生産関連装備をとにかく "稼動・稼働" させ続けることが必須 ......

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 かつての "不況" の際、われわれに協力してくれていたソフト会社の社長が言っていたものである。仕事は、どんなに忙しく、たとえ徹夜続きになろうとも音をあげたりはしないが、受注がパタリと止まり手持ち無沙汰となってしまうと何をしていいかわからなくなる。本来は、日頃、時間があれば研究しようとしていたことなどを手掛ければいいところなのだろうけれど、どうもそうしたことにも集中できずにただただ居心地悪さに "呆然" としてしまう......、と。
 そうしたものだろうと共感せざるを得ない。長年、技術畑で忙しい仕事に追われていると、いつの間にかそうした "習性" となってしまうもののようである。
 ただ、これまでの "不況" では、しばし "呆然" としているうちに、やがて次のポジティブなうねりがやって来て、またまたそれまでのことが嘘のような繁忙期がやって来たりしたものだった。
 そんな周期が、ますます、受注の "空白時" に "独自なアクション" をしてみることをおざなりにさせて来たのかもしれないのだが......。しかし、今回の "不況" こそ、相応に長引く様相を見せており、 "待てば海路の日和あり" というようにのんびりと構えてはいられない気配ではなかろうか。

 となると、 "ソフトウェア業界ではかねてより指摘" されていた "下請け体質" からの脱却への道、つまり仕事自体を自ら創り出すアクションが緊急に要請されていることになりそうである。
 しかし、もちろん "言うは易く、行なうは難し" であることは言をまたない。
  "自転車操業" という言葉があるが、そうした流れに呑み込まれてしまっていると、どうしても繁忙期には余力なく目先の業務に埋没してしまい、いざという時のために "新分野" や "新技術"、"新テーマ" に挑戦することなどは視野の外の出来事となってしまうものかもしれない。そして、その裏返しが、ヒマとなった時に身動きがとれないという哀れな "習性" を形成するのかもしれない。

 今や、この "不況" の中で苦境にたっていない業種はないようだが、とりわけ自動車関連業種は凄まじい。
  "派遣切り" の程度が大きいのもこの業種だそうだが、この業種で自動車部品を製造している "下請け製造" 企業の悲惨さも大変なものだそうである。
 これらの企業は、一時期の "円高不況" の際にも、猛烈なコストダウンを迫られたことがあり、現在サバイバルしている企業は、いわば選別の関門を突破してきた優良企業のはずである。だが、そんな企業でも、 "受注量" が激減してしまえば立つ瀬がなくなる。廃業や倒産に追い込まれる企業も出ざるを得ない。
 そんな中で、何とか "自力救済" の道を模索する企業もあるというニュース報道を目にした。自動車部品とは全く無関係なジャンルの製品作りを独自に行っているというのである。それらが、経営の "足し" になっているのかどうかまでは追跡されていなかったが、眼目は、製造設備や積み上げたノウハウを何とか稼動させ続けたいという "願い" なのだそうである。他人事ではない状況だけに身につまされたものだ。
 確かに、製造業であろうが、ソフトウェア開発であろうが、生産活動を停止して、関連設備・装備そして人間側の能力を眠らせてしまっていてはろくなことにはならないと思える。これらは、いずれも "稼動・稼働" しつづけてこそ効果的なチューン・アップもなされるというもののはずだからである。

  "ピンチをチャンスに!" というスローガンは、苦境のただ中では虚ろに響きがちとなるのはよくわかる。しかし、今はそれしかないに違いなかろう。多分、このスローガンに精彩があるとすれば、 "退路が断たれる" という事態だからこそ集中力が高まる "可能性" がある、ということになろうか。
 ただし、それは "可能性" の話なのであって、逆に、萎縮したり、うろたえたり、無気力となったりする否定的な "可能性" も五分五分で控えているわけだ。
 望ましい "可能性" を増大させるには、気力の鼓舞もさることながら、人間の脳や能力も含めて、生産関連装備をとにかく "稼動・稼働" させ続けることが必須だと思えてならない。何もしないで考え込むことほど、不気味な不安感に呑み込まれて事態を悪化させることはなさそうな気がしている...... (2009.01.06)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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