アマゾンの "キンドル" は、白黒の電子ペーパー搭載画面で親しまれてきた。その落ち着いた白黒色調の画面が、静かな読書を愛するユーザーに "あくまでも読書端末" として支持されていたはずである。また、消費電力が圧倒的に小さく、バッテリー切れを気にすることがないことも歓迎されていた理由であろう。
その "キンドル" が、カラー液晶の「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」へと変貌するそうである。
華やかにアップバージョンを図るアップル/ "iPad" への対抗だと見られている。
―――― <アマゾン、初のカラー液晶端末「キンドル・ファイア」発表 アップルに対抗
インターネット小売り最大手の米アマゾン・ドット・コムは28日、タブレット端末「キンドル・ファイア」を発表した。7インチのカラー液晶画面を搭載、アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービスを利用し、書籍や映像のコンテンツを閲覧できる。アマゾンは同日、新型の電子書籍端末「キンドル・タッチ」も発表した。タッチスクリーンを搭載し、価格は99ドルから。第3世代携帯電話(3G)の対応モデルも投入する。
アマゾンは2007年に白黒の電子ペーパーを搭載した電子書籍端末「キンドル」を発売した。同社は書籍やCDなどの販売が主力だったが、ネット経由のコンテンツ販売が増加するとみてキンドルを投入、電子書籍端末で世界市場で約5割を握る大型商品に育てた。>
( アマゾン、初のカラー液晶端末「キンドル・ファイア」発表 アップルに対抗 /日本経済新聞/2011.09.28 )
<かなり手頃な価格>が設定されているようで、"iPad(2)" との真正面からの対決をかわしている点が注目を引く。
―――― <Kindle Fire 199ドル! その全貌が明らかに
【ニューヨーク=志茂真奈美】 米国アマゾン社は28日、ニューヨーク市内で会見を開き、11月に発売予定のタブレット型PC「キンドル・ファイアー(Kindle Fire)」を公に初披露した。経済ニュースサイト、ビジネス・インサイダーによると、Kindle Fire のディスプレイは7インチ、メモリは8GB。Wi-Fi に接続でき、ネット・サーフィンが可能だが、3Gには対応しない。また、カメラや音声マイクは内蔵されていない。タブレットとしては最低限の機能のみを備えた、極めてシンプルな作りだ。
そして、気になる価格はなんと199ドル(=約1万5200円)。499ドル〜のiPad に比較すると、かなり手頃な価格に設定されている。
アマゾンでは、多機能を誇る、いわゆる「高級タブレット」であるiPad と同じ土俵で戦うより、異なる層をターゲットに新たな市場を開拓する道を選んだようだ。この戦略は。吉と出るか、凶と出るか。今年のクリスマス商戦で、その答えが出る>
( <Kindle Fire 199ドル! その全貌が明らかに/The Wall Street News /2011.09.28 )
あれもしたい、これもしたい......というユーザーには物足りないのかもしれないが、"新書版" を持つ手軽さで読書に専念したいユーザーにはきっと歓迎されるのではなかろうか...... (2011.09.30)
【 PS 】
◆参照 <Amazon新タブレットは「真のiPadキラー」/WIRED JAPANESE EDITION/2011.09.29>
◆参照 <アマゾンのキンドル199ドル iPadなどに値下げ圧力/日本経済新聞/2011.09.30>
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