今回注目する下記引用サイト記事 : インフルエンザ脳症 意味不明な言動に注意/熊本日日新聞/2018.01.10 - 13:34 は、 <インフルエンザの流行のピークが近づいています。インフルエンザにかかった乳幼児の最も重い合併症がインフルエンザ脳症です。後遺症を残すことが多く、死亡する場合もあります。熊本地域医療センター(熊本市中央区)の柳井雅明・小児科部長(日本小児科学会指導医)に解説してもらいました。(高本文明)> と報じている。
<......-インフルエンザ脳症とはどのような病気ですか。 「インフルエンザの感染に伴い、意識障害を主症状として急激に進行する脳障害です。発熱に加え、けいれん、意識障害、意味不明な言動などが起きます。脳浮腫や急性壊死[えし]など、さまざまなタイプがあります」 -発症の仕組みは。 「インフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスと闘うために体内の炎症反応を促進する炎症性サイトカインが過剰につくられます。しかし、闘いが激しくなり過ぎると、全身の臓器でアポトーシス(細胞死)が急速に進行し、血管内皮の障害によって血液中の水分や物質が血管外に漏れやすくなります。全身の多臓器不全が起こり、重篤な場合は死亡します。脳が腫れて後遺症が残ることも少なくありません」 -どれぐらいの患者が発生していますか。 「昨季までの8シーズンでは全国で毎年64~319人の報告がありました。昨季は117人で、10歳未満が60%、5歳未満が39%を占めています。かつては死亡率は約30%に上り、後遺症は25%の子どもに残りました。近年では医療の進歩で、死亡率は約7%まで改善されましたが、後遺症は約15%に残り、依然として重篤な疾患です」 -意識障害が主な症状です 「発症の初期には、幻視・幻覚や、意味不明な言葉を言うなどの異常言動・行動がしばしば認められます。このような行動が現れたらインフルエンザ脳症を疑う必要があります」 「ただ、高熱のために異常行動を起こす場合として、『熱せん妄[もう]』もあります。脳症との区別は難しいのですが、異常行動が長く続き、けいれんを伴うときは要注意です。すぐ医療機関を受診した方がいいです」 「また、高熱のときには、『熱性けいれん』が誘発されることがよくあります。短時間で自然に治まり、意識が速やかに回復すれば脳症の可能性は低いと思われます」 -インフルエンザ脳症の治療法を教えてください。 「初期的な治療法は、ガンマグロブリン大量療法、ステロイドのパルス療法、抗インフルエンザ薬です。さらに重篤な場合は、脳を保護する脳低温療法や血漿[けっしょう]交換療法などの高度な特殊療法があります」 -家庭で注意することは何ですか。 「市販の解熱薬などを自己判断で安易に与えないでください。アスピリンや、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は、脳症を誘発することがあります。解熱薬としてはアセトアミノフェンが推奨されます。また、脱水にならないよう水分補給を心掛けてください」 -インフルエンザ脳症の予防法はありますか。 「インフルエンザそのものに感染しないようにすることです。十分な手洗いやうがい、せきエチケットなど、基本的な対策がとても大切です。罹患[りかん]しても重症化を防ぐためには、ワクチンの接種が有効です。例年、春先まで流行は続きますので、これから接種しても重症化予防の効果は期待できます。早期診断、早期治療によっても、死亡や後遺症など、重大な事態を減らすことができます> とある。
インフルエンザ脳症 意味不明な言動に注意/熊本日日新聞/2018.01.10 - 13:34
インフルエンザの流行のピークが近づいています。インフルエンザにかかった乳幼児の最も重い合併症がインフルエンザ脳症です。後遺症を残すことが多く、死亡する場合もあります。熊本地域医療センター(熊本市中央区)の柳井雅明・小児科部長(日本小児科学会指導医)に解説してもらいました。(高本文明)
-インフルエンザ脳症とはどのような病気ですか。
「インフルエンザの感染に伴い、意識障害を主症状として急激に進行する脳障害です。発熱に加え、けいれん、意識障害、意味不明な言動などが起きます。脳浮腫や急性壊死[えし]など、さまざまなタイプがあります」
-発症の仕組みは。
「インフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスと闘うために体内の炎症反応を促進する炎症性サイトカインが過剰につくられます。しかし、闘いが激しくなり過ぎると、全身の臓器でアポトーシス(細胞死)が急速に進行し、血管内皮の障害によって血液中の水分や物質が血管外に漏れやすくなります。全身の多臓器不全が起こり、重篤な場合は死亡します。脳が腫れて後遺症が残ることも少なくありません」
-どれぐらいの患者が発生していますか。
「昨季までの8シーズンでは全国で毎年64~319人の報告がありました。昨季は117人で、10歳未満が60%、5歳未満が39%を占めています。かつては死亡率は約30%に上り、後遺症は25%の子どもに残りました。近年では医療の進歩で、死亡率は約7%まで改善されましたが、後遺症は約15%に残り、依然として重篤な疾患です」
-意識障害が主な症状です
「発症の初期には、幻視・幻覚や、意味不明な言葉を言うなどの異常言動・行動がしばしば認められます。このような行動が現れたらインフルエンザ脳症を疑う必要があります」
「ただ、高熱のために異常行動を起こす場合として、『熱せん妄[もう]』もあります。脳症との区別は難しいのですが、異常行動が長く続き、けいれんを伴うときは要注意です。すぐ医療機関を受診した方がいいです」
「また、高熱のときには、『熱性けいれん』が誘発されることがよくあります。短時間で自然に治まり、意識が速やかに回復すれば脳症の可能性は低いと思われます」
-インフルエンザ脳症の治療法を教えてください。
「初期的な治療法は、ガンマグロブリン大量療法、ステロイドのパルス療法、抗インフルエンザ薬です。さらに重篤な場合は、脳を保護する脳低温療法や血漿[けっしょう]交換療法などの高度な特殊療法があります」
-家庭で注意することは何ですか。
「市販の解熱薬などを自己判断で安易に与えないでください。アスピリンや、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は、脳症を誘発することがあります。解熱薬としてはアセトアミノフェンが推奨されます。また、脱水にならないよう水分補給を心掛けてください」
-インフルエンザ脳症の予防法はありますか。
「インフルエンザそのものに感染しないようにすることです。十分な手洗いやうがい、せきエチケットなど、基本的な対策がとても大切です。罹患[りかん]しても重症化を防ぐためには、ワクチンの接種が有効です。例年、春先まで流行は続きますので、これから接種しても重症化予防の効果は期待できます。早期診断、早期治療によっても、死亡や後遺症など、重大な事態を減らすことができます」
時として "侮る" こともある "インフルエンザ" であるが、<インフルエンザにかかった乳幼児の最も重い合併症がインフルエンザ脳症> だとされる。 <死亡率は約7%まで改善されましたが、後遺症は約15%に残り、依然として重篤な疾患> なので、油断は禁物である...... (2018.01.11)
コメントする