複数の日本人も巻き込まれている "アルジェリア人質拘束事件" に関して、国内メディアの報道では、相変わらず "14邦人の安否不明"/"情報が錯綜" といった情報膠着状態が続いている。"安否情報" ゆえに正確さを期す姿勢からそうさせているのであろうか......。
そんな中で、ロイター通信( REUTERS )だけは、下記引用サイト記事/【 引用記事 1 】:アルジェリア拘束事件、邦人2人含む人質30人死亡/REUTERS/2013.01.18 08:58 JST のとおり、
<邦人2人含む人質30人死亡> という "ショッキングな事実" を報じている。<アルジェリア治安当局筋>が明かした事実だそうである。それ以上のことは依然として不明だそうだから、余計な詮索は慎まなければならない。
一方、こうした "ショッキングな事実" を踏まえた上のことと推察されるが、下記引用サイト記事/【 引用記事 2 】:アルジェリア軍の人質救出のため武力攻撃 各国に驚きと怒り/THE WALL STREET JOURNAL/2013.01.18 13:23 JST には、関係各国の反応が報じられている。
<驚きと怒り>の矛先は、<アルジェリア軍の人質救出のため武力攻撃>や、<フランス軍によるマリへの軍事介入> に向かっているかのようである。
とりわけ、"人質救出" を目指す、アルジェリア軍のその短兵急な作戦実施( 関係諸国への事前連絡無し! <アルジェリア軍による攻撃前に何ら警告は受け取らなかった、と米英両国の政府関係者は述べた> )に対しては強く "問題視" されているようである。
アルジェリアには、"急がなければならない事情" があったと指摘する声もあるが、いずれにしても、今後大きな波紋を呼びそうな気配である......。
【 引用記事 1 】
アルジェリア拘束事件、邦人2人含む人質30人死亡/REUTERS/2013.01.18 08:58 JST
[アルジェ 17日 ロイター] イスラム武装勢力によるアルジェリアのガス施設での人質拘束事件で、同国軍による救出作戦によって、日本人2人を含む人質30人が死亡した。アルジェリア治安当局筋が明らかにした。
同筋がロイターに伝えたところによると、アルジェリア人8人と少なくとも外国人7人が死亡した。日本人2人に加えて、英国人2人、フランス人1人が含まれるとしている。
武装勢力側の死者は少なくとも11人。
詳細は依然として不明で、各国政府からは苛立ちの声が上がっている。......
武装勢力は人質とともに国外に脱出することを要求。アルジェリア政府はこれを拒否し、救出作戦に踏み切った。作戦は約8時間続いたとみられる。
武装勢力側は16日未明に、アルジェリアのガス関連施設を占拠。フランスによるマリへの軍事介入停止を要求した。
フランス軍は、マリのイスラム過激派を制圧するため、1週間前から同国への軍事介入を行っている。......
今回武装勢力が占拠したガス施設は、アルジェリア国内の天然ガスの約10%を生産する重要施設。こうした施設が比較的容易に武装勢力に攻撃されたことを受けて、これまで盤石とされていた同国の警備体制への信頼が揺らいでいる。......
米セント・ジョーンズ大学のアズディン・ラヤチ氏(政治学)は「アルジェリア政府にとって大きな打撃だ。アルジェリアは石油・ガス田がある南部が経済の要だ。厳重な警備にもかかわらず、武装勢力がここを攻撃したというのは大問題だ」と述べた。
軍の救出作戦で複数の人質に犠牲者が出たことを公式に認めたアルジェリアのサイード情報相は、武装勢力の強硬姿勢を受けて、救出作戦の実施を余儀なくされたと主張。
国営アルジェリア通信(APS)によると、「テロリズムとの戦いに交渉や脅し、猶予はない」と述べ、人質の安全確保に万全を期したが、武装勢力の強硬姿勢により救出作戦の実行を余儀なくされたと経緯を説明した。
地元の関係者がロイターに明らかにしたところによると、外国人の人質のうち6人は、軍が武装勢力の車を攻撃した際に、武装勢力8人とともに死亡した。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
アルジェリア軍の人質救出のため武力攻撃 各国に驚きと怒り/THE WALL STREET JOURNAL/2013.01.18 13:23 JST
By DAVID GAUTHIER-VILLARS、CASSELL BRYAN-LOW、ADAM ENTOUS
アルジェリア政府軍が拘束された外国人約40人を救出するため天然ガス施設を攻撃し、人質の一部が死亡したことを受け、自国民を人質にとられている各国政府は驚きと怒りをあらわにし、人質の安否確認を急いでいる。
国民を拘束された米英および日本の政府は、アルジェリア政府に対して人質の解放のために武力に訴えることのないよう求めていた。これらの人質は国際テロ組織アルカイダと関係があると疑われる武装勢力が16日に拘束した。アルジェリア軍による攻撃前に何ら警告は受け取らなかった、と米英両国の政府関係者は述べた。
オバマ政権の当局者は「攻撃が始まる前、われわれはアルジェリアに対し慎重に行動するよう訴え、人質の安全を最優先事項とするよう強く求めた」とウォール・ストリート・ジャーナルに述べた。
詳細が不明の時点であれこれと言うべきではなかろう。しかし、テロに関わる人質救出においては、"人質の安全を最優先事項とする" ことが原則だと見なされはじめている現時点にあって、やはり "アルジェリア軍の作戦" は問題視されて然るべき かと見える...... (2013.01.19)
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