使い捨てライター火災/チャイルドレジスタンス(CR)/縦割り行政が諸悪の罪! ......

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 今、ビジネス界では "2010年3月期決算" の発表がたけなわだ。 "黒字決算" の大手企業が増えてきたことはひとまずは喜ばしいことだと言うべきか......。
 しかし、大手企業の経営指標の改善がそのまま一般庶民の景気感覚に直結しなくなったのが、現在の経済環境のひとつの大きな特徴なのである。 "黒字化" のためにはさまざまな経営努力がなされたのは間違いなかろうが、先ず一般的に言えることは、過激な "コスト・カット" 策と金融面での "資金運用" とが背景にあってのことだと推察される。
 どちらにしても中小零細企業など周辺への好ましい波及効果が期待できるものだとは言い難いわけだ。むしろ、 "黒字化" のために追求されたであろう過激な "コスト・カット" 策や、相変わらずの人件費圧縮策に関しては、そのマイナス影響を被って泣く人たちの存在を忘れてはならないのだと思われる。所詮、シビァな経済界では、 "ゼロサム" 原理が貫かれているからだ。 "経済(金融)合理性" の貫徹の陰では、悲惨なことをも含む様々な社会現象が引き起こされているのが現実なのであろう......。

 今日、次のようなTV報道番組を観た。

<「防げるか ライター火災」/NHK総合 特報首都圏/5月14日(金)19:30~19:55
 子どもがライターをいたずらしたことが原因と見られる火災が相次いでいる。火遊びによる火災の全体件数は減っているが、ライターによる火災は一向に減っていない。また5歳未満の子どもの場合だと、ライターによる火遊びを起こした時の死傷者の発生率が8割近くにもなるという。
 年間6億個余りが市場に出回っていると言われているライター。ライターの安全性をどう高めるのか?子どもにライター火災の怖さを教えるにはどのようにすればよいか?有効な解決策を探る。>(「防げるか ライター火災」/NHK総合 特報首都圏/5月14日

  "1個100円の使い捨てライター" 、いや昨今では "4個100円" にまでなっているらしいが、これが市場に "年間6億個余り" も出回っているのだから、まさに "経済合理性" の "スーパースター" 的存在だと言うべきであろう。
 ところが、これが消費者に "手軽な便利さ" だけを提供していたのであれば、その旺盛な経済活動をとやかく言うことは何もなかろう。
 しかし、この商品が "問題含み" であって、しかも、その一つが "被害" を受けた者が保護されるべき "小さな子ども" たちであったこと、二つ目は、もう何十年もの間 "放置" され続けてきたことを勘案するならば、どうしてそんなことが......という素朴な疑問を抱いてもおかしくはない。

 現行の "使い捨てライター" による死亡事故で、最近、とてつもなく痛ましいとものと感じさせたのは、以前に北海道で起きた "子ども4人が亡くなるクルマ火災" だっただろう。父親が運転席を外した合間に、幼い子どもたち4人を乗せていた軽乗用車が炎上して、親は一度に4人の子どもさんを失ってしまったのだ。
 事故後の調査で車内から "使い捨てライター" が発見されたため、中の子どもがこれで "火遊び" をしたのが原因ではないかと推定された。
 この事故の報道に接した時、最初は何かの "事件" ではないかと思ったほどにそのシチュエーションは信じ難かった。そして、事故経緯が報道されてからは、車内の子どもたちにとっても、また外にいた親ごさんにとっても、これ以上の "地獄" はないに違いないという沈痛な思いが何日も続いたものだった......。

 先ず、一概に、子どもの "火遊び" と言ってあたかも子どもたちに多少なりとも "自己責任" があるかのような表現をするのは間違っていると思える。 "機会" があれば、子どもとはそうした "遊び" をもしてしまうものであり、それを制御するのは "大人社会" であることは否定できない。
 しかも、番組によれば、要するに "使い捨てライター" は子どもの指の力(15ニュートン)でも "着火" 出来てしまう構造らしい。ライター本体に「子供に触れさせない。」との注意を呼びかける表示を印字してあるが、それは "おまじない" 以外ではないことになる。
 米国やヨーロッパでは80年代から問題視されてきて、既に、子どもが扱いにくい "チャイルドレジスタンス(CR)" の機能が付いたライターしか製造販売が出来なくなっており、(欧米では)非常に厳格にライターの品質を取り締まっていて、当たり前となっているという。具体的には、着火に40ニュートンの力が必要であったり、点火部分に突起があり痛みで子どもは回せなかったり、ロックを解除しないと点火できないというふうに......。
 また米国では、94年に規制を導入、規制後5年間で火災による死亡事故が43%も減少させたという実績あるという。

 日本では、ようやく国がライターの安全基準を "今月中にまとめる" としているらしい。 "チャイルドレジスタンス(CR)" 機能に関する法的規制が遅ればせに制定されることになるのだろうか。
 なぜ今まで法的な安全基準がなかったのか? という疑問に対して、関係者は、行政の仕組み、つまりライター火災を受け持つ消防としての省庁と、ライターのメーカーを受け持つ省庁との連携が乏しかったことに原因があったのではないかと説明されていた。
 有り体に言うならば、いわゆる "縦割り行政" という行政の仕組みが、 "経済合理性" の "無責任な独走" を許し、子どもたちの "火遊び" すら制御できずに、結局 あどけない子どもたちを "地獄" へと追い込んだということになるのか?
  "地獄" といえば、日本の大人たちというのは、その手に持つ金棒で子どもたちをただ小突き回しているだけの "赤鬼・青鬼" なのか...... (2010.05.15)













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このページは、yasuo hiroseが2010年5月15日 00:15に書いたブログ記事です。

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