内閣支持率が急落しているが、それ以上に民主党 "小沢幹事長の辞任" を望む声が高まっている。そうした声の割合は、とある "世論調査" では83%もに達しているという。こうなるとこれは "民意" の表れと見なさざるを得ないと思われる。
<内閣支持20%に急落 83%が小沢幹事長辞任を
共同通信社が28、29両日に実施した全国緊急電話世論調査で、鳩山内閣の支持率は20・7%と、4月3、4両日の前回調査から12・3ポイント急落した。内閣支持率は1月中旬の調査以降、下がり続けており、30%を割ったのは初めて。不支持率は前回より11・1ポイント上昇し64・4%となった。
今回の調査は小沢一郎民主党幹事長に対する検察審査会の「起訴相当」議決を受けて実施。小沢氏は「幹事長を辞めるべきだ」が前回より2・4ポイント増え83・8%に上った。「続けてよい」は4・2ポイント減の10・3%。
鳩山由紀夫首相が小沢氏の続投を支持したことを含め、「政治とカネ」問題に関する鳩山政権の対応に国民が強い不満を持っている実態を浮き彫りにした形だ。
米軍普天間飛行場移設問題が5月末までに決着しなかった場合について「首相を辞めるべきだ」が54・4%と、前回より7・3ポイント増え、初めて過半数となった。「辞めなくてよい」は6・1ポイント減の39・2%。
政党支持率でも民主党は24・1%と、前回より6・2ポイントの大幅減。自民党は0・7ポイント増の18・7%にとどまり、みんなの党が11・5%と、初めて2けたに乗せた。>(内閣支持20%に急落 83%が小沢幹事長辞任を/2010/04/29 16:29/【共同通信】)
ところが、小沢幹事長自身は "続投" を表明し、鳩山首相も "小沢幹事長の継続" を是認する発言をしている。
"世論調査" の結果に一喜一憂すべからず、という考え方もあるにはあるに違いなかろう。 "ポピュリズム (Populism) " 政治の弊害を警戒することはあって良いとは思う。
しかし "民意" の動向を敏感に読むことは、政治家が大前提としなければならない条件のはずではないか。仮に、政治家自身の考えと "民意" の動向とが乖離しているならば、相応の釈明なり説得なりの旺盛な対応策がなければ収まるものも収まらないだろう。
現状のような "通り一遍の対応" であれば、 "民意感度" が愚鈍に過ぎると見なされても致し方ないのではなかろうか。
そして、口は悪いが、 "民意" が読めない! のではないか、とさえ思われてもやむを得ない。さらに口汚く言えば、好ましい日本語ではない "KY(空気が読めない)" を文字って、 "MY(=民意が読めない)" じゃないの、とからかわれてもしょうがあるまい。
"自分の事情(=My~)" に汲々として、常に敏感でなければならない "民意" に疎くなったり、それを軽んじたりするようでは本末転倒だと言わなければならない。
まして、 "豪腕" 小沢氏の場合は、そのスタンスに "強圧的・専制的" な傾向があるためか、周囲の関係者たちがやや不自然な動きにとどまってしまう。この点は、<民主七奉行、「沈黙」破るも及び腰 小沢氏進退で/日経新聞/2010/4/30 20:10 >という報道にも表れていて、まるで、一体誰が猫の首に鈴を付けるのか......、と言った困惑のようである。
こうした事態であるだけに、ご当人の "民意感度" の "精度" とでも言うものが注視されなければならないわけだ。老婆心ながら言っておけば、 "民意" を読む力や、その "感度"、"精度" を問題にする場合、その政治家自身の "民意観" とでも言うべき政治理念が密接に関係している点に気をつけたい。 "民意" は、何よりも尊重されるべきものだとして位置づけられているのか、あるいは選挙の際のターゲットとして捉えられているのか、その違いだけでもだいぶ話は変わってきそうである...... (2010.05.01)
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