【 特別編 : 「初級パソコン教室」読本 】



※ 場所は「お台場のとある町内」、受講者は「町内のいろいろな面々」、

講師は「アパート管理人の志村さん」で始まる「町内パソコン教室」!!






………… 「 パソコン教室 」(2001年5月19日〜8月11日) …………






 はいはい、その猫は人見知りしないから大丈夫ですよ。
 さあさあ、みなさんご苦労さまです。今日は、町内のパソコン教室、第一回目ということに相成りました。何で私がこういう立場と相成ったか、もひとつ見えないとこがあるんですが、まあいいですか。この年寄りでもお役に立てれば幸いのかぎりです。
 パチパチパチ。(8人くらいの拍手!)
 えっ?天王洲ディベロッパー営業のキムラ君が根回ししたのかい?あの管理人は、見かけはモッサイけど?余計なお世話ですよ!パソコンは三段の腕なんで、眠らせとくのはもったいないってかい?キムラ君がそう言ったのかい?困った人だよねえ。えっ?来てるの?キムラさん!あんたは、さすが営業だね!売り込むのがうまい!えっ?営業辞めた?先日のあの日にカルチャーショック受けちゃったって言うのかい?いやー参ったねえ〜!
 はいはい、始めましょ、さっそくね。
 さて、みなさん、今日は初日なんでね、パソコンはいじりませんよ。いや、いじりたい方がいれば、レクチャーが終わった後、残ってください。ちょっとだけ操作のまねごとするくらいならいいでしょう。
 でね、今日はみなさんに大事なことをお聞きしたいんです。いやいや月謝のことじゃありませんよ。えっ?みんなで相談済みだから安心してくださいってかい?困るなあ、そんな杓子定規なことされたんでは……。はいはい、じゃ、その件は、また後ほど。
 でですね、大事なことというのは、パソコンで、あるいはインターネットでそれぞれ何がしたいのかっていうことなんです。なんでもそうですが、動機っちゅうもんが大切なんですよね。今でも禅寺に修行に行くとね、まず入門動機の確かさが、これでもか、これでもかって試されるんですよ。えっ?修行に行ったのかってかい?なんで坊主でもない私が行かなきゃならないの!テレビで見たんですよ!
 じゃ、自己紹介兼ねて、順番に行きましょうか。
 天王ラーメン屋の旦那さんは、表計算と品書き作りネ、はいはい。ゆくゆくは、ホームページで客寄せ増強も図りたいとネ。積極的ですね。えっ?まだあるの?インターネットで?たまにはエッチも見たい?ウーム、困ったお方だね。まぁ、考えときましょ。
 次は?ああ、田中さんの奥さんね。アメリカに留学してる娘さんとメールのやりとり?いいですねぇ〜。インターネット電話もできるんですよ。そう、通話料が安いの!
 で?NHK集金の細田さんは、うん、うん、それはデジカメ画像の編集ということになるね。ゆくゆくは、ビデオ編集もね。いいんじゃない。えっ?さらにゆくゆくがあるの?最終的には?放送局開局したい?そりゃ、ム〜リ!ば〜か。はっはっはっ。いや、そうとばかりも言えないかもしれませんね。万事やる気次第ね。
 勅使河原のおじいさん!今日はよくおいでくださいました。おじいさんは……。えっ?あんたに、おじいさんと言われると腰砕けしてしまう?はっはっはっ、すいません。で、勅使河原さんは?はいはい、いわゆる『自分史』の編集っていうやつですな。うん?十年二十年かけてもやりぬく?(シーン!&パチパチパチ!)
 お嬢さんは?はいはい、今、登校拒否中で?本ばかり読んでるんだけど、インターネットがやれるようになりたいとネ。それで、ウェブ上でいろんな資格が取りたいワケだ。い〜ですねぇ。で?お名前は?はっ、吉永さんね?なんとなくキューポラの努力家っていう雰囲気あるもんね。
 さてさて、みなさん!こちらのお二方は、当台場荘のテナントの方々で、こちらが岩崎さん、こちらが小柴さんです。お二人ともパソコンはマスターされてるんですが、初心者の方にアドバイスするのは大変にいい勉強になるからということで、こうして参加されています。見上げたもんですね、ちなみにお二人とも部屋は三階です。こうした役割は、いわゆる、チューターって言うんですね。えっ?猫がウロウロし始めたって?(まさか!)
 ということで、全員の方の……、えっ?キムラさんがまだだ?そ、そうなんですよ。誰か残っていたに違いないと思ってたとこなの。はい。キムラさんのパソコンへの動機は何でしょうかね?
 えっ?営業?だって、営業辞めたんじゃなかったの?あっ、そうかそうか、顧客管理システムかなんか作って、デジタル管理の営業で巻き返しを図ろうって魂胆ネ?えっ?違うの?営業そのものだっていうのかい?(キョトン、キョトン、キョトン!みなが不思議がる音。)
 キムラさん!どういうことなの?詳しく聞かせてくださいよ。

【 INTERMISSION 】(なつかしい単語!「ドクトルジバゴ」以来お眼にかからない。)…………後半は、明後日の午後七時からとなっております。

******* 連載小説を中断して息抜きしてるっちゅうのに、またまた、連日連載の駄文づくりにみずからはまり込んでゆくという愚を仕出かしている自分!あーあー仕事がたまる〜


【 INTERMISSION 】終了。

[キムラ] 実はっすね。あっ、長くなっちゃいますけどいいっすか?
先日、以前の会社、天王洲ディベロッパーの営業として、こちらにお邪魔しましたよね。もうその時には、不動産会社の営業には見切りをつけたいと考えてたんっす。
[管理人] そ〜だったの?どうりで、あっさり帰っちゃったワケだ……
[キムラ] だってそうでしょ。中高年でほかにやれることないなら、しょうがないけど、大手ゼネコンさえ危ないこの時期、若いヤツがやるジョブじゃないっすよ。ブツ(建築物)の商いなんて。確かに、一時は私も『 宅・建 』の資格とって、バリバリやろうとしたこともありました。けどねぇ、何て言ったってこれからは、建物は余るはずっすよね。少子化なんだから。
 やっぱり、コンピュータかな〜って、ねらいは定めてました。だけど、オレって、機械はぜんぜんダメなんっすヨ。みんなほかのヤツはケータイ持ってるじゃないっすか。ほいで、定年したオヤジが家ん中でTVのリモコン放さないように、街ん中でやってますよね。ぜんぜん興味無いんっすヨ。馬鹿かぁってさえ思うくらいっすヨ。そんなに繋がってたけりゃ外出すんなよって思っちゃいますヨ。
[管理人] ケータイの話はね、また別な時にね、先行きましょ。機械が苦手だと、それで?
[キムラ] そいで、先日、管理人さんにホームページ見せてもらったじゃないっすか。正座して。猫も隣に正座してぇ。オレ、あん時、ビックリしたんっすヨ。小学校の時に『未知との遭遇』の映画見た時以来の「ウッソー!」でしたよ。ホームページ見るのは、初めてじゃありませんよ。天王ラーメンのおやじさんじゃないけど、ダチッコとエッチ見たりぐらいはしてましたよ。
 でもね、オレ、こう見えても中味にうるさいんっす!だって、不動産取引じゃ、詐欺まがいも横行するじゃないっすか。本物と詐欺を仕分けるのは、直感勝負なんっすヨ。
 でね、あのホームページ見せてもらった時、技術の小道具もそこそこだとは思ったけど、中味がモノホン(本物)だって思えたよね。しかも、『台場小同窓』サイトの方は、ビジネスのフックが何にも仕掛けられていないから、じわっ〜って、良さが伝わってくるんだよね。ほいで、そのホームページを管理人さんは、誇らしげにスイスイ操作してましたよね。オレは、これだー!って直感したんっすヨ。
[管理人] それで、私担ぎ上げて、パソコン勉強しようと?でも、営業をやりたいんだよね。も〜ちょっと聞かないと謎は解けないか。続き、どうぞ。
[キムラ] 長くなっちゃいますれどいいっすか?
[管理人] また、"INTERMISSION"入れる?
[キムラ] オレはね、この管理人さんは、タダモノじゃないって睨んでるんっす。あんな中味の濃いホームページを作る会社が、たとえアパートの管理人と言えども、単なるタダモノを配置するワケがない!って睨んでるの。これは、単なる当て推量っすけどね、ひよっとして、管理人さんは、あの会社の影武者ならぬ影会長なんじゃなかろうか?ってね。
[管理人] …………( 感激と動揺、動揺と感激が入り乱れ、言葉ナシ!)
[キムラ] 冗談はさておくとしてぇ。
[管理人] はっはっはっ!(と、取り繕い笑い!)
[キムラ] これで、ひとつ「アントレプレナー(entrepreneur)!」を目指してやろって決意したんだ!
[天王ラーメンおやじ] なんだね?その「あん取り合戦?」ってのは?
[登校拒否の吉永] 起業家ですよね、確か。なんか、面白くなってきたわ。やっぱり、熱い人達の中にいると、ビリビリ感じるものがあってサイコー!
[キムラ] 以上が前置きの説明でして、これからが「なぜ、営業?」という核心の問題に入ります。
[管理人] あっ、田中さんの奥さん。急須?急須は、そこの棚の、はいはい、そうです。まあ、今日はお茶飲みながら、ゆっくりやりましょうや。
[キムラ] 管理人さん、ことわざに「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ってあるじゃないっすか?
[管理人] 危険を避けていては成功できない、っていことですかね。
[キムラ] そうなんですが、オレはね、もうひとつひねって、欲しいものは直接求めずに遡って迫れ!っていう解釈するんっす。ターゲットの虎の児が欲しけりゃ、虎の児、虎の児ってばかり闇雲に考えんじゃなくて、そいつは、どこに居る?採り方の方法は?その障害は?っていう風にね。
 いよいよ、核心なんっすが、その前にもうひとつ、「鵜飼い」の話に"迂回"します。
[管理人] も〜、キムラくん!
[キムラ] 人は、川魚のアユが欲しいと思います。これを売って商売したいと思います。それで、えさ釣りだの、友釣りだの、投網だのと採り方に専念します。こうした、段階を第一段としましょう。ところが、鵜飼いは、鵜にアユを採らせて、それを横からいただいちゃおうというんっすから、一段遡ってます。これは、第二段と言えます。
 しかし、これで終わりじゃないんっすね。アユの収穫は、優れた鵜がいればそれで済む問題ではなく、その上に優れた鵜匠がいてこそ完結する!と。この最終段階が、第三段なんです。オレは、こういう風な鵜匠をこそ、ターゲットにした発想で、どっさりアユを手に入れたいと考えてるんっす。
 人は、いろんな仕事して稼ぐなり、趣味やって満足するなりします。これが第一段っす。これらを効率的に、効果的にやる道具の「鵜」=パソコンが登場して、パソコンは普及し、今みんながパソコン勉強することを真剣に考えてます。だから、自分がパソコン勉強するとか、パソコン教室開いて商売するとかが注目されてます。これが第二段っす。
 ところが、オレ、もう一段遡り、鵜匠の役やるパソコン教師に着眼するんっす。とにかく、パソコン分からなくて困ってる人多い。あっちこっちパソコン教室やってる。でも、ダメね!教師バカだから。矢沢、ここで考える。いい教師探せって。それでいい教師斡旋する商売をやろって。PCトレーナーハンターとでも言えるかもね。これ、一番現代的ニーズにあったヒャッピーな営業ネ!
管理人さんのパソコン三段!っていうのもいいヒントになりました。
[管理人] 矢沢クンじゃなかった、キムラくん。オーナーんとこ、そういう講師派遣もやってるけど、それほどではないみたいよ。
[キムラ] いや、並のトレーナーじゃダメっす。金ぴか先生とか金ぱち先生でもいいけど、実力あってそのに上カリスマ性があるようなトレーナーなんっす、ターゲットは。
 って言うワケなんっすよ、営業やるっていう意味は。でも、ここでパソコンの勉強はマジにやりますよ。管理人さんの教え方、しっかりチェックさせてもらって、いいPCトレーナーのイメージをたたっ込むつもりっす。そんなワケで、どうぞみなさんよろしくお願いいたします。
[みんな] ウヒャー!&キョトン!&シーン!&シュ、シュー(お茶すする音)&……(引っ張り回したにしちゃなんだよネー、とか、若い人は思い込みが大事です、とか、風が吹けば桶屋が儲かる&ねずみの嫁入りの類ね、との声のあったことも付け沿えておきます。)
[管理人] いろ〜んな動機があっていいんですけど、なんか疲れちゃいましたね……。じゃ、宿題出して、今日はお開きとしましょう。

[ホワイトボード] 《 宿題 》キーボード配列に慣れましょう!(「実物大キーボードのコピー」を使って、自分の住所・氏名を百回打ちましょう!)


 みなさん今日は!今日は一日ぐずついた天候で、いよいよ梅雨なんでしょうかね。そんなことを「つゆ」知らず洗濯物を干しっぱなしにしてはいけませんね。えっ?駄洒落はいいから始めましょって?
 みなさん、お揃いでしょうか?
 天王ラーメンさんがまだ?忙しいはずだよね。土曜の夜七時といえば、お客さんも少なくないはずだし、出前もあるんでしょうな。でも、りっぱですよ。いやあの方の場やい、正確に言えば、「半分!」りっぱですな。
 ああ、お出でになられた。天王さん、今うわさしていたとこなんですよ。
 さぁて、今日は第二回目。そうそう、宿題の方は済ませてこられましたね。どうです?キーボードのキーの配列に馴染み始めましたかな?
 われわれが使うWindows だとマウスの操作が大半ということになりますが、やっぱりキーの操作に慣れないと、作ったファイルが保存できない、パスワードが入力できない、楽しいメールの入力ができないといった調子で肝心なことが何もできないんですよね。
 先日、オーナーの会社から、使わなくなった古いキーボードを五個ほど送ってもらいました。そこに並べてあるのがそうです。キー操作の練習用にね。あとでそれらを使って練習しましょ。
 それから、オーナーには、Windowsが練習できる程度の古いパソコンも頼んでおきましたのでそれも届いたら使わさしてもらいましょ。で、次回からね、ノートパソコンをお持ちの方はご持参いただくようにしましょうか。どのくらいいますか?田中さんの奥さんと、えっ?キムラくん?退職金で買っちゃったの?
 それでね、パソコン持ってない人で、これから入手しようという人はね。無理しないようにね。最初は、中古の安いのでいいのよ。
 そうねぇ、Windowsができて、インターネットができるものであれば、CPUは、ペンティアム100メガヘルツくらいのものでも大丈夫ですよ。HDDは最低で1ギガ。2ギガあれば、最初は足りるでしょう。デスクトップだったら2〜3万円で買えるでしょ。ノートでも中古のこのクラスなら、3万円前後で何とかなるんじゃないですか。
 素人の方は無理でしょうけど、費用を大してかけずに、アップ・グレードする(性能を上げること)のもそんなに難しいことじゃないんですよ。容量の大きいHDDに取り替えたり、インターネットやるのに必須のモデムが付いてなかったら、増設したり、場合によっては、比較的速いCPUに取り替えたりね。私のマシンも結構改造してますよ。また、小柴さんみたいなチューターもおりますので、声かけていただければ相談にのりますよ。ねぇ、小柴さん?
 費用をあまりかけずに、とにかく一刻も早く、パソコンを文房具扱いできるようにしてゆくこと!何でもそうなんでしょうけど、みんなができて自分ができない環境でがんばらなくてはいけないのと、結構できない人が多い環境で、そこそこ自己満足しながらがんばるのとでは大分違いますよ。今なら、まだできない人も多いですからね。でも、どうでしょう。あと二、三年もすれば相当様変わりしちゃうんでしょうね。政府も遅ればせながら「5年以内に世界最先端のIT国家になることを目指す!」と、この年初めに宣言しているんですからね。
 さて、それで本日は、まだプロローグという範囲ということにして、先週みなさんがやってみたいと言われたことを、実際私がやってお見せしようと思います。そこで、こんな小さなディスプレーをみんなで覗き込むのはいただけませんから、ほらここにある「液晶プロジェクター」で、あの壁に大写しにしてご覧いただきます。すごいものがあるでしょう?そう、オーナーの会社から借りたの。定価、100万円だそうよ。大して儲かってないのに、重要な道具だと判断したら入手しちゃうようだね。
 あっ、岩崎さん、このプロジェクターは照度が明るい高級機だから、照明落とさなくても大丈夫なんですよ。だから、メモしたい人はメモもできますからね。
 さぁて、何から始めましょうか。えっ?いくらなんでも、ご婦人方がいらっしゃるのにアレ見るわけにはいかないでしょ、ダメっ!天王ラーメンさん。まぁそれじゃ、インターネットから始めましょうか。

 ここで、インターネットの予備知識をお伝えしておきましょう。
まず、@パソコン買ってきたままでは、インターネットは使えません。クルマの醍醐味は高速道路ですよね。インターネットは、世界中に繋がっている高速道路なんです。で、高速道路に入るには、インターチェンジでお金払って入りますよね。インターネットでは、「プロバイダー」というインターチェンジに、年契約とか月契約とかの契約をして、そこに電話をかけて、インターネット回線という高速道路に入らせてもらうんです。だから、プロバイダーとの契約(いろいろありますが、現在、月千円弱というとこでしょうか)をしなければなりません。
 ついでに、費用の点を説明しておくと、クルマで高速料金を払っても、ガソリン代は自分持ちですよね。これと同様に、プロバイダー契約をしても、電話の通話料は使った分だけ電話局に払わなければなりません。だから、「IT革命」を推進するくらいなら、電話料金を安くするよう指導すべきだという声が上がっているんですよ。
 さて、次にAプロバイダー契約で提供される情報(プロバイダーの電話番号、使う人のアカウント:名前、パスワードなど)を自分のパソコンに書き込む作業をしなければなりません。これを、「ダイヤルアップ」を作る、といいますが、このようにね、「マイコンピュータ」→「ダイヤルアップネットワーク」をクリックしてね、「新しい接続」で入力するんですよ。
 ただ、その前に、順序が逆になりましたが@-2「モデム」の設定をしておく必要があります。モデムは、必ずしもインターネットに限らず、昔はやったパソコン通信でも、電話でも使う、パソコンと外の電話回線との「玄関」みたいなものです。われわれが、家から外出する時に、玄関で靴なり、下駄なり、地下足袋(?)なりの外用の履物に履き替えますよね。また逆に、帰宅したら、それらを脱いで上がりますよね。このような切り替え、データ変換をするのがモデムなんです。
 さて、ここまでの設定ができたら、あとはバカチョンでこうして繋がります。
 「Internet Explorer」のアイコンをクリック。そして自動的に「ダイヤルアップ」画面が出てきたらクリックすれば、それでOKなんですね。
 ところでね、インターネットでホームページを見るのと、メールをやり取りするのは、ひとつのことだと思い込んでいる人もいるんだけど、別物だと区別してください!
 プロバイダー側システムでも、前者はウェブ・サーバー、後者はメール・サーバーという異なった部分で処理していて、いわば部署が違うんですね。別物なんだと区別しておきましょう。ただ、プロバイダーと契約すると、手続きが一体となっていたりするんですが、システムが別なんで、パソコン側の設定も別にやらなければならないわけです。これがBです!設定としては、「Outlook Express」を指示にしたがって入力していけば簡単にできます。それから「Outlook Express」と「Outlook(2000)」は別物だということも理解しておいてください。
 以上、比較的メジャーな Microsoftを例に説明しましたが、Netscape Navigator でもそれほど違いません。

 それで、いわゆるインターネット・サーフィンをしてみましょう。あっちこっちのサイトを閲覧することをこう言うんですね。あっ、そうそう。だんだん使い慣れてきたら、ブラウザ(ホームページを見るソフトのこと)の設定を、自分が使いやすいように再設定していくといいんですよね。
 そのひとつが、接続して最初に開くサイトを何にするかという設定です。ホームページを開設している人は、自分のホームページとなるようですが、どうでしょうか、「検索サイト」とか、「ポータル・サイト」にしておくといいのかもしれません。
 前者は、例えば、「Yahoo!」なんかがそうです。後者は、いろいろなジャンル毎に、こんなホームページはどう?といって紹介をしているサイトです。何せ、インターネットには、1000年かかっても読み切れない数のサイト数があると言われていますから、何か手掛かりをもって臨まないと効率良くはサーフィンできないですね。この辺のとこは、また時間かけてゆっくりやりましょう。
 いろんな、サイトがあるでしょ〜。で、メールはこの封筒みたいなアイコンをクリックすればOK。この「受信トレイ」の枠に表示されているのが、これまでに私に届いたメールなの。ひとつ、見本で、自分に出してみましょうね。「新しいメール」という、ここをクリックすると、小さなウィンドウが出てきます。で、「宛先」ね。マウスを近づけるとクリックできますよ〜っていうかたちに変わるでしょ。
 あっ、そうそう、ここでひとつ大切な話しをしましょう。Windowsという仕組みの特徴は、「インタラクティブ(相互的)」にあります。ユーザーが使ってヤルゾ〜!という行動的な(アクティブな)姿勢で働きかけると、待ってましたとばかりに、「じゃ、これ使ってみる?」っていうように選択肢を示してくれるんです。ユーザーが、何も働きかけないで、じっとしていると、「何かお悩みのようだからそっとしていましょ」といって何も示さないんですね。私は、こういう個人の意思尊重をモットーとするWindowsの発想が好きですね。教育ママのように、次から次へと指示垂れ流しをしないんですよ。Windowsというか、パソコン・ソフトと付き合う時、単に物理的操作にばかり目を向けず、「コイツは、どんなユーザーを想定して制作されたのか?」に注目したいですね。専門的に言えば、ユーザー・インターフェイスの問題なんです。そうすれば、こちらの対応姿勢が定まるっていうわけです。
 とにかく、赤ちゃんのように、ぽか〜んと口開けて待つとか、添乗員さんの旗の後ろについて回ることだけ考えているような姿勢だけはもってのほかでしょう。えっ?もう八時半になっちゃいました?急ぎましょ。ちょっと小難しいこと言いましたが、お分かりいただけました?キムラ君、なんか必死にメモしてるね。えっ?こういうところがもっと聞きたいって?なるほど!
 では、表計算エクセルやワード、そして画像処理などほかのアプリケーションについては、また次回お見せすることにして、キーボードのカチャカチャ実習をしましょう。小柴さん、岩崎さん、お手伝いしてあげてね。えっ?ローマ字入力、かな入力の区別は問いません。好きな方でやってください。ではどうぞ。
 がやがや、カチャカチャ、がやがや、カチャカチャ…………


 荏原神社のお祭り中日だというのに、全員そろいましたか!えっ?祭りも気になるけど?パソコンは命がけ?!さすが、勅使河原のおじいさんは、おっしゃることが時代がかってて素晴らしい!(パチパチパチ!)じゃあ、ひとつ私も命がけでやることとしましょう。あっ、そうそう、今日はノート・パソコン持って来られた方もおいでなんですね。
 私の方も、中古パソコンをとりあえず3セット、ほらここに用意しました。だから、液晶プロジェクターと併用すれば贅沢な環境になりましたね。
 さて今日は、「文章入力」に関して勉強しましょうか。
「文章入力」というと、すぐにWordということになりそうですが、そうでもないんです。初級の方は、Wordから入ると、逆に機能が多すぎてそれだけで重荷になることもあるので、こう考えてください。
 1.とにかく、「文章入力」に慣れたい、あるいは自分は「文章入力」がターゲットで他のことはどうでもいいんだ!と決めている人は、「メモ帳」というWindows標準のソフトを使いましょう。
 2.1が終了した人、あるいはポスターとか、絵葉書とか絵や写真を交えたそんなものを作りたい方はWordということになりますね。

 「メモ帳」は、「スタート」→「プログラム」→「アクセサリ」の中にあります。「メモ帳」というパッとしない名前とか、開けてみると飾りっ気のないウィンドだったりするので、バカにしたくなりますね。しかし、バカにできそうなソフトを自由自在に使い込むこと、これが大事なんです。最新のWordのような多機能な豪華なソフトだと、いつも何だか自分が逆に使われているような錯覚に陥り、萎縮してしまうのがよくありません。
 「メモ帳」は確かにシンプルですが、実を言うとこれでホームページだって作れるし、プログラミングだってできるんですよ。と言うのは、「メモ帳」は、フォント(文字種類)だの、罫線だの、文字色だのといったいわば副次的な飾りをはぶいて、データ情報を最低限かつ標準の「テキスト」に絞り込んでいるからなんです。
 確認のために、「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリックしてみてください。文章入力が終えたら、こうして打ち込んだ文章を保存するわけですね。どうです?「ファイルの種類」が「テキスト文書」となっているでしょ。じゃ、ついでに、上の方の空欄の反転文字で「無題」となっているところに「テスト」と入力して、「保存」をクリックしてください。そして、「マイドキュメント」というフォルダのアイコンをクリックすると、どうです。「テスト」というファイルが保存されてますね。「拡張子」が表示されないように設定されているとファイル名は「テスト」なのですが、実は「テスト.txt」なんです。このことを確かめたい方は、「マイドキュメント」の「表示」→「フォルダオプション」→「表示」→「登録されているファイルの拡張子は表示しない」に付いているチェックをはずしてOKをクリックしてみてください。
 ファイル名の後の「.txt」という拡張子は、「これは、標準的なテキストという種類のファイルです」ということを表現しているわけなんですね。ちなみに、Wordで作られ、保存されたものは「〜.doc」となります。
 それで、「.txt」というファイルは、標準的なファイルであるため、どんなワープロ・ソフトからでも開くことができるんです。これは大変大きなメリットなんですよ。なお「〜.doc」ファイルを「メモ帳」で開くことはできないんですね。
 そもそも、文章を手書きではなく、ワープロすることの意味は、活字化されて小奇麗だということよりも、一度入力した文書あるいはその部分を再活用できるという点が重要なんですね。だから、文章のテキストのみで罫線その他の飾りがないシンプルな原型をひとつ作っておくと、これを飾り機能を持ったWordなどで開き、いろいろ加工して、Word文書で保存する、といったことが可能となるのです。それに、「.txt」ファイルは、保存する時の容量が小さくて、フロッピーにかなりの量を保存することも可能です。
 それから、インターネットを希望の吉永さん、当然メールもこなしたいですよね。メールも、少し考えながら文章をまとめたい時は、「メモ帳」で下書き文書を作成するという使い方もありますね。「メモ帳」で作成した文章を「コピー」して、メール・ウィンドの所定の場所に「貼り付け」すればよいわけです。
 そんなわけで、「メモ帳」というのはシンプルだけど、結構貴重なソフトなんですね。このような種類のソフトのことを「エディター」(文章編集)と呼んでいます。
 日記を付ける方には最適なんではないでしょうか。日付も、「編集」→「日付と時刻」をクリックすれば自動的に入力されますしね。
 ところで、今日は、あともうひとつ重要なことをお話しして実習に入りましょう。
 それは、IMEという入力変換・辞書のことです。
 要点の1は、いろいろな選択はIMEの「ツールバー」をマウス操作で行うのですが、ホームページ作成でスクリプトを入力したり、プログラミングをするとなれば、英文字・数字を半角で入力しなければならず、全角・半角の切り替えの頻度が高まります。そんな時、「Alt」キーと「半角/全角」キーを同時に押すと切り替わる方法を覚えておくとよいでしょう。キーボード操作中にマウスへ移動するのは動作が中断しますからね。
 要点の2は、効率の良い入力のために「用語/用例の登録」を活用することです。いわば自分専用の辞書を作るということです。例えば、「コンピュータ」という語を頻繁に使うなら「こん」と入力して変換のシフト・キーを押せば、パラパラと「コンピュータ」が表示するといった具合です。一文字だとやたら出てきますから、二文字をキーにしておくと良いでしょう。このほか、辞書の活用は重要です。「IME2000」では、「ふぃろそふぃ」と入力して「philosophy」と表示させる「カタカナ語英語辞書」という便利な機能もあるんですね。もちろん「194」と〒番号のつもりで入力して変換をかけると「東京都町田市」と出てくる機能もあります。これはIMEというWordとは別のソフトの機能ですから、「メモ帳」でも使えます。
 さて、話しはこんなところにして、「メモ帳」とIMEをを使って、実習をしましょうか。私は全体を見ますので、小柴さんは、天王ラーメンさん、細田さん、勅使河原さんを、岩崎さんは、田中さん、吉永さん、キムラくんをサポートしてください。
 がやがや、カチャカチャ、がやがや、カチャカチャ、がチャがチャがチャがチャ……


 ええ〜、今日はちょっと気分が滅入っています。ひょっとして、みなさんもそうかも知れませんが、昨日大阪であった何とも残忍な事件のせいなんです。ちょうど私の孫たちもあの子たちと同じ年頃です。それだけになおのこと、かわいそうになります。
 おまけに、なぜあの子たちが死んだり、怪我したりしなければならなかったのかという点に説明がつかないだけに、やり場のない気分になるんです。精神的な病の人を野放しにするなとかも言われています。私もいろいろと考えてみたんですが……。いやっ、こんな話していていいんですかね。えっ?田中さんの奥さんが?是非聞かせてくださいって?
 じゃあ、みなさん、今日はパソコンの直接操作からは離れますが、もう一歩踏み込んだレベルのパソコンのお話へと繋ぐということでお話させてもらいます。
 それでですね、昨日のような犯罪ですが、精神的異常者の問題というより、だってそうでしょ、そうした人たちを無くしたり隔離したりすることは不可能ですよ。むしろ、そういう者がなぜ簡単に小学校に入れたのかという点が気になりました。銀行なら、たとえ裏門にしても、厳重な警戒設備が施してありますよね。異常者にとって、子どもは金銭と同じターゲットであることは、米国の犯罪で示されていますよね。ボーダレス時代、特に犯罪については、米国も日本も違いがないと見たほうが適切なんでしょうね。
 今回の犯人は、かつて「校務員」として雇われていた経緯があったようで、それはそれで怖いのですが、今は「校務員」の制度はどうなってるんでしょう?無防備な者たちを預かる学校の制度を司る者達の状況判断、時代判断に甘さはないのでしょうか?
 警察にしても、現在の犯罪水準に追いつけない状態で、後手後手に回っていると懸念されてもいますが、問題は、現代という時代がどんな時代なのかに対する能天気の指導者が多すぎやしないかと感じます。
 いや、私が強調したいのは、警察だとか、お偉いさんとかをしっかりさせて、これらにあいかわらずお任せ!依存!しようといったスタイルではなく、われわれ日本人は、環境変化に対応した警戒心や自衛心をもっと養う必要がないかという点なんです。何が起こる可能性があるかということへの聡明な想像力を発揮していないことが問題だと思えるんです。確実に言えることは、現在発生している凶悪犯罪は、社会のいろいろな意味でのアキレス腱をねらったものだということです。犯罪者たちとて臆病な人間であり、防御の固い部分をあえて狙うはずはないのですから。
 警戒心を強調することは、人を見たら泥棒と思え、と叫んでいるようで甚だ恐縮ではあるのですが、素晴らしい隣人、優しい隣人ばかりが社会を埋めていると、何の根拠も無く信じる方が甘えと言われてもしょうがないんじゃないでしょうか。どうです?言いにくいことをあえて言いましたが、賢いはずの大人たちが、こうした客観性を持たないかぎり、子どもが犠牲になり続けて行くじゃないでしょうか。
 さて、パソコンの話に移行してゆきます。
 第一点。パソコンは、パーフェクトではなく、トラブルがつきものである!という話です。決して、パソコンは古き良き時代のように安定してはいません。いつ何時に「フリーズ(固まって動かなくなること)」したり、立ち上がらなくなったりいろいろです。なぜかと言うと、ユーザーによって使い方が千差万別であるからなのです。他の電化製品は、用途がひとつに決まっていて、洗濯機に映像を期待する人はいないでしょう。これに対して、パソコンはまさに多機能であり、それぞれの機能の使い方も、「デフォルト」という標準以外にいくらでも自分自身でオプション変更が可能になっています。「パーソナル」コンピュータですから、自分の使い勝手によっていろいろ変えられるわけです。そこに良さがあるわけですが、逆に、メーカーが予想できなかったトラブルが発生したり、他人のパソコンは、ベテランでもよく分からなかったりすることが生まれます。したがって、パソコンは、基本的には、自分で管理し、発生したトラブルは自分で解決することが目標となるのです。というより、それしか方法がなくなっていくものなのです。
 現代の社会も、いろんな人々が、それぞれの思惑を抱いて参入しているのですから、トラブルがないわけにはいかないのかもしれませんね。そういう「パーフェクト・ワールド」からほど遠い現状を念頭において、どうするのかを考えましょう。
 第二に、今の点と関係していますが、ウィンドウズ以降、ウィンドウズ自体がそうですが、ソフトは、ユーザに対して、つねに選択・判断を求めてきます!プリンターにしても、「用紙の方向は?」とか、「カラーor白黒?」とか、「枚数は?」とか、上等なレストランへ入った時のわずらわしさ(?)さえ感じるかもしれません。
 これは、ユーザが多様化していることを大前提にしているんですね。日本人のように、食堂に入って「じゃ、オレも同じもの、そうセットで」と言って済ますレベルと違うんですね。
 しかし、この自分なりの手続きは重要だし、腕が上達すればするほど、逆に有難いとさえ思うようになってゆきます。もの作りをするようになれば、こうした条件設定があるから、こんなことができるんだと感謝するようになってゆくはずです。
 冒頭の話の「警戒心」云々も、多様な人間と多様なニーズの現代というこの辺の話と関係づけて考えればどうかと思っているのです。自分自身の考えを培ってゆくべし!
 最後に、パソコンはコミュニケーションの道具!だという点です。シングル・プレーのゲームだけやってるとさほど気が付かないわけですが、パソコンでやることは、基本的にはその結果が他者に関係しているんですよね。インターネット、メールはもちろんのことです。文章作成も、読み手を想定しなければなりません。そもそも、あらゆる「情報」は個人で完結するものではなく、他者との相互関係の中で意味をもつものなんですね。だからインターネットにしても、受信だけでなく、発信もあってこそ「inter(相互の)」ネットなんですよ。他者への想像力を育ててゆく必要があるわけです!
 そんなわけで、今日は、子どもたちの死が、不条理のままであってはならないと思い、いろいろと大人たちに関連すること考えてみました。来週は、いつもどおりのパソコン教室にしましょう。


 さて、皆さんおそろいでしょうか?
 もう吉永さんなんかは、インターネット始めてますよね。ああいいんですよ。自宅ではまだつないでないんだもんね。じゃ、またあとでやらせてあげますからね。
 さっき、吉永さんがネットサーフィンしていてこう言ってましたよね。
「このページ素晴らしい!この図表と解説だけ記録したいわ!」ってね。一度訪れたWebサイトを記録するには、@「お気に入り」というアイコンをクリックして、URLというアドレスを記録しちゃう方法、A「キャッシュ」という一度訪問したWebサイトの個々のパーツの自動記録を、ブラウザを立ち上げた時に「オフライン作業」を選択して再利用する方法、BフリーウエアのWebサイト記録ソフトを使う方法などがあります。
 もちろん、写真やグラフィックなどビジュアルな画像だけを記録したい場合は、その画像にポインタをもってゆき、マウスの右クリックで「名前を付けて画像を保存」とすれば指定のフォルダに保存できます。
 ただ、とにかく急いでいる時など、ディスプレイに写っている範囲をそっくりそのまま記録しちゃうという簡単な方法があるんです。いわゆる「画面のハードコピー」と言うんですけどね。
 今回は、画像処理というと大げさですが、文字入力以外の画像を扱う上で、初歩的なポイントをいくつかお話することにしましょう。それで、最初がこの「画面のハードコピー」なんです。とにかく、ディスプレイに表示されているもの、絵であろうが文字であろうがすべてを、画像としてコピーしてしまうので、何かと便利です。
 じゃ、ちょっと試してみますか。いま、皆さんのディスプレイには何が表示されていますか?何でも結構ですよ。そうしたら、キーボードの右上の方に、「PrintScreen」または「Prtsc」などの省略表示になっているかもしれませんが、そんなキーがありますね。それを一回押してください。あっ、そうそう、Note PC の場合は、左下にある「Fn」などのキーと同時に押さなければならない場合もありますから注意してください。さぁ、できましたか?
 そうしたら今度は、「スタート」→「プログラム」→「アクセサリ」→「ペイント」を順次クリックしてお絵かきソフトの「ペイント」を開きます。ほかに画像ソフトをお持ちの方はそれを開いていただいてもよいのですが、ソフトによっては、この方法に対応していない場合もあります。
 「ペイント」を開いたら、「編集」→「貼り付け」をクリックします。ダイアログ・ボックスが表示されますが、「はい」をクリックします。さて、どうでしょう?先ほどの画面全体が表示されましたでしょ。とりあえず、これを、「ファイル」→「名前を付けて保存」で保存しておきましょう。その保存の際に、ひとつ学んでおくべきことがあります。 前々回でしたか、文章の保存には「〜.txt」という拡張子が付くというお話をしましたが、画像も特別な拡張子が付けられるのです。主な拡張子は次のとおりです。
 @「〜.BMP」………………基本的な画像拡張子で、24ビット、256色、16色などのグレードあり。圧縮されていないのでファイルボリュームが大きい。
 A「〜.JPG、〜.JPEG」……自然風景などに適する圧縮された画像ファイル。
 B「〜.GIF」………………グラフィックなどに適する圧縮された画像ファイル。
です。とりあえず、皆さんは@の「ビットマップ」ファイルを覚えていただきますが、インターネットで活用する画像は、A、Bという「ビットマップ」ファイルを圧縮して、ファイルサイズを小さくしたものなどです。「ビットマップ」ファイルという大きなものをそのまま使うと送信に負荷をかけてトラブルを誘発するからなんですね。
 ということで、「ペイント」では、何か分かりやすい名前を付けて「〜.BMP」というかたちで保存しましょう。そして、保存したファイルを 再度開いてみてください。画面とそっくりですよね。この画面を元にして、いろいろと画像編集することもできますし、文字部分を見ながら、ワープロにまともな文字として打ち直すこともできます。いろいろな用途があり、PCを使い慣れてゆくとこの方法のありがたさがじわじわ分かってきます。 ところで、この方法は、要するにPCによる画像の「コピー」&「貼り付け」の原点なんです。文章でも、このことをお話したはずですが、この辺がPCの良さなんですね。PCでは、とにかく同じものを扱う際に、手間がかからないように仕組まれているわけなんです。だから、この辺の原理を人間はうまく活用して、効率を上げるなり、データの安全を確保した上でいろいろな加工をしたりできるんですね。
 それから、今日はあとひとつ「手順」の問題の基本をお話して終わりたいと思います。 人が、何かモノを作ったりする場合「さあて、何を、どうするかだ!」という言い回しをよくします。この順番、つまり@対象を決めて、それからA処理を選ぶという原理が、PC操作でも大原則なのです。
 例えば、先ほどのハードコピーの画像から、あるアイコンの部分だけを抜き出してファイルにしておきたい場合、@対象範囲をツールを使って指定する、という動作をしてから、その部分を「コピー」するという指定をするわけです。そして、そのあとはいろいろ異なるでしょうが新しい領域に貼り付けたりするわけですね。
 この「対象指定」→「処理指定」という段取りは、PC操作での定石だと考えておきましょう。インターネットでも、URLという「対象指定」をして「接続」という「処理指定」をしなければなりませんものね。
 PCの操作に慣れてゆくということは、PCのソフトの共通した考え方、使い方に慣れ、多分こういう場合は、こうすればいいはずといった推定までできるようになってゆくということなのですね。
 それじゃ、実習に入りましょう。
 ススッ、ススッ(マウス操作の音)、カチャ、カチャ、ガヤガヤ…………


 さて、いつの間にか六回目にもなってしまいましたね。皆さんお揃いでしょうか?
 キムラさんも、「元気はつらつオロナミンC!」の顔つきですね。じゃ始めましょうか。
 いつだったか、パソコンは馬鹿にしなけりゃいけない、と言いましたよね。その理由を言いましたっけ?えっ?高いくせに役に立たないって?そんなことは言わないでしょ。パソコンは、道具だからなんですよ。他の電化製品も道具には違いないんだけれど、例えば冷蔵庫は、ユーザが特に何も指示しなくてもモノを冷やしてくれます。
 しかし、パソコンは、ユーザが指示を与えなければ、概ね何もしない機械なんですね。だから以前から、「コンピュータ、ソフト無ければただの箱!」と不当にも罵られてきたんです。で、「ソフト」とは、プログラムのことですが、さらに端的に言えば、人間側からの指示、命令ということなんです。ところが、一度命令があれば、一秒間に百万命令を消化(MIPS)するチョー馬鹿正直な働きものでもあるんですね。そして、命令には極めて忠実であり、間違った命令であってもそのとおりに実行する愚直なヤツなんです。
 けれども、命令がなければとにかく居眠りしようと考えています。だから、パソコンをつけっぱなしにしてマウスなり、キーボードなりをそっとしておくと、モニター画面が寝ちゃうでしょ。いや、これは冗談で、省電力モードのせいですけどね。
 要は、パーフェクトな道具だということなんです。人間の創意工夫をひたすら待つ道具だということなんですね。だから、馬鹿にしなけりゃいけないと言ったのです。馬鹿にしなさいと言っても、パソコンに向かって「このアホ!ろくでなし!」と罵りなさいと言っている訳じゃないんですよ。よく、ソフト技術者の中には、キーボード操作をしながら「くそー!なんなんだぁ、こいつはー!」などと、自分の無能さをパソコンにぶつけてる者もいるようですが、憂さ晴らしなんでしょうね。
 馬鹿にするとは、パソコンに頼ったってダメだよ!ということですね。何がして欲しいのかの指示・命令をこそ出さなければいけないことを自覚するということなんです。しばしば、職場などで、優秀そうな部下がいると、妙にご機嫌とろうとするダメ上司がいます。ご機嫌とって、自分が判断し結論ださなければならないことを代わりにやってもらおうとでもしているのでしょうか。しかし、優秀な部下は、端的な指示・命令をこそ待ち望んでいるんですよね。
 こうした発想がよく当てはまるのが、表計算ソフトの "Excel"(エクセル)じゃないでしょうか。
 みんながエクセル、エクセルというから、インストールして、期待感を抱いて開いてみると、風呂場のタイル、しかも花模様も無ければ、富士山や帆掛け舟も何もない、病院の手術室のタイルのような味気ないものがダラッーと広がっているだけ。試しにクリックしてみても、黒枠の箱が動くだけ。で、エクセルは、自分の趣味に合わないからキャンセルだなんてね。
 表計算ソフトは、まさに何らかの「計算」をさせたいというニーズと、その計算式はこうだ!というユーザ側の構想がなければならないソフトなんですね。
 私は、会社勤めの頃、当時はまだ Windows が普及していませんでしたから、DOS 仕様の"MultiPlan"(マルチプラン)で、仕事上のさまざまな業務計算、スケジュール管理などを行い、随分ありがたさを感じたものでした。マルチブランも、エクセルも、そしてロータス123 もほとんど基本機能と基本操作は同一であり、ユーザ側の構想が高い比重を占めることに変わりはありません。
 この辺の事情は、エクセルが、いわゆる広い意味でのプログラミングに近いアプリケーションだと言ってよいと思います。だから、「マクロ」と呼ばれる半自動処理機能も、エクセルでは高い頻度で使われますし、簡易プログラム言語さえ組み込まれているんです。試しに、「ツール」→「マクロ」→「Visual Basic Editor」を開くと、簡易型のプログラム言語 Visual Basic(これを "VBA" と言います)が登場します。ちょっとしたプログラムづくりが楽しめますので遊んでみるのもよいでしょう。
 細かいことは後ほどの実習で実際操作して体得してもらいますので,二、三点だけコメントしておきます。
 その一は、基本中の基本、計算結果を表示したい「セル」に「計算式」を記入するということ。そして、計算式の中には、変数の値を入力する他の「セル」の位置を表す番地が記入されるということ。
 その二は、印刷に当たっては、Word と違って「印刷範囲」→「印刷範囲の設定」を行うこと。
 その三は、エクセルの醍醐味は、グラフ表示機能であり、数字の比較や変化を、立体グラフに自動変換して即座に表示することができる点!これは、さまざまなプレゼンテーションや、単なるレポートでも活用するならとても説得力が加わりますので、是非マスターしましょう。これは、ツール・バーのグラフの絵のアイコンをクリックすれば「ダイアログ・ボックス」が開きます。もちろん、何らかの表、例えば、五人の子どもの身長でもいいのですが、子どもの名前とそれぞれの身長の数字といったマトリックス表を作った上で実施しなければなりませんが。
 と言うことで、あとはトライ・アンド・エラーで遊んで身につけましょう。チューターの小柴さん、岩崎さん、いつものようにそれぞれに張り付いて遊んであげてください。
 がやがや、がやがや、がやがや、(やっと)ススッー、カチャ、カチャ、カチャ……


 みなさん、どうもご苦労様です。いろいろと挑戦していただいておりますが、大分慣れてきましたか?もう、怖さなんかはなくなってきましたよね。えっ?まだ怖いですか?
細田さん、どうしたんですか?デジカメ写真を整理していたら、突然画面が動かなくなっちゃって?結局、電源を落としたというわけですか。
 ちょうど、今日は、パソコンでのトラブル対処法とでもいうテーマを考えていましたので、とりとめなくなるかもしれませんが、その辺をお話しましょう。
 パソコンを使っていて、怖いことなんて無いんですが、あるとすれば一番何が怖いことでしょうか?
 天王ラーメンさんはどうですか?パソコン壊しちゃって、修理代を高く取られること?うん、それは確かに怖いですね。だけどね、初心者がパソコンのハード部品交換に至るような壊し方はまずしません、というかできませんね。そうした壊し方ができるのは、自作や改造ができるようになってからのことです。初心者の場合は、せいぜいソフトであるウィンドウズというOSやアプリケーションを破損させてしまうのが最大のトラブルです。 しかも、それらのソフトは再インストールが可能であり、もしこれを自力でできるようになれば、このトラブルへの怖さは消滅してしまいます。したがって、再インストールの方法は学んでおく必要があります。
 オーソドックスな方法は、ウィンドウズのオリジナルCDを、フロッピィの起動ディスクから立ち上げて……という段取りで進めるのですが、ウィンドウズのプリ・インストールのパソコンを購入することが多い初心者の場合は、購入時に添付してくる「リカバリー」CDを立ち上げれば、時間は二、三時間とかかかりますが、すべて自動で済ませてくれたりしますので簡単です。ただ、ひとつだけ覚えておくことがあります。
 通常のパソコンは、電源を入れると、BIOS (バイオス)というマザーボードに組み込まれた最も基本的なソフトが、パソコンのあっちこっちを始業点検し始め、そして、どのOS(オペレーティング・システム)を立ち上げるのかを探り始めます。通常は、まずフロッピィ・ドライブにそれがあるかどうかを見に行き、フロッピィが挿入されていなければ、ハードディスクへ見に行きます。普通は、ハードディスクにウィンドウズなどのOSがインストールされていますから、あったあったということで、システムが起動されるということになるわけですね。
 ところが、今はこのハードディスクのウィンドウズが何らかのかたちで壊れているわけですから、、BIOS (バイオス)の始業点検が、ハードディスクを訪ねて行ってもムダなわけですね。壊れた状態で、モニターはBIOS (バイオス)の行以外は何も表示させないはずです。
 そこで、電源投入後に立ち上がって行くBIOS (バイオス)に、「これから使うプログラムは、CD-ROMドライブに置かれたCDなんだよ!」と教えなければなりません。この指示は、キーボードのどこかのキー(例えば「Esc」キーとか)を押しながら電源を入れるということが、それぞれのメーカごとに決められているはずです。この点を、マニュアルまたはサービスセンターなどで確認しておきたいものです。それで、首尾よく、CD から「リカバリー」ソフトが立ち上がりさえすれば、購入時と同等の状態へ向けた再インストールが始まるのです。簡単なことでしょ。だから、システム・プログラムは仮に壊したとしても、どうってことないんですよ。
 わたしが、みなさんに怖がってもらいたいのは、データを壊したり、消滅させてしまったりすることなんです。ウィンドウズだとか、ワープロソフトなどのアプリケーションソフトは、フログラムCDが手元にある限り、何度でも再インストールが効くのですが、自分たちが長時間かけて作ったデータ、その中には時間をかけても再現できないかもしれないものもあるはずです。
 画像処理的な作品の場合、微妙な判断を重ねてようやく仕上げたものは、一過性的な性格を持つこともあり、二度と同じものができないかもしれません。みなさんもやがて、そうした創作をするようになればお分かりになると思います。
 また、数字的なデータや、住所録などにしても再現不能もしくは、再入力に多大な労力を要する場合だってあります。そんな再入力は、しなくてよいことをしなければならないわけですから非常に空しく、心理衛生上もきわめて悪い作業となります。
 それで、データ破壊を恐れてばかりいてもしょうがないわけで、これへの対策を打っておく、さらに対策を講じながらことを進めるということを是非お勧めしたいわけです。
 まず、抜本的な方法からお話すると、ウィンドウズなどがインストールされているCドライブにごちゃごちゃにしてデータフォルダを作ってゆくことをやめよ!という点です。最近は、Cドライブが十ギガバイト、二十キガバイトというハードディスクとなっているパソコンが多いのですが、危機管理には問題があると思います。
 ハードディスクは、いくらパーテイションで仕切ったとしても、クラッシュと言ってHDDが壊れる壊れ方の中には、回転さえできなくなる場合もあり、こうなるとそこに収められたいっさいのデータは深海に沈んだ船と同様に二度と陽のめを見ない場合だって無くはないのです。また、先ほどの「リカバリーCD」を使った再インストールは、その作業の前提として、再フォーマットをかけ、一度HDDの初期化を行うのでデータはすべて消去されてしまうのです。よく、せめて「メール・アドレス」と「メール」だけでも取り出せないものかという相談を持ちかけられることがありますが、これも可能な場合と不可能な場合があります。なお、わたしは、メール関係のデータは定期的にバックアップをとって別ドライブに予備としてコピィしてあります。インターネット・エクスプローラもネットスケープ・ナビゲータもともに、これらを取り出すことは可能なんです。
 そこで、お勧めしたいのが、別なHDDを増設して、データだけを収納するDドライブなどを設けることです。こうしておけば、仮にCドライブのシステムがどうなろうと、データだけは常に安全だというわけです。ノートPCの場合は、MOやその他の外部保存装置でCドライブ以外のデータドライブを作っておくことです。
 もし、こうしたデータドライブが作れない場合には、やむを得ないのでフロッピィ・ディスクやMOなどに、定期的にデータを小分けしてバックアップをとることですね。
 データの消滅こそ恐れよ、という話だけで随分長くなってしまいましたが、あと二、三だけ続けます。
 その@、現在では突如、停電や、フレーカーが落ちるということは少なくなっているのかもしれませんが、作業中に電源が落ちること、または作業中にフリーズという使用不可の状態となることを軽視せず、「こまめに保存!」しながら作業を進めること。まあ、二、三度やけどしてみると習慣になってゆきますけどね。
 そのA、データの扱いでの注意ふたつ。ひとつは、フォルダから誤ってファイルを「削除」してしまってもあわてないこと。「ごみ箱」に移されたファイルを「元に戻す」で回復可能ということ。ふたつ目は、「上書き保存」で保存した場合、ひとつ前のファイルが「〜.BAK」というかたちでキープされるアプリケーションと、最新の状態のものしかキープしないアプリケーションがあり、後者の場合は二度と元に戻れないので注意すること。そんな場合は、「上書き保存」をする前に、ファイル名を別なものに替えてキープしておくこと。データを「キープ」することの意味が分かるようになればたいしたものなんですよ。
 そのB、ウィンドウズは、思わぬところで「操作不能状態」に突入することがあるため既存データや作りかけデータを如何に失わないようにするかをお話してきました。あとは、このウィンドウズのアクシデントの簡単な予防策ですが、いくつか指摘しますので参考にしてください。
 1.時々、ドライブのチェックをしましょう。これは、ドライブアイコンの右クリック→「プロパティ」→「ツール」で「チェックする」、「最適化する」をそれぞれ行います。ドライブの容量によっては何時間もかかる場合があるので、それが可能な時にするとよいでしょう。前者は、HDDの部分部分の状態を調整します。後者は、プログラムの並べ方を調整することで、場合によっては処理速度が向上しますし、スキャナーなどの大容量ファイル処理をしばしばする場合にはトラブルを減少させることにつながります。
 2.ウィンドウズ98をお使いの場合は、「システムファイルチェッカー」で定期的な点検、修復をするとトラブルが減少するようです。これは、「スタート」→「プログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「システム情報」→「ツール」→「システムファイルチェツカー」で開くことができます。
 3.メモリーを多く搭載しているのに、ウィンドウズがもたつくような場合は、「システム・リソース」というものが関係している場合があります。この場合は、一度ウィンドウズを終わらせ、再起動して、使わなければならないアプリケーションだけを開いて使えばサクサクと処理できるはずです。

 さて、お話の方は以上ですが、今日は私どものパソコンで、「リカバリーCD」を使った再インストールと、オーソドックスな再インストールの手順をお見せすることにしましょう。じゃ、この周りに集まってください。ガヤガヤガヤガヤガヤ…………


 みなさん今日は!暑い中ごくろうさまです。
 さて、先日、当パソコン教室の受講者最年少の吉永さんから質問がありました。「コンピュータソフトのプロになるにはどうしたらよいでしょうか?」というご質問でした。
 やはり若い方は、挑戦的でいいですね。いろいろとアドバイスさせていただきましたが、ここでちょっとプロと、アマというかユーザというかの関係に関してお話しておこうかと思います。今後、みなさんがますますパソコンを使いこなしていかれた時、あるいはみなさんのお子さんがコンピュータ関係の仕事に関心を持たれた時などに何かの役に立つかもしれません。
 こういう笑い話があるのを知っていますか?
 飛行場で航空機の整備を担当している技師に、友人が「こんな景気の時は、お前みたいなエンジニアは、なんと言っても心強いよなあ〜」と言ったところ、その技師曰く「ほんとのエンジニアならそうだろうが、オレなんか、もっぱらコンポーネントを取り替えるだけの『チェンジニア』さ!」と。
 限られた整備時間という厳しい制約のせいもあるのでしょうが、安全性重視ということでしょうか、内部の末端部品あれこれではなく、消耗が懸念される周辺のセットをコンポーネントとして丸ごと取り替えちゃうんですね。
 クルマでも、わたしらが若い時は、ポンコツの愛車を自前で丹念に整備しました。キャブレターまで分解して、元に戻す作業に手間取って夜更かししてしまったことも覚えています。素人でもそんなことができる構造になっていたんですね。
 ところが、現在では、どうやって中を覗けるのかさえ難しい構造になっています。そして、修理に出すと、末端部品の交換ではなく結構大きなブロックのコンポーネント毎チェンジしてしまう方式になっているようですね。
 電気製品でも、昔は基盤上のコンデンサー一個を半田ゴテ使って取り替えたりしたものですが、現在では、コンポーネントたる基盤毎を取り替えてしまう方式ですね。
 そして、コンポーネント自体は素人にはアンタッチャブルになっていることが多いのです。
 パソコンも今でこそ「自作パソコン」というひとつのジャンルができて事情がやや異なってきましたが、以前は一切ユーザが中をいじれないように、プラス、マイナス型のビスではなく、アスタリスク型のビスなどが使われていたり、中を開けた場合にはメーカー・サポートが受けられなくなるといった掟もあったりしたのでした。今でも、ノートPCなどは、素人ユーザが中を開けられないように、ビスを使わず「組木細工」のような組立になっていたりするものもあります。
 要は、安全性の観点で製品内部については、部外者であるユーザが立ち入れないようになってきたということでしょうか。そして、ソフト(OS)もWindows以降こうした体裁になってきているようです。もっとも、ソフトという無形資産の場合、内部を公開することは版権を放棄することにつながるためという事情もありますけどね。
 それにしても、Windowsなどはこれを使う分には、これまでのどんなプログラムよりもイージーになっているものの、その中身のいっさいはブラックボックスになっていて、部外者を排除しています。ここに、現在のソフト環境の構図が象徴されているように思うのです。こうしたソフトとは立場を異にしたものとしてLinux(リナックス)というソフトもありますが。
 Windows以前のMS-DOSというソフト(OS)が主流の時代は、ユーザとプロ(ベンダー)との境は連続的だったようです。経験を積んだユーザは、アプリケーションソフトをみずから作ることもめずらしくなかったのです。ただ、そもそもユーザとなることにやや骨が折れたかもしれませんけどね。
 これに対して現在は、Windowsユーザとなることは比較的簡単で、しかも結構一見高度な内容と見えることにまで到達できてしまうのですが、プロの領域の仕切り線は意外とはるか遠くに引かれているのです。ちょうど、富士山の裾野のアプローチが思いの外長いのに似ています。歩けど、歩けどプロの高みにはなかなか到達できないのです。
 Windowsは、誰でもが使えるように工夫されたソフトなのですが、それがどうして可能になったかと言えば、舞台裏のいっさいを見えないように、考えなくてもいいように隠してしまっているからなのです。ユーザは、これをこうすれば「どうして、こうなるのか」のいっさいを考えなくてもできてしまう舞台で、「何を演じたいか」だけを考えればいいキャスティングをされたわけなのです。
 だから、ソフトのプロになんぞなりたくなくて、ただ自分の演じたい趣味なり仕事なりを持つ人にとっては、この上なくありがたい道具なんですね。しかし、ソフトのプロになりたいと望む人にとっては、一刻も早く「舞台裏」を覗き、メカニズムをともに考える習慣をつけてゆかないと、いつまでたってもやや小高いだけの裾野にとどまってしまうのです。
 これは、WindowsというOSに限った問題ではなく、今日存在する多くのソフトが持っているワナと言えば語弊がありますが、錯覚でしょう。ソフト・ベンダーは、当然多くを売り上げたいために、誰でもが操作できるように、即ち考えなくてもいいように工夫したかたちで製品を世に出してくるわけです。したがって、これらばかりを使っていたのでは、プログラムを作るといった本格的な能力は身に付かないというわけです。
 例えば、HPを作るにしても、現在では、HTMLスクリプトを使わずに済む様々な簡易エディターが世に出ています。しかし、それらを使っていると、より高度なことをしたいと考えたときに困る場合が必ず生じてくるはずです。
 また、Windowsアプリケーション作成に適したVisual Basicという開発言語がありますが、これのみを学習することも、あとで問題なしとはしないのです。あまりにも、便利な道具立てが、システムというものを考える力を育ちにくくしてしまう場合もあるからなのです。
 分かり易い例えをしましょう。数学的な力量を高めるためには、「公式」をただ活用するだけでは圧倒的に足りないのであって、むしろその「公式」がどのように作られたのかをみずから確かめる作業をしなければならないのと似ています。
 そんなわけで、ソフトのプロになろうとするなら、便利なソフトに物足りなさを感じた上で、ソフトを作るプログラミング言語、開発言語を理解しながら、システム思考力を身に付けてゆくことが必須なのです。
 今日は、ちょっと小難しい話をしましたが、一ユーザとして趣味なり、仕事なりでWindowsを活用してゆく場合でも、いろいろやってたらできちゃったという場当たり的な操作ではなく、論理的に考えながら進めるというスタンスを忘れないようにしてください。
 さて、今日の実習は、Windowsの、日頃あまりクリックして開かない部分をあえて開いて、それが何なのかの概略を「ヘルプ」→「トピックスの検索」を頼って調べるということをしてみましょう。何だか分からない場合は深追いせず、「キャンセル」ボタン以外はクリックしてはいけません。見当がつかない場合はわたしを呼んでください。では、始めましょう。
 ガヤガヤガヤガヤ…………


 お暑うございます!天王ラーメンのダンナさん、大丈夫ですか?えっ?お昼の出前で熱射病になりかかって?つい、今し方まで横になってましたか?無理しないで下さいね。
 じゃ始めますが、今日は小難しいことは抜きにして、インターネットに関する実用的なちょっとした方法をいくつかお話して、みなさんのお役に立ちたいと思います。

1.万が一に備え、アドレス帳のバックアップを!
 PCは、いついかなる時に不調に陥るか分からないという話は、前々回にお話しましたね。妙な話ですが、季節で言うと夏場、冬場に多いようです。CPU、HDDはとかく加熱するもので、放熱作用がうまくゆかないと即トラブルに結びついてしまうものです。で、今日のような暑さで長時間使用していると危ない。もっとも、クーラーが効いた部屋などですと問題ありませんけどね。逆に、冬場は、部屋の暖房でついうっかりということがあったりするわけです。
 で、PCがそもそも立ち上がらなくなって、再インストールが必要になった場合や、HDDがクラッシュした時ですが、一番困るのが、インターネット関連のデータ、とくにメールのアドレス帳を失ってしまうことですね。
 そこで、アドレス帳のバックアップだけは、必ずとっておくようにしましょう。
 アウトルックの場合は次の場所にあります。

 C:\Windows\Application Data\Microsoft\Address Book

 このフォルダーにある「帳面型」のアイコンで、みなさんご自身の名プラス拡張子「.wab」(拡張子を表示させない設定をしている場合は、拡張子は表示されません)というファイルがアドレス帳なんです。このコピーを保存しておけばよいのですが、次のようにしましょう。
 その前に、新しいフロッピーディスクを一枚用意します。これを、フロッピードライブに挿入し、フォーマットをかけておきます。「マイコンピュータ」→「3.5 インチ FD (A)」を右クリック→「フォーマット(M)」→「開始」でできます。終了したら、そのまま挿入しておきます。
 先ほどの「アドレス帳」をマウスで右クリックします。そこで、「送る(T)」→「3.5 インチ FD (A)」をクリックすると、「アドレス帳」がフロッピーディスクにコピーされるわけです。

 「おまけ!」という話になりますが、この、右クリックで出てくる「送る(T)」という機能は、結構便利なものなんです。初期設定では、送られる先が決まった場所だけ表示されますが、ここに、自分なりの特定のフォルダーの「ショートカット」アイコンを設定しておくと、いちいちそのフォルダーを開けなくても、そこへコピーを送り込むことができるんです。
 そのためには、C:\Windows\Send To というフォルダーを開け、そこに自分なりの特定のフォルダーの「ショートカット」アイコンをおいておけばよいのです。

 さて、こうしてフロッピーに「アドレス帳」をバックアップしておけば、いざと言うときに、再インストールされたアウトルックから、「ファイル」→「インポート」→「アドレス帳」をクリックし、Aドライブのバックアップしておいた「アドレス帳」を選択すれば、元どおりのものが活用できるわけです。
  ネットスケープの場合は次の場所にありますので同様に考えてください。

 C:\Windows\Program Files\Netscape\Users\ユーザ名のフォルダ\Mail

2.インターネットのページの完璧な印刷!
 そんなこと簡単さ、ツールバーの「印刷」アイコンをクリックすれば済むことじゃない!とおっしゃる方は、印刷が仕上がった時、残念がったり、疑問を持ったりするはずです。
 まず、アドホクラットのHPのようにメニュー画面とメイン画面が「フレーム」で分かれているような場合、ツールバーの「印刷」アイコンをクリックすると、メニュー画面の方が印刷されてしまいます。メイン画面を印刷したい時には、その画面を右クリックして出てくるメニューの「印刷」を選ばなければなりません。
 そうしてみても、まともに印刷できずに端が切れてしまう場合もあります。
 その時は、「ファイル」→「ページ設定」で「余白」の寸法を調整してみるとうまく印刷される場合があります。
 これでも、次の問題は解消されません。
 「ありゃ、何で、『背景色』が印刷されないんだろ?こういうもんなのかな?」と。
 この問題は、90%のユーザが遭遇しながら、あきらめている問題でしょう。答えは簡単で、初期設定がそうなっているためです。で、この設定を替えなければなりません。次のようにします。
 最上段の「メニューバー」より「ツール」→「インターネット オプション」を選び、「詳細設定」のリストの一番下にある「背景の色とイメージを印刷する」にチェックを入れてやればOKなのです。
 こうした「初期設定」は、間違っているというより、最小限必要なものだけに応えるようにしておいた方が、ユーザ側の設備(ここではプリンターということですね)がミニマムな場合でもトラブルが少ないからということなんでしょうか。

 さて、他にもまだ用意していたのですが、今日はここまでを実習していただきましょうか。疑問が出てきたら、その都度質問してください。では、始めましょう。
 ガヤガヤ、カチャカチャ、ガヤガヤ…………


 いやあ〜、今回で第十回を迎えました。みなさん、どなたも欠席せず、よくがんばりましたね。みなさんの熱心さには感心しております!そこで、今日はごほうび代わりに、みなさん全員にホームページ公開の体験をしてもらいます。
 「1.HPの下準備、2.HPの作成、3.HPのアップロード」という全工程をとにかく体験していただきます。ただ、アップロードについては、現実は、「プロバイダー」のサーバーに向けて行うのですが、この実習では、従来の教材パソコンのほかに、ノート型PCに「リナックス」というOSを使って、「プロバイダー」のサーバーと同様の環境を作ってあります。後で、このノート型PCに、みなさんが使っているPCをLAN(ローカルエリアネットワーク)接続して、あたかも電話回線とモデムを介したインターネット接続に似た環境を仕上げることにします。これは、「イントラネット」と呼ばれている方式なんですけどね。
 今日は、「1.HPの下準備」の中でも一番やっかいな部分をクリアすることにしましょう。「2.HPの作成」以降は、宿題も出しますが、次回に継続することになります。  そこで「1.HPの下準備」に入ります。
 その一は、最小限のツールの準備で、三つのツールを準備しなければなりません。
 まず、@「エディター」ですが、HTMLスクリプトというHPのいわばプログラムを書くためのソフトツールです。Windows98付属の「メモ帳」を使うことにします。次に、AHPはやはりビジュアルでありたいので、画像編集のためのソフトツールが必要ですが、これも。Windows98付属の「ペイント」を活用しましょう。
 これで、HPの作成は可能なのですが、むしろやっかいなのはこの後なんでして、B作り上げたプログラムをアップロードするために、通信ソフトが必要となります。これはFTP(file transfer protocol)ソフトと呼ばれているものです。フリーソフトという無償でダウンロードして使えるもので良いものがありますので、これを使いますが、この準備がやや、注意を要するのです。
 山田和夫さんという方が作った「FFFTP Ver.1.18」を、各自フロッピーにダウンロードしてもらいます。550KB 程度の容量ですから、十分フロッピーに収まります。で、どこからどのようにダウンロードするかということも、重要な勉強になりますから、ついでにお話しておきましょう。
 フリーソフトは、雑誌の付録CDなどにまとめて収録されている場合があったり、いろいろなサイトで扱っています。わたしが、たまたまPC関係のニュースを検索している次のサイトの、ダウンロード・ページを一例としてご紹介しましょう。
 「ZDNet」というソフトバンク系の情報サイトで URL は、http://www.zdnet.co.jp/news/index.html です。上部のメニューから「Downloads」をクリック。「インターネット」という分類の「FTP/ダウンロード」をクリック。リストから「FFFTP Ver.1.8 URL:http://www2.biglobe.ne.jp/~sota/」をクリックして、サイトを移動します。左側のメニューから「FFFTP」をクリックしてページが変わったら、「 実行ファイルはこちら。(通常はこちらをダウンロードしてください)Download ffftp-1.82.exe (548,703バイト)」をクリックしてダウンロードを始めます。
 ダイアログ・ボックスが表示されたら、「このプログラムをディスクに保存する」にチェックを入れ、保存先の自分のPCのフォルダーを指定します。「My Documents」であればそれでも構いません。できれば、あらかじめ、「FTP」とかというフォルダーを、「My Documents」の中に作っておいて、そのフォルダーを指定するようにした方がよいでしょう。
 フォルダーにダウンロードされた「ffftp-1.82.exe」は、圧縮されているのですが、ダブル・クリックすると「自動解凍」されます。ダイアログ・ボックスが表示されたら「次へ」と「はい」をクリックし続ければ問題なくインストールされます。途中、メールアドレスの入力を求められますので、入力してください。この教室では、後で指定するアドレスを入力します。
 「ホスト一覧」入力個所では、「新規ホスト」をクリックして、プロバイダーから得ている情報を入力します。この教室の場合は、後で指定するように入力してください。そして、次に表示される「ホスト一覧」から、今入力したプロバイダー名を選び、「接続」をクリックすると、ブラウザが自動接続するように接続されます。
 ただし、若干初期設定の変更をしなければならない場合があるので、「ヘルプ」→「問題が起きた時には(T)」を参考にして、条件変更をしましょう。
 HPは、作るのはまあまあできても、このアップロードに慣れないと、公開ができないだけでなく、その後の大事な「更新」ができないので、この「FTPソフト」を何としてでもうまく使えるところまで持って行かなければなりませんね。
 このソフト自体の使い方は、Windows のエクスプローラと同じような感覚で扱えるように作られています。左右二つのウィンドウがあり、左側が自分のPCのHPファイルを収めたフォルダーが表示されるようにして、右側が、プロバイダーのサーバーで自分に割り当てられたエリアのフォルダーが表示されるように設定できるのです。
 そして、アップロードする際には、左側のファイルを、右側へ「ドラッグ・アンド・ドロップ」するだけで自動的に開始される仕組みになっています。ここで、初心者にとってひとつ注意すべき点は、フォルダーの「階層」なんですね。HPのプログラムは、ページ数が増えてくると、どうしても、システムを地下何階建て(?)というように例えられるようなフォルダー構成にする必要が生じてきます。この構成を、プロバイダーのサーバーにも同じ形になるようにアップロードしてやらなければならないのですが、当該のファイルが地下一階で使われるのに、地上一階のフォルダーに送り込んでしまうと、HPが正しく表示されなくなるということなんです。
 それから、右側の Window は、プロバイダーのサーバーで処理されているのですが、通常、ユニックス(UNIX)というOSが使われています。これに関連して注意すべきことがらが二点あります。HPで作るファイルの名称のつけ方なのですが、@アルファベットの大文字、小文字は区別して使うこと!Windws では、「Temp.jpg」も、「temp.jpg」も同じファイルとして扱われるのですが、ユニックス(UNIX)では別物と見なされます。自分のPCでテストした時にはちゃんと表示されたのに、アップロードしたら正しく表示されないという原因にこのポイントが関係している場合も少なくありませんので注意しましょう。Aファイル名に漢字、かなを使うことを避け、アルファベット、数字にしましょう。
 さて、「FTPソフト」だけで、今日は精一杯でしょうかね。大事な山場ですからここまでのところをきちんと実習でマスターすることにしましょうか。じゃあ、インターネット接続PCから、一人ひとり「FTPソフト」をダウンロードする実習からはじめましょう。
 がやがや、カチャカチャ、ピーピピ、ピー…………


 お暑うございます。そんな中みなさんご熱心なことで頭が下がります。
 さて、先週は、FTPソフトを各自ダウンロードしていただいたわけですが、インターネットのメリットのひとつは、PCを使う上で必要となったソフトやプログラムを、必要となった時点で、深夜であろうと所定のサイトからダウンロードできる、ということがあるんですね。例えば、スキャナーなどの周辺機器を取り替え、ドライバーというつなぎソフトをインストールしようとしたら、そのフロッピーを紛失していたというような場合、急遽メーカーのサイトからダウンロードして間に合わせるという便利なことが可能なんですね。
 さて、今日は、「2.HPの作成」という第二段階の作業を学習しましょう。とりあえず、雛型のサンプル・スクリプトを入力して、自分のPC上のブラウザで表示させるところまで試してみましょう。これで、ホームページの仕組みが薄々理解できるはずです。
 要点を説明しながら、ホワイト・ボードに書いてゆきますからね。

1.「マイドキュメント」フォルダーに「testhp」フォルダーを新規作成。

2.HPで使うサンプル画像(gifファイル)の作成。
@Cドライブ→Windows→花見をダブルクリック→「ペイント」で「花見」の画像が表示される→「ファイル」クリック→「名前をつけて保存(A)」→ここで以下の操作をする
A保存先の変更(現在はWindowsとなっている)
 上向矢印アイコンクリック→「My Documents」をクリック→先ほど作った「testhp」をクリック
B「ファイル名(N)」を変更する=hanami
C「ファイルの種類(T)を変更する=GIF 形式(*.gif)
D「保存」をクリック
E「マイドキュメント」→「testhp」で、「hanami」のファイルがあることを確認。

3.「メモ帳」で、下記のスクリプトを作成。
@スクリプトの打ち込み

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>
私のホームページ(テスト版)
</TITLE>
</HEAD>
<BODY>
<CENTER>
<H1>私のホームページ(テスト版)</H1>
<IMG SRC="hanami.gif">
</CENTER>
</BODY>
</HTML>

Aスクリプトの保存
「ファイル」をクリック→「名前を付けて保存(A)」→「マイドキュメント」の「testhp」をクリック→「ファイル名(N)」を「index.html」として「保存」をクリック→「マイドキュメント」→「testhp」で、「index.html」があることを確認。

 以上で、HP用の材料ができました。この準備のプロセスでの補足説明を以下に書いておきます。

【 注. 1 】本番向けには、「homepage」といったフォルダーを作るとよい。
【 注. 2 】HPに載せる画像は、表示速度を速めるために容量を小さくしなければならない。そこで、「*.gif」や「*.jpg」など圧縮されたファイル形式に変換して使うのが一般的である。また、一枚の容量は、30〜40KBを標準とすべきであり、容量が大き過ぎる場合には、サイズを縮小して調整する必要がある。
【 注. 3 】スクリプト作成上の注意としては、
 @「私のホームページ(テスト版)」などのテキスト表示文字を除き、タグ(<>)はすべて半角で入力すること。
 Aタグは、<〜>と</〜>が一対となって機能するので、特に後で閉じる</〜>を忘れないこと。
 Bサンプルのスクリプト「index.html」は、最小限の構成であり、本格的に作る場合には、市販の『タグ辞典』などを参考にするとよい。
 Cサンプルのスクリプト「index.html」の「index」には特別の意味がある。HPを内容的に充実させるには、複数の「〜.html」スクリプトを組み合わせて構成するが、一番最初に表示すべき「〜.html」スクリプトは、「index.html」としなければならない。
 D「〜.html」と、省略形の「〜.htm」とは同じものと考えてよい。
 E<IMG SRC="hanami.gif">のような画像指定での注意としては、
(1)「〜.html」と画像ファイルが同じフォルダーになければならず、別フォルダーの画像を指定する時には、<IMG SRC="別フォルダー名/hanami.gif">のようにする。
(2)<IMG SRC="hanami.gif">で指定された hanami.gif というスペルは、画像ファイル名と同じでなければならず、Hanami.gif とか HANAMI,gif であってはならない。

 さて、これでみなさんのPCにあるブラウザでテスト表示させることができるはずなんです。テスト表示という訳は、HPの素材をプロバイダーのサーバーに転送していないで手元で表示確認をするので、テストということです。
 「マイドキュメント」フォルダーの、「testhp」フォルダーの「index.html」をダブル・クリックすれば、「Internet Explorer」が自動起動します。それで、皆さんが入力したHPが表示されれば、とりあえず合格ということです。じゃ、そこまでの操作を実習してみましょう。
 ガヤガヤガヤガヤ、カチャッカチャッ、ガヤガヤ…………


 はい、皆さん、こんにちは!
 HP作成実習も、いよいよ第三段階、サーバーへの「アップロード」となります。
 先ほど、手元のPCでの、皆さんが先週作ったHPスクリプトのテストを見せていただきましたが、全員OKでしたね。キムラさんなどは、サンプル・スクリプトをいろいろ改造して、結構見栄えの良いHPに仕上げておられました。改造は今後の実習で予定しているので、皆さんもおいおいグレードアップすることを楽しみにしてください。

 さて、今日は、サーバーへの「アップロード」の実習をしましょう。本来は、皆さんが各自契約したプロバイダーによって割り振られた、プロバイダーのウェブ・サーバーの所定の場所へ、例の「FTPソフト」を使って送信するわけです。
 ただ、ここでの実習では、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を使ったプロバイダーのウェブ・サーバー「もどき」に向けて送信していただくことになります。こうした仕組みは「イントラネット」と呼ばれており、インターネットと同じTCP/IPという通信方法が使われ、インターネットのローカル版と言えます。現に、会社内のコミュニケーションなどに活用されているのです。電話回線に繋げられていないので、もちろん外のインターネットにアクセスできない点、外からアクセスされない点が、通常のインターネットと異なるところです。
 しかし、「アップロード」の操作はインターネットとまったく同様ですし、他の方のHPも、それぞれのURLを入力すれば閲覧できますし、感覚的にはインターネットと何ら変わるところがありませんので、HPのテストの環境としてはパーフェクトだといえます。ちょっと難しい話をすれば、HPでよくお目にかかる「掲示板」とか、「カウンター」とかは、スクリプトがCGIという特殊な言語で作られているのです。そして、プログラムにミスがあると、最悪、プロバイダーのサーバーに被害を与えることもあり、このCGIを禁じているプロバイダーもあるくらいなのです。そこで、そのCGIを使ったHPのテストなどを、このLAN形式の環境で実施している人もいるほどに、この環境は実践的意味があるということです。

 さて、LAN環境およびウェブ・サーバーの設定、それからウェブ・サーバーには皆さんひとりひとりの指定席としてのフォルダーも作ってあります。それから、ユーザーIDとパスワードもこちらで設定しておきました。ここに、それぞれの方の分を記入したメモを作っておきましたので、お配りします。天王ラーメン、田中さん、細田さん、勅使河原さん、吉永さん、キムラさん、はい、それぞれアルファベットの名前と数字を中心としたパスワードが書かれてありますね。よく確認してください。
 それでは、「FTPソフト」の「FFFTP」をダブル・クリックして開いてみてください。「ホスト一覧」という小さなウィンドウが表示されましたね。「ホスト」というのはプロバイダーなどに設置されたウェブ・サーバーのことなんです。
 一番上の「新規ホスト」をクリックしましょう。順次、入力してゆきます。
 「ホストの設定名」……プロバイダーの名称。この実習では「daibasou」。
 「ホスト名(アドレス)」……プロバイダーから指定された「FTPアドレス」。この実習では「192.168.1.1」。
 「ユーザー名」……自分のユーザーID。
 「パスワード/パスフレーズ」……自分のパスワード。
 すべて入力できたら、「OK」をクリックします。すると、先の「ホスト一覧」のウィンドに戻り、そこに「daibasou」の表示がでていますよね。これをクリックで選んでおき、下にある「接続」ボタンをクリックします。
 どうですか?右側のウィンドの上の欄には「/home/ユーザー名」が、また下の大きな欄には「WWW」などのフォルダーが表示されていますね。それならば結構です。その「WWW」のフォルダーをクリックするとどうですか?まだ何もないですね。ここに、皆さん各自のHPのスクリプトや画像ファイルを収めることになるわけです。そのまま空白の状態にしておきましょう。その前に左側のウィンドの設定をしましょう。
 左側のウィンドは、自分のPCの内容が表示されているのです。左上の上向き矢印のアイコンをクリックしましょう。さらにもう一度クリックすると、上の欄が「c:\」に変わります。そして、下の欄に、Cドライブのいろいろなフォルダー名が並んでいるはずです。そこから「My Document」のフォルダーを選び、ダブル・クリックします。先週作った「testhp」フォルダーが見つかったはずです。これをダブル・クリックします。
 すると、index.html、hanami.gif のファイルがあるはずです。先週、ここへ保存したのですからね。これらを、アップロードするのですが、まず hanami.gif を選び、ドラッグ・アンド・ドロップで右側のウィンドに運びます。ドラッグ・アンド・ドロップとは、マウスの左ボタンを押した状態でポインタを移動させ、所定の場所で押している指を離すことだったですね。次に、index.html のファイルをドラッグ・アンド・ドロップしてみましょう。それで、右側のウィンドにふたつのファイル名が表示されたら、アップロードが正常に終了したことになります。簡単ですよね。できた方は待っていてください。
 そこで、いよいよアップロードした自分のHPにアクセスして閲覧することにしましょう。
 細かいことを言えば、ブラウザの「接続」の部分の設定が必要なのですが、混乱するといけないので省略します。先ほど回った時に私が設定しておきましたから。
 では、ブラウザを開き、アドレスを次のように入力してください。
 http://192.168.1.1/~各自のユーザー名/
 「各自のユーザー名」の前の「~」は「チルダ」と呼ばれ、入力はキーボードの上の方にあるひらがな「へ」のキーの半角設定で、「Shift」キーと同時に押すと表示されます。「を、わ」のキーにある「〜」では表示されませんので注意してください。
 「わー、出た〜!」
 吉永さん表示されましたか、よかったですね。田中さんも、細田さんも、勅使河原さんも、キムラさんもOKですか。えっ?天王ラーメンさん、どうしました?画像にバッテン印がついて表示されませんか。どれどれ……、やっばり先週にご注意したことをまもっていませんね。ほら、「hanami.gif」が「Hanami.gif」となっていますよ。修正して再度アップロードしてください。
 では、この後、お互いのHPをアクセスしてみましょう。「各自のユーザー名」のところを、変更すれば可能です。
 来週は、HPのグレードアップということにしたいと思いますので、
@ お気に入りのデジカメ画像二、三枚をフロッピーに保存してくること、A 簡単な自己紹介文を「メモ帳」で作り、これもフロッピーに保存してくること。これを宿題とします。
 カチャカチャ、カチャカチャ、ガヤガヤ、カヤガヤ…………


 みなさん、こんにちは。
盆休みに連なる土曜日だというのに、ご精が出ることでございます。

 さて、今日は、HPのアップ・グレイドをしましょう。先週作っていただいたサンプルHPを、宿題で用意していただいているデジカメ画像と、自己紹介の文章を盛り込んで、ホームページらしく改造することにしましょう。

 今日の課題は、このホワイトボードに書いておきましたので、これを見ながら説明してゆきます。大きく分けて三つのことをやります。
 1.文章を、読み易く掲載するには
 2.画像の効果的な掲載法
 3.別ページを作り、リンクさせてみよう!

---------------------------------
1.文章を、読み易く掲載するには
---------------------------------
 自己紹介の文章を、「メモ帳」で作ってきてもらいました。「自己紹介.txt」というファイルでフロッピーに入っているわけですね。これを、再度「メモ帳」に読み込んで、「html」スクリプトの所定の個所に、コピーして貼り付けるのですが、単純に貼り付けただけでは、文字が隙間なく埋まる形になって、非常に読みにくく表示されることになります。時々、そうしたHPに御目にかかることもありますが、次の二点を採用するだけで、読みやすい文章表示となります。

 @改行と行空け……行末としたい個所に<BR>または<P>を添えると、改行となります。<BR><BR>とすれば、改行に加えて一行分の行空け表示となります。

 A両端に余白を置く……<BLOCKQUOTE>文章</BLOCKQUOTE>のように、すると、文章の両側に2センチほどの余白が置かれ、圧迫感が取り除かれ読みやすくなります。

-------------------------
2.画像の効果的な掲載法
-------------------------
 いろいろと工夫の余地があるのですが以下の二点だけお話しましょう。

 @HP掲載向けの画像処理……デジカメでできる画像は、最近ますます大きくなってきています。一枚が200〜300KBの画像を気に入ったからといってHPに貼り付けると、見てくれる人がダウンロードするのに大変な負担となります。画像一枚は、およそ30〜40KBサイズに縮小するのが原則です。圧縮度を高めて画質を落とすより、見た目のサイズを縮小して調整するのが良いでしょう。

 A画像に影を付けよう……HPは、二次元なので、三次元の立体であるかのように見える工夫をすると、見栄えが良くなるものです。そこで、一枚の画像が、背景に影を落として浮いて見えるようなことをやってみましょう。画像ソフトを使うと簡単にできるのですが、ここでは「ペイント」を使って、ちょっと面倒ですがやってみます。

 デジカメ画像は普通JPEGファイルなので、ここでは、その代わりのサンプル画像(JPEGファイル)を作成しておきます。
 @Cドライブ→Windows→花見をダブルクリック→「ペイント」で「花見」の画像が表示される→「ファイル」クリック→「名前をつけて保存(A)」→ここで以下の操作をする
 A保存先の変更(現在はWindowsとなっている)上向矢印アイコンクリック→「My Documents」をクリック→先ほど作った「testhp」をクリック
 B「ファイル名(N)」を変更する=hanami
 C「ファイルの種類(T)を変更する=JPEG 形式(*.jpg)
 D「保存」をクリック
 E「マイドキュメント」→「testhp」で、「hanami.jpg」のファイルがあることを確認。
 この「hanami.jpg」をサンプルとして、以下の手順で影を落とした画像を作成します。
 1.「ペイント」を開く
 2.「ファイル」→「開く」→「hanami.jpg」
 3.「編集」→「すべて選択」→「選択範囲のクリア」→白紙となる!
 4.左下のパレットで「黒」をクリック
 5.左上のツールボックスの右列上から二番目の瓶を傾けた図のアイコンをクリック
 6.白紙の範囲にポインタを移動(傾いたビンのアイコンが表示されている)しクリック→白紙の範囲が黒色に塗りつぶされる
 7.「ファイル」→「名前を付けて保存」→「kage」(ファイルの種類は、JPEG形式のままでよい)で保存する。
 8.ツールボックスは、右列最上の破線の長方形をクリックしておく。
 9.「ファイル」→「新規作成」→白紙の下地が出たら、右下の隅へポインタを持って行き、両端矢印が表示された時に、クリックしたまま右下へ移動すると、白紙の下地が広がる。元の倍くらいに拡大しておく。
 10.「編集」→「ファイルから貼り付け」→「kage.jpg」→「kage.jpg」が表示されたら、ドラッグ・アンド・ドロップで中央に移動させておく。
 11.白地をクリックして、「kage.jpg」の選択範囲の破線を消しておく。
 12.「編集」→「ファイルから貼り付け」→「hanami.jpg」→「hanami.jpg」が表示されたら、ドラッグ・アンド・ドロップで、先ほどの「kage.jpg」の上に移動させ、右側と下側から2ミリほど黒地が覗きちょうど影のように見える位置で止める。
 13.白地をクリックして、「hanami.jpg」の選択範囲の破線を消しておく。
 14.ツールボックスが、右列最上の破線の長方形となっていることを確認して、「hanami.jpg」とその影の周りをぎりぎりいっぱいで囲む→ポインタを破線で囲まれた部分へ移動し、ドラッグ・アンド・ドロップで左上隅ぎりぎりいっぱいの位置に移動させる。
 15.白地をクリックして、選択範囲の破線を消しておく。
 16.白紙の下地の右下の隅へポインタを持って行き、両端矢印が表示された時に、クリックしたまま「hanami.jpg」とその影の周りをぎりぎりいっぱいで囲む位置に移動させ、全体画像を小さくする。
 17.「ファイル」→「名前を付けて保存」→「hanami2」(ファイルの種類は、JPEG形式のままでよい)で保存すれば出来上がり!

-----------------------------------------
3.別ページを作り、リンクさせてみよう!
-----------------------------------------
 前回作っていただいたサンプル・スクリプトは、たった一ページの単純なものでした。今回は、このページのある部分をクリックすると、別のページへと移動し、そのページのある個所をクリックすれば元のベージへ戻るといったしかけのスクリプトを作りたいと思います。以下のように、各スクリプトを修正してください。

@ 前回のスクリプト

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>
私のホームページ(テスト版)
</TITLE>
</HEAD>
<BODY>
<CENTER>
<H1>私のホームページ(テスト版)</H1>
<IMG SRC="hanami.gif">
</CENTER>
</BODY>
</HTML>

A 前回のスクリプトの改造(保存は、「index.html」で構いません。……以降は説明文なので不必要。)

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>
私のホームページ(テスト版)
</TITLE>
</HEAD>
<BODY>
<CENTER>
<H1>私のホームページ(テスト版)</H1>
<IMG SRC="hanami2.jpg" BORDER="0">……影付きの画像に替わりました!
</CENTER>
<A HREF="jikoshokai.html">自己紹介のページへ</A>……ページを移動表示させる仕掛け!
</BODY>
</HTML>

B 新たに作るスクリプト

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>
自己紹介のページ
</TITLE>
</HEAD>
<BODY>
<CENTER>
<H1>自己紹介のページ</H1>
<IMG SRC="watashi.jpg" BORDER="0">……デジカメ画像をHP向けに加工したもののファイル名!
</CENTER>
<BLOCKQUOTE>

 ここに、自己紹介の文面を、改行処理をした上で、入力または貼り付ける。

</BLOCKQUOTE>
<A HREF="index.html">元のページに戻る!</A>……元のページに戻るための仕掛け!
</BODY>
</HTML>

 これで、ブラウザで読み込み表示させてテストしてください。成功だったら、前回同様にアップロードしてみましょう。すでに存在するHPに修正を施してアップロードすることを、「更新をかける」と言います。まめに更新をかけると喜ばれるわけですね。

 さて、三ヶ月にわたっていっしょに学習してきましたが、とりあえず今回で一応ひと区切りをつけることにします。また、新しい教室の案がまとまりましたらご連絡いたしますので、その際にはご参加ください。受講生の皆さんは、一度の欠席もなく本当にごくろうさまでした。今後、疑問や質問がありましたら、個別に訪ねて来てください。ごくろうさまでした。
 「ありがとうございました!」

<第一部「町内パソコン教室」めでたく修了!>