"電子書籍" にせよ、"ソーシャルメディア" にせよ自身の関心が強く惹き寄せられる理由は何なのだろうかと自問してみると、"興味" と "違和感" との対照関係、潜在的可能性と魅力を欠く現実という対峙関係などが、拮抗しつつ、緊張しているからかと思うことがある。その緊張から相応のエネルギーのようなものが生じてくるために、飽きもせず追っかけているようなのである。
薄らと見えて来たかのような感触を持っている点は、"電子書籍" にせよ、"ソーシャルメディア" にせよ、テクノロジーの力で創造された魅力的な産物は、人間にとってある種 "ジレンマ" 的な関係を形成している......、という点となりそうだ。
つまり、それらの "メリット" を追及し、増幅させればさせるほど、あるいは "メリット" 感を享受すればするほど、人間側(ユーザー側)の当該関連パワーを損なわしめて行くのかもしれない......、というちょっとした危惧なのである。
これは、よく指摘される平凡な懸念 ―― "便利さ" は、人間側のオリジナル・パワーを低減させる ―― と同じ意味の心配であるのかもしれない。
ただ、中でも気になるのは、"便利で快適な環境" の創造と享受とが、"人間は「考える葦」である"(パスカル)という人間の本来的事実をじわじわと浸食していく/いるのではないかという点である。
かなり、大袈裟な表現をしているようでもあるが、現代に生きるわれわれが、端的に言って "考える" 行為を "鬱陶しいもの" と感じ、それから遠ざかろうとしているかのような傾向は、どうも否めないような気がしてならない......。"分かりやすさ" が求められる時代環境である。しかも、"サルでも分かる" ような "分かりやすさ" だと勇み足になられると返す言葉さえ失う......。
今回、書いていることは、下記引用記事を読んでのことなのだが、そこでは要するに、その<読みやすさ>が売りである "電子書籍" は、そのメリットが仇(あだ)となって、読書の本義であるはずの<「内容の理解」>を損なわせているのかもしれない、と問題提起されている。
それは、神経科学における腹側皮質視覚路と背側皮質視覚路という難しい専門的な見地からの指摘ではある。だが、述べられ、心配されている点は、もっともな事実かと思われた。
さらに、<視覚的に読みづらくすれば、読むスピードは確実に遅くなるだろう。しかし、それこそが重要なのだ。そうすれば、われわれは腹側皮質視覚路への依存度を弱め、文章を無意識に読み飛ばしにくくなるだろう。>という叙述からは、"電子書籍" に限らず、テクノロジーがもたらす "利便性や快適さ" が、物事の本質に "逆作用" をする可能性もあることを暗示しているように受けとめられたのである。
簡単に言えば、"高速道路" を駆使したドライブは、"トラベル(旅)" の本質をキープし得るのか......、ということになるのかもしれない......。
電子書籍(eBooks): 2011年12月 アーカイブ
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