"収益至上主義" の経済風潮と関係者たちの "倫理なき足掻き" ......

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 不況という経済問題の陰で頓挫させられている重要な事柄は少なくない。 "共同性" や "友愛" もそうなのだろうし、 "コンプライアンス(遵法性)" もそうだ。
  "市場原理" だ、 "収益性" だ、 "国際競争力" だと "言い訳の言葉" には困らないご時世ではあるが、そんなことで貴重なものを軽視・無視することは、ありふれた表現だが、確実に "将来に禍根を残す" 結果となる。
 その "禍根" は、無関係な領域での災いとして現れるならまだしも、ホームグランドそのものを荒らし、屋台骨をも蝕むという、まさに天に唾する結果になりそうだ。つまり、経済自体を立ち行かなくさせる "時限爆弾" を仕掛けるようなものなのかもしれない。

 人はとかく、 "当面は" という観点で事に処しがちだ。 "当面、大丈夫であるならば......" というふうに。そして、言うまでもなく、悪事に走る当事者たちが気に掛けるのは、
 "当面は露見しない" というその一事であるに違いなかろう。
 そうした勝手な思いを厳しく叩くことはもちろん不可欠である。だが、さらに重要なことは、社会に埋め込まれてしまった悪行というものが、たとえ "当面は" 潜伏して目立たなくとも、後に、思わぬ惨事を引き起こす遠因となりかねないこと、それをしっかりと想像することではないかという気がしてならない。こんなことは、新型インフルエンザ流行の推移を想定するだけでもわかりそうである。
 こうした観点で今関心を向けてみたいのは、経済至上主義的な風潮の過程でほぼ完全に黙殺されてきたかのような "倫理観" なのである。何を今さら "青臭い" ことをと言われそうではある。また、自分自身とてこんな問題を威張って叫べる柄でもない。
 ただ、現時点での問題山積の経済状況を観測する場合、経済人、現代人の "倫理観" という側面の問題を外しては解不能となりそうな気がするのである。
 今回の大不況の直接的原因であるあの "サブプライム・ローン" 問題にしたところが、その問題に関係する経済人たちの "倫理観" のあり様を度外視して有意味な説明がつくであろうか。この点を併せて考えなければ、 "再発防止" だの "適切な金融制御" などと口にするのは虚し過ぎるはずである。
 何も、 "倫理観" でグローバルな金融や経済を制御せよ、と言いたいわけではない。そんなことはムリに決まっていよう。市場原理が "自動的な調和" に向かうはずがないのと同様である。
 だが、逆に、人間たちの "倫理観" の側面の問題をおざなりにし続けた経済環境全体が、現在の "出口無し" のごとき経済状況を構成したとは言えそうである。その証拠になるのかどうか、現在 "出口無し" のごとく眼に映るのは経済と同様に犯罪状況だと言えそうだ。まるで、 "双子" のようにさえ見えるし、極論するならば低い垣根のみで繋がった土地のようでさえある......。

 ちょいと収拾がつかない文脈となってしまったが、こんなことを書く動機となったのは、下記のような "事件!" を知ったからであった。 "収益至上主義" の経済風潮と関係者たちの "倫理なき足掻き" ......。

<JR西元幹部もメールで修正要請 事故調元委員に
 JR宝塚線(福知山線)脱線事故の調査報告書漏洩(ろうえい)問題で、JR西日本の元幹部(50)が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の山口浩一元委員(71)に対し、最終報告書案に山崎正夫前社長(66)が不満を示していることをメールで報告し、内容の修正を促していたことが分かった。元幹部は朝日新聞の取材に対し「社内の雰囲気を伝えるためだった」と話している。
 07年6月に公表された最終報告書をめぐっては、山崎氏が、事故現場となったカーブに自動列車停止装置(ATS)を優先的に整備すべきだったと指摘している報告書の部分について「後出しじゃんけん(のような評価)だ」などと山口元委員に訴えて削除や修正を求めていたことがすでに明らかになっている。山崎氏は「個人で個別にやった」と説明しているが、JR西側が事故調委員に対し、ATSに関する表現の修正要求を組織的に繰り返していた疑いが強まった。......>( asahi.com 2009.09.30 )

<JR西、類似脱線事故資料を提出せず 意図的に隠蔽か
 JR西日本が、宝塚線(福知山線)脱線事故の調査、捜査をしていた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)と兵庫県警に対し、97年1月に開かれた同社安全対策委員会の会議資料のうち、カーブでの速度超過による脱線事故として宝塚線事故の類似事故とされる96年のJR函館線事故に関する資料を提出していなかったことがわかった。
 同社はこの1カ月前の会議の資料でも、函館線事故をめぐって自動列車停止装置(ATS)の必要性を指摘する資料を提出していなかったことがすでに判明している。神戸地検は、抜け落ちていたこれらの資料は、当時、鉄道本部長だった山崎正夫前社長(66)=業務上過失致死傷罪で在宅起訴=が宝塚線の事故現場にATSを設置する必要性を認識していたことを裏付ける重要な物証とみており、類似事故の資料が連続して提出されなかったことから、JR西が意図的に隠蔽(いんぺい)しようとした疑いが出てきた。......>( asahi.com 2009.09.30 )

...... (2009.09.30)












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