自分がこの医学的現象に興味を持つ理由は多岐に渡っており、その一端は昨日も書いた。中でも、自身がこの現象を体験したのではないかという思いが、興味と関心とを駆り立てるのかもしれない。
その体験とは、二、三年前に酷い目にあった激しい痛みの "腰痛(坐骨神経痛?、脊柱管狭窄症?)" であり、またほとんど持病のように現れる "偏頭痛(緊張型頭痛)" のことを指す。さらに加えれば、四十肩、五十肩もあげられそうだ。これら "三つ巴" は、とりあえずの対処法を得てひこひこ往なしてはきたが、正直言って、何が原因であったのか、あるのかは自身が未だによくはわかっていないのである。
"腰痛" については、 "脊柱管狭窄症" ではなかろうかと思いつつも、 "ペインクリニック" において、 "神経ブロック注射" を打ってもらったことで痛みが収まってしまったので、まあ、いいかという心境となっている。
また、 "偏頭痛" についても、医者の見立てである "緊張型頭痛" という判断に一応納得しつつ、痛みも和らいだこともあり深く追求することなく今日に至っている。
四十肩、五十肩は、さの痛みに翻弄され尽くしたが、気が付いてみると跡形もなく痛みが消えていたのだから、何がどうなっていたのか見当が付かない。
要するに翻って考えてみると、これが原因だった! というほどの確たる自覚がないままでありに、要するに時間経過にまかせた "自然治癒" だと言えなくもないわけなのである。そんな人騒がせなことがあるものだろうか......。
もっとも、医者による検査でも特別に身体的な異常個所が見つかったわけではなく、ただある期間に痛みが発生して、そしてやがてそれが気にならなくなるほどに消え失せたのだから、それはそれでいいではないか、と思えなくもない。
ただ、いずれの痛みもその激しさは尋常ではなかったし、また、何週間も続くという執拗さもあったため、 "再発" のことを考えると "原因追求" に無関心ではいられないというわけである。
ところで、 "TMS( Tension Myositis Syndrome 、緊張性筋炎症候群)" とは、そのメカニズムには多少複雑な構成があるのだが、簡単に言ってしまうと、次のごとくであるようだ。
何らかの "心理的緊張" によって、自律神経を介し、身体各所の「筋肉」、「神経」、「腱・靭帯」に、 "血流不足" による "酸素欠乏" が発生し、これが "痛みや痙攣" の原因となっている "筋骨格系疾患" (肩こり、背中の痛み、腰痛、臀部痛、手足の痛み・しびれ、四十肩、五十肩などの肩関節の痛み、手首・足首・肘・膝などの関節痛 etc.)を指す、と。
なお、これらの情報については次の著作から得ている。これらの著作は、一見して想像されるようなハウツー本とは異なり、論理的叙述もしっかりとしいて好感が持てる。
<ジョン・サーノ著 長谷川淳史・浅田仁子訳『サーノ博士のヒーリング・バックペイン 腰痛と肩こりの原因と治療』春秋社 1999.04.20>
<長谷川淳史著『腰痛は<怒り>である 痛みと心の不思議な関係』春秋社 2000.09.25>
上述の "心理的緊張" という部分は、いわゆる "ストレス" と呼ばれるものと理解して良さそうである。しかし、ではなぜ、 "ストレス" が、概して執拗でさえある "筋骨格系疾患" としての "痛み、激痛" へと転じるのか? その点に当然関心が向く。
このメカニズムについては、やや踏み込んだ考察が必要となるようであり、そこでは、一般的に聞き馴染んでいる "ストレス" というものが意外な変容を遂げていることや、人間の心理構造における "防衛機制" と呼ばれる仕組みなどをも知る必要があるらしい。これらについては、日を改めて検討したい。
なお、こう書いていると、つい次のようなセリフが言いたくなってくるからTVに毒されているのかもしれない。
「ここまでのところ、 "ガッテン" していただけましたでしょうか?!」と...... (2008.12.16)
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