ダーティではあるがリアルでパワーを秘めた "現実のロジック" を ......

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 うちの家内は、地元の "生協" に熱心に参画している。消費者として、 "良いものを安く" というコンセプトに賛同できるからのようだ。
「このオカズは "生協" で買ったものだから安心よ......」
というセリフをしばしば耳にする。
 昨今は、 "食品「偽装」問題" の歯止めが効きにくい状況にさえなっているわけで、そうした摘発・報道も無意味ではないだろうけれど、かといってどれほどの意味を持つものかについては疑問視している。
 摘発された業者たちは異口同音に「二度とこのようなことがないように......」と言って謝罪するわけだが、それは何の安心感も生み出しはしない。もう "二度目" はないよ、とでも言ってやりたいわけだが、それよりもこの "言い草" を初めて口にするかもしれないお初の食品業者の、その可能性の方に関しては対策らしきものが見えてこないからなのである。こうした報道が多少の "牽制" にはなるのだろうけれど、その限りでしかないからである。
 現に、その "牽制" にしたところが、こうして次から次へと発覚する "偽装問題" の推移を見るならば、 "効き目" が薄いことを裏書しているような気さえするのだ。

 となると、もっと "実効性のあること" を考えなくてはならず、消費者、庶民は、当てにならない "行政" に無いものねだりをし続けるのではなく、何らかの形で "直接的に" 事のプロセスに参画していくことが要請されている、そんな局面ではないかと思えてならない。
 冒頭の "生協" 活動にしても、通常の市場主義の市場が信じがたくなってしまった現状であるならば、消費者たちが可能な限り消費活動のプロセスに足を踏み入れてみようという、そんな活動なのだろうと思う。いわゆる "一般的なお客様" でいることは、手が掛からないという点ではそのとおりであろう。しかし、そんな "お客様" スタンスで納まっている限りは、生産者側のプロセスはどうしたって "ブラックボックス" としてしか見えないはずであろう。この、消費者たちから "隔絶された生産現場・プロセス" という構造そのものが、諸悪の根源なのかもしれないのである。
 だから、現在の "生協" 活動というのは、単に需要者(消費者)がまとまることで低価格を実現するという面だけではなくて、消費者たちから "隔絶された生産現場・プロセス" に "消費者たちの視線" を導入するという今日的な意義がありそうだとも思えるのである。

 ところで、今日、こうした "生協" 活動について書いているのは、実は、こうした "市民参画" 的な動向というのは、この現代にあって様々な領域で広がって行く可能性があるようだし、またそうあることが望ましいのではないかと思えるからなのである。
 実は昨日、 "いよいよここまで来たか!" と自覚させられたとあるTV番組を観た。<NHK クローズアップ現代 私のお金を生かしてください ~市民がつくる新たな金融~>(1月17日[木]放送)のことであり、いわゆる "「市民出資」" が次第に立ち上がり始めたというドキュメンタリーなのである。

<将来の生活のために銀行などの金融機関に預けられ、経済活動を支える個人のお金。経済のグローバル化が進む中、市民にとっては、自分のお金がどこでどう役立っているのか実感が持てにくくなっている。こうした中、いま、市民から出資を募って市民事業に融資する「NPOバンク」や「市民ファンド」が全国各地に設立され、出資する市民が増えている。そうした市民のお金は、地域活性化や自然エネルギー普及などの活動を行うために設立したものの、金融機関からの融資を受けられず資金に困っていたNPOなどの市民事業を後押ししている。これまでの金融の枠組みではできなかった役割を担い始めた「市民出資」。市民出資が広がる背景と新たなお金の流れが社会に及ぼす可能性を探る。>(NHKオンライン より)

 確かにまだ現状の成果は微々たるもののようではある。しかし、化け物の "ファンド" が "マネーゲーム"で 蠢き、世界経済を行方知れずにしているグローバリズム経済の最中にあって、 "人間らしさ" を望む "市民たち" が、 "マネーの世界" で一矢報いるアクションに出ているという現実は、実に素晴らしいことだと感激したのであった。
 以前に、 "地球温暖化問題" に関しても、 "CO2 排出権" の取引という発想は、極めて現実的方法だと自分なりに評価したいと書いた。
 その時にも考えていた点は、 "理想の達成方法" とでもいうことだったかと思う。とかく "観念化" してしまいがちな "理想的方向" というものは、ダーティではあるがリアルでパワーを秘めた "現実のロジック" をただ退けていたのでは "犬の遠吠え" に終わりかねない、と感じ続けていたのである。
 その "現実のロジック" に可能な限り接近しつつ、そのパワーを "流用" してしまう "したたかさ!" に眼を向けたいと思ったわけなのである...... (2008.01.18)













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