悪性度の高いがん細胞への有効な治療には、ピンポイントでの、より強力な放射線の照射を必要とするが、そのためには "がん組織が潜んでいる場所" の特定が必須となる。
今回注目する下記引用サイト記事 : 北大など、悪性度高いがんの位置特定する検査薬/日本経済新聞/2017.02.05 - 23:40 は、 <北海道大学の志賀哲准教授らは放射線などが効きにくい悪性度の高いがん細胞が体内のどこにあるかを特定する手法を開発した。がん診断で使う陽電子放射断層撮影(PET)向けの検査薬を新たに作った。がん組織の中で、酸素が少なく増えやすくなっている領域を見分けられる。その場所により強い放射線を当てるなどすれば、治療効果が高まると期待する。早期の実用化を目指す> と報じている。
<......がんの中の低酸素領域は、放射線や抗がん剤が効きにくいことが知られている。北大は放射性医薬品大手の日本メジフィジックス(東京・江東)と協力し、体内で酸素が少ない場所に集まりやすい化合物を作った。 化合物に微弱な放射線を出すフッ素を付け、PET検査時に使う検査薬として用いた。実験でマウスに投与し撮影したところ、酸素が少ない場所を正確に判別できた。 この検査薬は患者に投与後2時間で撮影が可能になる。健康な8人を対象に安全性などを確認中で、順調に進めば肺や頭頸(けい)部のがん患者にも投与する計画だ。 PET検査などをもとに、ピンポイントで放射線を当てることで効果を高めるとともに、周辺の臓器への副作用も抑えられるとみている。PET検査はがんの大きさや場所を調べるが悪性度の正確な判別などは難しい> とある。
北大など、悪性度高いがんの位置特定する検査薬/日本経済新聞/2017.02.05 - 23:40
北海道大学の志賀哲准教授らは放射線などが効きにくい悪性度の高いがん細胞が体内のどこにあるかを特定する手法を開発した。がん診断で使う陽電子放射断層撮影(PET)向けの検査薬を新たに作った。がん組織の中で、酸素が少なく増えやすくなっている領域を見分けられる。その場所により強い放射線を当てるなどすれば、治療効果が高まると期待する。早期の実用化を目指す。
がんの中の低酸素領域は、放射線や抗がん剤が効きにくいことが知られている。北大は放射性医薬品大手の日本メジフィジックス(東京・江東)と協力し、体内で酸素が少ない場所に集まりやすい化合物を作った。
化合物に微弱な放射線を出すフッ素を付け、PET検査時に使う検査薬として用いた。実験でマウスに投与し撮影したところ、酸素が少ない場所を正確に判別できた。
この検査薬は患者に投与後2時間で撮影が可能になる。健康な8人を対象に安全性などを確認中で、順調に進めば肺や頭頸(けい)部のがん患者にも投与する計画だ。
PET検査などをもとに、ピンポイントで放射線を当てることで効果を高めるとともに、周辺の臓器への副作用も抑えられるとみている。PET検査はがんの大きさや場所を調べるが悪性度の正確な判別などは難しい。
<放射線などが効きにくい悪性度の高いがん細胞> は、<がんの中の低酸素領域> で増殖すると見なされており、この領域を特定することで、可能な限り強度の高い放射線照射を実施しようとするわけである。 "ピンポイント照射" の技術が向上しているところから、より有効な放射線治療が期待できそうだ...... (2017.02.07)
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