今、事務所で自分専用に使っているPCは数台ある。つい先頃までは Windows 2000 もわけがあって使っていたが、現在は Windows XP と Vista を搭載して使っている。
それぞれの CPU 速度は2G Hz 程度であるが、一台だけは866 M Hz とやや遅いものを "後生大事に" 使っている。
このタワー型ケースのPCは、かつてPCショップを併設していた当時にハンドメードで拵えたものなのである。その後マザーボードやら各種カード類、HDDなどをいろいろと取替えてはいるが、そうした手間を掛けているだけに何とはなしの愛着が強いと言えそうである。
振り返ってみれば、OSも Windows 98 SE から使っていたはずなのであり、 Windows 2000 へとグレードアップさせ、つい先頃まではそれで使っていた。 Windows XP へとグレードアップさせたのはついこの間のことである。
ということで、このPCは、まるで老舗のうなぎ屋の "たれ" のように、あるいはオリンピックの "聖火リレー" のたいまつの火のように、当初の状態から "絶やすことなく" 継続させてきたという経緯を持つのである。まあ、それぞれのパーツをその都度交換してきたりしているから、使い始めた当時のものそのものというのはタワー型のケースくらいなのかもしれない。
ただ、PCにとっての命であるOSの方は、どういうわけか再インストールをするでもなくグレードアップ版で繋いできたことになる。まさに、うなぎ屋の "たれ" のようにである。
確かに、はじめの頃はアプリケーション・ソフトやその他を再インストールするのが面倒だという根拠がなくもなかったが、そのうち意識的にこうなったら、この一台だけはうなぎ屋の "たれ" のように代々繋げてゆくべし、という開き直りの気分が出来上がってしまったのである。
もちろん、この路線を貫いて行くためには、一種の苦労がないわけではなかった。
PCというものは不測のトラブルがつきものであり、HDDクラッシュやら、新規に導入したアプリケーションに基づく不具合やら、そしてウイルスの侵入やらと、PCが二進も三進も(にっちもさっちも)行かなくなることは避けられない。
そこで、常にシステムのバックアップを用意しておいて、そうした場合にはそれで切り抜けるという体制をとってきたものであった。それが、脈々と受け継がれてきたうなぎ屋の "たれ" のごとき継続性を可能としてきたのだと言える。
だからと言って、何がどうだと自慢ができるほどのことではない。単なる "こだわり" の一種でしかないことははっきりしているのである。
ただ、こうした "こだわり" を実践してくると、PCの調子に対する "感度" とでもいうべきものが敏感であり続けられたような気がしている。
常日頃、PCの不具合が発生したら、とにかくOSの再インストールをしてしまえばそれでいい、という安直な発想を持っていたならば、ちょっとしたPCの不調を容易に見過ごすことになりそうである。その結果、昨日の話ではないが、 "早期発見、早期対処" というわけには行かないことになる。
ところが、上述のような "こだわり" を持ってPCに向かっていると、ちょっとした異変、たとえば、やや処理速度がもたつく感じであるとか、通常とはやや異なる現象が見え隠れするとか......、にそこそこ気づくことになりそうである。
OSも "賢く" なってきたので、ちょっとした不具合でいきなりストップということには至らないのが現状であるが、それは言い換えれば、不具合が潜伏し続けるということなのであって、いわば "問題の先送り" でしかないとも言える。それで、その状態が長期化すると、今度はHDDに損傷を及ぼすような致命的なトラブルへと発展してしまうかのようなのである。
そう考えると、やはり "早期発見、早期対処" が無難であり、そのためには "こだわり" 的な何か指針を持つなりして、 "注意する感度" を高めておくことが必要かと思われるのだ。この辺の事情は、ありふれたことのようであるが、何事もイージーに流れがちな現代の風潮の中では心しておくべきなのかもしれない...... (2008.01.30)
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