このところPCのメンテナンスに馬鹿にならない時間を取られている。何はともあれ日常的な商売道具なのでいたしかたなく対応している。
使っているそれぞれのPCには固有の事情があって対処するわけだが、ここでも昨日書いたような "煽られる" 現象に気づく。
そもそも、OSのベンダーはとかくユーザを "煽って" 最新バージョンへの移行を促すものだ。ビジネスの論理からすれば当然の目論見なのであろうが、ユーザからすれば必ずしもありがたいことばかりではなかろう。
確かに、ある種のユーザは、より高性能なOSを待ち望んでいるのかもしれない。だが、現行のOSを徹底的に使いこなし、機能向上、性能アップを虎視眈々と待つようなユーザはいかほどいるのだろうか。むしろ、自身の仕事のために、現行のOSに慣れ親しむことで精一杯となっているのが一般ユーザの実情ではないかと想像している。
なのにとにかく "矢継ぎ早" での新OSリリースという感触を受ける。ユーザがじっくりと現行OSに馴染もうとして躍起になっているそばから、次のバージョンのOSがリリースされてしまうわけだ。
まあ、OSベンダーもビジネスなのだから、それはそれでよしとしよう。新OSのリリースを待ち望むユーザもいないことはないのだろうから、ニューバージョンのリリース速度に立ちはだかることはできない。 "ジックリ派" のユーザは、現行のバージョンなり、慣れ親しんだ旧いバージョンをジックリ使わしてもらえばいいわけだ。
ところが、こうした "ジックリ派" のユーザの姿勢を脅かす動きが目に付くのである。いわゆる "サポート終了(打ち切り)" というOSベンダーのアクションのことである。この辺の事情こそが、 "ジックリ派" ユーザの落ち着きを奪うわけだ。まあ、それでも腰の据わった "ジックリ派" ならば、サポートなんかいらない、自力救済でガンバルさ、と開き直れるのであるが、ここにもうひとつの "煽り" の黒幕が登場してくるから厄介なのである。
ところで、昨今の "ネット犯罪" の実情を見ていたら、 "ウイルス対策のセキュリティ・ソフト" のインストールはもはや不可欠だと言えそうだ。つまり、インターネット時代におけるPC活用のための "基本保険" だということになりそうである。
そして、こうした "ソフト" も数多く出ているものの、安全性・確実性という点では次第に絞られつつありそうだ。そういう "寡占" 的状況を見込んでのことか、そのソフトベンダーは次第に強気となりはじめ、上記のOSベンダーと同様の動きを採りはじめたようなのである。つまり、年次毎のバージョン・アップと、旧くなりはじめたバージョンの "サポート打ち切り" というビジネス・アクションのことである。
この "ウイルス対策のセキュリティ・ソフト" における "サポート打ち切り" は、ちょいと強烈な "煽り" ではないかと感じている。いくら "ジックリ派" のユーザといえども、 "免疫性" が薄れてしまった"ウイルス対策のセキュリティ・ソフト" で、ネットに繋がるわけにはいかないからである。
そして、この "ソフト" の新バージョンが、 "旧いOSには対応しない" という条件付けをしてくると、利用するOSの選択さえ限定されてしまう、ということになってしまうわけなのである。
実は、自分のPCメンテナンスも一段落したかと思ったところで、再びこれを再開せざるを得なくなってしまった原因というのが、この辺の事情に関係していたのである。
"ウイルス対策のセキュリティ・ソフト" に関して、自分が現在利用しているバージョンのサポートが近々 "打ち切られる" との情報から、ほかにもいろいろな理由が重なり、結局、気に入って部分的に利用し続けていたOS搭載のPC何台かをバージョンアップせざるを得なくなったということなのである。
こうした事情は、環境に "煽られる" 現象といっても、単なる雰囲気の問題ではなく、かなりの "強制力" をも伴った "煽り" のように受け止めているのである。
事は、こうしたことだけに限られず、昨今の時代環境では、こうした "強制" まがいの "煽り" という現象が蔓延しはじめているのではなかろうか、と感じているのである…… (2007.12.01)