今回注目する下記引用サイト記事 : ノーベル賞決定で「オプジーボ」の相談殺到、専門家は使用条件や副作用への理解訴え/yomiDr.ヨミドクター/2018.10.11 は、 <今年のノーベル生理学・医学賞に 本庶佑 ・京都大学特別教授が決まった後、受賞理由の成果を活用したがん治療薬「オプジーボ」の使用に関する問い合わせが病院や患者団体に相次いで寄せられている。専門家たちは、オプジーボが使えるのは一定の条件を満たす患者に限られ、重い副作用が起きる可能性もあることを説いており、過度な期待は禁物だ。 (米山粛彦)> と報じている。
<......■ 「手術よりオプジーボのほうが治るのでは?」などと連日問い合わせ 「手術を受けるよりオプジーボを使ったほうが治るのでは?」「自分はなぜ使えないのか」。国立がん研究センター(東京都)の電話相談窓口には、連日約20件の問い合わせがあり、今月1日の受賞決定後、オプジーボに関する内容が増えた。 窓口では看護師や薬剤師ら2~3人が対応する。「手術は、がんを取り除ける、早期のがんに有効な治療法。一方、薬のオプジーボでは、がんを全て除去できるとは限らない」と説明する。 オプジーボは免疫細胞にかけられたブレーキを外し、がんを攻撃できるようにする働きを持つ。米国の研究チームは2017年春、進行した肺がんの患者に使用したところ、5年生存率が16%に上ったと発表した。従来の薬の治療法では5年の生存はほとんど期待できなかっただけに、医療関係者から驚きの声が上がった。 ■ 7種類のがんに保険適用 ただし対象になる患者は限られる 肺がんや胃がんなど7種類のがんにオプジーボは保険適用されているが、使用にはほとんどで「手術できない」「再発または転移した」などの条件が付き、一部の患者のみを対象にしている。国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長は「どのがんでも、効果が表れるのは患者の2~3割とされる。全員ではない」と指摘する。 筋力が下がり呼吸も難しくなる重症筋無力症に加え、大腸炎、間質性肺炎、1型糖尿病などの副作用を起こすリスクもある。 ■「自由診療で免疫療法を受けたい」との相談も 効果未確認の治療に注意促す 患者団体「卵巣がん体験者の会スマイリー」には、1週間で20件近い問い合わせがあり、「(保険適用外の)自由診療で免疫療法を受けたい」という内容も含まれていた。ある女性からは「再発したくない。免疫療法は効くのだろうか」と相談された。 免疫の働きを活用するがんの治療法には、かけられたブレーキを外し免疫細胞に本来の力を発揮させるオプジーボのような方法のほかに、免疫細胞を増やしたり活発化させたりする方法がある。 自由診療のクリニックでは、免疫細胞の増殖や活発化を目指す方法や、オプジーボを規定より少ない量を使う方法、両方を組み合わせた方法などがとられている。費用はすべて患者の自己負担で、数百万円を請求されるケースもある。スマイリーの片木美穂代表は相談してきた人に、オプジーボはまだ卵巣がんには保険適用外であることを伝えたうえで、「自由診療では、人を対象にした臨床試験で効果が確認されていない手法が多く実施されている。むやみに飛びつけば治療の機会を失う恐れがある」と訴えている。 国立がん研究センターは免疫を使う治療法に関する情報を ウェブサイトに載せている。若尾センター長は「情報を集めたうえで、まずは主治医に相談してほしい。医師の説明に納得がいかない、他の治療法を望むという場合は、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに相談するといい」と語る。 片木代表は、患者が普段から主治医と信頼関係を築いておく大切さを説いており、「病状や治療法について絞り込んだ質問を投げかけ、対話を重ねていけば、関係を築きやすい」と話している。 オプジーボが保険適用されているがんの種類は以下の通り (2018年10月9日現在)
・悪性黒色腫
・根治切除不能または転移性の腎細胞がん
・切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
・再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫
・再発または遠隔転移を有する 頭頸 部がん
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん
・がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫> とある。
ノーベル賞決定で「オプジーボ」の相談殺到、専門家は使用条件や副作用への理解訴え/yomiDr.ヨミドクター/2018.10.11
今年のノーベル生理学・医学賞に 本庶佑 ・京都大学特別教授が決まった後、受賞理由の成果を活用したがん治療薬「オプジーボ」の使用に関する問い合わせが病院や患者団体に相次いで寄せられている。専門家たちは、オプジーボが使えるのは一定の条件を満たす患者に限られ、重い副作用が起きる可能性もあることを説いており、過度な期待は禁物だ。 (米山粛彦)
■ 「手術よりオプジーボのほうが治るのでは?」などと連日問い合わせ
「手術を受けるよりオプジーボを使ったほうが治るのでは?」「自分はなぜ使えないのか」。国立がん研究センター(東京都)の電話相談窓口には、連日約20件の問い合わせがあり、今月1日の受賞決定後、オプジーボに関する内容が増えた。
窓口では看護師や薬剤師ら2~3人が対応する。「手術は、がんを取り除ける、早期のがんに有効な治療法。一方、薬のオプジーボでは、がんを全て除去できるとは限らない」と説明する。
オプジーボは免疫細胞にかけられたブレーキを外し、がんを攻撃できるようにする働きを持つ。米国の研究チームは2017年春、進行した肺がんの患者に使用したところ、5年生存率が16%に上ったと発表した。従来の薬の治療法では5年の生存はほとんど期待できなかっただけに、医療関係者から驚きの声が上がった。
■ 7種類のがんに保険適用 ただし対象になる患者は限られる
肺がんや胃がんなど7種類のがんにオプジーボは保険適用されているが、使用にはほとんどで「手術できない」「再発または転移した」などの条件が付き、一部の患者のみを対象にしている。国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長は「どのがんでも、効果が表れるのは患者の2~3割とされる。全員ではない」と指摘する。
筋力が下がり呼吸も難しくなる重症筋無力症に加え、大腸炎、間質性肺炎、1型糖尿病などの副作用を起こすリスクもある。
■「自由診療で免疫療法を受けたい」との相談も 効果未確認の治療に注意促す
患者団体「卵巣がん体験者の会スマイリー」には、1週間で20件近い問い合わせがあり、「(保険適用外の)自由診療で免疫療法を受けたい」という内容も含まれていた。ある女性からは「再発したくない。免疫療法は効くのだろうか」と相談された。免疫の働きを活用するがんの治療法には、かけられたブレーキを外し免疫細胞に本来の力を発揮させるオプジーボのような方法のほかに、免疫細胞を増やしたり活発化させたりする方法がある。
自由診療のクリニックでは、免疫細胞の増殖や活発化を目指す方法や、オプジーボを規定より少ない量を使う方法、両方を組み合わせた方法などがとられている。費用はすべて患者の自己負担で、数百万円を請求されるケースもある。スマイリーの片木美穂代表は相談してきた人に、オプジーボはまだ卵巣がんには保険適用外であることを伝えたうえで、「自由診療では、人を対象にした臨床試験で効果が確認されていない手法が多く実施されている。むやみに飛びつけば治療の機会を失う恐れがある」と訴えている。
国立がん研究センターは免疫を使う治療法に関する情報を ウェブサイトに載せている。若尾センター長は「情報を集めたうえで、まずは主治医に相談してほしい。医師の説明に納得がいかない、他の治療法を望むという場合は、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに相談するといい」と語る。
片木代表は、患者が普段から主治医と信頼関係を築いておく大切さを説いており、「病状や治療法について絞り込んだ質問を投げかけ、対話を重ねていけば、関係を築きやすい」と話している。
オプジーボが保険適用されているがんの種類は以下の通り (2018年10月9日現在)
・悪性黒色腫
・根治切除不能または転移性の腎細胞がん
・切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
・再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫
・再発または遠隔転移を有する 頭頸 部がん
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん
・がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
京都大の本庶佑(たすく)特別教授のノーベル医学生理学賞受賞で、「オプジーボ」と「免疫療法」への関心が大きく高まった。 が同時に、「オプジーボ」に対する、過剰な "期待"、少なくない"誤解"のあることが懸念されている。 また、紛らわしい従前からの"自由診療領域"の免疫療法なども警戒すべきではないか、と。 <「自由診療では、人を対象にした臨床試験で効果が確認されていない手法が多く実施されている。むやみに飛びつけば治療の機会を失う恐れがある」> と...... (2018.10.12)
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