ネットに関する技術的なことでちょっと確認してみたいことがあったのだ。たまたま、事務所の近くにも "インターネットカフェ" と称するショップがあったので、散歩がてらに覗いてみることにした。
"最短時間" では30分という料金システムがあり、入会した方が入会金を取られても安いため、とりあえず入会することにした。チェックしてみたかったことは、ほんのちょっとしたことであり、短い時間で済むはずであった。
そこは、ゲームソフトの販売ショップを兼ねて "ネットカフェ" も商うという営業スタイルをとっている。カウンターで、入会手続きをして、空きブースが紹介された。このショップには10部屋ほどのブースがあるようだった。
薄暗い部屋に入ってゆくと、一畳ほどのブースが並んで仕切られている。各々の入口はほぼオープンとなっていて、個室とも言えないような設定である。
部屋の正面には、パソコンラック風に設えられたテーブルがあり、DELLの安いデスクトップPCセットが並べられている。キーボードやマウスが見当たらないので一瞬戸惑うと、テーブルの下が引き出しのようになっており、引っ張り出すとそれらが現れた。
薄暗い部屋の壁には説明書きのポスターなどが貼ってあり、雑然としている。部屋の中は、いかにも他人の部屋に紛れ込んだ時のように妙な臭いも漂い、お世辞にも綺麗だとは言い難く、とても落ち着ける雰囲気なんぞではない。
フリードリンクのコーナーがあると知らされてはいたが、とてもそんなものをいただきながらのんびりしようという気にはなれなかった。30分近くも滞在せずに、今日のところはさっさと用を済ませてしまおう、という気分となった。
DELLのタワー型PCの電源を入れると、その右側に設置されたディスプレーにウィンドウズのロゴが現れ、PCは起動した。そこそこに速いCPUが搭載されているようであった。が、ディスプレーも粗悪なもののようだったし、PCに内臓されたビデオカードも良くないもののようで、画質は大いに不満であった。まあ、文句を言ってもしょうがないと思い、作業を続けた。
こうした "インターネットカフェ" というのは、客側が自由にネット接続をすることができるのが売りであるが、要するに、ショップ側が "プロバイダー契約" を済ませていて、その契約された回線を一見(いちげん)の客が使わせてもらうという仕組みになっているわけである。
だから、客側にプロバイダーとの契約がなく、アカウントやIDがなくとも自由にネットへのアクセスが可能となるわけだ。ネット・アクセスはほとんどしないという人や、旅先などでどうしても何らかのサイト情報を確認したいという人には持って来いのサービスだと言えるはずだ。
昔は、家電量販店のPCコーナーなどへ行くと、ネットにつなぎっ放しのPCなんぞがデモ用に置いてあったりしたものだったが、いろいろな支障が生じるようで昨今ではなくなってしまったようだ。したがって、旅先や出先でサイト情報が必要となる場合は、自前のモバイルPCを持参しておくか、こうした "インターネットカフェ" を活用するほかない。
早々に用を済ませ、10分足らずで腰を上げることにした。腰を上げると言えば、チェア(ソファー)が何とも座り心地が悪い。沈み込んでしまうのである。
これは、PC作業向けに置いてあるというよりも、身体を沈み込ませて休息するのに合わせているようであり、そう考えてみると、自然にあの "ネットカフェ難民" という言葉が思い起こされた。
深夜、泊まる場所に困った者たちが、ここで延長料金を払って何時間かの睡眠をとるという使い方のことである。あるいは、そんな日々を連ねること......。
そんな者たちのためか、カップヌードルなど腹の足しになりそうな軽食類が近くのコーナーで販売され、給湯設備も備えてある。
結構、辛いシチュエーションだよなぁ、と思わず気分が沈むのを感ぜずにはいられなかった...... (2008.09.01)
コメントする