今回の "台風15号" は、久々に首都圏を直撃した。その結果、メディアに飛び交ったのが "運転見合わせ" というつれない言葉である。首都圏の交通機関のほとんどが、異口同音に "運転見合わせ" アラームを発し、容易には撤回しそうにない。
路線上に飛来物が落下して妨害していないことなどを確認する必要もありそうだから、この余波は長引くのかもしれない......。
今、午後7時20分で、台風そのものは埼玉県の北部へと移動してはいるが、TVニュースの画面では、JRの新宿・渋谷・池袋などのターミナルで、大量の "帰宅困難者" の群れが生まれている様子が報じられている。まるで、半年前の "東日本大震災" 当日の光景が再現されたような雰囲気である。
TVニュースは、併せて、各地の豪雨の信じられないほどの惨憺たる光景も映し出している。今後の "土砂災害" が潜伏していることをも想定するならば、列島はあたかもボロボロにされたという印象が拭えない。
今の時点で、全国における避難勧告などによって避難した人々の総数が47万人に上るというから、今回の "台風15号" が尋常ではない猛威を振るっていることを了解しないわけには行かない。
TVニュースの中で、動かない新幹線を待つ、とある女性が「困りました。でも天気なのでしかたない。何も言えません......」と応えていた。
確かにそうではある。だが、今一歩踏み込むならば、最近の台風や豪雨が、"地球温暖化に伴う異常気象" によるものであることはほぼ確実視されてもいる。温暖化により、太平洋の海水温度がこれまでになく上昇し、その結果、大量の水分を含む雲などを発生させているようなのである。それが "豪雨" の源だと......。
そのほかにも、詳細は措くとしても、偏西風の流れる位置が変えられてしまったり、それによって日本列島周辺の気圧配置の構図が変わることなど、"地球温暖化" という視点から説明される事情が、ここに来て急速に浮かび上がっていそうである。
ただ、"地球温暖化" 現象と "異常気象" との関係は、多変量解析的な連関事象であるため、身近な科学的事象のようなシャープな説得力のないのが残念だ。しかも、"地球温暖化" 現象自体もまた "CO 2" の増加という観点以外のことは分かっていない部分も多いと聞く。
だから、眼の前で疑いなく発生している首都圏交通機関の "運転見合わせ" があったからと言って、人々が "地球温暖化" 現象を抑制するために、"エネルギー浪費生活見合わせ" へと向かうとは到底考えられない......。
だが、毎年毎年、この間に発生しているような異常気象が繰り返されるとしたら、いやさらに "凶暴な様相へ" と転じて行く可能性もあるとするならば、何も言わず、何も対処せずにただ手をこまねいているわけにも行かない...... (2011.09.22)
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