていた。事故による放射線被曝によって、人間の生体の自然が壊滅的に破壊される悲劇が、どんなに惨く、悲しい事態であるかを訴えたドキュメンタリーなのであった。
 人間の手による自然破壊の極限をまざまざと知らされたとともに、クローン技術などに対する懸念も感じさせた。自然から生まれながら、自然を征服するばかりか、浅知恵によるコントロールまでも傲慢に仕出かす人間の空恐ろしさを痛感したのだった。(2001/05/14)

2001/05/15/ (火) 「最適化」とは?昨今の最適な生き方とは?

 最近は、一日の大半をPCと向き合う仕事スタイルを選んでいるが、こうなると、相棒たるPCの調子がとても重要な条件としてせり上がってくる。
 最悪、HDDのクラッシュといった事態に備え、システム・ドライブをリムーバブルとし、バックアップ用のクローン・コピーHDDを定期的に作っている。もちろん、システム・ドライブとデータ・ドライブは分けて、貴重なデータはどんなことがあってもキープできるようにしている。これなら、最悪事態が発生しても、備えのリムーバブルHDDを差し替えるだけですぐさま作業が継続できるからだ。趣味でPCを使うなら、修復作業もまた楽しみのひとつになろうが、仕事である場合は本命作業の速やかな推進がすべてであるからだ。
 つい先ごろ、自作のPCをさらに改造して、現在CPUは Pentium V 866MHz を搭載したマシンを常用しているが、それでも処理速度が気になる時がある。そんな時、HDDのメンテナンスを兼ねて行うのが、「デフラグ」、ドライブの「最適化」である。
 昨今のHDDの容量は格段に大規模化しているので、プログラムやデータがHDDの中にどのように整然と、効果的に収められているかによって、処理速度に少なからぬ影響が生じるからである。
 たとえて言えば、ずぼらな雑貨屋さんに買い物に行けば、商品を探すのが大変!主人に尋ねても、「あれは、確かここいらに置いたはずだけど……」となっていらいらさせられてしまう。これに対し、買い物がしやすい、品並べの店は、商品が自然に目に入り余計なものまで買ってしまうはずだ。
 したがって、CPUの高度化だけを速度のメルクマールと見なさず、HDDへのデータ格納の仕方の「最適化」=「デフラグ」を活用したいものである。

 ところで、PCといった人工物には明確な目的があるため、各部分の「最適化」という言い回しは理解し易い。しかし、人間世界は、どんな領域を想定しても「最適化」という発想はなじみにくいのではないだろうか。まして、いろいろな事柄の「目的」が自明ではなくなってしまったような現代にあっては、何に向けての「最適化」なのかを常に問い返さなければならないため、「最適化」という表現が持つ説得力は乏しくなっているのだ。
 ちなみに、現代の日本における「最適な生き方」とはどんな生き方なのだろうか?
 昨今、各所で「幸福論」が目につき始めたのもこんなことと関係しているのかもしれないが、ここへ来て、どうも各人が「生きる目的」について、自分なりに振り返る必要が出てきたような気がしている。
 それと言うのも、どう考えても、日本という国はもう絶対に経済が「自然成長」していた不況前の事態には戻れないはずだからである。景気回復という言葉が飛び交うが、もし回復する元が、不況前の水準や内実なのだとするなら、景気回復は絶対にあり得ないと思えるのだ。季節は、確実に「秋から、冬へと移行」しようとしているのが実態ではないのだろうか。消費の低迷は、一時的な傾向なのではなく、敏感な庶民が今後のライフスタイルとして先んじて選びつつある本筋の傾向のように見える。これまでの経済活性化国策の全滅が物語るのは、諸策が、老化してゆく老人への冷や水でしかなかったという点ではないか。
 過剰消費が実質上成立しなくなり、また過剰消費の生き方に疑問符がつき始めた以上、幻想を振りまくこれからの景気回復路線の失敗も明白であろう。むしろ、「秋から、冬へと移行」する来るべき新たな経済状況を見据え、これとは「最適」でなくなった生き方、バブル当時の生き方、過剰消費の生き方、量的拡大のみを良しとする生き方、またそんな生き方と並んであった過剰な競争原理などに対し、クールに距離を取り始めることが、現時点での生き方の「最適化」ではないか、とぼちぼち考え始めている。

 ふと最近思うのは、「登り坂」だけの登山が決してあり得ないことを、幾分でも考えなくてはいけない……と。また、「登る!」という半分の行為にしか美的価値を与えてこなかった美意識や文化は、疑ってかかる必要がないかどうか……とか、放っておいても美と映る若さだけをつまみ食いして、自殺した小説家ら(太宰、三島……)に対し、にわかに憤りを感じ始めたり……。
 いずれにしても、人生や歴史の必然を冷静に受け容れてこそ、手堅いものが生まれてゆくのであって、幻想を振りまき、事実から眼をそらさせる者たちにだけは警戒しなければならない。(2001/05/15)

2001/05/15/ (火) 管理人室で赤飯を炊こう!

 つい先ほど、『掲示板』に連続2コマの書き込みという快挙があった。今日は赤飯でも炊かなくてはいけないとそわそわし始めた管理人である。だから、日誌を書き終えたというのに、またまた書いたりしている。
 このアパート『台場荘』の管理人室に詰めていると、住人さんの出入りだけが唯一の楽しみにもかかわらず、部屋数は多く用意して、家賃もタダというのにまだまだガラ〜ンとしているのが情けない。そのうち、『おばけ荘』とのうわさでもたてば、いっそ『納涼おばけ屋敷』として衣替えして、客寄せしようかと思案していたところだった。
 小柴さん、岩崎さんという元気なテナントさんのお陰で、『おばけ荘』にだけはしないですみそうだ。あのお二方には、赤飯が炊けたら、お裾分けをすることにしよう。そう言えば、小柴さんはハイエンドPCを完成させたところだからちょうどいい!
 みなさん、管理人は偏屈者だけど、いまどきめずらしい良心的なアパートなんだからどんどん入居してくださいね。あと10年もすれば、このアパートの住人だったことだけで、自信と誇りとお金(?)がゲットできるようになる!ワケないね。はっはっはっ!
ワシも今日はきげんがよいわ。あっ、いかんいかん、赤飯がこげてしまう……(2001/05/15)

2001/05/16/ (水) 管理人室での、メビウス!の出来事!

 「はぁーい。何でしょう?ちょっと待ってくださいね」
------管理人、それまでモグモグとほうばっていた遅い昼食の『赤飯』を、湯呑のお茶で流し込みながら、受け付け用の小窓をススッーと開ける。そして、不信そうに突然の見知らぬ訪問者を覗き込む。
 「どちらさんでしょう?えっ?天王洲ディベロッパー?それってなに?はぁ?不動産会社なの?それで、不動産会社がこのアパートになにか?えっ?ちょっとお話しできないかって?」
------管理人、退屈しのぎに、まあいいかと思い、管理人室のドアを開け、訪問者を中に入れる。
 「お茶でも飲むかね。えっ?何かめでたいことがあったのかって?どうして?赤飯?ああこれね。これはね、これはなんですよ、これは、その〜、まぁいいじゃないですか。
 まあまあ、お掛けください。はいはい、その猫は人見知りしないから大丈夫ですよ。
 えっ、ずいぶんたくさん本がありますねって?なぁに、こんな仕事してると本でも読まないと間がもちませんわね。はい、お茶でもどうぞ。
 それで、不動産会社のお方が何用なんでしょう?はぁ?りっぱな建物だって?そりゃそうですわ。この天王洲アイルにふさわしいアパートとなれば、当然こうなるんでしょうな。それにしては、アパートというのはおかしいって?えっ?マンションとか、シャトルと呼ぶほうがいいって?余計なお世話ですよ。
 私かね?私はただの管理人なんよ。オーナーかね?オーナーは、なんでも町田とかにあるコンピュータ関連の会社さんだわ。なにジロジロパソコンの方ばかり見てるの。あんたもできるんでしょ?はぁ?パソコンできるくらいなら、不動産会社の営業なんかやってないって?そりゃお気の毒だ。やっといた方がいいね、若いうちにね。アビバとか、アキバとか行ったりしてね。
 私かい?私は、これでもパソコン三段なんじゃわ。なに?パソコンに段があるのかって?あんた営業にしちゃ、冗談が分からん人だね。算段してパソコン買ったっちゅうシャレよ。はっはっはっ。
 それで、不動産会社のお方が何用なんでしょう?はぁ?インターネットは難しいかって?なぁ〜に慣れだね。あんた、クルマで来たんだろ?免許もってんだよね。クルマと同じなんよ。
 そうか、それじゃひとつアクセスして見せてあげようかね」
------管理人、座敷にある卓上型パソコン・ラックに向かう。訪問者、うれしそうについて上がり、管理人の脇にキチッと正座する。隣に猫も正座する。
 「でね、こうしてここをクリックするの。すると、ほらっ、ね。ここが、オーナーの会社のホームページなんよ。最近ここに、近くの台場小学校の同窓生向けのホームページまでできたんだよね。これがまた結構イケテルのよ。ただ、不思議なんだけど、私と境遇が似ていて、私もこんがらがってしまう『管理人日誌』なんて変なページがあるのよ。なんなんだろうね。ほらほら、私たちのことが出ちゃってるのよ。
 『訪問者、うれしそうについて上がり、管理人の脇にキチッと正座する。隣に猫も正座する。』ってね。で、なになに、それから『訪問者は、結局アパート買取の打診もできず、また来ますと言っておとなしく立ち去る。』だってさ。
 ええっ?もう帰るの?何か話があったんじゃないの?」
------訪問者は、結局アパート買取の打診もできず、また来ますと言っておとなしく立ち去る。(2001/05/16)

2001/05/17/ (木) 話し好きな管理人に、捕まった集金人!

 ことばの魔力というのがあるね。あれはいけませんね。シュシュー(お茶すする音)。
 今朝もね、新聞読んでたら「メル友」なんていうのがあるんよね。いや、戦友じゃないんよ。あんたは古くてダメだね。要は、携帯でメール交換する友達ってことらしいんだけど、知ってる?友達を装ってね、犯罪するのも大勢いるらしいんよ。
 「出会いサイト」っていうのもあったがね。これもどえれぇ不謹慎なことに繋がる場やいが多いちゅうか、どえれぇ不謹慎なこと目当てで臨む者多数といった塩梅やがね。えっ?不謹慎なことって何やって?いかんがねぇ〜、いい年して、そんなこと、おみゃ〜さんが自分で考えんと。(名古屋弁!)

 私が思うのはね、今も昔も人の弱みにつけこんで、言葉巧みに人騙す奴は絶えないもんやなぁ〜ちゅうこと。ほら、あんたも昔、祭りなんかで、六尺の大いたち!やでぇ〜っていう小屋に入りおったら、六尺の大きな板に血が塗りつけてあっただけやちゅう、どえらくえげつな〜い騙しに引っかかったことあったやんか。ほやけど、ああゆうんは、まだかわいらしゅうてええんよ。それに、騙しっぽいこと承知で覗くんやさかいな。(大阪弁!)
 ところがですよ。頭が悪くはないと思しき今時の若いさん達が、こんな手口で被害にあったりしちゃうのって何なんだろうね。
 そこであたしゃ新聞睨んで瞑想にふけったよ。「こんなんでました〜」って出てきた答えはふたつ。ひとつは、「割れなべに閉じ蓋!」。そしてもうひとつが、「ことばの魔力!」。確かにさ、仕掛ける奴は言語道断よ〜。そんな奴はなめくじみてぇに、いつの時代にも湿ったとこにわいて出やがる。だからよ、そいつに引っかかっちゃいけねぇや!(江戸っ子!老管理人はいったいどこの出身なんだろうね?まぁいいか。先にススモ!)

 世間を知らずに、自分の心境だけで世間を拡張解釈、希望的観測、北極・南極極点観測(?)してたんじゃマズイわさ。そういう気の毒な子や人が何時の間にか増えちゃったんだよね。マズイことに!
 そこへ持って来て、ことばが魔術働くのよね。マスコミも良くないのよ!アブナカッタリ、ヤバカッタリすることに、変に飾ったネーミングする傾向さ。ほら、「エンコウこと援助交際」ってヤツもそうよ。何か赤い羽や緑の羽、胸に付けるみたいな錯覚を与えないかね。ストレートに、「バイシュン」と言うバイキンの響きをくっつけてなじり倒すべきなんよね。
 それから、「ボウソウゾク」っていうネーミングだっていけませんわ。なんか房総半島、湘南の海のニュアンスを与えたり、レジスタンスの響きを感じさせる余地を残すから。これなんぞ、「暴走チンピラ」略して「ボウチン」と言ってやるべきなんすよ。断じて!
 それでさ、
 「昨夜、神奈川県警は、県内にわいて出て市民から軽蔑されている『ボウチン』の一斉検挙に踏み切りました。逃げ惑い、『ドテラまがい(特攻服はこう呼ぶ!)』がズタズタになった『ボウチン』たちは……」
という調子の報道をすれば、カッコ付けたがり屋の連中の半分は降りちゃうはずだよ。
 さらにね、逆手をとるんだね、追い討ちかけて!ぽい捨て空き缶を進んで拾うことを「キムタクする!」とか言っちゃうわけ。そうするとね、
 「予想されていた連休中の観光地の汚れは、『キムタクする』若者たちでごった返したお陰でゴミひとつ目に入らない……」
となるんじゃなかろうかって希望的観測、北極・南極極点観測(?)するんだけど、どうだろね。オイオイ、NHK集金人のオヤジさん。ダメだよオヤジさん、人の話聞かないで猫じゃらして遊んでちゃ〜。どいつもこいつも困ったもんだ……。(2001/05/17)

2001/05/18/ (金) 管理人、「三乗の惨状!」を防ぐべし!

 あれっ?なんか、今、チラッと見えたな……。気のせいかな?
 なんせ、最近は眼に「老化力」がメキメキついてきたんでなぁ。眼だけじゃないか。むしろ、かたよりなく、まんべんに、総合的に「力」がついてきたというべきかな。情けないもんだ……。あれっ?やっぱり、何か動いたぞ!まてまて、あわてちゃイカン。こんな時こそ、オーナーがワシを評価してくれた「沈着冷静、唯我独尊、事故防止!」の資質を生かさにゃイカン!まずは、賊の相手を刺激してはイカンのだ。これが基本中の基本じゃな。最近のアメリカ映画の「ネゴシエィター」のように、とことん言い分を聞いてやって仲間のように振舞おう。そうしておいて、相手が油断したとこで、そうそう、この「ステンレス製伸び縮み三段警棒」で弁慶の泣き所を打ち込む!賊が泣いて謝りたくなるほどに打ち込む!これしかないな。よし!
 あれぇっ?ボク〜、どうしてこんなとこにいるの?さっきからずっといたの?どっから来たの?えっ、なに?天王洲パチンコ?ママがパチンコしてるから、つまんなくてウロウロしてたっていうわけなの?しかし、あーあ、よかった。いやいや、良くはない。このケースはこのケースで、まかり間違えば、まかり間違ったことになることを冷静に考えにゃイカン。
 どうしようか。まずは、この子がここに来ていることを、母親は知らないという厳然たる事実に、いっさいの偏見と差別を排し、大胆かつ鋭く着眼しなければならないのだ!はいはい、その猫は人見知りしないから大丈夫ですよ。猫ちゃんと遊んでいなさいね。名前?リンちゃんって呼んでるの。
 あっ、そうだこの子の名前を確認しなきゃイカン。ボク〜、名前は何ていうの?えっ?違うでしょ。リンちゃんは〜、猫ちゃんの名前でしょ。ボクちゃんの名前は何ていうの?だからぁ〜、リンちゃんはにゃあにゃあのお名前ね。ボクちゃんのお名前が聞きたいの。あっ、そうなの、リンタロウだからリンちゃんなの?そんなに怒んなくてもいいじゃん。
 よしよし、これで次へ進めるぞ。さて、どうしよう?ケイサツ?それもひとつだな。だが脆弱な官憲の手をわずらわすのは芸がないぞ。ここはむしろ、有能な市民の手で解決したいものだと、ワシのプライドは主張しとる!となると、どうするか。あ〜イカンイカン、時は刻々と刻みおる、こうしている間に、母親は、パチンコで負けて絶望!加えて子供が行方不明で絶望!不仲の夫の怒鳴る姿が脳裏をよぎって絶望!絶望の三乗は、きっと想像を絶した短絡的な惨状を招くに違いないのだ!イカンイカン!
 だが、ワシが、パチンコ屋まで連れて行き、ここを空けるという大それたことは、管理人規則の第九条の改悪を意味することになるから絶対に、できゃせん!あっ、ボク〜その電話はいじっちゃダメよ〜。それはねぇ……、そ、そうだパチンコ屋に電話で呼び出しを掛けさせる手、これだ!ワシは、なんと迅速な判断のできる男なんじゃろ。まだまだ、老化力は蓄積しておらんということだな。
 もしもし、もしも〜し、こちらは〜台場荘アパートの〜管理人室で〜す。
実は〜…………。(2001/05/18)

2001/05/19/ (土) お台場町内パソコン教室 ( 前半 )

 はいはい、その猫は人見知りしないから大丈夫ですよ。
 さあさあ、みなさんご苦労さまです。今日は、町内のパソコン教室、第一回目ということに相成りました。何で私がこういう立場と相成ったか、もひとつ見えないとこがあるんですが、まあいいですか。この年寄りでもお役に立てれば幸いのかぎりです。
 パチパチパチ。(8人くらいの拍手!)
 えっ?天王洲ディベロッパー営業のキムラ君が根回ししたのかい?あの管理人は、見かけはモッサイけど?余計なお世話ですよ!パソコンは三段の腕なんで、眠らせとくのはもったいないってかい?キムラ君がそう言ったのかい?困った人だよねえ。えっ?来てるの?キムラさん!あんたは、さすが営業だね!売り込むのがうまい!えっ?営業辞めた?先日のあの日にカルチャーショック受けちゃったって言うのかい?いやー参ったねえ〜!
 はいはい、始めましょ、さっそくね。
 さて、みなさん、今日は初日なんでね、パソコンはいじりませんよ。いや、いじりたい方がいれば、レクチャーが終わった後、残ってください。ちょっとだけ操作のまねごとするくらいならいいでしょう。
 でね、今日はみなさんに大事なことをお聞きしたいんです。いやいや月謝のことじゃありませんよ。えっ?みんなで相談済みだから安心してくださいってかい?困るなあ、そんな杓子定規なことされたんでは……。はいはい、じゃ、その件は、また後ほど。
 でですね、大事なことというのは、パソコンで、あるいはインターネットでそれぞれ何がしたいのかっていうことなんです。なんでもそうですが、動機っちゅうもんが大切なんですよね。今でも禅寺に修行に行くとね、まず入門動機の確かさが、これでもか、これでもかって試されるんですよ。えっ?修行に行ったのかってかい?なんで坊主でもない私が行かなきゃならないの!テレビで見たんですよ!
 じゃ、自己紹介兼ねて、順番に行きましょうか。
 天王ラーメン屋の旦那さんは、表計算と品書き作りネ、はいはい。ゆくゆくは、ホームページで客寄せ増強も図りたいとネ。積極的ですね。えっ?まだあるの?インターネットで?たまにはエッチも見たい?ウーム、困ったお方だね。まぁ、考えときましょ。
 次は?ああ、田中さんの奥さんね。アメリカに留学してる娘さんとメールのやりとり?いいですねぇ〜。インターネット電話もできるんですよ。そう、通話料が安いの!
 で?NHK集金の細田さんは、うん、うん、それはデジカメ画像の編集ということになるね。ゆくゆくは、ビデオ編集もね。いいんじゃない。えっ?さらにゆくゆくがあるの?最終的には?放送局開局したい?そりゃ、ム〜リ!ば〜か。はっはっはっ。いや、そうとばかりも言えないかもしれませんね。万事やる気次第ね。
 勅使河原のおじいさん!今日はよくおいでくださいました。おじいさんは……。えっ?あんたに、おじいさんと言われると腰砕けしてしまう?はっはっはっ、すいません。で、勅使河原さんは?はいはい、いわゆる『自分史』の編集っていうやつですな。うん?十年二十年かけてもやりぬく?(シーン!&パチパチパチ!)
 お嬢さんは?はいはい、今、登校拒否中で?本ばかり読んでるんだけど、インターネットがやれるようになりたいとネ。それで、ウェブ上でいろんな資格が取りたいワケだ。い〜ですねぇ。で?お名前は?はっ、吉永さんね?なんとなくキューポラの努力家っていう雰囲気あるもんね。
 さてさて、みなさん!こちらのお二方は、当台場荘のテナントの方々で、こちらが岩崎さん、こちらが小柴さんです。お二人ともパソコンはマスターされてるんですが、初心者の方にアドバイスするのは大変にいい勉強になるからということで、こうして参加されています。見上げたもんですね、ちなみにお二人とも部屋は三階です。こうした役割は、いわゆる、チューターって言うんですね。えっ?猫がウロウロし始めたって?(まさか!)
 ということで、全員の方の……、えっ?キムラさんがまだだ?そ、そうなんですよ。誰か残っていたに違いないと思ってたとこなの。はい。キムラさんのパソコンへの動機は何でしょうかね?
 えっ?営業?だって、営業辞めたんじゃなかったの?あっ、そうかそうか、顧客管理システムかなんか作って、デジタル管理の営業で巻き返しを図ろうって魂胆ネ?えっ?違うの?営業そのものだっていうのかい?(キョトン、キョトン、キョトン!みなが不思議がる音。)
 キムラさん!どういうことなの?詳しく聞かせてくださいよ。

【 INTERMISSION 】(なつかしい単語!「ドクトルジバゴ」以来お眼にかからない。)…………後半は、明後日の午後七時からとなっております。

******* 連載小説を中断して息抜きしてるっちゅうのに、またまた、連日連載の駄文づくりにみずからはまり込んでゆくという愚を仕出かしている自分!あーあー仕事がたまる〜(2001/05/19)

2001/05/20/ (日) 人の気持ちがよく分かるアルバイト東海林君、登場!

 はじめまして!私が、ここの管理人の志村ちゅいます。はあ、東海林さんって言うんね。まあまあ、お掛けください。それで、なんですか、このアパートの管理の仕組みちゅうか、管理人という職務については、オーナーの方から説明を受けてきたワケよね。では、今日は先ず東海林さんのこといろいろ聞かせてもらっちゃおうかな〜。
 それはそうと、オーナー、私のこと何か言ってなかった?あいつは、年寄りのくせに妙におっちょこちょいだとか、何でもやりたがり屋だとかね。それとかね、おだてに乗り易いとかさ、何でも勝手に自分で決めちゃって、管理人室で猫まで飼ってるとかさ、だけど、だけどだよ、一途な人間で、信頼がおける〜、とかさ。
 えっ?全部言ってた?えっ?最後のを除いてかい?最後のを除いてねぇ〜……。
 それで、今回の私の希望であった「日曜日だけは、アルバイトを入れて志村を開放する!」ちゅう点については、こうしてあんたが選ばれてきたんだから、文句なくOKちゅうわけなんだよね。むしろ、これはオーナーも、そこに気がつかなくて申し訳なかったって恐縮してたでしょ?えっ?ぜんぜん?週に一日位、別な人間を貼り付けた方が安全と言えば安全!だなぁ、と言う意味のことをつぶやいてました、ってかい?ぎくっ!えっ?それからまだなんかつぶやいて?おろおろ。うん、アルバイトと言えども、同僚?うん、同僚即ちライバル?ライバル関係はミレニアムの職場には必須なんだろうな……、ってそんなこと言ってたのかい?ヒヤ〜。ホントにそんな厳しいことおっしゃってたの?キビシーね〜。
 で、なに?君はなにをニヤニヤしてるの?そんな場やいじゃないでしょ!えっ?だいじょうぶです、って?なにが?なにがだいじょうぶなの?えっ?私は、ライバルなんかじゃありません、ってかい?どういうこと?東海林は、根っからの怠け者のグータラなんで、東海林との比較で志村さんのオーナー受けは良くなる一方だ!、ってのかい?(ほっ!)しかし東海林さんね、(ほっ!)怠け者のグータラというのは(ほっ!ほっ!)、こんなアパートの管理人と言えども、いやアルバイトの週一の管理人と言えどもだよ、困るんだよねぇ〜。(ほっ!とした気分が隠せない管理人……。)でも、オーナーが選んだんだからね。いいやね、しょうがないよね。
 さて、それで、ようやく東海林さんのことがゆっくり聞けるように相成りましたね。
 そ〜なの、東海林さんは、自称、怠け者のグータラなんだ。えっ?他称もそうだ、ってのかい?(「ほっ!」の三乗!)しかし、そういう人に限って、「能ある鷹はツメ隠ス!」ってことわざみたいに、実は有能なんだよね?えっ?「百聞は一見にしかず!」ってかい?顔見てくださいってかい?(ジィーー、ちょっとぎくっ!さらに、ジィーー、ほっ!ほっ!ほっ!)
 東海林さん!私は東海林さんが気に入りました!人の気持ちを大事にするようだし、なんせ正直なところが好きです!一週間に一日、日曜の朝九時から、翌朝九時まで、途中二時から六時までの仮眠ということで、お頼みしますね。
 これで、私も日曜日は人並みにフリーですわ。えっ?いつもフリーみたいだって?それを言っちゃおしまいよ!(2001/05/20)

2001/05/21/ (月) お台場町内パソコン教室 ( 後半 )

【 INTERMISSION 】終了。

[キムラ] 実はっすね。あっ、長くなっちゃいますけどいいっすか?
先日、以前の会社、天王洲ディベロッパーの営業として、こちらにお邪魔しましたよね。もうその時には、不動産会社の営業には見切りをつけたいと考えてたんっす。
[管理人] そ〜だったの?どうりで、あっさり帰っちゃったワケだ……
[キムラ] だってそうでしょ。中高年でほかにやれることないなら、しょうがないけど、大手ゼネコンさえ危ないこの時期、若いヤツがやるジョブじゃないっすよ。ブツ(建築物)の商いなんて。確かに、一時は私も『 宅・建 』の資格とって、バリバリやろうとしたこともありました。けどねぇ、何て言ったってこれからは、建物は余るはずっすよね。少子化なんだから。
 やっぱり、コンピュータかな〜って、ねらいは定めてました。だけど、オレって、機械はぜんぜんダメなんっすヨ。みんなほかのヤツはケータイ持ってるじゃないっすか。ほいで、定年したオヤジが家ん中でTVのリモコン放さないように、街ん中でやってますよね。ぜんぜん興味無いんっすヨ。馬鹿かぁってさえ思うくらいっすヨ。そんなに繋がってたけりゃ外出すんなよって思っちゃいますヨ。
[管理人] ケータイの話はね、また別な時にね、先行きましょ。機械が苦手だと、それで?
[キムラ] そいで、先日、管理人さんにホームページ見せてもらったじゃないっすか。正座して。猫も隣に正座してぇ。オレ、あん時、ビックリしたんっすヨ。小学校の時に『未知との遭遇』の映画見た時以来の「ウッソー!」でしたよ。ホームページ見るのは、初めてじゃありませんよ。天王ラーメンのおやじさんじゃないけど、ダチッコとエッチ見たりぐらいはしてましたよ。
 でもね、オレ、こう見えても中味にうるさいんっす!だって、不動産取引じゃ、詐欺まがいも横行するじゃないっすか。本物と詐欺を仕分けるのは、直感勝負なんっすヨ。
 でね、あのホームページ見せてもらった時、技術の小道具もそこそこだとは思ったけど、中味がモノホン(本物)だって思えたよね。しかも、『台場小同窓』サイトの方は、ビジネスのフックが何にも仕掛けられていないから、じわっ〜って、良さが伝わってくるんだよね。ほいで、そのホームページを管理人さんは、誇らしげにスイスイ操作してましたよね。オレは、これだー!って直感したんっすヨ。
[管理人] それで、私担ぎ上げて、パソコン勉強しようと?でも、営業をやりたいんだよね。も〜ちょっと聞かないと謎は解けないか。続き、どうぞ。
[キムラ] 長くなっちゃいますれどいいっすか?
[管理人] また、"INTERMISSION"入れる?
[キムラ] オレはね、この管理人さんは、タダモノじゃないって睨んでるんっす。あんな中味の濃いホームページを作る会社が、たとえアパートの管理人と言えども、単なるタダモノを配置するワケがない!って睨んでるの。これは、単なる当て推量っすけどね、ひよっとして、管理人さんは、あの会社の影武者ならぬ影会長なんじゃなかろうか?ってね。
[管理人] …………( 感激と動揺、動揺と感激が入り乱れ、言葉ナシ!)
[キムラ] 冗談はさておくとしてぇ。
[管理人] はっはっはっ!(と、取り繕い笑い!)
[キムラ] これで、ひとつ「アントレプレナー(entrepreneur)!」を目指してやろって決意したんだ!
[天王ラーメンおやじ] なんだね?その「あん取り合戦?」ってのは?
[登校拒否の吉永] 起業家ですよね、確か。なんか、面白くなってきたわ。やっぱり、熱い人達の中にいると、ビリビリ感じるものがあってサイコー!
[キムラ] 以上が前置きの説明でして、これからが「なぜ、営業?」という核心の問題に入ります。
[管理人] あっ、田中さんの奥さん。急須?急須は、そこの棚の、はいはい、そうです。まあ、今日はお茶飲みながら、ゆっくりやりましょうや。
[キムラ] 管理人さん、ことわざに「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ってあるじゃないっすか?
[管理人] 危険を避けていては成功できない、っていことですかね。
[キムラ] そうなんですが、オレはね、もうひとつひねって、欲しいものは直接求めずに遡って迫れ!っていう解釈するんっす。ターゲットの虎の児が欲しけりゃ、虎の児、虎の児ってばかり闇雲に考えんじゃなくて、そいつは、どこに居る?採り方の方法は?その障害は?っていう風にね。
 いよいよ、核心なんっすが、その前にもうひとつ、「鵜飼い」の話に"迂回"します。
[管理人] も〜、キムラくん!
[キムラ] 人は、川魚のアユが欲しいと思います。これを売って商売したいと思います。それで、えさ釣りだの、友釣りだの、投網だのと採り方に専念します。こうした、段階を第一段としましょう。ところが、鵜飼いは、鵜にアユを採らせて、それを横からいただいちゃおうというんっすから、一段遡ってます。これは、第二段と言えます。
 しかし、これで終わりじゃないんっすね。アユの収穫は、優れた鵜がいればそれで済む問題ではなく、その上に優れた鵜匠がいてこそ完結する!と。この最終段階が、第三段なんです。オレは、こういう風な鵜匠をこそ、ターゲットにした発想で、どっさりアユを手に入れたいと考えてるんっす。
 人は、いろんな仕事して稼ぐなり、趣味やって満足するなりします。これが第一段っす。これらを効率的に、効果的にやる道具の「鵜」=パソコンが登場して、パソコンは普及し、今みんながパソコン勉強することを真剣に考えてます。だから、自分がパソコン勉強するとか、パソコン教室開いて商売するとかが注目されてます。これが第二段っす。
 ところが、オレ、もう一段遡り、鵜匠の役やるパソコン教師に着眼するんっす。とにかく、パソコン分からなくて困ってる人多い。あっちこっちパソコン教室やってる。でも、ダメね!教師バカだから。矢沢、ここで考える。いい教師探せって。それでいい教師斡旋する商売をやろって。PCトレーナーハンターとでも言えるかもね。これ、一番現代的ニーズにあったヒャッピーな営業ネ!管理人さんのパソコン三段!っていうのもいいヒントになりました。
[管理人] 矢沢クンじゃなかった、キムラくん。オーナーんとこ、そういう講師派遣もやってるけど、それほどではないみたいよ。
[キムラ] いや、並のトレーナーじゃダメっす。金ぴか先生とか金ぱち先生でもいいけど、実力あってそのに上カリスマ性があるようなトレーナーなんっす、ターゲットは。
 って言うワケなんっすよ、営業やるっていう意味は。でも、ここでパソコンの勉強はマジにやりますよ。管理人さんの教え方、しっかりチェックさせてもらって、いいPCトレーナーのイメージをたたっ込むつもりっす。そんなワケで、どうぞみなさんよろしくお願いいたします。
[みんな] ウヒャー!&キョトン!&シーン!&シュ、シュー(お茶すする音)&……(引っ張り回したにしちゃなんだよネー、とか、若い人は思い込みが大事です、とか、風が吹けば桶屋が儲かる&ねずみの嫁入りの類ね、との声のあったことも付け沿えておきます。)
[管理人] いろ〜んな動機があっていいんですけど、なんか疲れちゃいましたね……。じゃ、宿題出して、今日はお開きとしましょう。

[ホワイトボード] 《 宿題 》キーボード配列に慣れましょう!(「実物大キーボードのコピー」を使って、自分の住所・氏名を百回打ちましょう!)(2001/05/21)

2001/05/22/ (火) オーナーからのメール

 今日は曇ってはいるが、空気がひんやりした湿気を含み、落ち着いた感触で悪くない陽気だ。五月晴れというのもいいが、ここ二三日ちょっと暑かったかな。
 いや〜、暑いと言えば、昨日の熱気には正直言って、疲れた。
 矢沢くんじゃなかった、キムラくんみたいにマクロな発想、ゲーム的発想でまくし立てられると、疲れるわ。
 ということは、私は、年のわりには合理的だと自認してきたが、どこか屋台骨の何本かが、情緒的な土壌にゆらゆら乗っかってるのかな〜。かなり揺さぶられてしまったわ。そう、ちょうど、地震で「液状化」しちゃう土地があるらしいけど、そうゆう「情緒的な土壌」に、三分の一、いや半分、いや、三分の二ぐらいの柱が乗っかってんのかな〜。なんか、よう分からん例えだけど……。
 キムラくんも、しかし必死なんだろうな。
 そりゃそうだろう。私らみたいに、第三、第四コーナー回って、ゴールが見え始め、おまけに先行して逃げ切る馬のしっぽばかり見せつけられているものと違って、彼らは、第一コーナー前の直線コースかもしれないもんなあ。この時点では、優勝チャンスは、各馬イーブンと言えるはずだ。熱くなって当然だよね。
 それにしても、わが国の「IT革命」とやらは如何相成りますやら。あっ、そうそう!ここでパソコン教室やることになりましたって、連絡したら、オーナー賛成してくれて、あとでメール入れるからって言ってたんだ。どれどれ……

「台場荘アパート管理人/志村 様

 毎日、ご苦労様です。住み込み管理人の仕事は、気が抜けなくて大変なことと思います。したがって、管理に支障の出ない範囲における自由裁量を許可いたしますが、この度の町内パソコン教室は、地元への貢献という点で大変好感を持ちました。
 そこで、私も可能なかぎり支援いたしますので、要望があれば申し出てください。私も今、町田市の生涯教育路線の市民大学にて、『デジタル・デバイドと情報リテラシー』というテーマの講義を依頼され、準備をしているところなのです。
 『IT革命』が現在の日本経済の救世主になるかどうかは別問題として、わが国が遭遇している超高齢化社会(少子化社会)、グローバリズム、財政破綻を考慮すれば、社会のIT化は避けられないでしょう。
 その時、経済構造の激変で、旧産業からの失業者を拾い上げる『セイフティネット』が叫ばれています。しかし、再就職問題とともに、対策しなければならない実質的問題として、人々のIT関連能力の引き上げという点があるはずなのです。
 さまざまな調査結果を調べてみると、種々の恵まれない環境下で、それゆえにIT環境に馴染めない状況があり、いろいろ不利な立場に甘んじる人々の問題、これを『デジタル・デバイド』と言いますが、やはり明瞭に存在するのです。多分、予定されている行政のIT化などが進展すれば、なおのことこの問題は鋭く浮上してくると推測しています。
 IT環境を生かす能力は、決してパソコンの物理的操作ができればよいという単純なものではありません。だから、従来使われてきた『パソコン・リテラシー』という言葉が最近では『情報リテラシー』と言われるようになってきたのです。
 ちなみに、各人の『情報リテラシー』の高さを推し量るチェック・リストのサンプル(電通総研、平成12年5月、『 生活者・情報利用調査'99 』より)を添付します。何かの参考にしてください。
 また、時々メールを入れます。 from 廣瀬 」

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《 情報リテラシー・チェックリスト 》

【 マインド要素 】
 ■自己実現欲求
  ・趣味やライフスタイルの実践に、時間をさこうとしている
  ・実現させたい生活のイメージを、ある程度明瞭に持っている
  ・人生の目標の実現を目指してがんばっていこうと思う

 ■社会的関心性
  ・社会のいろいろなことや他人に、興味があったり、積極的に関わっていく方だ
  ・テレビ番組の中では、ニュースやドキュメンタリーが比較的好きだ
  ・社会の不条理に怒ったり、困っている人を助けたくなることがある

 ■情報投資
  ・ある程度のお金を払わなければ、欲しい情報は得られないと思う
  ・現代人として、情報収集のためのある程度の投資は当然だと思う

 ■情報収集
  ・自分の趣味や仕事に関する分野で、知らないことがあると気になる
  ・世の中の大まかな動きについては、大体把握していると思う

 ■情報処理
  ・大量の情報に対しても、整理して結論を出せる方だと思う
  ・他人に何かを説明したとき、わかりやすいと評されることがある

 ■情報発信
  ・自分の意見は、積極的に発信したいと思う方だと思う
  ・自分の意見に対する批判でも前向きに受け止められる方だと思う

【 スキル要素 】
 ■PCスキル
  ・ワープロやパソコンを使って、無理なく文章を作成できる
  ・パソコンを使って、グラフ作成や表計算ができる
  ・自分が使っているパソコンの処理速度がもっと速かったらと思うことがある
  ・自宅に自分が使えるパソコンがある

 ■インターネットスキル
  ・インターネットを利用して調べたことがある
  ・自宅でインターネットを利用している
  ・定期的に電子メールのチェックをしている
  ・自分のHPを作成したことがある(2001/05/22)

2001/05/23/ (水) 忘れん坊将軍ど忘れ!

 またまた、忘れん坊将軍の「紀州」じゃなかった、「奇襲」攻撃にあって今日も朝食時以来、冥府魔道をさまよっている私。最近は、やっぱ多くなってきたもんだ。
 ワイン飲んで、健忘症に効くと言われてるポリフェノールを一挙両得で補給しているんだが、やっぱ冥府魔道への落とし穴に、頻繁に落っこちる私。
 ウン?なんだったっけ?あれ、あれ!喉元まで、来てるのに……。(こういう時に、「忘れてるよ〜」という声が脳裏をよぎったりする!そして、真っ暗な冥府魔道への扉がギ、ギーーと開く……)
 しかし、ど忘れって、気味の悪いものだ。日誌だから、プライベートなものだから何でも書いちゃうけど、ちょうどおしっこするつもりで便器の前に立って、さてというに、なかなか出てこない感じ。あれっ、と思ってあせったりするとなおのこと水門が開かれない感じ。請願運動やっても、署名運動やっても、堅く閉ざされたままの諫早湾水門!
 子どもに用を足させる時、「しー、しー、しー……」って促進をかけたもんだけど、あれが必要なんだろうな。
 で、私は、有力な緊急対策促進法をこのほど可決したのだ。「アイウエオ絨毯爆撃!」がそれである。
 顔というイメージが浮かんでいるが名前が出てこないそんなシチュエーション。例えば、映画ロッキーの主人公を演じている俳優は誰?チィッ!チィッ!チィッ!……
 あっ、だれだったっけ、だれだったっけ、あの筋肉モリモリの、たれ眼の、だれだっけ、だれだっけ……。ア、イ、ウ、エ、オ……違うなあ。カ、キ、ク、ケ、コでもないなあ。サ、シ、ス?あれっ?なんか、かすった感じ!サ、シー、シー、そうだ、シルベスタ・スタローン!ピンポーン!てなわけである。
 この方法は、実に地道過ぎるくらいに地道ではある。生真面目でもある。考えようによっては、まどろっこしくもある。しかし、私は、この方法を既存方法のとりあえずベストとして依拠しているのである。
 忘れん坊将軍の紀州、じゃなかった奇襲には、アイウエオ絨毯爆撃!これは、これからの高齢化社会、ニーズが高まる一方であろうから、商品化の有力対象になろうね。ケータイに、検索システムとして組み込むと良いかもしれぬ。今度、ビジネスに邁進するキムラくんに教えてやろう。 
 しかし、対策は対策としていいんだが、抜本的に見直すべきは、こうして独り、会話も対話もなく、対人関係欠乏症の一日を過ごす生活が問題なんだろうな。リンちゃん相手じゃ話しにならん。
 思索も重要だろうが、独りでの思索だと、忘れたことばを避けて通るズルやっちゃうからどうしても効果が薄くなる。やっぱ、バカでも何でも、対話が成立する相手が欲しいもんだな。あっ、ちょうどいいのが、また来た!NHKの集金人!まあ、自分の記憶回路の定期点検だと思って、バカ話でもするか……。(2001/05/23)

2001/05/24/ (木) 充実すべし!犯罪抑止力!

 管理人日誌と称しながら、アパート管理の実績や問題点を記さないというのは問題だろうか。オーナーが、都心への出張の帰りかなんかに、フラリと立ち寄り、
「こんなものがあるんですね……」
と言って手に取らないともかぎらないしね。まあ、しかし、これは支給されて、職務でつけている日本法令かどっかの『アパート管理帖』とは別だもんね。あくまで、私が文房具屋さんで自費で買ったノートに、日毎日毎に枯れてゆく私自身の、日常的感想を、職務の合間、合間に綴っているのだから、問題はないはずである。
 入居者が少ないとはいえ、これだけの構えのアパートを管理・警備する、そうなんだ、この際、座ってりゃいいという誤解(誰に対する誤解だろうなぁ〜とは思うが、先、いきましょ。)を解いておこう。私が、警備という重責も担っていることをね。
 もっとも、「おまえぇ!それは甘えというものじゃないのか。それが通るなら世間は真っ暗闇じゃないか!私は断じて許さんぞ!」とか言って、かっこ良くきめていた鶴田浩二の警備員とは、ややというか、まったくというか異なるワケだが……
 繰り返すが、入居者が少ないからといって手抜き不可!であることは、乗客が少ないからといって手抜き運転や、気分を変えようと違う道が走れない路線バスの運ちゃんとまったく同様なのである。ご理解いただけると思いますが。(でも、誰にご理解いただくのかなぁ〜、まあいいか、先、いこ。)
 深夜の巡回も、懐中電灯持って遂行している。昨今、うちのリンちゃんをねらってか、やたら野良猫に遭遇することが多い。まあ、今までのとこ、不信な人物を見かけたことは残念ながらナイ!ことによると「警察官立ち寄り所」というお札が効いているのだろうか?そんなことないわなぁ〜。これは、差別発言につながらないことを願うが、最近は、外国人による犯罪も指摘されている。だとすれば、「警察官立ち寄り所」も各国向けに翻訳しておかなければ意味のないことだろう。これは大変だろうね。Englishをはじめ、中近東向け、中国向け、東南アジア向けと四、五カ国の翻訳が連なると、堂々たる看板になってしまうだろうなあ〜。外為の交換銀行かと間違うヤツがいて、余計に危なくなるかもしれないなあ〜。
 「良い子はここで遊ばない!」なんていう看板が、危なそうな場所で見かけるが、あれも自己満足ふうと言うか、大人のアリバイづくりというか変なもんだね。どだい、手におえないような悪い子は、読めないはずだもんね。それに、仮りに読めたとして、良い子でありたいと願っている悪い子(?)ならプライドがくすぐられて仰せのとおりに従うだろうが、「おれは、良い子なんかじゃねぇや!」と筋金の入ったワルにはまったく効き目ないだろうね。
 事程左様に、ちょっとだけ考えたふりをする人々のやることは、どっかおかしいかもしれないなあ。そういえば法律もおかしいよね。何を買うとすればいくらするという情報は、新聞の折込みにいたるあらゆるメディアで広く行き渡っているにもかかわらず、種々の犯罪を犯すと「マイナスいくらする!(=刑の軽重!)」という情報は、ジュリストといったエキスパート向けに限られている実態!これは、大変おかしい!
 コンビニで万引したら……、痴漢したら……、先生なぐったら……、殺人したら……といった挿絵入りお品書きみたいなものを広く行き渡らせるっていうのは、何か問題があるのだろうか?犯罪抑止力が低下している昨今、原則は教育に基づく倫理の向上だろうが、犯罪犯したらどうなるという想像を、シビアに喚起するそんな情報があってもいいんじゃないのかな。なんせ、現代人は、想像力が著しく低下しているのだから……。
 さあ、夕刻の巡回でもしてくるか。警備も、本質は抑止力なんだよね。下見なんかにきたりしている不逞のやからが、「あっ、あれは強そうだ!手こずりそうだから考えなおそ……」となるように、プレゼンテーションしておくって〜ワケなんだよね!(2001/05/24)

2001/05/25/ (金) 各人が苦節何十年の担当責任者!

 今日は、先日の「パチンコ屋からフラフラ」のリンタロウ君の母親が、子どもといっしょにお礼にやってきた。詰め合わせのクッキーを持参してきた。パチンコの景品ではなさそうだった。
 驚いたことに、苗字が「勝(かつ)」、勝海舟、勝新太郎の勝なんだわ。それで、子どもの名が「リンタロウ」なんだから、勝海舟の幼名と同じ。それに、若奥さんがパチンコやってるのも苗字に引っ張られてのことかという邪推が成り立ってしまう。
 しかし、いろいろ深刻みたいだ。ほかに話す人がいないからと言われたもんで、今日は、たっぷりとカウンセラー役を相務めてしまった。
 カウンセラーというのは、変な表現だが、利口じゃできない。バカじゃなおのことできないが、要は、気の効いたことを口走ってしまったりしては絶対にいけないようですな。喋りたがり屋は失格でしょうな。ただただ、聞き手に回ること、これがほとんどすべてなんでしょうな。
 手元に筆記用具でもあれば、時々、何度も登場する単語をメモしたりする。そして、話しが途切れたら、単純な質問、どう考えたって文脈からすれば当たり前と思われるような単純な質問をする。例えば、
 「パチンコって、面白いんですね?」と。
 ご本人は面白いからやってるんで、何か返ってくるはずだ。間違っても、
 「あなたの人生の目的は何なんですか?具体的にお聞かせください」
などと、自分でも応えられないようなものをぶつけるのは、擦りむいた肌に砂をこすりつけるような残酷さとなる。
 聞いてあげることだけでいいようです。ご本人は、たどたどしく言葉をこぼしながら、その間しっかり考えているんでしょうな。人間、なかなか独りでは考えを推し進められるもんじゃなさそうだ。とりわけ、悩みごとにはまり込むと、堂々巡りから脱出できないようですな。
 それから、当たり前のことだが、こちらの考えを押し付けてはいけない。
 「あなたのように、人生に目的が持てない方は、絶対に全国目的同盟に加入されたらどうでしょう」なんてね。
 どうしたいのかという、そこそこの選択肢はご自分でお持ちなんですね。ちょうど考古学の発掘調査で、モノが発見されると、そのあとは、はけみたいなものでチョロチョロと土を取り除いていくように、カウンセラー役は、はけの役割を果たせばいいんでしょう。土を払ってゆく手は、ご本人の手なんですね。「神の手」をお貸ししましょうなんてしゃしゃり出て、間違っても、ここで効率や処理速度を求めたりはしないことですな。
 偉そうなことを言っているつもりはない。私自身この年になれば、あつかましい失敗の思い出が降り積もるようにあるからなんですわ。人の人生は、底の浅いこざかしい知識で動いたりするもんですか!ご自分の人生は、苦節何十年かの、その担当責任者であるご自分自身が決断するしかないんですね。それしかないんですね。
 で、勝さんの奥さん、気が晴れたような気分で帰っていかれた。
 最後に言っていたことばが印象的でしたわ。
 「パチンコ狂いのわたしは、いっそパチンコ屋の店員になっちゃったらいいかもね!」(2001/05/25)

2001/05/26/ (土) 土曜日は「町内パソコン教室」堂々第二回!

 みなさん今日は!今日は一日ぐずついた天候で、いよいよ梅雨なんでしょうかね。そんなことを「つゆ」知らず洗濯物を干しっぱなしにしてはいけませんね。えっ?駄洒落はいいから始めましょって?
 みなさん、お揃いでしょうか?
 天王ラーメンさんがまだ?忙しいはずだよね。土曜の夜七時といえば、お客さんも少なくないはずだし、出前もあるんでしょうな。でも、りっぱですよ。いやあの方の場やい、正確に言えば、「半分!」りっぱですな。
 ああ、お出でになられた。天王さん、今うわさしていたとこなんですよ。
 さぁて、今日は第二回目。そうそう、宿題の方は済ませてこられましたね。どうです?キーボードのキーの配列に馴染み始めましたかな?
 われわれが使うWindows だとマウスの操作が大半ということになりますが、やっぱりキーの操作に慣れないと、作ったファイルが保存できない、パスワードが入力できない、楽しいメールの入力ができないといった調子で肝心なことが何もできないんですよね。
 先日、オーナーの会社から、使わなくなった古いキーボードを五個ほど送ってもらいました。そこに並べてあるのがそうです。キー操作の練習用にね。あとでそれらを使って練習しましょ。
 それから、オーナーには、Windowsが練習できる程度の古いパソコンも頼んでおきましたのでそれも届いたら使わさしてもらいましょ。で、次回からね、ノートパソコンをお持ちの方はご持参いただくようにしましょうか。どのくらいいますか?田中さんの奥さんと、えっ?キムラくん?退職金で買っちゃったの?
 それでね、パソコン持ってない人で、これから入手しようという人はね。無理しないようにね。最初は、中古の安いのでいいのよ。
 そうねぇ、Windowsができて、インターネットができるものであれば、CPUは、ペンティアム100メガヘルツくらいのものでも大丈夫ですよ。HDDは最低で1ギガ。2ギガあれば、最初は足りるでしょう。デスクトップだったら2〜3万円で買えるでしょ。ノートでも中古のこのクラスなら、3万円前後で何とかなるんじゃないですか。
 素人の方は無理でしょうけど、費用を大してかけずに、アップ・グレードする(性能を上げること)のもそんなに難しいことじゃないんですよ。容量の大きいHDDに取り替えたり、インターネットやるのに必須のモデムが付いてなかったら、増設したり、場合によっては、比較的速いCPUに取り替えたりね。私のマシンも結構改造してますよ。また、小柴さんみたいなチューターもおりますので、声かけていただければ相談にのりますよ。ねぇ、小柴さん?
 費用をあまりかけずに、とにかく一刻も早く、パソコンを文房具扱いできるようにしてゆくこと!何でもそうなんでしょうけど、みんなができて自分ができない環境でがんばらなくてはいけないのと、結構できない人が多い環境で、そこそこ自己満足しながらがんばるのとでは大分違いますよ。今なら、まだできない人も多いですからね。でも、どうでしょう。あと二、三年もすれば相当様変わりしちゃうんでしょうね。政府も遅ればせながら「5年以内に世界最先端のIT国家になることを目指す!」と、この年初めに宣言しているんですからね。
 さて、それで本日は、まだプロローグという範囲ということにして、先週みなさんがやってみたいと言われたことを、実際私がやってお見せしようと思います。そこで、こんな小さなディスプレーをみんなで覗き込むのはいただけませんから、ほらここにある「液晶プロジェクター」で、あの壁に大写しにしてご覧いただきます。すごいものがあるでしょう?そう、オーナーの会社から借りたの。定価、100万円だそうよ。大して儲かってないのに、重要な道具だと判断したら入手しちゃうようだね。
 あっ、岩崎さん、このプロジェクターは照度が明るい高級機だから、照明落とさなくても大丈夫なんですよ。だから、メモしたい人はメモもできますからね。
 さぁて、何から始めましょうか。えっ?いくらなんでも、ご婦人方がいらっしゃるのにアレ見るわけにはいかないでしょ、ダメっ!天王ラーメンさん。まぁそれじゃ、インターネットから始めましょうか。

 ここで、インターネットの予備知識をお伝えしておきましょう。
まず、@パソコン買ってきたままでは、インターネットは使えません。クルマの醍醐味は高速道路ですよね。インターネットは、世界中に繋がっている高速道路なんです。で、高速道路に入るには、インターチェンジでお金払って入りますよね。インターネットでは、「プロバイダー」というインターチェンジに、年契約とか月契約とかの契約をして、そこに電話をかけて、インターネット回線という高速道路に入らせてもらうんです。だから、プロバイダーとの契約(いろいろありますが、現在、月千円弱というとこでしょうか)をしなければなりません。
 ついでに、費用の点を説明しておくと、クルマで高速料金を払っても、ガソリン代は自分持ちですよね。これと同様に、プロバイダー契約をしても、電話の通話料は使った分だけ電話局に払わなければなりません。だから、「IT革命」を推進するくらいなら、電話料金を安くするよう指導すべきだという声が上がっているんですよ。
 さて、次にAプロバイダー契約で提供される情報(プロバイダーの電話番号、使う人のアカウント:名前、パスワードなど)を自分のパソコンに書き込む作業をしなければなりません。これを、「ダイヤルアップ」を作る、といいますが、このようにね、「マイコンピュータ」→「ダイヤルアップネットワーク」をクリックしてね、「新しい接続」で入力するんですよ。
 ただ、その前に、順序が逆になりましたが@-2「モデム」の設定をしておく必要があります。モデムは、必ずしもインターネットに限らず、昔はやったパソコン通信でも、電話でも使う、パソコンと外の電話回線との「玄関」みたいなものです。われわれが、家から外出する時に、玄関で靴なり、下駄なり、地下足袋(?)なりの外用の履物に履き替えますよね。また逆に、帰宅したら、それらを脱いで上がりますよね。このような切り替え、データ変換をするのがモデムなんです。
 さて、ここまでの設定ができたら、あとはバカチョンでこうして繋がります。
 「Internet Explorer」のアイコンをクリック。そして自動的に「ダイヤルアップ」画面が出てきたらクリックすれば、それでOKなんですね。
 ところでね、インターネットでホームページを見るのと、メールをやり取りするのは、ひとつのことだと思い込んでいる人もいるんだけど、別物だと区別してください!
 プロバイダー側システムでも、前者はウェブ・サーバー、後者はメール・サーバーという異なった部分で処理していて、いわば部署が違うんですね。別物なんだと区別しておきましょう。ただ、プロバイダーと契約すると、手続きが一体となっていたりするんですが、システムが別なんで、パソコン側の設定も別にやらなければならないわけです。これがBです!設定としては、「Outlook Express」を指示にしたがって入力していけば簡単にできます。それから「Outlook Express」と「Outlook(2000)」は別物だということも理解しておいてください。
 以上、比較的メジャーな Microsoftを例に説明しましたが、Netscape Navigator でもそれほど違いません。

 それで、いわゆるインターネット・サーフィンをしてみましょう。あっちこっちのサイトを閲覧することをこう言うんですね。あっ、そうそう。だんだん使い慣れてきたら、ブラウザ(ホームページを見るソフトのこと)の設定を、自分が使いやすいように再設定していくといいんですよね。
 そのひとつが、接続して最初に開くサイトを何にするかという設定です。ホームページを開設している人は、自分のホームページとなるようですが、どうでしょうか、「検索サイト」とか、「ポータル・サイト」にしておくといいのかもしれません。
 前者は、例えば、「Yahoo!」なんかがそうです。後者は、いろいろなジャンル毎に、こんなホームページはどう?といって紹介をしているサイトです。何せ、インターネットには、1000年かかっても読み切れない数のサイト数があると言われていますから、何か手掛かりをもって臨まないと効率良くはサーフィンできないですね。この辺のとこは、また時間かけてゆっくりやりましょう。
 いろんな、サイトがあるでしょ〜。で、メールはこの封筒みたいなアイコンをクリックすればOK。この「受信トレイ」の枠に表示されているのが、これまでに私に届いたメールなの。ひとつ、見本で、自分に出してみましょうね。「新しいメール」という、ここをクリックすると、小さなウィンドウが出てきます。で、「宛先」ね。マウスを近づけるとクリックできますよ〜っていうかたちに変わるでしょ。
 あっ、そうそう、ここでひとつ大切な話しをしましょう。Windowsという仕組みの特徴は、「インタラクティブ(相互的)」にあります。ユーザーが使ってヤルゾ〜!という行動的な(アクティブな)姿勢で働きかけると、待ってましたとばかりに、「じゃ、これ使ってみる?」っていうように選択肢を示してくれるんです。ユーザーが、何も働きかけないで、じっとしていると、「何かお悩みのようだからそっとしていましょ」といって何も示さないんですね。私は、こういう個人の意思尊重をモットーとするWindowsの発想が好きですね。教育ママのように、次から次へと指示垂れ流しをしないんですよ。Windowsというか、パソコン・ソフトと付き合う時、単に物理的操作にばかり目を向けず、「コイツは、どんなユーザーを想定して制作されたのか?」に注目したいですね。専門的に言えば、ユーザー・インターフェイスの問題なんです。そうすれば、こちらの対応姿勢が定まるっていうわけです。
 とにかく、赤ちゃんのように、ぽか〜んと口開けて待つとか、添乗員さんの旗の後ろについて回ることだけ考えているような姿勢だけはもってのほかでしょう。えっ?もう八時半になっちゃいました?急ぎましょ。ちょっと小難しいこと言いましたが、お分かりいただけました?キムラ君、なんか必死にメモしてるね。えっ?こういうところがもっと聞きたいって?なるほど!
 では、表計算エクセルやワード、そして画像処理などほかのアプリケーションについては、また次回お見せすることにして、キーボードのカチャカチャ実習をしましょう。小柴さん、岩崎さん、お手伝いしてあげてね。えっ?ローマ字入力、かな入力の区別は問いません。好きな方でやってください。ではどうぞ。
 がやがや、カチャカチャ、がやがや、カチャカチャ…………(2001/05/26)

2001/05/27/ (日) オレたちの「みんな」モード、「独り」モード!

 「なに書いてもいいよ!」って言って、志村さん出ていかれたけど、「困っちゃ〜うな〜」でも、オレはこの歌知らない世代だったんだ。まぁいいか、なに書いてもいいって言うんだから……。確か、このタレントつい先だって50歳で結婚したって吊り広告に出てたけどすごいね。オレは、週刊誌はゼッタイ買わないで、吊り広告で済ますタイプだから、つねに詳細に疎いんだけど、でも何であの年になって結婚しようっ思えるかなぁ?「分かんな〜いな〜」
 あれ〜?笛と太鼓の音(ね)が聞こえてくる。あっ、そうか、六月初旬は、品川の祭りだから、練習始めてるんだ。そ〜なんだぁ……。ひょっとして、今日非番の志村さんは、その辺を覗きにいったりしてるのかもしれないな?
 でも、お祭りにしても、オレら若い連中と、年配の人達とでは、受けとめかた違うんだろうな。年配の人達は、祭りになるとガラッと変われるようだよね。日頃、何でそこまで杓子定規なこと言うかなぁっていう人が、「明日のことなんか考えないでいいんだヨ〜!」なんて言って崩れまくるからねぇ。
 オレたちは、飲んだって結構サメテルもんね。今どき、人前で、飼い猫や飼い犬が仰向きで腹見せるみたいに、無警戒なかっこなんてできっこないよなぁ。無意識に「ぼけ」やってると、いじめの的に追い込まれる世間なんだもんなぁ〜……。
 飲み会なんかで、よく上司に言われるんだよね。
 「なんで、二、三人でちまちまとローカルな話してんだよ。みんなでワーッてやんのが宴会だろ〜。みんなでワーッとさぁ」
 無理だっちゅーの。どうしてかって、うまく言えないけど、みんなでラグビーやサッカーみたいに一つのボール、一つの話題追っかけて一枚岩になるなんてそんな難しいことできっこないよ。そんなことやってたら、リラックスなんてできないもんね。
 だから、時々、日本の昔の映画、そうだなぁ黒沢監督の『もーいいよ、まーだだかい?』なんて見て、宴会でもなんでも一枚岩になって進行する状態を目の当たりにすると、ホントかなぁ?秩序の好きな黒沢映画だからそうなんじゃないのかなぁ、なんて思っちゃうんだ。
 だって、しらふだって今は集団のまとまりなんて無いもんね。授業が成立しないのは、何も小学校の学級崩壊だけじゃなくて、大学だって講義中の私語は当たり前、ケータイ使うやつもほぼ当たり前らしいよね。教授もさじ投げてるとか言うもんね。
 それでいーのか?!って、オレに言われたって困っちゃうなぁーだよね。オレ、若者右代表じゃないしー……。でも、オレの感触だとね、みんな一人一人になると中味だいぶ違うんじゃないかなぁ。「みんな」モードと「独り」モードのスイッチがあんのかもしれないね。そもそも「みんな」モードは、日頃使ってないから大の苦手で、どうしたらいいのか分かんないから、結局一番低レベルなアクシヨンに落ち着いちゃうんじゃないの。群集心理っていうアブナイ話を聞くけど、結構そうなっちゃうやつ多いかもしれないね。
 で、「独り」モードっていうのは、メチャ暗いんだよね。放っておくと涙でちゃうほど悲しくなるんじゃないかな。電源切られたTVみたいなもんじゃないの。オレはそれほどでもないけどね。だから、ケータイで繋がって、擬似電力を常時確保しようとしているって言ったら怒るやついるかな。
 昔の人は、孤独って感じなかったのかなぁ。どうしてたんだろう?今度、機会があったら志村さんに聞いてみよう。(2001/05/27)

2001/05/28/ (月) 人間は、12歳まででその後の人生の予告編をすべて見終わる!

 一日パーフェクトにフリーになれると、やはりリフレッシュできるもんですね。アルバイトの東海林さんに来ていただいたお陰ですわ。
 昨日は、もう十年以上もご無沙汰していた友人宅へ出かけた。小中学校が同級であった友人で、もう半世紀も前の当時の話しで盛り上がったものだった。
 ところがね、彼もはじめは、口にするつもりではなかったようなんだけれど、癌にかかっている、それもリンパ腺の癌で、もう二度ほど再発しているというのだ。長くないなぁ、とさみしそうにつぶやいておった。何と言ってあげればよいか分からず、
「まあ、こうして六十年も生きりゃ、お前もオレも、後はお釣りってとこだよ。お釣りに札束はないんで、どうせ小銭さ。大差ないはずだよ」
といってやったら大笑いしてた。
 話しに熱が入ったのは、「人間は、12歳まででその後の人生の予告編をすべて見終わる!」という点だった。つまり、だいたい12歳の小学校卒業くらいまでに、その後の人生を方向付けてしまうような強烈な「刷り込み」が一応完了しちゃうんじゃないかっていう、きわめて乱暴な議論だった。その後の人生は、日々新たな知識獲得や経験をしているようであっても、それらは、「刷り込み」で形成されたアウトラインに肉付けしているのであって、決してアウトラインを覆すような新規なものではないのだと。
 私も、日頃そんな気配を感じていたので、互いに目を見張って話し込んでしまった。
 そう言えば、思い当たるふしがいろいろと浮かび上がってくるんだなぁ。まず、食べ物の好き嫌いは、ほぼ文句なく決定されてしまっているはずなんだよね。
 それから異性に対する想いも、どうも変わらないようだ。そういえば、彼は不思議なことを言っていたもんだ。数十年このかた、小学校時代に憧れていた女の子が夢によく出でくるのだそうだ。しかも、身体の調子が芳しくない時、気持ちが沈みこんでいる時など、決まったようにその子が出てくるのだという。顔などしっかりと見えるわけではないのに、夢の中でも高鳴るこころがその子の存在を確認しているのだそうだ。
 それはもう、現に存在したその子、あの子じゃなく、12歳までに彼のこころが紡ぎだしてしまったプロトタイプの、そのエコーなんだろうね。
 芥川竜之介で『トロッコ』という名作があるけど、あれも、子ども時代の体験との緊張関係を引きずっていると見えるなぁ。しかし、小説の世界となると、もうこの説は、当たり前だと見なされているのかもしれないね。私が好きな中勘助の『銀の匙』などは、まるで、12歳後は思い出を確認するためだけに生きるっていう雰囲気がしないでもない。
 最近話題になったハンセン病の問題をサブ・テーマにした松本清張の『砂の器』も、結局、子ども時代の父との関係、世間との関係を決定的に引きずりまくった悲劇なんだよね。ビデオでも何度も見るけど、子ども時代の「宿命」的シーンが出てくると、自動的に涙も出てくるんだ。
 当然、われわれの予告編には、インターネットも、携帯電話もあったわけがない。じゃあ、これぞ新規のハプニング的な経験か?いや、そうじゃあるまい……(2001/05/28)

2001/05/29/ (火) 「パソコン初期挫折難民(?)」を救え!

 私は、朝一番の管理業務完了後、できるだけ早い時間にメール・チェックをするようにしている。メールの良さはなんと言ってもスピード!急ぎのメールを寝かせておいてはならないからだ。これが、このご時世のマナーと言えるのだろう。
 最近、電報なんていう方法が話題に上らなくなったが、あれはあれで存在価値があったんだろうね。「デンポー!」「電報が来たぞー!」という大騒ぎによって、受け手側のこまごまとした日常生活の優先順位が一気に正されるため、「届いた!」事実が一目瞭然となるからだ。
 そこへいくと、メールは「受け手側が、この特性を活かす努力をしなければならない!」そんなメディアなのである。発信側が急いでいても、受信側がいたってのんびり屋さんとなれば、このメディアのメリットは半減、激減、いいかげん!となってしまうのだ。
 つなぎっ放し環境なら、メール着信アラームなども利用できるが、そうでなければ、とにかくこまめに着信チェックをするしかない。合格通知(or 不合格通知)を待ちかねて、犬がほえれば、空の郵便箱を覗きにゆくようで、空しい場合もあるにはある。しかし、これを避けていては、デジタル・ネットワーク社会に遅れをとることになりかねない。
 中には、何のためにメール・アドレスを設けたのか分からないようなのんびり屋さんもいることはいる。「年賀」メールを送信したが、音沙汰がなく、どうしたものかとやがて忘れていたら、春になって、返信メールがやっと届いた、という実話も存在するのだ。
 こういう人もいるので、急ぎのメールの場合は、まず電話を入れる!「これから、緊急のメールを入れるから読めよ!」と。また、不在の場合も考慮して、念のために「電報」も打ち込んでおく!「イソギノメールダシタ。シキュウヨマレタシ」とね。「早馬」を出すことも検討する。さらに、手堅さをねらって、相手の立ち回り先各所に「御触れ書」を回し、「高札」も立てておこう。
 こうしておけば、まず安心だが、ニューメディアのセキュリティー・ホール(欠陥)を補うため、もしくは使い方の問題点を補強するために、オールド・メディアを総動員しなければならないっていうのは、どう考えたらいいもんやら。
 問題は、新技術は、それにふさわしいユーザー、人間側の活用スタンス・能力とセットになって意味を持つということだろうね。技術の一人歩きという言い回しがあるけど、技術は決して一人歩きしない。一歳で歩く、二歳で歩くといったシロモノではないのだ。まして、人類に幸あれ!と自動的に選択して前進するわけない。
 インターネット全体にしても、「IT革命」にしても、人間側の込み入った問題を合わせて追跡してゆく広い視野がないとアブナッカシイかもしれないね。しかし、この辺の問題はやっかいで、わずらわしいから、売りっ切りビジネスを常套手段とする企業は消極的になっている。
 ちょっと話しが横道のそれるが、先日PCに増設したデバイスで困ったことが発生して、メーカーの「サポート・センター」に電話を入れたが、結局、延々と話中が続き、あきらめた。これは、今始まったことではないけどね。しかし、かんぐりではあるのだけど、PC関係メーカーもこの不況で、リストラやらざるを得ないはずだ。売上に直結しないユーザー・サポート部門なんかも、相当人員削減されているんじゃなかろうか?と。
 いま叫ばれている「IT革命」の最大の課題は、ITユーザーの裾野を拡大することに違いないと思われるが、結局みんながみんな、おいしいところだけを奪い合った挙句に、問題を先送りにして、「いまさらパソコンなんて……」という「パソコン初期挫折難民(?)」を大量に生み出してきてしまったのじゃないだろうか。「パソコンはあるけどね……」という人結構いるもんね。さぁーて、難民対策はどーするんだ、小泉クン(ヤマダ電機のですよ。)?(2001/05/29)

2001/05/30/ (水) わかりやすさを求めて、わかりにくさを拒まず!

 ひと昔前、お笑いタレントのせりふに、「わっかるかなぁ〜、わかんねぇだろうなぁ〜」というのがあった。また、おすぎとピーコのどちらだったかが、しばしば若い女性タレントに向かって、「どう?あんたにはわかんないでしょ!」と身もふたもない表現をしたりする。いずれも芸だからとやかく言う必要はないが、スタンスが好きですね。
 傲慢?いや、そうじゃないですね。むしろ、「かっわい〜い!」というシンプルな基準のみで世界が覗けると思い、他は何聞かれても「わかんな〜〜い」と言って人生なめてる(?)ギャルのほうがはるかに傲慢なんじゃないですか。それから、わかりもしないくせに、わかったふりして「そ〜なんだ〜!」なんてへらへらしながら対応している「モノわかりの良いオヤジ!」、これもいやですね。えっ、なんで、のっけからとんがってるのって?
 いや、低次元のわかりやすさだけが横行している世間の風潮が気になるんですよ。確かに、わかりにくさは、悪の温床です。すべからく、人の世はわかりやすくしなければなりません。もし、信号の色が、「青黄色」だったらまだ注意して進め!かと大目に見てもらえるが、「青赤色」(紫?)だったら混乱の極み!
 だからと言ってね、わかりやすさ至上主義になっちゃいけませんよ。それは、結局大事な事実を丸めちゃうということなんじゃないですかね。社会も人生も、どんどん複雑になって来ています。そもそも、生物の進化とは、「機能分化!」なんだって生物の大沢先生が言っていたじゃないですか!それがですよ、わかりやすさを求めて、だれでもがわかる感覚的なレベルへ、みんなこぞって降りてゆくのは、パニックとしかいいようがありませんよ。サッカー観戦のノリと同じじゃないですか!
 わかりにくさに手を焼いちゃいけないし、それに疲れちゃいけないんですよね。
 口に入れたらすぐに解けて「これって、ジュ〜シ〜!」なんていう、わかりやすいものばかり食べさせられていると、歯ごたえがあるからこそうまい、わかりにくいものは敬遠されてゆくんでしょうかね。咀嚼する力、自分の脳に負荷をかける人間らしさがメキメキ衰弱してゆくんでしょうね。
 マスコミが悪いとよく聞きますが、確かにそれは言えてるようです。田原総一郎にしても、「それじゃ国民にわかんないよ!」という表現を連発して、微妙な問題で言葉を探している出席者をせかせることをよくやる。確かに、そうされて当然の人物もいないわけではないが、議論とは微妙な差異に注目しながら、みんなが見えない巨像の姿を探し当てていくこととちゃうんですかね。それを司会者が「端数は丸めて、丁半どっち!さあ、さあ!」と言ったんでは、見てるこちらがいらだってしまうわね。だから最近は見ないことにしている。
 科学者、技術者にとって必須の資質に、「知的トレランス(知的忍耐力)」というのがあるらしい。今日中に結論出しちゃおうなどとあせらず、またペンディング中の事柄があってもイライラせず、不安感や中途半端感をグッと抑えてゆける冷静さなんですね。すぐにわかった気になり、判断力抜群と錯覚してとにかく結論を急ぐタイプは、これがないだけと言ってもいいんじゃないのかな。
 言葉論議のついでにもうひとつ、わかりやすさとリーズナブルとは似ているようだけど、ちょっと違うようだね。リーズナブルには、はっきりとした根拠が存在する。「このシャツが百八十円と安いのは、片袖がないからだ!」というように。
 私がくどくど言ってきたわかりやすさとは、「このシャツ安いわね。こんな小奇麗な箱に入って二百円だってさ!」と、中味をさておき、パッケージだけに共感するわかり方のことなのである。「奥さん、中を確認しなきゃ判断できないってばさぁ」という聡明さが欲しいもの。「アンビリーバブル!」と言って聖子ちゃんが飛び出してくるかもしれないしね……(2001/05/30)

2001/05/31/ (木) 主観的な旅情さそう天候?

 紫陽花が開花直前で、みんなそろってカウントダウンを始めているといった感じだ。
「もうすぐだよね」「そう、もうすぐ」「みんな、きれいだーっておどろくんだよね」「そう、みんなおどろくわね」「まだかなー」「もうすぐよ」と、そわそわ、わくわくが伝わってくるそんな紫陽花通り。

 梅雨直前の今日のような気候も悪くない。曇天の空、幾分湿った風、煙草に火をつけると、なんとなく旅情がしのび寄ってくる……
 どこか、海岸に近い鄙びた民宿にでも宿をとっているとする。特に差し迫った予定があるわけでもないふらり旅。夕べは、久しぶりとあってかなり飲んでしまった。海岸通りのクルマの往来の音で眼が覚める。もう、勤勉な人達の一日が始まっていた。(イカン、イカン、ちょっと、『詩的に!』決めようと書いているのだが、どうも『男はつらいよ!』フーテンの寅次郎の定番の独白がちらついてきて、引きずられつつある……)
 「お客さん、お食事どうします?」
 「どうも、食欲ないから……」
 縁側の下駄を素足に引っ掛け、私は、ぶらぶらと波の音のする方向へ歩き出す。人の気配で、ふと、振り向くと、民宿の小さな女の子が、老人のように後ろ手を組んでとことことついて来ていた。その後にはポチ(?)がつきまとっている。
 とりあえず知らん顔して、私は砂浜へと歩き進む。海岸に人けはない。そこそこに荒い波が打ち寄せ、時々波しぶきが潮風となって運ばれてくる。白けた空と霞む海原、あれこれと考えることを完璧に放棄させるような光景。
 流木に腰を降ろし、煙草を取り出す。風で、ライターの火が付かない。何度も繰り返すが付かない。と、先ほどの女の子が両手を広げて風上に立ちはだかってくれていた。
 私は煙を吐き、その子に「ありがと」と言う。その子は表情を変えずに頷づく。胸ポケットに残っていたガムを二枚差し出すと、「ありがとう」と言って受け取った。私の隣に座ってきたその子は、ガムを噛みながらようやく表情が崩れ始めていた。ポチ(?)が波打ち際に走り寄り、意味もなくはしゃいでいた。
 さぁて、今日は一日どうやって過ごすかなぁ。
「何かおもしろそうなところある?」
「明日からお祭り!」
と、その子はうれしそうに言い放ち、太鼓を打つまねを始めた。
「ドンドコ、ドンドン、ドンドコ、ドンドン」
 そうか、それで昨晩も駅前が賑わっていたんだと思いかえした。旅の途中の、知らない町の祭り見物も悪くないなと、やや気分がざわつき始めた。

 さぁて、こんな旅情がどうのこうのと書いていてもしょうがないかぁ。
 そう言えば、「荏原神社」のお祭りが明日からということだ。非番の日曜には覗いてみようかね。デジカメにしようか、それとも高感度フィルムを用意して35ミリで味を出すのもいいな……(2001/05/31)