医療従事者の"抗がん剤曝露量"とは何?"抗がん剤"は"正常細胞"にも作用するため警戒?!

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 "曝露" という言葉は、<① 他人の秘密・悪事などをあばいて明るみに出すこと。「秘密を-する」、② 直接風雨にさらされること。また,有害物質や病原菌などにさらされること。> ( Kotobank.jp )という二通りがある

 今回の表題にある "抗がん剤曝露量" の "曝露" とは、② の <有害物質や病原菌などにさらされること> なのであって、決して医療従事者が、"抗がん剤" のリスクをあばきたてたその量ということではない。

 となると、"抗がん剤" には、"さらされてはならない" と言うほどの "有害物質" が含まれている、と見なさざるを得ない。 まるで、"抗がん剤" には、"がんに対して毒をもって制す!" という響きが伴っているかのようである
......。

 図らずもそんなことに目を向けさせずにはおかないのが、今回注目する下記【 引用記事 1 】医療従事者の抗がん剤曝露量の分析など、コベルコ科研が医療分野向けの解析サービスを強化/日経テクノロジー/2014.06.25 - 21:38なのである

 <コベルコ科研は、医療分野向けの評価・解析サービスを強化する/  医療分野向けの評価・解析サービスとして、近頃引き合いが増えている事例の一つとして紹介したのが、医療従事者の抗がん剤曝露量の分析。医療現場に残留している抗がん剤を専用キットでふき取り、その箇所の残留抗がん剤量を分析するもの。近年、医療従事者の抗がん剤曝露が問題になっていることに応えるサービスである> とある。

 そこで、では、<医療従事者の抗がん剤曝露> とは一体何を意味しているのかに眼を向けてみなければならない

 下記【 引用記事 2 】抗がん薬の職業曝露 外来化学療法センターにおける抗がん剤環境曝露の現状/日本癌治療学会 が、次のように、実情を解説している

 <【 背 景 】 多くの抗がん剤は、がん細胞に対しては殺細胞作用がある一方、分裂している正常細胞に作用し、変異原性、催奇形性、発がん性がある医療従事者が抗がん剤に曝露する経路としては、エアロゾルの吸入、皮膚・目への付着、汚染された手指からの食物などを介した経口摂取などが考えられる。近年、医療従事者の抗がん剤曝露について啓発・予防が行われており、本院においても抗がん剤を安全に取り扱うための指針を作成した。しかし、医療従事者が実際どのくらい抗がん剤に曝露されているのかの調査報告は少ない>/  【 目 的 】 外来化学療法センターにおける環境中のシクロフォスファミド(CPA)フルオロウラシル(5-FU)を測定し、医療従事者の抗がん剤曝露リスクを明らかにする>/  【 結 果 】 測定箇所は全部で21箇所、うち8箇所(38%)から抗がん剤が検出された。CPAは男女トイレ床、病室入口と点滴棒下の床および看護師グローブの5箇所から検出された。特に男子トイレ床では、すべての測定日にCPAが検出され、1回平均217.6 ng/100cm2であった。5-FUは男子トイレ床、病室内PCマウス、薬剤トレイの3箇所から検出された> とある。

 これらの解説からは、"抗がん剤" が、<分裂している正常細胞に作用し、変異原性、催奇形性、発がん性がある> と述べられている点に着目すべきはずであろう。
 しかも、こうして、<医療従事者の抗がん剤曝露リスク> が調査されているのであるから、がん患者に投与された "抗がん剤" による "患者たちの正常細胞への作用"="副作用" 問題に加えて、その患者たちから排便・排尿された "抗がん剤残存物" が、周囲の医療従事者に対してもリスクをもたらしている可能性のあることが示唆されているわけだ。
 そして、これが意味するところは、その "残存物がもたらすリスク" が問題視されるほどに "抗がん剤" の作用力は、患者の患部の "がん細胞" に限定されず、"正常細胞"(患者体内および患者以外の人の )に脅威をもたらす可能性がある、ということになろう


 "抗がん剤" の恐さについては、以下の一文が参考となる

◆ 参照 "抗がん剤" の恐さ

 < この取材のとき、「抗がん剤の恐さを知るには、これを見るのがいちばんです」と出してくれたのが、5-FU という日本で広く使われている抗がん剤の医師向け添付文書でした。...... ここにはカラー頁(64頁~)で示すように、冒頭いきなり「警告」と真っ赤な文字で大書された警告文が出てきます。
 医師向け添付文書というのは、その薬物の組成、効能、用法容量などが詳しく記された文書です。その文書によると 5-FU は高度に毒性が強い薬物で、用法をまちがえると、容易に死者を出しかねないということで(実際死者は沢山出ている)、いきなり真っ赤な警告文が出てくるわけです。そして「使用上の注意」の項には、「重篤な副作用」があらわれて、「致命的な経過をたどる」可能性に注意がうながされ、つづく「重大な副作用」の項には、「激しい下痢」「壊死性腸炎」「ショック、アナフィラキシー」「白質脳症(神経麻痺)」「神経梗塞、狭心症」「急性腎不全」「間質性肺炎」「胆管壊死」などなど命が幾つあっても足りなさそうな重大な副作用がズラリと十六項目も並んでいます。それを読んだだけで、こんな薬物絶対服用したくないと思います
 これはどういう抗がん剤かというと、RNA を破壊することによって、DNA の合成を阻害する薬です。あらゆる細胞増殖は DNA の情報を RNA が外部に持ち出して、その情報をもとに RNA がアミノ酸をかき集めてきて、タンパク質を合成するという形で行われていきます。具体的な作業は全部 RNA が行います。5-FU はその RNA を軒並み破壊するわけです。5-FU を使えば、確かに DNA 合成が止められ、細胞増殖は止まります。しかし同時に、RNA 破壊で体内のあらゆる細胞の働きが止まってしまうので、とんでもなく広範な副作用があらわれるわけです。近藤さんの『新・抗がん剤の副作用がわかる本』(三省堂)によると、5-FU が属するフルオロウラシル系抗がん剤が広く使われている( 数十万人に処方され数百億円の売上げになっている )国は、世界広しといえども日本だけで、欧米では全く使用されていないといいます。......
> ( 立花隆 NHKスペシャル取材班『がん 生と死の謎に挑む』文芸春秋 2010.12.15。 なお同書は、NHK番組 "NHKスペシャル 2009年11月23日放送" と連動 )

【 引用記事 1 】

 医療従事者の抗がん剤曝露量の分析など、コベルコ科研が医療分野向けの解析サービスを強化/日経テクノロジー/2014.06.25 - 21:38

 コベルコ科研は、医療分野向けの評価・解析サービスを強化する。「第5回 医療機器開発・製造展(MEDIX 2014)」(2014年6月25~27日、東京ビッグサイト)に初めてブースを構え、インプラント材料や人工関節などの医療用材料に対する安全性試験や組成分析への対応をアピールした。......

 医療分野向けの評価・解析サービスとして、近頃引き合いが増えている事例の一つとして紹介したのが、医療従事者の抗がん剤曝露量の分析。医療現場に残留している抗がん剤を専用キットでふき取り、その箇所の残留抗がん剤量を分析するもの。近年、医療従事者の抗がん剤曝露が問題になっていることに応えるサービスである

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

【 引用記事 2 】
 抗がん薬の職業曝露 外来化学療法センターにおける抗がん剤環境曝露の現状/日本癌治療学会

演  者:佐藤 久子
所属機関:北里大病化学療法セ

【 背 景 】 多くの抗がん剤は、がん細胞に対しては殺細胞作用がある一方、分裂している正常細胞に作用し、変異原性、催奇形性、発がん性がある医療従事者が抗がん剤に曝露する経路としては、エアロゾルの吸入、皮膚・目への付着、汚染された手指からの食物などを介した経口摂取などが考えられる。近年、医療従事者の抗がん剤曝露について啓発・予防が行われており、本院においても抗がん剤を安全に取り扱うための指針を作成した。しかし、医療従事者が実際どのくらい抗がん剤に曝露されているのかの調査報告は少ない
【 目 的 】 外来化学療法センターにおける環境中のシクロフォスファミド(CPA)フルオロウラシル(5-FU)を測定し、医療従事者の抗がん剤曝露リスクを明らかにする
【 方法 】治療室や患者トイレの床、および看護師の防護服などにサンプルシートを貼付し、抗がん剤の曝露量を測定した。(分析はシオノギ分析センター株式会社)
【 結 果 】 測定箇所は全部で21箇所、うち8箇所(38%)から抗がん剤が検出された。CPAは男女トイレ床、病室入口と点滴棒下の床および看護師グローブの5箇所から検出された。特に男子トイレ床では、すべての測定日にCPAが検出され、1回平均217.6 ng/100cm2であった。5-FUは男子トイレ床、病室内PCマウス、薬剤トレイの3箇所から検出された。ナースステーション、ケモブロックガウン、キャップ、マスクでは抗がん剤の検出は認めなかった。
【 結 論 】 ガウン等から抗がん剤が検出されなかったことから、点滴接続など抗がん剤投与時の院内曝露対策は有効であると考えられたが、抗がん剤の曝露源としてトイレ(排泄尿)が重要であり、今後の対応が必要である。

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 "医療従事者の抗がん剤曝露量" という観点から気づかされるのは2点ある。
 患者たちから排便・排尿された "抗がん剤残存物" が、周囲の医療従事者に対してもリスクをもたらしている可能性が懸念されるほどの "高い毒性" が問題視されている薬が、なぜ使われ続けるのか? という点がひとつ。
 もうひとつは、"曝露量" という視点からは、"放射線被ばく量" と同様の "蓄積" という問題面もまた暗示されるが、"抗がん剤" 治療の長期継続に伴う患者体内での "毒性蓄積" による作用はどうなのであろうか? である
...... (2014.06.27)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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