スマホなどを、まるでTVのリモコン装置のように扱って、家電製品などを自在に操りたいという夢は絶えないようだ。いずれそうなるのであろうけれど、しかし現状の "ホームオートメーションシステム" は価格面からすれば到底受け入れ難い......。
このボトルネックを解消しようとしているのが、下記引用サイト記事:このちっちゃなカードであらゆる「物」を簡単にインターネットに接続できるElectric Imp(電気の小鬼)/TechCrunch/2012.05.17 が紹介している<Electric Imp(電気の小鬼)>という "SDカード" のような<インターネットデバイス>だ。
これまでの通信コントローラブルな家電製品は、家電製品メーカーが "独自の設計" でかつ "組み込み一体型" として製品に埋め込んでいたかと思われる。
それに対して、この<Electric Imp>は、通信コントロール部をインターネット通信(WiFi機能)を活用しつつ、その通信部分のみを "汎用的" な部分的コンポーネント(?)デバイスとして置き換えようとしているようである。
もちろん、家電製品側にこれと接合される "インターフェイス" が必要となるわけだが、こうした方式での家電製品が広がって行くならば、"ホームオートメーションシステム" などもグンと安上がりとなって行くに違いない......。
ただ、課題は、無数の家電製品メーカーが首を縦に振るかどうかなのであろう......。
このちっちゃなカードであらゆる「物」を簡単にインターネットに接続できるElectric Imp(電気の小鬼)
本誌が追っているトレンドの一つが"物のインターネット"だ。それによって将来は、あらゆる電気/電子製品がインテリジェントになり、遠近を問わず互いに接続され、たとえば完璧なホームオートメーションというものが実現する。ただし現状の問題点はどのシステムも、各ベンダ独自のソフトやハードでネットに接続されることだ。その結果、インターネット対応の製品は異様に高いのが常態となり、しかもそれらは互いに対話ができない。
そしてそこに、Electric Impが登場する。同社の考え方は、それぞれの製品に独自のソフトやハードを盛り込んでネットに接続するのではなく、ネット接続の部分は製品から完全に切り離して、かつ、完全に汎用化普遍化することだ。同社はその汎用化普遍化を小さなチップで実装し、それを"Imp"(小鬼)というかわいい名前で呼ぶ。
Impの外見はSDカードなんかに似ているが、その中にすでにWiFi機能と専用のプロセッサを内蔵している。そのプロセッサに対するプログラミングにより、どんな製品のどんな機能でもコントロールしてしまおう、というわけだ。Impの単価は25ドルぐらいだが、単純な抜き差しによるアップグレードやアップデートが可能だ(クラウドからの自動アップデートも可)。消費者の要求タイプ別に、最初から複数種類揃えることも可能。......
でも、こういう消費者レベルの料金制などを云々するのはまだ早い。いろんなハードウェアベンダが、Impによるネット接続、それによる対話とコントロールに前向きになることが先決だ。......
しかもハードウェアメーカーは、......Impカードを使えばよい。接続に関わるバックエンドサービスはすべて、Electric Impが面倒見てくれる。Impを埋め込んだ製品は、Webブラウザやスマートフォンからコントロールできる。そのために使用するアプリケーションは、Electric Impが提供するアプリケーションでもよいし、あるいはサードパーティが独自に作ったものでもよい。
Fiennesが昨日、アプリケーションのデモをいくつか見せてくれた。どれも、Impカードの汎用性(何(なん)にでも合う)をうまく利用している。リモートで照明をコントロールする、電気代が安い時間帯に消費電力の大きい洗濯機などを動かす、などなど。庭の土の湿り気をモニタし、それにインターネット上の天気予報情報を結びつけて、必要なら自動的に散水する、なんて使い方もある。モーションセンサーを併用すると、人が部屋に入ってきたら何々をする、異状を検出したら〜〜をさせる、などの使い方もありえる。......
Impの利用の可能性は無限にある。とくに、リモートの接続性があると便利だけど今は製品が高価になりすぎるのでできない、という道具や機械や設備は、家庭にも会社にもたくさんあるだろう。Impはインターネットデバイスだから、個々のメーカーが勝手に実装した複数の製品をユーザ側で統合的にコントロールすることも可能だ。最初から巨額を投じて一式完全に作り、その後のアップデートは困難または不可能、という従来のフルセットタイプのホームオートメーションシステムは、いよいよ墓場行きだ。Impはソフトで動くから、アップデートはクラウドから簡単にできる。メーカーの人たちによる製品の稼働現場のモニタリングやアップデートも、これまた簡単だ。......
Electric Impはすでに、数社のハードウェアベンダに営業を仕掛けている。6月にはメーカーがプロトタイプ作りやアプリケーションの試験を容易に行えるためのバンドル製品も提供される予定だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
これまでは、インターネットを通じた "機器コントロール" を想定する場合、PC本体を傍に設置してこれを経由するのが一般的であったかに思う。このPC本体が省略できるとなれば、コンパクトなターゲット機器が開発され易くなるに違いない...... (2012.05.23)
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