"大腸がん" については、その治療法/手術法の新しい動向に関して、昨日、注目したばかりであった。
◆ 参照 当誌過去の "大腸がん" 関連記事
○ "人工肛門"回避の可能性拡大!"直腸がん"に究極の手術"ISR"!肛門括約筋を一部温存!/当誌 2014.10.21
今回注目する下記引用サイト記事 : 大腸がん増殖、仕組み解明 岐阜大の赤尾教授ら発表/岐阜新聞Web/2014.10.20 - 09:20 は、"大腸がん" を対象とはしているものの、これに限らず、他の臓器のがんにも共通する可能性がある<がんの肥大化や転移> に関わる<腫瘍血管> の、その仕組み解明! という研究成果について報じている。
この研究成果に立脚した "がん抑制の新薬" 開発が期待できるという。
<岐阜大大学院連合創薬医療情報研究科の赤尾幸博教授(62)=分子腫瘍学=らの研究グループが、大腸がんを増殖、転移させる血管(腫瘍血管)ができる仕組みを実験で解明した。がん細胞が、周辺組織の遺伝プログラムを変化させる物質(マイクロRNA―1246、同―92a)が入った微小なカプセルを放出し、周囲の正常な細胞を腫瘍血管に変えることを突き止めた。/ 赤尾教授によると、カプセルを介して腫瘍血管ができる仕組みを証明したのは他の臓器のがんを含めて初めてで、大腸以外にも共通する可能性があるという。赤尾教授は「カプセル放出を抑える新薬が開発できれば、腫瘍血管ができず、がんの肥大化や転移が抑制され、がんと共生できるようになる」と強調。がん細胞を殺す際に正常な細胞も傷つける抗がん剤とは違う、体に優しい創薬につながる可能性を示した。 腫瘍血管は腫瘍の中や表面に走る特有の血管網で、その血管ができることでがん細胞に栄養が供給され、肥大化する。正常な血管とつながると、骨や肝臓など他の臓器にがんが転移する要因になる。/ カプセルは「膜小胞」と呼ばれ、直径10~100ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)と100~400ナノメートルの2種類。マイクロRNAなどの遺伝物質を包み、免疫で攻撃されるのを防ぐ働きをする。 実験では、がん細胞が放出したカプセルを培養液から遠心分離で抽出。これをヒトの血管の元になる細胞(血管内皮細胞)に与えると腫瘍血管が形成された。また、マイクロRNA―1246と同―92aのみを血管内皮細胞に注ぐと、さらに細かい腫瘍血管網が作られた。 カプセル内には200~300種類のマイクロRNAが含まれるとされる。赤尾教授らはこれまでの研究で、大腸がん患者のがん切除手術前後の血液中のカプセル内マイクロRNAを比較。切除後は1246と92aの濃度が著しく下がったことから、がんを早期に発見できるバイオマーカー(指標)になる可能性があるとして注目していた。> とある。
大腸がん増殖、仕組み解明 岐阜大の赤尾教授ら発表/岐阜新聞Web/2014.10.20 - 09:20
岐阜大大学院連合創薬医療情報研究科の赤尾幸博教授(62)=分子腫瘍学=らの研究グループが、大腸がんを増殖、転移させる血管(腫瘍血管)ができる仕組みを実験で解明した。がん細胞が、周辺組織の遺伝プログラムを変化させる物質(マイクロRNA―1246、同―92a)が入った微小なカプセルを放出し、周囲の正常な細胞を腫瘍血管に変えることを突き止めた。
赤尾教授によると、カプセルを介して腫瘍血管ができる仕組みを証明したのは他の臓器のがんを含めて初めてで、大腸以外にも共通する可能性があるという。赤尾教授は「カプセル放出を抑える新薬が開発できれば、腫瘍血管ができず、がんの肥大化や転移が抑制され、がんと共生できるようになる」と強調。がん細胞を殺す際に正常な細胞も傷つける抗がん剤とは違う、体に優しい創薬につながる可能性を示した。
腫瘍血管は腫瘍の中や表面に走る特有の血管網で、その血管ができることでがん細胞に栄養が供給され、肥大化する。正常な血管とつながると、骨や肝臓など他の臓器にがんが転移する要因になる。
カプセルは「膜小胞」と呼ばれ、直径10~100ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)と100~400ナノメートルの2種類。マイクロRNAなどの遺伝物質を包み、免疫で攻撃されるのを防ぐ働きをする。
実験では、がん細胞が放出したカプセルを培養液から遠心分離で抽出。これをヒトの血管の元になる細胞(血管内皮細胞)に与えると腫瘍血管が形成された。また、マイクロRNA―1246と同―92aのみを血管内皮細胞に注ぐと、さらに細かい腫瘍血管網が作られた。
カプセル内には200~300種類のマイクロRNAが含まれるとされる。赤尾教授らはこれまでの研究で、大腸がん患者のがん切除手術前後の血液中のカプセル内マイクロRNAを比較。切除後は1246と92aの濃度が著しく下がったことから、がんを早期に発見できるバイオマーカー(指標)になる可能性があるとして注目していた。
今回の成果の論文は9月、国際科学誌「Biochimica et Biophysica acta」のオンライン版に掲載された。
上記記事では、<がん細胞を殺す際に正常な細胞も傷つける抗がん剤とは違う、体に優しい創薬につながる可能性> を持つものという企図が語られている。
その "副作用" が定評となっている "抗がん剤" とは異なる "がん治療薬" の開発が待ち望まれる...... (2014.10.22)
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