"パーキンソン病" といえば、かつてのTVドキュメンタリ番組で、脳内に電極を埋め込んで症状の発作を抑制するという場面を観たことがある。手の震えが止まらないという"パーキンソン病" 患者のケースであった。
また、同様の報道番組で、困難となった歩行をクスリの服用で治すというケースもあった。ただ、このケースの場合、クスリが次第に効かなくなり、服用量が増えてしまうという問題が指摘されていたのを覚えている。
いずれにしても、"パーキンソン病" は、"難病" のひとつと指定された過酷な病気である。
<脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態とし、錐体外路系徴候(錐体外路症状)を示す進行性の疾患である。神経変性疾患の一つであり、その中でもアルツハイマー病についで頻度の高い疾患と考えられている。日本では難病(特定疾患)に指定されている。本疾患と似た症状を来たすものを、原因を問わず総称してパーキンソン症候群と呼ぶ。本症はパーキンソン症候群の一つであるということもできる。>( ウィキペディア/パーキンソン病 )
そうした苦しい病気であるだけに、下記引用サイト記事:iPS臨床研究 パーキンソン病でも/NHK NEWS WEB/2013.03.01 は、"朗報" であるに違いなかろう。
またしても "iPS 臨床研究" の成果なのである。
"ネズミを使った動物実験" に成功したところであり、<早ければ3年後に患者に細胞を移植する臨床研究を実施したい>という段階だそうだ。
<ヒトのiPS細胞からドーパミンを出す神経細胞を作り、パーキンソン病の症状を示すネズミの脳に移植/ 体の片側がうまく動かず、同じ場所をぐるぐると回っていたネズミは、4か月後、症状が改善し、まっすぐ歩けるようになった> というから、当該の "神経細胞" が効果的に定着したものと見受けられる。
iPS臨床研究 パーキンソン病でも/NHK NEWS WEB/2013.03.01
体のさまざまな組織になるiPS細胞から神経の細胞を作り出し、パーキンソン病の症状を改善させることに、京都大学iPS細胞研究所のグループがネズミを使った実験で成功しました。
研究グループでは、早ければ3年後に患者に細胞を移植する臨床研究を実施したいとしています。パーキンソン病は、神経伝達物質のドーパミンを作り出す神経の細胞が減ることで起きる難病です。
京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授のグループは、ヒトのiPS細胞からドーパミンを出す神経細胞を作り、パーキンソン病の症状を示すネズミの脳に移植しました。
その結果、体の片側がうまく動かず、同じ場所をぐるぐると回っていたネズミは、4か月後、症状が改善し、まっすぐ歩けるようになったということです。
研究グループでは、動物を使った実験で具体的な治療効果が出ていることなどから、ヒトへの応用に近づいているとみていて、早ければ3年後に患者に細胞を移植する臨床研究を実施したいとしています。
高橋教授は、「動物実験の段階は終わりに近づいており、臨床研究に向けて具体的な準備を進めていく段階に入ってきた」と話しています。( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
動物実験の場合、"症状の改善" が認められるまでの期間は "4か月" というのが、早いのかどうかは分からない。だが、クスリや電極などに頼らず、"自前の神経細胞" で回復できることは何と素晴らしいことであろうか...... (2013.03.02)
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