今、グーグルの開発/経営路線上の新展開には、目を見張るものがある。昨日の話題、パソコン向けの無償OS "クローム" を搭載した "クロームブック(Chromebook)" もその一つだ。だが、スマートフォン/タブレット向けのOS "Android" でも "新機軸" が打ち出されていることに注目しておかないわけにはゆかない。
一言で言えば、<スマートフォンの新しい可能性を開く> "新機軸" だと言えそうだが、それは、情報受信端末としての "スマートフォン" を、"リモコン(Remote Controller)" 風に活用する可能性を探る狙いだと言っていいのかもしれない。
この間、注目しているニュースがいずれも「Google I/O 2011」という、"I/O" をキーコンセプトとするセッションであることに着眼するならば何となく頷ける話でもある。
※ c.f. <米Google社は2011年5月11日、米国サンフランシスコで開催した開発者向け会議「Google I/O 2011」の基調講演において、......>(<グーグルが8秒起動のノートPC「Chromebook」発表、月額28ドルのビジネスプランも用意/日経 ITpro/2011/05/12/菊池 隆裕=日経コミュニケーション>)
ところで、こうした文脈にあって、"日本のベンチャーのプロダクツ" が小さからぬ役割を果たしそうだという以下の話題も実に興味深い。
<スマートフォンから制御できる周辺装置向けの「ADK」、日本のベンチャーが発売
ロボットを開発するベンチャー企業のアールティは、携帯電話やスマートフォンに接続できるI/Oボード「RT-ADK(RT Accessory Demo Kit)/RT-ADS(RT Accessory Demo Shield)」を発売した(写真1)。価格は3万1500円。
同ボードを搭載した機器が備えるセンサー、LED、モーターなどの入出力情報は、スマートフォンのプログラムからやりとりできる。これにより、スマートフォンと連動した各種周辺装置が作りやすくなる。米サンフランシスコで開催中の「Google I/O 2011」の基調講演でも、スマートフォンの新しい可能性を開く「ADK」(Android Open Accessory Development Kit)として紹介された。
RT-ADKとRT-ADSは、スマートフォンとUSB接続するためのUSBホスト機能を備える。I/Oボードは統合開発システム「Arduino」(アルドゥイーノ)に準拠しており、同ツールのプログラミング環境が使える。スマートフォン側ではAnroid OSのライブラリが利用できる。
アールティによると、各種センサーやモーターなどをセットにしたスターターキットも発売予定とする。Google I/O 2011では、NexusSとRT-ADKによる人型ロボットRICのデモンストレーションを行っている(写真2)。 >(<スマートフォンから制御できる周辺装置向けの「ADK」、日本のベンチャーが発売/日経 ITpro/2011/05/11/菊池 隆裕=日経コミュニケーション>)
スマートフォン向けOSの "Android" が、"I/O" 部分を制御しつつ、"外部アクセサリ" との連携のみならず、"外部機器をコントロール" する可能性を探っていることはほぼ間違いなさそうである。
< Android 3.1の主な追加機能の一つが、外部アクセサリとの連携を可能にする「Android Accessary API」。また、ADKと呼ぶハードとソフトを一体化した、外部機器向け開発キットを提供、Android端末から外部機器をコントロールできるようにする。>(<Google I/Oが開幕、家庭向け機器連携などAndroidで新施策/日経 ITpro/2011/05/11/菊池 隆裕=日経コミュニケーション>)
そして、こうした狙いの実用化サンプルが、下記のように "家庭向け機器" のコントローラーとして現れようとしている......。
< Androidの新しい適用構想として「Android@Home」が発表された。独自の無線プロトコルを使って、家庭内の機器をコントロールしようというもの。LEDの点消灯などが無線経由でできるようになる。NFC(近距離無線通信)により、ミニコンポにCDを「タッチ」することで音楽を再生できるようにするデモも実演した。 >(<Google I/Oが開幕、家庭向け機器連携などAndroidで新施策/日経 ITpro/2011/05/11/菊池 隆裕=日経コミュニケーション>)
それにしても、グーグルの "Android" 路線は、その "Open" 性を梃子にしながら、スマートフォン・メーカー以外にも幅広く参画企業を結集させる、そんな "現代経営の王道" を踏み固めているかのようだ...... (2011.05.16)
コメントする