くどくどしいという感じも無きにしもあらずであるが、今回、確認するのは、以下の点となる。
"audio 埋め込み型 ePub 電子書籍" 制作に実際着手する場合、本体を "Sigil" で作成して、"audio 埋め込み" のみで "eCub" を活用するというアプローチが "有効かどうか?" という点なのである。
これは、"XHTML" の規格と "HTML5" の規格との "親和性(?)" の問題でもある。
詳細はおくとして、もし、"Sigil" で作成した "ePub" のスクリプトが、"audio/video" のタグ部分以外はそのまま "活きる" とするならば "ありがたい" はずであろう。
この点を検証してみたが、手順さえ間違えなければ、 "OK!" であることが確認できた。昨日の検証も全く同じことなのであるが、今日は、念のため以下のような手順で実行してみた。
(1) "Sigil" で任意の "ePub" ファイルを作り( ※ なお、この "Sigil" のXHTMLコードの中に、 "audio/video" のタグを書き込んで "ePub 変換" しようとしても "排除" されることは既に確認済み!)、"iPad" で問題なく表示されることを確認する。この "ePub" ファイル名を仮に、「 Sigil-eCub.epub 」としておく。収めるフォルダは任意。( 図を参照。)
(1) "Sigil" の "Cord view" |
(2) "Sigil" の "Book View" |
(2) このファイル「 Sigil-eCub.epub 」を解凍する。次の "4要素" が現れる。
[1] フォルダ:META-IMF
[2] フォルダ:OPS
[3] minetype
[4] iTunesMetadata.plist ( これは、一度 "iPad" と同期したために加わった )
(3) 上記の [2] フォルダ・OPSを開く。→ フォルダ・Textを開く。→ "Section0001.xhtml" が現れる。
(4) "eCub" を起動する前に、 "eCub" 用の "プロジェクト" フォルダを任意の名(ここでは "Sigil-eCub" としておく)で作成。
(5) このフォルダ "Sigil-eCub" に、(3) の "Section0001.xhtml" を Copy&Paste する。"eCub" 用のソース・ファイルとなる。
(6) "eCub" を起動して、"Book title" は、"Sigil-eCub" とし、フォルダ "Sigil-eCub" を "Project file folder" に指定の上 "ePub" ファイルを完成させる。( 詳細は既に解説済みなので、この間の日誌を参照のこと。)
(7) ここから、"audio" を埋め込む修正作業に入る。
(8) 出来上がった "Sigil-eCub.epub" が収まった フォルダ "Sigil-eCub" の中に フォルダ "build" があることを確認。これを開くと以下の "3要素" が現れる。
[1] フォルダ:META-IMF
[2] フォルダ:OPS
[3] minetype
(9) 上記の [2] フォルダ:OPS を開き、ファイル:Section0001.xhtml をテキスト・エディタで開き、"audio" を埋め込むための修正スクリプトを追加して上書き保存。( 図を参照。)
(1) テキスト・エディタでの元のコード |
(2) テキスト・エディタでの修正編集コード |
(10) この フォルダ:OPS 内に、"audio" ファイル (サンプルでは、"polopolo.wav" ) を Copy&Paste しなければならない。
(11) これらの作業が完了後、
[1] フォルダ:META-IMF
[2] フォルダ:OPS
[3] minetype
の "3要素" を同時選択して、例の "zip 圧縮" を掛ける。圧縮ファイルの保存場所は、同じフォルダ "Sigil-eCub" とする。
(12) この "zip 圧縮ファイル" の "拡張子 .zip" を "拡張子 .epub" に変更する。また、ファイル名は既存の "Sigil-eCub.epub" とする。(既存のファイルは、上書きとならないように名称変更をしてキープしておいた方がよい。)
この "Sigil-eCub.epub" は "iPad/iPod" に転送(同期)して正常に機能する "audio 埋め込み型 ePub" となっているはずである。
以上の検証から、"Sigil" で制作した "ePub 電子書籍" には、"audio/video" のタグ部分を付け加えるだけで、"iPad/iPod" では "有効" となることが確認できた。
ただし、やや込み入った手順なのでの間違いのないよう細心の注意が必要だ。意外と、"audio/video" のタグ部分を付け加える以前の段階での "ePub エラー" が多いことには気をつけたい。
また、最終版を再度 "Sigil" で保存してしまうと、"audio/video" のタグ部分が "消去" されてしまうことにも気をつけたい...... (2011.01.22)
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