気になる用語、 "ソブリン(sovereign)リスク" に "デフォルト(default)" ......

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  "ソブリン(sovereign)リスク" という経済用語が不気味に飛び交っている。
 今日のロイター通信でも、
<東京株式市場・大引け=4日続落、欧州ソブリンリスクなど嫌気し利益確定売り>([東京 9日 ロイター])とあった。8日の米国株式市場でダウ平均が終値で昨年11月以来の "1万ドル割れ" となった事態の足元にも、この "欧州ソブリンリスク" への懸念が横たわっていたとも言われている。
 この "ソブリンリスク" と並んで目にする、これまた気味の悪い用語に "デフォルト(default)" というものもある。
 PC関連分野でも、 "デフォルト(default)" という用語があり、これは、プログラムに与えるべき値をユーザが設定しなかった場合に採られる既定値のことであり、転じて、製品出荷時設定を指したりする。
「この部分の設定はよくわからないから "デフォルト" のままで行こうか......」となるわけだ。これは、実に "平穏" な空気の話である。
 しかし、金融経済用語としての "デフォルト(default)" とは、要するに "債務不履行" という、実に "険しい" 空気の話となるのだ。 "何もしない状態" であることは共通していても、その結果、 "大損害" や "怪我人、死者" までが出かねないわけだ。

 それで、 "ソブリン(sovereign)リスク" に戻ると、 "ソブリン(sovereign)" とは、 "ソブリン債券" の略だそうで、その代表例が "国債" であるような、各国の政府や政府機関が発行する債券の総称だという。
 そして、その "リスク" とは、 "デフォルト(債務不履行)・リスク" ということになり、平たく言えば、各国国債が "債務不履行" に陥る危険な可能性だということになるわけだ。
 そして、今、 "欧州" 、厳密に言うと、"PIIGS"(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)各国が急速に財務状況を悪化させ、 "ソブリン(sovereign)リスク" が懸念される危機に接近しているというのだ。
 どうしてそんなことに......、と思えるが、これがあの世界的金融危機の根深さなのである。その危機を回避すべく、当時各国はあらん限りの財政支援策を講じたのは良かったが、大半が "ソブリン債券" (国債)であり、悪化し続ける景気の中では政府税収額の回復も見込めず、国家財政は "借金ドロ沼状態" にハマりこんで行ったようなのだ。
 この辺の事情は、何も "欧州" に限ったことではなく、米国にせよ膨大な赤字財政であるし、もちろんこの日本の赤字体質も大変なものである。

 昨年の年末に、 "他人事" ではないこの国の "リスク" を、大前研一氏のコラムに沿って考えてみたことがあった。( ex. 2009.12.27「ドバイショックから、日本に忍び寄る "格付け低下" という危機? ......」)
<このグラフには参考までに米国と日本を掲載しているが、世界的な財政悪化スピードのチャンピオンは米国、それに続くのが日本である。日本は累積では圧倒的に世界記録を塗り替えているし、今後は財政赤字の累計がGDPの200%を超えると予想されている。下図を見ていただければわかるように、かつての劣等生イタリアの累積財政赤字(120%程度)を10年ほど前に抜いたと思ったら、あっという間に200%に近づいているのである。>(『「連想ゲーム」のごとく日本に忍び寄る危機』/大前研一の「産業突然死」時代の人生論

 その際、大前氏は次のようにも述べていた。
<そんな日本が今でも世界中から安全だと信じられているわけだが、それは国家財政が認められているのではなく、国民が持つ個人金融資産によって財政危機を乗り越えることができると思われているからに過ぎない。もし国民が賢くなり、自分の財産が国家にかすめ取られるのは納得できないと態度に表したら、一気に日本の信用は失われてしまう。>(同上)
 しかし、この<国民が持つ個人金融資産>について考える時、以下のような "ブログ" を書いておられた方もいらっしゃることがはなはだ気になったのである。

<......日本国債は日本国内需要があるので、貯蓄が多い日本に限ってソブリンリスクなどあるわけが無い・・・と思ってると大変なことになります。
 日本の貯蓄の高さは定年退職金を消費しないで貯蓄する日本人の行動に由来してますが、人数が際立って多い団塊世代の貯蓄をあてにするのは大きな間違いです。
 厚生年金や国民年金などの公的年金だけで生活することは難しく、企業年金がある恵まれた方達は幸せですが、企業年金が無い場合の定年退職後の生活は不足額を貯金に頼らざるをえません。
 10年後の団塊世代は70代になっているので、日本全体の貯蓄額は大幅に低下する可能性があります。
 新発国債額の50%以上を既存国債の償還金に当てる自転車操業の日本の現実は、10年後の日本デフォルト(債務不履行)リスクを示唆しています。......>( つれづれ春夏秋冬

 もはや、何につけても "他人事" で済ますことができなくなった時代なんですねぇ...... (2010.02.09)













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