もともと、"為替相場" とはそうしたものなのであろうが、<円相場とは無関係なイタリア総選挙をめぐる懸念を背景に、一昼夜でドルが4円下がり......> という現象も生まれたこともあり、"円安/株高" 推移も決して安心感をもって受けとめてばかりはいられないようだ。
言うまでもなく、こうした推移の背景では、世界の "ヘッジファンド勢" が蠢いていることはよく知られている。
<著名投資家のジョージ・ソロス氏が、円の下落を見込んだ取引を通じて昨年11月以降およそ10億ドルの利益を計上した> ことも今や周知の事実となっているが、こうした "ファンド勢" の動向を視野から外すわけにはいかないのが現状か。
下記引用サイト記事:来週のドル/円は突如吹き荒れる「円買い戻し旋風」に注意/REUTERS/2013.03.01 )は、その点で、これまでの "ドル高/円安" を支えた "ファンド勢" 側の若干の変化/ファンド勢の苦境に目を向けている。
<ここから1、2円下がったら、破たんの危機にさらされるファンドが数多く存在する/ 円売り戦略に固執するファンド勢は「(ドルを)買っても買っても上がらない状況に次第に追い込まれており、かなり浮き足立っている/ リスクオフなら円高が意識されることが確認/ 中央銀行の大胆な金融緩和を背景に過剰流動性が渦巻くなか、ドル/円はリスクアセットの価格次第でいくらでも動く通貨ペアになった> と......。
来週のドル/円は突如吹き荒れる「円買い戻し旋風」に注意/REUTERS/2013.03.01
[東京 1日 ロイター] 来週の外国為替市場では、中銀の政策関連イベントが目白押しで、週末には米雇用統計を控え神経質な展開が予想される。
底流ではリスクオンムードが維持されるとの見方が多いものの、円相場とは無関係なきっかけで一気にリスクオフに傾き、円が急騰することは、イタリア総選挙で証明済みで、突然の吹き荒れる「円買い戻し旋風」に注意が必要となりそうだ。
予想レンジはドル/円が91.00─94.00円、ユーロ/ドルが1.2800─1.3200ドル。
この日は米歳出強制削減措置の発動期日だが、政府・与党と野党の溝は埋まっていない。国際通貨基金(IMF)は強制削減が発動された場合、現在2%としている2013年の米成長見通しを少なくとも0.5%引き下げる方針を表明している。
「市場はこれまでのところ安定しているが、なんらかのゴタゴタがあれば、リスクオフに傾く可能性がある」と三井住友信託銀行、マーケット・ストラテジストの瀬良礼子氏は予想する。
<ファンド勢の苦境>
外為市場では、昨年11月中旬からドルを買い続けてきた海外短期筋が、目下93―94円台で相当規模の不採算ポジションを抱えているとみられている。
「しこり(不採算ポジション)の大きさを考えれば、ドルの上値追いは厳しくなっているようにみえる」(ファンドマネージャー)という。
著名投資家のジョージ・ソロス氏が、円の下落を見込んだ取引を通じて昨年11月以降およそ10億ドルの利益を計上したことは記憶に新しい。
しかし、大手ファンドが利食い終えた市場では、「ここから1、2円下がったら、破たんの危機にさらされるファンドが数多く存在する」(外銀)との指摘が出ている。最近は「損失を取り戻すために(ドルの)押し目を必死で拾うファンドの姿が目立つ」(同)という。
しかし、G7の為替に関する緊急声明やG20の討議を経て、円売り戦略に固執するファンド勢は「(ドルを)買っても買っても上がらない状況に次第に追い込まれており、かなり浮き足立っている」(運用会社)との指摘が出ている。
前週の外為市場では、円売りストラテジーのファンド勢を悪夢が襲った。
ドルは25日の日本時間早朝に94.77円と2010年5月以来の高値を付けたが、円相場とは無関係なイタリア総選挙をめぐる懸念を背景に、一昼夜でドルが4円下がり、26日の早朝には90.85円をつけた。その後92.75円まで買い戻されたが、半日後には再び91.11円まで振り落とされた。
SMBC日興証券・金融経済調査部の為替ストラテジスト、野地慎氏は「リスクオフなら円高が意識されることが確認された」、さらに、中央銀行の大胆な金融緩和を背景に過剰流動性が渦巻くなか、ドル/円はリスクアセットの価格次第でいくらでも動く通貨ペアになったと同氏はいう。 ......
(ロイターニュース 森 佳子)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
いずれにしても、現状では、<円売りストラテジーのファンド勢> こそが "円の動向"、ひいては "日本経済の動向" の鍵を握っているようなのだから、心安らかではいられない...... (2013.03.03)
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