個人での "電子書籍" 制作が、その売れ行き状態はさておき、ジワジワと広がっていると言われている。かく言う自分もその一角に属している。
こうしたムーブメントで、関心が注がれるのが、"(EPUB)電子書籍" 制作ツール/環境であろう。シンプルな "電子書籍" であれば、大袈裟なツール/環境は不要であり、手順さえ心得れば、フリーソフトなどで賄える。
ただ、"売り物" としての "(EPUB)電子書籍" を目指すとなれば、相応のツール/環境や、一連の基礎知識が必要となる。
自分の場合、概ねフリーソフトを利用し、中でも "EPUB エディタ:Sigil" を有難く活用させてもらっている。( ◆ 参照 ePubエディタ"Sigil"との格闘百日間ブログ!知恵袋「ePub Tips 100」"電子書籍"化! / これで Study すれば "ePub" 操作の "勘所" に "感電" できる! / eBooks 街角書店の書棚 )
贅沢を言えば切りがないが、"EPUB エディタ:Sigil" が使いこなせるようになれれば、まずまずの "(EPUB)電子書籍" を制作することが可能だと断言できる。
が、もしこうした "フリーソフト路線" が嫌ならば、有料ソフト購入に投資するしかない。ただし、最新の "EPUB" 規格対応のソフトだとかなり高額出費となる。
そうした中で、比較的お手頃価格のものを探すとしたら、下記引用サイト記事:誰でも「創作者」に 電子書籍時代に対応、一太郎が進化 ジャストシステム、「一太郎2013 玄」発表/日本経済新聞 Tech Frontline/2012.12.04 に目が向く。
<個人でも簡単に電子書籍を作成できる機能を拡充、「個人向け電子書籍作成環境のデファクトスタンダード(事実上の標準)を目指す」>との意気込みはそれとして、関心を向けてみたいのは以下の二点だ。
1.<米アマゾン・ドット・コムの電子書籍サイト「Kindle(キンドル)ストア」に対応した自費出版サービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング(KDP)」について、来春にも対応する>点。
この点については、"セルフ・パブリッシャー" を目指す "(EPUB)電子書籍" 制作者には好感されるのかもしれない。
2.<電子書籍のファイル形式である「EPUB」に出力機能を拡張し、雑誌など写真やイラストを多用する電子書籍も作りやすくしたこと>
これは、従来からサポートされていた<「リフロー型」>( ところてん方式 )に加えて、<「固定レイアウト型」>をサポートすることで目指される。
仮にも "(EPUB)電子書籍" を制作した経験がある人ならば、次のような "不具合" に悩んだことがあるはずだろう。
<リフロー型は文章を中心とした文芸作品の電子書籍には向いているが、写真やイラストの多い雑誌などでリフロー型を使うと、端末上で写真や文章がばらばらになってしまう> 現象!
この点の解消を狙ったのが<「固定レイアウト型」>ということになるわけだ。
まだリリース前なので、使い勝手のほどは何とも言えないが、個人での "電子書籍" 制作を支援するツール/環境が整備されて行くこと自体は大いに歓迎すべきである......
誰でも「創作者」に 電子書籍時代に対応、一太郎が進化 ジャストシステム、「一太郎2013 玄」発表/日本経済新聞 Tech Frontline/2012.12.04
日本語ソフトで一世を風靡した「一太郎」が新たな電子書籍時代の幕開けに攻勢をかけている。ジャストシステムは4日、日本語ワープロソフト「一太郎2013 玄」を2月8日に発売すると発表した。これまで蓄積してきた日本語の入力・表現技術を武器に、個人でも簡単に電子書籍を作成できる機能を拡充、「個人向け電子書籍作成環境のデファクトスタンダード(事実上の標準)を目指す」と意気込む。
10月に日本で始まった米アマゾン・ドット・コムの電子書籍サイト「Kindle(キンドル)ストア」に対応した自費出版サービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング(KDP)」について、来春にも対応することも明らかにした。アマゾン・ドット・コムも、すでに日本で新たに低価格の電子書籍端末を発売。これまで出版社などが担ってきた校正や電子化が誰でも簡単にできるようになることで、個人の電子書籍の出版を活性化させる強力なツールとなりそうだ。
......「一太郎2013 玄」の特徴は、電子書籍のファイル形式である「EPUB」に出力機能を拡張し、雑誌など写真やイラストを多用する電子書籍も作りやすくしたことだ。
12年2月に発売した「一太郎 2012 承」もEPUB形式での出力には対応していたが、文字サイズの拡大/縮小に応じて写真やイラストの配置を自動修正する「リフロー型」のみサポートしていた。リフロー型は文章を中心とした文芸作品の電子書籍には向いているが、写真やイラストの多い雑誌などでリフロー型を使うと、端末上で写真や文章がばらばらになってしまうといった課題があった。
今回の一太郎2013では、リフロー型に加え「固定レイアウト型」も新たにサポート。固定レイアウト型は文字だけの拡大/縮小ができず、ページ全体を拡大/縮小して閲覧する形になるが、ページ上にある写真やイラストなどのレイアウトが崩れる心配がない。
開発担当者でコンシューマー事業部企画部の大野統己氏は「個人で電子書籍を出版したいと思っているユーザーのかなりのニーズをカバーできる。EPUB対応を今年発売したが、競合が出てきていない。長年、日本語のワープロソフトを開発してきたからこそできた」と語る。
新製品「一太郎2013 玄」は創作活動を支援するための機能「感太」を搭載している。...... ユーザーは「感太」の写真やイラストを自由に入れ、自分の好きなフォーマットを選び、会報や雑誌を簡単に作成することができる。
誤字脱字がある箇所を色分けして表示したり、それらを一覧表示して直接とんだりすることができる機能も盛り込んだ。最も基本的な構成の「一太郎2013 玄」の価格は2万1000円。米アップルの多機能端末「iPad」や「iPad mini」、ソニーの電子書籍端末「リーダー」などに対応する。
アマゾンの(電子書籍端末「キンドル」向け)出版サービス「KDP」に対応することで、個人で出版したいという人の潜在需要をとらえる狙い。印刷・出版業界にも影響を与えそうだ。
(電子報道部 杉原梓)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
個人での "電子書籍" 制作および販売には、課題が山積しているというのが実感である。
"制作" 自体のツール/環境の整備もさることながら、"販売方法・体制" をも視野に入れた支援体制づくりがソフトベンダーにも求められているように思えるのだが...... (2012.12.06)
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